通訳といえば、外交やビジネスの世界で活躍するイメージがあるが、捜査の現場にも欠かせない存在だ。ふだん表に出ることのない埼玉県警の通訳人の1人が取材に応じ、外国人が絡む事件の現状を語った。海外からやってきた若者たちが「容疑者」になる背景が見えてきた。 県警や警視庁で通訳人を務めるベトナム人のグエンさん(53)は約40年前、ベトナム戦争後にボートピープルとして来日した。南ベトナムの警察官だった父への憧れから警察の通訳業務に関わるようになった。約10年前、山梨県警が募集していた通訳人に採用され、長野、栃木などの各県警を経て、今にいたる。 通訳の場面は取り調べから実況見分まで多岐にわたる。休みなく仕事が続く時期があるだけでなく、突発的な事件対応も求められる。深夜に「今すぐ来てほしい」と言われることも多い。 「ベトナム人であることが…」 「ベトナム人であることが… この記事は有料会員記事です。残り1349文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「説得」7時間、部屋着、素足のまま施設へ ひきこもり支援に司法は
「引き出し屋」と呼ばれるひきこもりの支援ビジネスをめぐって1月下旬、注目の判決があった。ひきこもっている本人の同意なく部屋から連れ出し、施設に入所させた業者や、そうした業者と契約した親に対し、東京地裁は不法行為責任を認めた。 「蜘蛛(くも)の糸をつかむような思いで裁判にたどり着いた。一歩踏み出してよかった」。判決を受け、原告の30代女性がこれまでの苦しい日々を振り返った。 始まりは2017年10月のことだった。 千葉県の住宅街にある自宅。女性によるとその日、2階の自室のベッドでまどろんでいると突然、部屋のドアが開き、知らない男たちが入ってきてこう告げられたという。「私たちと一緒に来てもらいます」 女性はその2年前からひきこもり状態で、男たちは同居の母が依頼した支援業者の職員だった。 「将来のこととか考えているの」 「働かないで親に悪いと思わないの」 男らの説得は続き7時間後、女性は都内の施設へ向かう車に乗せられていた。「恐怖で全身の震えと涙が止まらない。声もでない状態だった」。女性は当時の状況をそう語った。 男らは、ひきこもり支援施設「あけぼのばし自立研修センター」を運営していた「クリアアンサー」(東京都新宿区、19年に破産)の元従業員。業者は「支援のプロ」としてニュースやワイドショーでも繰り返し紹介されていた。 半面、自宅から連れ出す際の… この記事は有料会員記事です。残り1567文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
徳島県、過去最多の402人の感染確認 新型コロナ
徳島県は23日、県内で新たに402人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日あたりの感染者数としては今月10日の330人を上回り、過去最多を更新した。県内で確認された感染者は延べ9549人となった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ドーーン!」 団地に響いた衝撃音 自宅そばの電柱がなくなった
例えるなら、その音は、打ち上げ花火を地中に打ち込んだような音だった。 「ドーーン!」 2月1日午前2時ごろ、山崎征弘さん(77)は、そんなくぐもった衝撃音で目を覚ました。 地震だと思い、テレビに向かったが、電源が付かなかった。停電だ。暗闇のなか、なんとか懐中電灯を見つけ、恐る恐る玄関を出た。 街灯は消え、外も真っ暗だった。空は雲に覆われ、月明かりもなかった。 暗闇で何が起きているのか分からない。妻には自宅に残るよう伝えた。 懐中電灯の光に照らされて、電線が地面まで垂れ下がっているのが見えた。周囲を見回すと、30メートルほど先にあるはずの、いつも目にする電柱がないことに気づいた。 「何が起きたのか」。電柱が… この記事は有料会員記事です。残り2902文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「大きなPTA」からの脱退続々 分担金増え「加入のメリットは?」
高知市と松山市の小中学校PTA連合会(市P連)が、上部団体にあたる県PTA連合会(県P連)からの脱退を決めた。PTA活動を束ねる「大きなPTA」を巡る異例の事態。何があったのか。 「令和4年3月31日付をもって貴高知県小中学校PTA連合会を退会いたします」。昨年12月下旬、高知市P連は、こんな文面の退会届を県P連に提出した。 市P連は、県P連に加盟する県内7地区の連合会の一つだが、市内59校が加盟する大所帯で、県内の公立小中学校の児童生徒約4万3500人のうち、半数近い約2万800人の保護者が県P連から抜けることを意味する。 きっかけは、分担金の増額だった。市P連の松本憲誠会長によると、県P連に納める分担金は子ども1人につき年間80円。だが、今後は子どもの数が年々減少し、資金難になるという見通しから、今年度の県P連の総会で20円の増額が決まった。 市P連は増額に反対の立場をとってきた。原資は市内各校のPTAに保護者が支払う会費の一部。将来、さらに増額も必要とする県P連の試算に対し、現状でも先延ばしできるはずだと見解が分かれた。 総会直後の昨年6月、市P連は常任委員会を開き、参加した各校PTAの代表者らで、増額についての対応を話し合うことにした。 この時点で「脱退という選択肢は頭になかった」(松本会長)。ところが、参加者から意外な質問が飛びだした。「県P連はそもそもどういう組織なのか」「入っているメリットは何なのか」。その後の委員会でも脱退の是非がテーマとなり、疑問が続出した。 市P連によると、県P連主催の講演会には、市P連が参加費を負担すると呼びかけても保護者の参加はほとんどない。昨年のある研究大会では、市P連から運営スタッフとして出向いた1人が講演も聞き、参加者ゼロを免れたという。 脱退の動きを察した県P連は「他地区、他県とのネットワークが切れる」「国に対し日P(日本PTA全国協議会)を通しての意見提言ができない」など、脱退のデメリットを10項目以上にまとめたリストを示して説得を試みた。だが、市P連は、昨年12月に臨時総会を開き、賛成多数で脱退を正式に決めた。 県P連の仲村貴介会長は「PTAの団体にはそれぞれの役割があり、県行政への働きかけや7地区の連絡役という県P連の役割をもっと利用してほしかった」と話す。 一方、松本会長は「明日は我が身」と気を引き締める。「市P連も魅力ある活動をしなければ、各校のPTAから脱退される側になる。自分たちの活動が保護者にどのように映っているのかを意識し、運営・企画を見直していきたい」 ■県P連「相互にカバー」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
食べたいほどカワイイから食べちゃう!シマエナガが和菓子に変身
阿寒など北海道東部を中心に活動する写真家2人と、釧路市阿寒町の菓子店社長が、愛らしい姿が人気の野鳥「シマエナガ」をモデルにした和菓子を作りあげた。 その名は「しまえながのおまんじゅう」。釧路市阿寒町の自然写真家の山本光一さん(56)と河瀬幸さん(45)、菓子処松屋の松橋福太郎社長(39)の3人が「阿寒の魅力を発信したい」と1年がかりで完成させた。 真っ白な羽毛に包まれたシマエナガの体はスズメより小さく、つぶらな瞳が特徴だ。国内では北海道のみで生息し、その愛らしい姿から「雪の妖精」と呼ばれる。阿寒地域を中心に長年シマエナガを撮影し、シマエナガの写真集も出版した山本さんと河瀬さん。2人は「パッケージの写真やイラストではなく、大好きなシマエナガそのもののお菓子を地元で作ってもらいたかった」と話す。河瀬さんと面識のあった菓子職人の松橋さんが加わり、3人でアイデアを出しあって試作を重ねた。 松橋さんが最も苦労したのは… この記事は有料会員記事です。残り398文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
季節外れの「黄金のウニ」、元は駆除した厄介者 太らせて特産品に
有料会員記事 大西英正、安田琢典、高橋杏璃、古庄暢2022年2月23日 13時00分 青森県境にほど近い岩手県洋野町。漁港近くの工場は昨年末、近所に住む漁師の家のおばあちゃんたちで活気にあふれていた。小さなスプーンでウニの身をはがし、海水に満ちた容器に入れていく。「身を崩さないように丁寧に、それでもなるべく素早くね」 ウニの旬は5~8月。水産加工販売会社「北三陸ファクトリー」のこの工場には、季節外れの12月に各地の漁協から続々と届き、製品化している。この冬初めて実現した「ウニの二期作」だ。 身を取り出すため、器具でウニに穴を開ける=2021年12月27日午前10時32分、岩手県洋野町、大西英正撮影 ウニがコンブなどの海藻を食べ尽くし、藻場が砂漠のようになってしまう「磯焼け」との戦いが各地で続いている。そうしたなかで、磯焼け対策で身入りの悪い「空ウニ」をつぶすのではなく、別のところで太らせる蓄養が各地で広がっている。エサを工夫したり、出荷時期を調整したりして競い合っている。 旬の夏に負けない「冬ウニ」を この会社は岩手や北海道の10漁協に委託し、大規模な事業として取り組む。これまでは夏場に製品化していたが、北海道大などの協力を得て、夏場に沖合のウニを間引いて「冬ウニ」に育てる技術を開発。身入りがよく、色合いや味も夏と遜色のないよう育むエサを開発し、ノウハウを確立した。 磯焼けの元凶となるウニを商品に育てる取り組みが、各地で始まっています。売れ筋の海藻の種をまいたり養殖したりして、藻場を再生させる動きもあります。磯焼けとの戦いの最前線をリポートします。 パック詰めした冬ウニは、下… この記事は有料会員記事です。残り2632文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宮殿で天皇誕生日の祝賀行事 一般参賀は3年連続で中止に
天皇陛下は23日、62歳の誕生日を迎えた。天皇、皇后両陛下で祝賀行事に臨み、宮殿で秋篠宮ご夫妻や三権の長らから祝賀を受けた。新型コロナウイルス感染防止のため天皇誕生日の一般参賀は行われず、3年連続での中止となった。 宮内庁によると、陛下はこの1年もコロナで苦しむ人たちや医療従事者たちに思いを寄せ続け、感染防止対策を率先して行ってきたという。 昨年に天皇ご一家が赤坂御所から皇居に移る際、引っ越し作業中は那須御用邸(栃木県)での滞在が検討されたが、陛下は本来住居機能はない皇居の宮殿活用を提案した。国民が旅行や遠出を控えていることや、現地の人らの感染リスクを懸念したといい、側近は「国民に寄り添い、自らの行動が誤ったメッセージにならないよう気配りされている」と話す。 この1年、陛下は都外への外… この記事は有料会員記事です。残り201文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ドライブウェーから遺棄」供述 京都の殺人、遺体の捜索難航
京都府井手町の女性(当時19)が2016年10月に行方不明になった事件は、元交際相手の会社員、末海征河(すえうみせいが)容疑者(25)=同町=が殺人容疑で逮捕され、23日で1週間になった。捜査関係者によると、末海容疑者は「女性を車内で殺し、(奈良市の)若草山のドライブウェーから遺体を捨てた」と供述しているという。京都府警が山中で遺体を捜索しているが、5年が経過し、難航している。 捜査1課によると、末海容疑者は16年10月22日ごろ、当時交際していた女性を井手町内で殺害した疑いが持たれている。 捜査関係者によると、2人は前日の21日に口論し、女性が外出先の同府木津川市で一時音信不通になる騒ぎがあった。いったん帰宅したが、22日未明に、自宅近くに止めた車内で再び2人が口論する姿が家族に目撃され、女性はその後、消息を絶ったという。 同25日に家族が行方不明者届を府警田辺署に出したが、当時は事件性が低いと判断されていた。 だが、田辺署が昨年、過去の… この記事は有料会員記事です。残り246文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福徳岡ノ場、地下のマグマに別のマグマが流入か 大規模噴火の要因に
小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」で昨年8月に発生した噴火は、もともと地下にあったマグマだまりに下から別の高温のマグマが流入し、ガスや熱が供給されて引き起こされたとみられることが、海洋研究開発機構のチームの軽石の分析からわかった。論文は日本地質学会の国際誌「アイランド アーク」に掲載された。 火山の地下には、地下深くからマグマが上がってきていったん停滞する場所があり、マグマだまりと呼ばれる。噴火で出る軽石はマグマが発泡しながら激しく噴き出したものなので、成分はマグマだまりのマグマと同じことが多い。 チームは、今回の噴火で出た軽石を太平洋などで集めて成分を分析。地下のマグマだまりにあったのは、温度が約900度という比較的低温の粗面岩(そめんがん)マグマだったことが分かった。一方、一部の軽石には、約1200度という高温の玄武岩(げんぶがん)マグマもわずかに含まれていた。 マグマだまりにないはずの高温のマグマが、なぜ含まれていたのか。 チームは、地下深くから高温… この記事は有料会員記事です。残り333文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル