村上友里2022年2月24日 13時46分 プロボクシング元世界王者の亀田興毅氏と2人の弟らが、日本ボクシングコミッション(JBC)から受けた「不当な処分」で試合ができなくなったとして、JBCなどに約6億6千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が24日、東京高裁であった。石井浩裁判長は、処分を違法としJBC側の賠償責任を認めた一審・東京地裁判決を追認した。賠償額は、一審判決の計4550万円から増額した。 亀田氏側が「不当な処分」と訴えたのは、JBCが2014年に亀田ジムの会長とマネジャーのライセンス更新をしないとした処分。これによって亀田氏3兄弟は国内で試合ができなくなったとしている。 JBC「亀田氏側が混乱を生じさせた」と主張 この処分は、13年に国際ボクシング連盟(IBF)スーパーフライ級王者だった次男の大毅氏と世界ボクシング協会(WBA)同級王者が戦った王座統一戦をめぐる亀田氏側の対応を問題視したものだった。この試合前日にWBA王者が計量で失格となり、IBF側は当初、「大毅氏が敗れた場合は王座は空位」と発言した。実際の試合で大毅氏は敗れたが、試合後に亀田氏側とIBF側が試合前日の発言を覆し「王座は維持」と訂正して大毅氏は王座を維持。これに対し、国内で開催される全てのプロボクシング試合を統括するJBC側は「混乱を生じさせJBCの信用を傷つけた」と判断して処分を下したという。 亀田氏側はこれまでの訴訟で、試合後の会見について「JBCに事前相談をする時間的な余裕はなく義務があったとはいえない」とし、処分の理由にはならないと主張していた。 一審判決、JBC処分は「違法」と認定 20年の一審・東京地裁判決は、試合後の会見は「正確な情報を発表したにすぎない」と指摘。「信用が傷ついたとすれば十分に確認しなかったJBCに原因がある」とし、ライセンスの更新を認めない処分について「社会通念上相当性を欠き違法」と結論づけた。 損害額については、処分がなければ3兄弟は14年中に少なくとも1試合ずつそれぞれが行うことができたとし、前年の1試合平均のファイトマネーに相当する額を損害と認めた。 JBC側は一審判決を不服として控訴し、亀田氏側も賠償額を不服として控訴していた。(村上友里) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
従うしかなかった先輩からの性暴力 甲子園を目指した野球部の寮で
真剣に甲子園を目指していた。あのころの自分には、野球がすべてだった。 関東地方に住む60代の男性は嫌悪感をずっと抱き続けてきた体験がある。 野球の強豪校に入学すると、数十人の部員が生活する合宿所に入った。監督夫妻と一緒に生活しながら、練習に励んだ。 子どもへの性暴力第6部⑩ イラスト・朝岡遊 部では先輩の言うことには絶対服従だった。何を言われても「はい」と答えなくてはならない。「いいえ」、あるいは「なんと言いましたか?」と聞き直しても、拳が飛んできた。 放課後の練習を終え、合宿所に戻って夕食。午後10時ごろまでの素振りが日課だった。 子どもたちの心身とその後の人生を脅かす性暴力について考える企画「子どもへの性暴力」第6部は、子どもたちの間で起こる性暴力について取り上げます。 素振りをしていると、特定の先輩によく声をかけられた。 「午後11時ごろ、来て」 マッサージの依頼だった… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
エシカル消費「投票」で踏み出す一歩 コメダ、ローソンともコラボ
地球環境や人、社会に配慮した商品やサービスを積極的に選ぶことで社会問題の解決を図る「エシカル消費」。なんとなくハードルが高く感じるけど、ふだんの買い物でつながるのなら、一歩を踏み出しやすいはず。 東京・表参道のショップ&カフェ「imperfect(インパーフェクト)表参道」が始めた参加型投票「Do well by doing good.」は、エシカル消費に気軽に参加できる仕組みだ。 大手企業も注目するこの仕組みについて、同社創業メンバーの佐伯美紗子・マーケティング部長に聞いた。 魚を与えるのではなく、釣り方を共有する 表参道ヒルズにあるインパーフェクト表参道の店内。農家の自立や生産地の環境保全といったサステイナブル(持続可能)な取り組みで生産された素材を使うチョコレートやナッツ、コーヒーなど「ウェルフード&ドリンク」が並ぶ一角に、三つのプロジェクトの投票ボックスが置かれている。 「コートジボワールのカシューナッツ農園での養蜂プロジェクト」 「コロンビアのコーヒー農家の生活安定をめざすトウモロコシ栽培支援」 「ガーナの女性の経済的な自立支援」 この三つから選び、お店で買い物をするともらえる投票チップを入れる。最も支持を集めたプロジェクトを、同社が売り上げの一部を拠出して支援する。 投票は、2019年7月のオ… この記事は有料会員記事です。残り1539文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
MLB sets Monday deadline for season to start on time
Major League Baseball will cancel games if a labor agreement being negotiated with its players is not finalized by Monday, a league source said. “The deadline is the deadline,” the source told Reuters on Wednesday. “After Feb. 28 games will be canceled. Missed games are missed games and salary will […]
謝罪の手紙、震える手で書いた 帰国かなわなかった技能実習生の悔悟
「どうもこんにちは」 そのベトナム人男性は昨年10月、東京都内にある出入国在留管理庁の施設でアクリル板越しに記者に一礼した。母国へと強制送還される直前のことだった。 ベトナム人男性が強制送還前に収容された出入国在留管理庁の施設=2022年1月21日、東京都港区、田中紳顕撮影 技能実習生として来日してから約3年。男性はホッとしたような表情で「やっと帰国できます」と切り出し、日本での体験を語り始めた。 「3年の辛抱」の果てに 20代前半の男性は、首都ハノイで生まれ育った。体が弱い父親は働けず、母親が寝具作りで家計を支えた。姉は早くに家を出ており、男性が両親を養う必要があった。そんな中で知ったのが技能実習だった。 日本に抱いていたイメージは「高いビルに新しい車」。技術があればベトナムで稼げると思い、仲介業者への手数料として約90万円を工面した。ベトナム政府が定める上限額(3600米ドル)の倍以上だった。半年かけて語学などを学び、2018年春、3年間の予定で来日した。 実習先は栃木県内の溶接会社で、住み込みで働いた。自室は7畳の一間。田畑に囲まれ、想像していた暮らしとは違った。職場の日本人は丁寧に仕事を教えてくれた。残業や休日勤務はなく、週末は実習生仲間と食事を作るなどして息抜きをした。 ただ、手取り約10万円の給料には不満があった。寮費と光熱費で計4万円、借金返済と仕送りで計4万円が飛び、残りは食費に消えた。 3年間の技能実習を終え、帰国を心待ちにしていた男性。その希望を打ち砕く出来事が、生活を暗転させました。 在日ベトナム人が使うSNS… この記事は有料会員記事です。残り1602文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「全国から頂いた支援を忘れない」 被災地にはためく黄色いハンカチ
東日本大震災11年を迎えるにあたり、震災遺構・中浜小学校(宮城県山元町)のそばに掲げられている「黄色いハンカチ」が23日、掛け替えられた。ハンカチは町の復興を応援してくれる国内外の人たちが送ってくれたものだ。 高さ約15メートルの柱から伸びたロープに約1千枚が風にはためく。この日、同小などで震災の経験を伝える「やまもと語りべの会」の会員ら約10人は、新たに会に届いた約400枚を、古くなったものと交換した。 「幸多かれ」「一人の笑顔は… この記事は有料会員記事です。残り404文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自動車解体の「ヤード」、無届けで経営した疑い 条例違反を初適用
自動車などを解体・保管する作業所「ヤード」を無届けで経営していたとして、埼玉県警は埼玉県杉戸町宮前、パキスタン国籍の中古自動車販売業シェイク・エムテアーズ・シャフィ容疑者(58)を県ヤード条例違反の疑いで逮捕し、24日発表した。条例違反による摘発は初めて。捜査に支障があるとして、県警は認否を明らかにしていない。 保安課によると、逮捕容疑は… この記事は有料会員記事です。残り212文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「光り物」好きの関西人、サバもお好き? 大阪でサバ「博覧会」開幕
2022年2月24日 6時00分 「サバ缶」が近年ブームになる中、更なるサバの普及を狙う「大阪サバ博2022」が23日、大阪市の阪神梅田本店で始まった。28日まで。 各地のサバずしをはじめ、サバの缶詰を使ったカレーやサバ節だしのラーメンを販売する。水道水でできるサバの養殖方法などのパネル展示もある。 「日本さば文化協会」(大阪市)の右田孝宣さんらがサバ愛を語るトークショーも。「『光り物』好きの関西人にはサバの魅力が伝わるはず」と右田さん。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大学の不祥事「書いたら退学?」 日大新聞 学生記者たちの決断
日本大学の学生新聞が1月号で、同大の前理事長が起訴されるなどした一連の不祥事を取り上げた。1、2面のほとんどを使い、緊急連載や解説記事を盛り込んだ力作だ。ただ、紙面掲載に至るまで、学生たちの心は揺れた。 日大生が編集する「日本大学新聞」の1418号(1月20日付)。全6ページのうち2ページに厳しい見出しが並んだ。 1面「再生への苦闘 疑念突き付けられた『自浄能力』」 2面「専横招いた組織風土にこそメスを」 田中英寿・前理事長(75)らが逮捕された事件の経緯や再発防止に向けた大学の動きを詳報。解説記事では大学が昨年12月に出した事件の中間報告も批判した。 「なぜ田中前理事長がそれほどの威光を持つようになったのかという最大の疑問には十分に答えていない」「前理事長が(中略)影響力を増大させた経緯だけでなく、その過程で前理事長夫人ら学外関係者が大学人事にまで干渉するようになった背景までも、本学自身の手でぜひ解明し、白日の下にさらす必要があるのではないか」 ここに至るまで、学生記者たちは悩んだ。 12月号の校了が迫っていた… この記事は有料会員記事です。残り1610文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
特注の額縁つくり続けて42年 職人気質の夫妻が閉店を決めたら…
夫妻はいま、悩みの中にいる。 夕暮れ時、西武新宿線武蔵関駅の駅前商店街を抜けた先に、ガラス戸から明かりがもれる店がある。フルオーダーで額縁を作る「アート・ヤマモト」(東京都練馬区関町北)だ。 「縁は白にできますか」。そう尋ねる女性客が持参した風景画を見て、山本律子さん(71)が額縁の素材を手際よく選んでいく。2月に東京を離れる女性の予定に合わせ、納期を早めた注文票を手渡すと、女性は笑顔で店を出ていった。店の奥にいる夫の隆志さん(76)は、額縁を組み立てる手を休めない。 隆志さんは元システムエンジニア。知人の額縁屋の仕事ぶりを見て、1980年ごろ脱サラした。最初は額縁や画材の卸しを始め、次第に自分たちで額縁を作るようになった。 持ち込まれた作品を見ながら、作家の希望を聞き、フレームや作品を囲むマットを選ぶ。手のひらに収まるミニチュアから2メートルを越えるものまで大きさは様々。図面引きや組み立てを隆志さん、仕上げは律子さんが担ってきた。 バブル期は注文が殺到した。午前2時まで仕事をして、2千万円ほど売り上げた月もある。「集中して働き、週2、3日は釣りへ行った。いい時代だった」 額縁作りは独学だ。注文を受けると、フレームの木材を裁断する。木の種類ごとに経年による収縮度合いが違うので、経験を頼りに「紙1枚」の厚さレベルで角度を調整する。木材に接着剤をつけ、1日寝かせると段差がなくなるという。 その後、作品を囲むマットを選ぶ。色や質感、幅によって絵の見え方も変わる。律子さんは「お客さんがどう見せたいかが大事。注文を受ける時にしっかり聞き取る」。 サイズや注文内容で価格は変わるが、「大体、一つ2万円以内」。メーカーの価格表を見て、より求めやすい料金を心がけてきた。 著名な画家の注文も受けるが、特別と思った仕事は一つもない。「どれも真剣に作っているから」。定型の四角だけでなく、音符や電車、教会など、作っていて楽しくなる特殊な型の注文は、腕が鳴った。そうやって、2人で42年間、店を切り盛りしてきた。 だが、コロナ禍で経営は苦しくなるばかりだ。客が1人も来ない週もあった。2人で話し合い、店舗の契約更新にあわせ、今年5月で店を閉めることにした。 閉店の知らせを聞き、テンペ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル