執行役員ら4人が逮捕される異例の事態となったSMBC日興証券の相場操縦事件。逮捕から一夜明けた5日、同社の近藤雄一郎社長は会見で深々と頭を下げた。同社は過去にもインサイダー取引で逮捕者を出しており、容疑が事実なら再び市場を裏切る行為で、さらなる信頼失墜は避けられない。 「市場の信頼を裏切るようなことになり、公正な市場の維持を担うべき証券会社として、非常に反省している」 5日午後、東京都内で開かれたSMBC日興の記者会見。近藤社長は謝罪を繰り返す一方、組織的な関与など事件の詳細に質問が及ぶと回答を避けた。結局、会見では、焦点の一つである組織的な不正だったかは分からなかった。 問題になったブロックオファーという取引は、企業の大株主などが大量の保有株を一度に売却する際に用いる。そのまま市場で売り注文を出すと株価が崩れるため、証券会社がいったん買い取り、一定の割合を差し引いて取引時間外に個人投資家らに売却する。大株主は株価への影響を抑えて売却でき、投資家は市場より安く株が買える。 証券関係者によると、大手証券では一般的な取引で「数年前からはやっている」という。背景に考えられているのは、持ち合い株の解消だ。 日本では企業が互いに株を持… この記事は有料会員記事です。残り801文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
学校の人気者、でもボロボロ一輪車 「直せるんちゃう」家族の大作戦
【兵庫】校庭の隅っこに、30台ほどの一輪車が並ぶ。昼休みになると、児童たちの間でいつも取り合いが起きるほどの人気者だ。 神戸市東灘区の市立本庄小学校。間宮華歩さん(15)も、卒業までこの「争奪戦」に加わっていた一人だ。 一輪車は自宅になく、学校だけで遊べる特別な存在。友達と手をつないで、輪を描くようにくるくると回るのが好きだった。 昼休みに乗れなかった日は、放課後に乗ろうと、教室に荷物を置いたまま運動場に走り出すなど、日々作戦を練った。 中学1年の終わりごろ。家族で夕食を食べている時に、兄・歩希(あゆき)さん(19)と思い出の一輪車の話になった。 華歩さんには、卒業後も胸にひっかかっていたことがあった。 せっかく30台あっても、使い古されてサドルが曲がっていたり、パンクしていたりするものがある。雨風にさらされてさびも付き、使えるのは数台だけになっていたことだ。 兄の歩希さんは市立科学技術高校に通い、壊れた車いすを修理して海外に届ける部活「空飛ぶ車いす研究会」に所属していた。 「お兄ちゃん。車いすを直せるなら、一輪車も直せるんちゃうん」 一輪車を通じて多くの友達ができた華歩さん。後輩たちにも同じ思いをして欲しかった。 歩希さんは「ええで」と一言。手芸店で働く母・智子さん(48)も加わって、家族で「一輪車修理大作戦」が始まった。 一輪車を直したい、と小学校に連絡し、了承を得て12台を預かった。 車輪のネジなど部品の破損があり、市内の廃品回収業者や市環境局に協力してもらった。足りない部品は、2台の一輪車を分解してかき集めた。 ボディーや車輪を補修し、車いす研究会の部員も総出で手伝った。 華歩さんは母と一緒にサドルのカバーをつくった。新聞紙で型抜きし、家や母の仕事場で余った生地を使って縫う。生地はピンクや黄色など色とりどりの模様が入ったものを使い、一台一台、心を込めた。 コロナ下や受験勉強で一時中断しつつ、作戦開始から1年経った昨年2月、10台の修理を終えて小学校に返却した。 新品のようにピカピカの一輪車に児童は大喜び。「かわいいデザインでうれしい」「毎日使っています」――。児童からの感謝の手紙が、学校を通じて届けられた。 ここまで出番なかった父は… 市教育委員会は今月3日、華… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
意識不明の女性が死亡 犠牲者は26人に 北新地のクリニック放火
2022年3月7日 2時31分 大阪市北区の雑居ビル4階のクリニックで昨年12月に発生した放火殺人事件で、大阪府警は7日、意識不明だった女性が同日未明に死亡したと発表した。司法解剖して死因などを調べる。殺人などの疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)=昨年12月30日死亡=と、事件当時心肺停止だった26人全員が死亡した。 捜査1課によると、女性は30代とみられ、7日午前0時25分ごろに死亡が確認された。事件は昨年12月17日に発生。4階の約25平方メートルが焼け、谷本容疑者と男女26人が心肺停止の状態で病院に搬送され、24人が事件発生の17日のうちに死亡、1人が同21日に死亡していた。 府警は谷本容疑者を容疑者死亡のまま殺人などの疑いで書類送検する方針。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「やっぱり佐川さんの話が聞きたい」 赤木雅子さんがいま、願うこと
森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、改ざんを強いられた近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54)の妻・雅子さん(50)が、朝日新聞の取材に応じた。夫の自死から7日で4年。国との裁判終結で真相解明の道筋が一つ閉ざされ、一時は気持ちが沈んだが、佐川宣寿(のぶひさ)・元理財局長を訴えた別の裁判に期待しているとし「佐川さんに話してほしい」と訴えた。 《国は、昨年12月に大阪地裁であった非公開の裁判手続きで「いたずらに訴訟を長引かせるのは適切ではない」として、雅子さんの損害賠償請求に応じる「認諾」をした》 始まって2分経った時、国の代理人が「認諾します」と言ったんです。裁判官は、法律書をぱらぱら見て「これだと、認諾しかないですね」と書面を受け取りました。国の代理人は「じゃあ帰ります」と出て行ってしまったんです。 不意打ちでした。何も分から… この記事は有料会員記事です。残り1133文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ウクライナ情勢、日本の食卓に影 「カニの取り合い始まっている」
鮮魚店「斉藤水産」が取り扱う国産の毛ガニ。2週間前に比べ、売値もわずかに上げたという=2022年3月3日、東京都中央区築地4丁目、山口啓太撮影 ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、日本の食卓への影響を危ぶむ声が上がっている。鮮魚店では海の幸が値上がりし、穀物の価格高騰や原油高は家計を圧迫しかねない。遠い国で起きた戦争が、身近な暮らしにも影を落とす。(山口啓太、斉藤佑介) 3日昼すぎ、東京・築地の鮮魚店「斉藤水産」で仕入れを担当する男性従業員(40)が危機感を募らせていた。「すでにカニの取り合いが始まっている」 国産のカニの仕入れ値は2週間前に比べて2割ほど上昇。情勢悪化の影響で市場に出回るロシア産のカニが減り始め、他の産地に需要が集中しているためだと男性はみる。この日は仕入れ値が上がる前より毛ガニを100グラムあたり200円ほど高く売った。店にはロシア産のサケなども並び、「今後さらに仕入れに影響するかも」と心配する。 水産白書(2020年度)によると、主な水産物の輸入相手でロシアが占める割合は、カニ61・8%、サケ・マス類9・5%、エビ3・8%と日本との結びつきは深い。欧米や日本がロシアへの経済制裁を強めるなか、海産物の取引への影響が懸念される。 鮮魚店「斉藤水産」にはロシア産のサケやウニなどが並ぶ=2022年3月3日、東京都中央区築地4丁目、山口啓太撮影 近くの老舗海鮮店「つきじかんの」取締役の飯島浩之さん(57)が懸念するのは「ウニ」だ。店で仕入れるウニの半分は、北方四島周辺でとれる「ロシア産」。品質が良く、店では「上ウニ」として売る。ロシアからの供給がなくなった場合、「上ウニ」を出せなくなったり、国産やカナダ産の値段が上がったりする可能性があるという。 かつて築地を埋めた外国人観… この記事は有料会員記事です。残り1617文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高速道路上で女性と1歳の長女、投げ出され?死亡 大阪・新名神
2022年3月7日 0時32分 6日午後6時ごろ、大阪府茨木市の新名神高速道路下り線の竜王山トンネルで、通行車の男性から「トンネル内で人が倒れている」と110番通報があった。大阪府警の捜査員らが駆けつけると、女性と女児が路上に倒れ、乗用車が道路左側の壁にぶつかって止まっていた。府警によると、倒れていたのは乗用車を運転していた中槙丈(しんじょう)さん(21)=神戸市北区道場町日下部=の妻の優さん(21)と長女の美月ちゃん(1)。2人は病院に運ばれたが、全身を強く打っており、死亡した。 高速道路交通警察隊によると、現場は片側2車線で、槙丈さんの話などによると、3人のほかに友人男性(21)と計4人で車に乗っていた。追い越し車線から左側の走行車線に車線変更した後、左側の壁に衝突し、はずみで右側の追い越し車線の壁にぶつかり、再び左側の壁に衝突したという。友人男性は軽傷だった。 府警は、槙丈さんがハンドル操作を誤り、壁に激突した衝撃などで優さんと美月ちゃんが車外に投げ出されたとみている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「悲劇が誰にも起きぬよう」ウィシュマさん一周忌法要で遺族が訴え
山下寛久2022年3月6日 19時40分 名古屋出入国在留管理局での収容中に死亡したスリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の一周忌の法要が6日、遺骨が安置されている愛知県愛西市の明通寺で営まれた。 ウィシュマさんは収容中に健康状態が悪化し、昨年3月6日に亡くなった。参列者約40人は、死亡が確認された時刻にあたる午後3時25分に黙禱(もくとう)。スリランカ仏教の僧侶が読経する中、花を捧げ、手を合わせた。 ウィシュマさんの妹、ポールニマさん(27)は法要後のあいさつで、「姉の悲劇が誰にも起きないよう、再発防止の対策を求めたい。最後まで頑張るので応援してほしい」と話した。 また、入管での外国人の処遇改善などを訴えるデモが全国各地であった。名古屋駅前でのデモに参加した大学2年本間鮎美(あゆみ)さん(20)=同県長久手市=は「責任を追及し、入管行政を根本から変える必要があることを社会全体の問題として考えたい」と話した。(山下寛久) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
太宰府天満宮で平安絵巻 重点措置最終日に2年ぶりの開催 福岡
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「男児に正座させ説教」と飲食店から通報 児相は「虐待の兆候なし」
住宅の床下に男児(5)の遺体を遺棄したとして、埼玉県警は、母親で派遣社員の柿本知香容疑者(30)=埼玉県本庄市本庄3丁目=ら3人を死体遺棄容疑で5日逮捕し、6日送検した。いずれも容疑を認めており、捜査関係者によると「3人で穴を掘って埋めた」と話しているという。 捜査1課によると、ほかに逮捕されたのは柿本容疑者と同居していた無職の丹羽洋樹(34)と内縁関係にある無職の石井陽子(54)の両容疑者。3人は共謀し1月中旬ごろ、本庄市内の住宅の床下に柿本容疑者の息子の遺体を遺棄した疑いがある。住宅には元々、丹羽容疑者らが住んでおり、昨年1月ごろから柿本容疑者と男児が同居するようになったとみられる。 本庄市役所から今月2日、「母子家庭の子どもの安否確認ができない」と県警に連絡があった。県警が3人への事情聴取に基づき、住宅を調べたところ、1階和室床下の土の中から仰向けの状態で遺体が見つかった。県警は死亡の経緯を調べている。 本庄市によると、男児は昨年… この記事は有料会員記事です。残り385文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
分散スタート、応援は拍手で ウィズコロナの試金石 東京マラソン
新型コロナの感染拡大が収まらない中、東京マラソン(東京マラソン財団主催)が6日、開催された。一般ランナーの参加は3年ぶり。出走権利のある2万5千人のうち1万9188人が参加した。参加者全員がPCR検査で陰性を確認し、3回に分けてスタートし、大規模な市民マラソンで「ウィズコロナ」が可能か試金石の大会となった。 スタート地点の都庁前では午前7時のゲート開門に合わせ、ランナーが次々と集まり始めた。参加者は大会10日前から発熱の有無など体調を専用アプリで報告し、PCR検査の検体を事前に提出して陰性であることが参加条件とされた。東京都品川区の会社員男性(49)は「感染の不安はゼロではないが、ここには陰性の人しかいないはず」。走る際はマスク着用義務はないが、「身を守るために着けて走る」と話した。 沿道での応援は自粛を要請されたが、繁華街では人だかりができた。応援の自粛を求めるプラカードを持っていたボランティアの宮川千春さん(47)は「やっぱりカードだけでは防ぎきれないのかも」。ただ、大声を出す人は少なかった。10キロ地点の御徒町付近では、江東区の自営業の女性(50)が手をたたいて夫を応援していた。「本当は少し寂しい。やっぱり大きな声の方が気持ちが届くと思うから」。声援の代わりに横断幕やうちわなどの応援グッズを使う人も多く見られた。 走り終えたランナーはどう感… この記事は有料会員記事です。残り156文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル