滋賀県選挙管理委員会の世古正委員長(79)が代表の政治団体「世古正後援会」が、2018年と20年、21年に自民党県連から計90万円の寄付を受けていたことが分かった。世古氏は元自民党県議で県連の幹事長も務めた。公平性を疑われかねないとして寄付金を返し、政治団体の解散届を県選管に提出したという。 朝日新聞の取材に対し、世古氏は「選挙運動には一切かかわっていない」と話している。 世古正後援会の18年分の政… この記事は有料会員記事です。残り560文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
早朝に響くサイレン、集う住民たち 11年前の教訓確かめる津波訓練
2022年3月11日 10時00分 東日本大震災から11年となった11日、被災地では教訓を引き継ごうとする住民たちの姿があった。 岩手県沿岸の宮古市。太陽が昇り、明るくなり始めた11日午前6時すぎ、街にサイレンが響き渡った。津波避難訓練の合図だ。 震災前から市は毎年、避難訓練を実施している。避難場所の一つに指定されている市立赤前小学校には、坂道を上って近所の人たちが早朝から集まった。 今年の訓練は、日本海溝付近を震源地とする地震が起き、大津波警報が発表されたという想定。市民は、市が指定した緊急避難場所130カ所などに向かう道のりの確認などをした。 コロナ禍の影響で避難所は開設せず、建物は開放しない形で行われた。赤前小学校では市民が校舎の入り口前に集まり、寒さを我慢していた。 久保田純子さん(44)は子どもたちと家族4人で参加。避難所から歩いて10分ほどの自宅は、東日本大震災で半壊した。子どもたちとは普段から「家に自分たちだけでいたら、どう行動するか」「どの坂を通って逃げるか」などを細かく話し合っているという。 毎年参加している佐々木チヱさん(89)は「家を出たら、近所の防災会の人が待っていて手を貸してくれた。安心して参加できた」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
責任を認めさせるまでは生きる 国や東電を提訴した男性の覚悟
【山梨】東京電力福島第一原発事故から11年。故郷を追われた人の中には、国や東電の対応に納得できず、責任を問い続ける人たちがいる。「10年経た今だからこそ」と昨年裁判を起こした避難者を訪ねた。 福島県飯舘村の元職員、菅野哲(ひろし)さん(73)。父が苦労して開拓した農地を守ろうと、退職後に農業に挑戦。野菜の栽培が順調にみえた2011年、豊かな実りをもたらしてきた土地を、突然奪われた。 40キロほど南東にある原発が爆発、高濃度の放射性物質が降り注いだからだ。その事実を研究者から耳にし、村民をすぐ避難させるよう役場に進言したが、聞き入れてもらえない。 「村の水道や焼却施設を管理した経験もあったので、何が危険なのか分かっていた。『水を止めろ』とも伝えたが、すぐに動いてもらえなかった」 国が村を避難区域に指定し、「全村避難」が始まるのに、事故から1カ月以上を要した。「国も東電も、県も村も、最初は『低線量だから安全』と言っていた。正確な情報を与えてもらえず避難が遅れ、村民は高線量の初期被曝(ひばく)を受けてしまった」 お金の問題じゃない 菅野さんは14年、事故の賠… この記事は有料会員記事です。残り991文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
仮面ライダー35人が集合 生誕50周年で企画展
【動画】生誕50周年記念 THE仮面ライダー展オープニングセレモニー=小原智恵撮影 仮面ライダーが生誕50周年を迎えたのを記念した展覧会「THE仮面ライダー展」が11日、名古屋市中区の金山南ビル(旧名古屋ボストン美術館)で開幕する。 開幕を前に10日、オープニングセレモニーが行われ、歴代のライダー35人が集合した。展覧会では1971年にテレビ放送が始まり、昭和、平成、令和と愛されてきた仮面ライダーを様々な展示から紹介する。来月10日まで。 名古屋展のスペシャルアンバサダーで仮面ライダーに出演経験のある小林豊さん(BOYS AND MEN)は「一人一人、自分の思い描く仮面ライダーは違うと思いますが、少年少女の気持ちに戻れて楽しんでもらえると思います」。(小原智恵) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道のバナナの葉はおいしいゾウ 新得の牧場と円山動物園コラボ
【動画】牧場から贈られたバナナに突進! 円山動物園のアジアゾウたち=中沢滋人撮影 乳牛のふんを利用したバイオガス発電の余熱を使ったバナナ栽培に取り組む北海道新得(しんとく)町の「友夢(ゆうむ)牧場」と札幌市の円山動物園が、バナナの葉や茎をアジアゾウの餌にする取り組みを始めた。熱帯に生息するゾウにとってバナナは大好物だが、これまでまとまった量を入手するのが難しかった。飼育環境を整えて動物の暮らしを豊かにする「環境エンリッチメント」にも役立ちそうだ。 8日、円山動物園で贈呈式があった。前日に友夢牧場の温室で刈り取られた900キロのバナナの葉や茎が運び込まれた。ゾウ舎の運動場の土に穴をあけ、茎を15本ほど立てた。 ここで飼育されている4頭のアジアゾウは2018年秋にミャンマーからやってきた。オスのシーシュはバナナの茎を見るなり、突進して数本をなぎ倒して口に運んだ。メスのパールも鼻を器用に動かしながら、茎の皮をむいて中心部分から食べていた。 牧場は16年、バイオガスプラントを整備した。発電の余熱を使って農業用ハウスでメロンの水耕栽培をする傍ら、3年前からバナナの試験栽培を始めた。厳冬期でも安定的に収穫できるようになり、昨秋から一般向けに出荷する。 バナナは実をつけたあとは枯… この記事は有料会員記事です。残り530文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「復興の象徴」でも年収400万届かず…表面化する被災地のジレンマ
東日本大震災の津波被災地では、巨額の復興予算を投じて住まいや産業の再生が進められてきた。ハードの整備が完了したいま、暮らしやなりわいをどう持続可能なものにしてゆくか。課題もみえてきた。 宮城県石巻市の牡鹿半島の付け根に、山すそを切りひらいた佐須団地がある。40戸ほどあった佐須浜集落が津波をかぶり、防災集団移転促進事業で高台につくられた。ただ、15区画のうち、いま家が立つのは8区画だけだ。 造成に時間がかかり、宅地をキャンセルして集落を出る住民が相次いだためだ。盛んだったカキ養殖を続けるのは5軒、後継ぎがいるのは2軒ほど。夫婦2人で新居を構えた本間文雄さん(69)は「いずれ佐須浜が消える」と不安顔だ。 いいニュースもある。首都圏… この記事は有料会員記事です。残り2214文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
何も聞けなかった13歳の私 記者になり祖母を訪ねたら…意外な答え
私(23)の名前の横には「仙台総局員」と書かれていた。昨年2月、まだ入社前だった会社からメールで届いた辞令だ。頭に浮かんだのは、母方の祖母が住む宮城県気仙沼市の風景だった。 11年前の東日本大震災のあと、13歳だった私は家族と一緒に気仙沼を訪れていた。当時は埼玉県に住んでいたが、母が「被災地の姿を直接見せておきたい」と考えたためだ。 電柱はなぎ倒され、あったはずの建物が消えていた。辺り一面は海水につかり田んぼのよう。川べりに死んだ大きな魚が打ち上げられ、腐臭を放っていた。海の深い藍色は変わらず、波を荒々しく岩場に打ちつけていた。 よく遊んでいた漁港近くに造られた防潮堤の上を歩く=2022年3月3日、宮城県気仙沼市 震災発生時、私は小学6年生だった。学校で掃除をしていた時に揺れ、慌てて机の下に隠れた。震度は5強。大きく揺れたものの、街に目立った変化はなかった。 ところが、気仙沼の街は津波で大きく変わってしまっていた。被災地の姿に圧倒され、祖母に津波の話を聞くことができなかった。そんな私は、昨年3月に大学を卒業し、新聞記者になった。 祖母の家は高台にあり、震災時は大きな被害はなかった。あのとき、何を思っていたのだろう。 記者として、祖母に聞いてみたいと思った。 「私の話は以上です」祖母は手をたたいて… 仙台から車で2時間ほど三陸道を走り、インターチェンジを降りる。車はうなりながら急な坂道を上る。その先の2階建ての一軒家で祖母(80)は一人暮らしをしている。 駐車中、玄関がガラガラと開… この記事は有料会員記事です。残り3348文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
沖縄・普天間基地の騒音めぐる訴訟、国に13億円の賠償命じる
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の周辺住民約3200人が米軍機の騒音で精神的苦痛を受けているとして、国に対して損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、那覇地裁沖縄支部であった。足立堅太裁判長は騒音の違法性を認定し、国に13億4274万円の支払いを命じた。 判決は、「普天間飛行場の米軍機の活動は、国民全体の利益に寄与する」と公益上の必要性があると判断。一方で「その利益のために普天間飛行場の周辺住民に、精神的苦痛の受忍を求めることは著しい不公平が生じる」と指摘した。違法という司法判断が相次いでも抜本的な対策は講じられていないとして「原告らの法的利益の侵害は限度を超えている」とした。 原告側は、これまで賠償が認められてきた航空機の騒音指標「うるささ指数(W値)」をもとに、W75の区域で日額300円、W80の区域で同500円を求めていた。だが、判決は2015年の地裁支部判決と同様、W75で日額150円、W80で日額300円を認めた。 今回の原告団は、被害の早期… この記事は有料会員記事です。残り262文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内で新たに6万1155人が感染 前週の木曜より9184人減少
自宅などで亡くなった人について、警察が事件性の確認などの対応をした事例のうち、2月中に新型コロナウイルスへの感染が確認された人が36都道府県で564人いたことが10日、警察庁への取材でわかった。月別で最も多かった昨年8月の2倍超で、オミクロン株の感染が拡大した影響とみられる。 一方、国内では同日午後8時現在、新たに6万1155人の感染が確認された。前週の木曜日(3日)より9184人少なかった。死者は189人で、重症者(9日時点)は1322人。京都府では新型コロナに感染していた10歳未満の未就学児の死亡が発表された。基礎疾患はなく、死因は不明という。2月下旬に陽性が判明し自宅療養していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
あの日の記憶とウクライナ侵攻重ねた体験者 東京大空襲から77年
本多由佳2022年3月10日 20時30分 東京大空襲から77年の10日、東京都墨田区の都慰霊堂で法要があり、空襲体験者や遺族らが犠牲者を悼んだ。一夜で10万人が命を落としたあの日の記憶と、ロシアによるウクライナ侵攻を重ね合わせる人がいた。 江東区大島周辺で空襲に遭った沖ヨシエさん(86)=同区=は当時9歳。その夜、姉に手を引かれ、どぶ川に逃げ込んだ。水位は高かったが石の上に立ち、何とか出した顔の横を、死体が流れた。水が熱かったか冷たかったか、何も感じなかった。小学5年生の兄は自宅近くの蔵に逃げたが、煙に巻かれて亡くなった。 ウクライナ侵攻のニュースに、「あんなことして、どうなるのか。焼夷(しょうい)弾や爆弾が落ちると、家なんてぱーっと燃えてしまうんですよ」と憤る。「私は経験したから、子どもたちが本当にかわいそう。戦争をしないように話し合いを進めてもらえないか」と訴えた。 現在の千葉県香取市に疎開をしていた長島政子さん(85)=江戸川区=は、実家があった錦糸町周辺への空襲で母親ときょうだい5人を亡くした。布団をかぶり、声を殺して泣いた。 いま、自身の境遇がウクライナで親を亡くした子どもに重なるという。「親との別れを思い出し、胸がいっぱいになっちゃう。何で戦争なんかあるのかな、とすごく複雑な気持ち」と声を震わせた。(本多由佳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル