タイムカードの書き換えに、月100時間超の残業……。社会全体で働き方改革が進むなか、学校現場では労務管理の意識がまだまだ希薄だ。なぜ学校は変わらないのか。200以上の学校、教育委員会の業務改善に関わってきたワーク・ライフバランスの小室淑恵社長に背景と改善策を聞いた。 ――学校で働き方改革が進まない理由は。 大きいのは、保護者との関係です。私たちがコンサルティングをする際、まずは教職員に集まってもらって会議を開き、職場の仕事を全て書き出して、減らせないか、外部に移管できないかを徹底的に考えます。その際、先生方から必ず出たのが、「保護者がどう思うか」という懸念でした。 自分たちはやめたいと思うことがたくさんあるけど、やめたら保護者に「教員が楽をするための働き方改革だ」と思われるのではないか。考えた末、どれもやめられないという状況だったんです。 ――どう対処しましたか。 ある学校では会議に保護者も入ってもらいました。すると、保護者は先生たちが子どもに向き合う余裕がない状況を実感し、改革の必要性を認識してくれました。事務作業を何個クリアしたかではなく、子どもに向き合い、授業の質を上げる時間を確保する必要があるという点で保護者も先生も同じ方向を向いていることがわかったんです。 地域行事の手伝いや登校中の誘導など、むしろ保護者の側から「やめてよいのでは」と言われた業務もありました。この数年、多くの企業で働き方改革が進んで、親たちの意識も変わってきているのでしょう。 ――改革によるメリットは。 教員の長時間労働の改善にとどまらない結果が出ています。夕方以降の電話を留守番電話にした学校では教員だけでなく、保護者の改革への満足度も高いという結果が出ました。 改革をした学校の方が、そう… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「かす」にも愛を コーヒー専門店バリスタの思いが商品化
お湯を注いでコーヒーをいれた後に残る「豆かす」がもったいない――。そう考えた若きバリスタが、かすを原料に加えた再生紙を生み出した。加工してブックカバーやポーチも作り、今月から売り出している。 カフェラテのような淡い色合い。表面をゆっくり丁寧になぞると、うっすらと豆のつぶつぶを感じる。 「すごく強く爪で削ってみてください。小さな『かす』がとれますよ」 そう説明してくれたのは、発案した竹下亮さん(25)。コーヒー専門店「QoFFEE(コーヒー)」(大阪市北区)でバリスタとして働いている。 竹下さんは2年ほど前、コーヒーをいれるたびに生まれる大量のかすを前にして思い悩んでいた。何かに再利用できないか。自宅で消臭剤にしようとしても、カビが発生したり、かえって臭くなったりして、うまくいかなかった。 コーヒー豆の「かす」は捨てるしかないのか。模索する竹下さんに、思いがけない出会いがありました。 調べていくと、マスクや服な… この記事は有料会員記事です。残り677文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
流氷を背に群れるエゾシカ ウクライナ問題で緊張の北方領土周辺
北海道・根室海峡の冬の風物詩となっている流氷が、北の羅臼町から南の根室市までの一帯で接岸している。中間の標津町と別海町にまたがる日本一の砂嘴(さし)、野付半島は、流氷と16キロ離れた北方領土の国後島を背景に、餌の草の根などを食べるエゾシカの群れでにぎやかだ。 平らな砂浜と湿地が細長く延びる半島は海風が強い。そのため積雪が少なく、掘り起こして食べやすいササや草の根を求め、多くのエゾシカが集まる。結氷した野付湾の岸辺はササが密生し、いくつもの群れができている。 のんびりとした景色が広がる一方、ロシアに隣接する北方領土周辺は、ウクライナ侵攻で緊張感が高まっている。 国後島では、実効支配するロシア軍施設があるラグンノエ(日本名・ニキシロ)などから中心地ユジノクリリスク(同・古釜布)までを、ロシア軍支持を訴えて住民らが車両で13日にパレードした。 択捉島でも、ウクライナに侵… この記事は有料会員記事です。残り142文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪府で1638人が感染、1人死亡 新型コロナウイルス
大阪府は21日、府内で新たに1638人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。また、90代の女性1人の死亡も確認した。 府内の感染者は延べ75万9978人、死者は計4490人になった。 コロナ以外の疾病で重症病床での治療が必要な人を含めた府内の重症病床(620床)の使用率は26・5%、軽症中等症病床(3409床)の使用率は55・2%だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ヤジ排除問題が問いかける意味とは 排除された人たちの思い
3年前の参院選で、札幌市中心部で応援演説をしていた安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばした男女2人が北海道警の警察官に排除された問題。この2人が憲法で保障された「表現の自由」を侵害されたとして、北海道に慰謝料などを求めた訴訟の判決が25日、札幌地裁で言い渡される。同じような体験を持つ人たちや専門家に、この問題が問いかける意味を3回にわたり聞いた。 問題が起きたのは2019年7月15日。安倍氏はJR札幌駅前や繁華街の札幌三越前の街頭で自民党候補者の応援演説をした。原告の2人以外にも、警備にあたる道警警察官に政治的な表現の自由を侵害されたと主張する人がいる。 道警ヤジ排除問題 2019年7月15日、JR札幌駅前で参院選の応援演説をしていた安倍晋三首相(当時)に、「安倍やめろ」と叫んだ男性(34)が、複数の北海道警警察官につかまれて移動させられた。近くで「増税反対」と叫んだ女性(26)も警察官らに排除された。その後、女性は警察官らに1時間以上ついて回られた。男性は札幌三越前でも演説中の安倍氏にヤジを飛ばし、排除された。 その日午後5時半ごろ、富永恵子さん(73)は知人らと三越前に着いた。選挙カーの上で安倍氏が演説していた。 富永さんは脇に、「老後の生活費2000万円貯金できません」と書かれたパネルを抱えていた。無言でパネルを掲げて、抗議の意思を示すつもりだった。車道の近くに立ち、パネルを掲げようとすると、車道側にいた男性警察官が両手を上げてさえぎった。「(パネルを)上げたら危ないですよ」「お守りしますので」と言われた。 富永さんらの背後では数十人… この記事は有料会員記事です。残り1170文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「電力需給逼迫警報」 JR、東京メトロは始発から通常運転の予定
2022年3月21日 23時22分 政府は21日夜、東京電力管内の電力需要が22日に非常に厳しい予想だとして「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を出し、家庭や企業に節電に協力するよう呼びかけた。 JR東日本によると、21日午後10時半現在、22日の始発から首都圏の在来線で間引き運転などの調整はしていないという。東京メトロも「現状予定はない」としている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パジャマで逃げた7歳の私、今はモデルに 「施設出身」隠さず生きる
田中れいかさん 児童養護施設のリアルを発信するモデル 7歳の夜だった。パジャマのまま四つ上の姉と東京の家を出て交番に駆け込んだ。両親は離婚し、日常的に父に「出ていけ」と怒鳴られ外に立たされた。一時保護所を経て児童養護施設へ入った。 18歳まで施設で暮らしながらバイト代をため、保育士を目指して短大に進学した。一方、モデルになりたい幼い頃からの夢をあきらめきれず、ミスユニバース大会に出るなど活動を始めた。施設出身であることは隠さなかった。「生い立ちに関係なく自分らしく生きる姿を見せたかった」 姉は施設を飛び出し帰らなか… この記事は有料会員記事です。残り325文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
種子島沖でマグロ漁船火災 乗組員1人死亡、4人が行方不明
2022年3月21日 21時54分 【動画】鹿児島県種子島沖で黒煙を上げて燃えるマグロはえ縄漁船「第51勇仁丸」=第10管区海上保安本部鹿児島航空基地提供 21日午前7時25分ごろ、鹿児島県・種子島沖を航行中のコンテナ船から「火災船を確認した」との情報を海上保安庁が受信した。第10管区海上保安本部によると、火災が起きた船には日本人を含む乗組員8人がおり、4人が救助されたがうち1人が死亡、ほか4人が行方不明という。 火災が発生したのは、高知県須崎市の会社が所有するマグロはえ縄漁船「第51勇仁丸」(19トン)。乗組員は日本人2人とインドネシア人6人。 現場は種子島から南東約185キロメートルの海上。午前7時半ごろ、インドネシア人3人が、付近を航行していたタンカーに救助された。いずれも意識があるという。そのうちの1人は、同日早朝にエンジン室のほうから爆発音が聞こえ、船室に煙が入ってきたため、インドネシア人の乗組員は全員海に飛び込んだ、と説明しているという。 午後1時半ごろには、海保の巡視船が漂流中の別の男性乗組員1人を救助したが、間もなく死亡。10管が残る4人を捜索している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
政府、初の「電力需給逼迫警報」 東電管内、22日朝からの節電要請
新田哲史2022年3月21日 22時08分 政府は21日夜、東京電力管内の電力需給が22日に非常に厳しい予想だとして、「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を初めて出した。22日朝から節電に協力するよう企業や家庭に呼びかけた。福島県沖が震源の地震で一部の火力発電所が停止しているほか、気温の低下で暖房需要の増加が見こまれるため。 現時点で見込まれる需要に対し、他の電力会社から電力の融通を受けても必要な供給力を確保できない恐れがあるという。電力の需要と供給のバランスが崩れると、大規模な停電が起きる可能性があるとしている。 東京電力と中部電力が出資する発電会社「JERA」の広野火力発電所(福島県広野町)6号機など複数の発電所が復旧していない。天候不順で太陽光発電所の発電量も低下する見通しという。 東電は不要な照明を消し、暖房温度を20度に設定するよう呼びかけている。(新田哲史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
行き場のない出所者らに住居を提供 日本自立準備ホーム協議会が発足
行き場のない、刑務所や少年院からの出所・出院者を受け入れている自立準備ホームの全国組織「日本自立準備ホーム協議会」が21日、発足した。協議会は全国447カ所のうち、まずは40カ所が参加してスタートする。4月に一般社団法人となり、今後参加団体を増やしていく。 自立準備ホームは保護観察所に登録した事業者が運営するもので、「緊急的住居確保・自立支援対策」として、2011年4月から法務省が導入した。最長6カ月まで入所でき、その間に就労や自立の支援を受ける。20年度は1719人が入所した。 満期出所者のうち4割以上は、仕事も生活資金もなく、迎えてくれる人もいないまま社会に戻っている実態がある。一方で行き場のない人は出所後の再犯率が高く、住居の確保は喫緊の課題だ。更生保護施設だけでは対応できないため、自立準備ホームの利用が広がっている。ただ、現場ではまだ自立準備ホームの存在自体のほか、活用の方法を知らない出所・出院者、支援者も少なくないという。 協議会の代表に就任したNP… この記事は有料会員記事です。残り345文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル