伊藤和也2022年3月15日 18時05分 刑事手続きの全面IT化に向けた法務省の検討会は15日、オンラインによる捜査令状の請求や発付を可能にすることなどを盛り込んだ報告書をまとめた。公判をオンラインで傍聴できるようにするかは、ネット上に公判の様子が残り続けることへの懸念などから慎重な検討を求めた。 報告書では、令状に基づく強制捜査の手続きについて、請求と発付はオンライン上で捜査機関と裁判所が電子データをやりとりし、端末に表示した令状を対象者に示すことで執行も可能にするとした。公判で検察官が被告の犯罪を証明するのに使う証拠書類の開示手続きでも、弁護人が検察庁のシステムにアクセスして電子データをダウンロードできるようにする方法を提示した。 一方、公判のオンラインでの傍聴については、移動や精神面で被害者や遺族の負担が軽減されるなどのメリットがある半面、公判の様子が録画されてネット上に半永久的に残り、証人の協力を得にくくなるといったデメリットもあるとし、慎重な検討が必要とした。 検討会は研究者や法曹三者、警察などの12人で構成。報告書を踏まえ今夏から秋には法制審議会(法相の諮問機関)で議論が始まる見通しで、法制審の答申を経て法務省は刑事訴訟法改正案などの早期の国会提出を目指す。(伊藤和也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水面に映るウクライナカラー 福岡・大濠公園で平和願う人々と連帯
ロシアによるウクライナ侵攻に抗議し、平和を願う人々との連帯を示すため、福岡市中央区の大濠公園がウクライナ国旗と同じ色にライトアップされている。 福岡県議会で、侵攻に抗議する決議が採択されたことを受けて県が企画。9日から始まり、しばらくは続けるという。 日没後、公園内の「中の島」… この記事は有料会員記事です。残り109文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「期間限定」のはずが…ずっと割引 脱毛器の販売でエステに措置命令
川見能人2022年3月15日 19時36分 家庭用の脱毛器の販売で期間限定の割引と表示しながら、実際には期間終了後も同様の割引を繰り返していたとして、消費者庁は15日、景品表示法違反(有利誤認)で脱毛サロンを展開する「セドナエンタープライズ」(東京都渋谷区)に対し、再発防止を求める措置命令を出した。 同庁によると、同社は昨年2月15日~3月14日の1カ月限定で、脱毛器を買った客が手元にある他社製品を同社に送った場合、「乗り換え割」と称して実質45%相当を返金すると自社のサイトで時計のイラストとともに表示。だが、期間終了後も返金額の変更はあっても同様のキャンペーンが繰り返されていた。昨年5月10日には、当日の23時59分までに脱毛器を購入すれば、美容器具のプレゼントなど計約1万5千円相当を進呈すると表示していたが、同様の1日限定キャンペーンは、プレゼントの商品を一部変更して5月17日まで1週間継続されており、同庁は「今買うことが得だとの誤解を与えている」と判断したという。 セドナエンタープライズは取材に対し、「法律の認識が甘かった。処分を真摯(しんし)に受け止め、法令順守の強化と再発防止に努める」と話した。(川見能人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地震による津波と違う? トンガ火山噴火の潮位変化、発生の要因は
吉沢英将2022年3月15日 19時58分 トンガ諸島の海底火山噴火によって日本で観測された潮位上昇について、気象庁の有識者勉強会は15日、噴火で発生した気圧の波(空振)が要因だった可能性があるとする報告書案をまとめた。地震で発生する通常の津波とは異なるメカニズムだとしている。 案によると、1月15日午後1時ごろに発生した噴火によって大気の乱れが生じ、これが空振として約8千キロ離れた日本へ伝わっていった。 気象衛星「ひまわり」の画像分析から、空振は午後8時40分ごろに本州付近に到達。国内では、同じ時間帯にトンガ方面から日本に向けて約2ヘクトパスカルの気圧の上昇が確認された。 この気圧上昇から30分~1時間ほど遅れて、国内で潮位の変化が観測され始めた。空振で海面が押されたことによるものとみられ、通常の地震による津波の想定到達時間よりも3~4時間ほど早かった。 勉強会はこれらの分析を今月中にも、報告書としてとりまとめる。 ただ、噴火規模と空振に相関関係は見られるものの、現時点で日本での潮位変化の大きさを予測するのは難しく、当面は海外の観測点で潮位変化を監視することが重要としている。 今回の噴火で、気象庁は15日午後7時ごろ、津波被害の心配はないと発表した。しかし、同日深夜から翌16日未明にかけて太平洋側で1メートル以上の潮位上昇を観測したことから、津波警報・注意報を出した。(吉沢英将) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
証券担保ローン訴訟、大和証券に1899万円の賠償命令 東京地裁
大和証券社員の勧めで行った金融商品の取引で多額の損失を被ったとして、埼玉県の60代の主婦が同社に約4269万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、社員の対応の一部に問題があったとして、約1899万円の支払いを同社に命じた。 この取引は、有価証券を担保にお金を借りる「証券担保ローン」による投資で、原告代理人によると、そうした投資の被害を巡る判決は初めてという。判決について大和証券は「個別案件のコメントは差し控える」(広報)としている。 判決によると、主婦は2013年、親からの相続で現金が必要となり、株などの売却を検討したが、社員に相談した結果、その証券を担保にお金を借りる「証券担保ローン」を利用。その後、このローンを投資資金にも活用し始めた。借金で買った投資信託などをさらに担保にして、計9640万円を借りた。 16年までの約3年間で、仕組み債や投資信託など46銘柄の売買を繰り返し、すべての金融資産を失った。 主婦はなぜ1億円も借りて投資を繰り返したのか。こうした取引は信用取引にあたらないのか。記事後半では、主婦本人や代理人弁護士への取材も紹介しています。 武部知子裁判長は、主婦が投資の仕組みやリスクに関する知識はあったとしたが、担保価値が大きく下がった際、証券の売却で全額返済を希望する主婦に対し、社員が「意思を変更させて、取引を継続するように誘導している」と認定。社員には全額返済を否定しないという注意義務違反があったと結論づけた。 この訴訟では、担保価値が変… この記事は有料会員記事です。残り766文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道、まん延防止延長要請せず 医療状況が改善、旅行割引再開へ
21日まで北海道に適用されている新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」について、道は15日、さらなる延長を国に要請しないことを決めた。新規感染者が減少し、病床使用率も下がっていることから判断した。国は週後半に解除を決定する見通し。 15日は道内で新たに1196人の感染が確認された。うち札幌市は433人で、約2カ月ぶりに500人を下回った。死者は10人。クラスター(感染者集団)は8件発生した。 道は15日夕の対策本部会議で、重点措置の適用を21日の期限で終了し、延長を要請しないことを決め、国に文書で伝えた。鈴木直道知事は会議後、報道陣に「社会経済活動の回復に向けた取り組みも感染対策を徹底した上で進めていかなければならない」と述べ、旅行割引「どうみん割」や交通割引「ぐるっと北海道」、「Go To イート」を早期に再開する意向を明らかにした。 オミクロン株による感染「第… この記事は有料会員記事です。残り343文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
再審無罪、確定しても検察の「違法」認めず 大阪地裁判決の理由とは
大阪市東住吉区で1995年、女児(当時11)が焼死した火災を巡り、殺人罪などで無期懲役が確定後、再審無罪となった母親の青木恵子さん(58)が国と大阪府に計約1億4500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、大阪地裁であった。本田能久裁判長は「社会通念上、相当と認められる限度を超えていた」として警察の捜査は違法だったと認め、府に約1200万円の賠償を命じた。 一方、検察については違法性を認めず、国への請求を棄却した。青木さん側は控訴する方針。 青木さんは、保険金目的で放火して娘を殺害したなどとして逮捕・起訴され、殺人罪などで2006年、無期懲役の判決が確定。大阪地裁の再審で16年、火災は自然発火の可能性があり、捜査段階の自白は誘導された疑いがあるとして無罪判決を受け、確定した。 本田裁判長は、府警の警察官… この記事は有料会員記事です。残り1512文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
千葉・神奈川・埼玉も解除へ 3県とも時短・酒類提供は緩和の方針
21日に期限を迎える新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置について、千葉県は15日、期限での解除を政府に求めた。解除されれば、県は飲食店に要請している時短営業や酒類提供の制限は緩和する方針。 県内の新規感染者数は、2月に過去最多の6603人を記録して以降、直近では2千人台まで減少。病床使用率も70%近くから50%台まで低下した。酸素投与を必要とする中等症以上の患者数も含め、いずれも低減傾向が続いている。 解除の要望書を政府に提出した後、熊谷俊人知事は報道陣に対し「(国が示した)解除の基準に達していると判断した」と述べた。 解除後の対応としては、「国の基本的対処方針を見ながら確定したい」としつつも、飲食店に求めている時短営業や酒類提供の制限は「要請としてはなくなる」とした。学校などに求めている重点措置に伴う制限も、「一部緩和されるだろう」と述べた。 また、県は政府に対して、感染再拡大に備えた速やかな情報提供に加え、3回目のワクチン接種の進展に合わせた行動緩和の方針も示すように求めた。(小木雄太) 神奈川県も解除後は時短も求めず 21日に期限を迎える新型コ… この記事は有料会員記事です。残り918文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パチンコ台で「釘曲げ」か 風営法違反容疑で役員ら書類送検
加治隼人2022年3月15日 22時00分 パチンコ台の釘を勝手に調整し、玉が出る確率を変更する「釘曲げ」をしたなどとして、福岡県警は15日、パチンコ会社「ネオ・グリーン西日本」(北九州市小倉北区小文字1丁目)と役員を風俗営業法違反容疑で行橋区検に書類送検し、発表した。代表取締役の男は「利益を上げるために出玉率を調整した」と容疑を認めているという。 生活保安課によると、代表取締役(37)=小倉北区=と取締役の男(75)=みやこ町=は共謀し2021年8~12月、県公安委員会の承認を受けず、同町の店舗で、パチンコ台3台の盤面に取りつけてある釘を変形した疑いなどがある。 同課によると、パチンコ台は出玉率などが一定の規格を満たすよう検定を受けており、釘の角度などを勝手に調整してはいけない。代表取締役は「私の指示で常習的にしていた」と供述しているという。 2人はほかに、30~70代の社員ら男女8人と共謀し21年12月14日、店から客に渡した景品6点を2800円で直接買い取る「自家買い」をした疑いがあり、全員が同法違反の疑いで書類送検された。いずれも容疑を認め、代表取締役は「経費を削減したかった」と供述しているという。 風営法はパチンコ店が客から景品を買い取って現金を渡す行為を禁じており、店とは独立した景品買い取り所、卸問屋を介して取引する。県警は、今回の法人が実質的に景品買い取り所を経営していると捉え、直接の買い取り行為に当たると判断した。(加治隼人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌市の冬季五輪招致、意向調査で賛成方向が過半数 結果公表へ
2030年冬季五輪・パラリンピックの招致を目指す札幌市による市民・道民への意向調査で、開催の賛否について「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答した人が「反対」「どちらかといえば反対」を上回ったことが15日、わかった。市は意向調査結果のうち、開催の賛否についての速報値を16日公表し、秋元克広市長が会見で説明する。 意向調査は3月2~14日、市民・道民計1万7500人を対象に行われた。内訳は、札幌市民1万人への郵送調査、札幌市民2千人と市外の道民3千人へのインターネット調査、道内各地の映画館での2500人への街頭調査の3種類。 意向調査では五輪開催の賛否や理由を尋ねたほか、大会概要案に掲げた開催意義や施設整備費、大会運営費などについてどの程度知っているかも聞いた。 市は開催の賛否に関する速報… この記事は有料会員記事です。残り260文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル