今から約10年前の春、Hさんは小学校の保護者会に参加していた。 一番上の子が1年生になった時で、初めて経験する集まりに緊張していたのを覚えている。 机の上には紙が1枚ずつ置かれていて、担任教師からこう言われた。 「これから私の言うとおりに折ってください」 なになに? 今から何を作るの? 説明に合わせて、みんな一緒に折り始めた。 折ったり、切ったり、テープで貼ったり。 周りを気にして作業しながら、こんなことを考えていた。 「これであってるの? もっと丁寧にした方が良いの?」 「隣の人は知らない人だけど、見せてもらおうかな」 担任の意図がわからず、焦りや困惑もあった。 間違っちゃいけない、というプレッシャーもあった。 そうこうして出来上がったのが、高さ20センチほどの「名札」だった。 会議中、誰の保護者かわかりやすくするために作ったようだ。 完成したところで担任が、指示に合わせてみんなで名札を作った理由を明かしてくれた。 まるでミステリー小説の最後の1行で、どんでん返しをくらった時のような衝撃を受けた。 彼女はこう言った。 「ドキドキしました? うま… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
造幣局のさくら、いま咲き誇れ 手づかみから始めた「桜守」の願い
約140年前から続く大阪の春の風物詩、造幣局(大阪市北区)の「桜の通り抜け」が13日、3年ぶりに開かれる。約560メートルの遊歩道を彩る桜並木を守るのは、勲章や褒章の製造をかつて目指した一人の男性職員だ。31年前の入局からずっと、桜守として歩んできた。 「通り抜け」の歴史は、明治時代にさかのぼる。造幣局の設立から12年後の1883(明治16)年、当時の局長、遠藤謹助が「局員だけの花見ではもったいない。大阪市民と共に楽しもうではないか」と、一般公開を発案したとされる。混雑緩和のために来場者を一方通行にしたことから、「通り抜け」と呼ばれるようになったという。 造幣局では、支局を合わせると854人の職員が働く。貨幣の製造や記念貨幣の販売、地金や鉱物の分析などの部署がある。施設課では、貨幣などの製造設備の保守・点検のほか、桜の管理などを担っている。 肌寒さが和らいできた今年3月下旬、施設課の渡辺秀勝さん(49)は、ほかの職員とともに、桜の品種を説明する木製の立て札や、夜桜を照らすぼんぼりの設置に追われていた。 渡辺さんは1991年の入局時、「手先が器用だったため、勲章や褒章の製造を希望しました」。精巧な技術が求められる仕事に憧れていた。だが、実際に命じられたのは桜を管理する担当だった。 まず、課された作業は、桜を… この記事は有料会員記事です。残り1198文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
67歳、おじいちゃん保育士デビュー トラック開発の技術者から転身
大型トラックの研究開発を40年以上続けた60代の元会社員の男性が、今月から保育士として活動している。定年後は保育現場から社会に貢献したいと、新たな一歩を踏み出した。 1日に開園したさいたま市浦和区のピンクライオン保育園。子どもたちのはしゃぎ声や泣き声が響く。 3歳の男児が「はい、これどうぞ!」。黄色や赤のブロックを組み合わせた「作品」を差し出した。 「ありがとう。うまく作れたね」 ドラえもんのエプロン姿の保育士・神山俊明さん(67)=さいたま市緑区=はそう言って、笑顔で受け取った。人形を持った女児も背中から神山さんに抱きついた。 神山さんは「意外にも、すんなり子どもたちがなついてくれた。ほめてあげるとにっこり笑って、また夢中で遊び出す。可愛いね」と目を細めた。 60代で受験勉強 神山さんは大学卒業後、自動車会社の技術者として大型トラックの骨組みの設計をしていた。2014年、60歳で定年退職した。 保育士をめざそうと思ったの… この記事は有料会員記事です。残り837文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
GIGAスクール元年の生徒が入学、高校が懸念する「中高ギャップ」
2021年度は、全国の小中学校でタブレット端末やパソコンの「1人1台」を実現するGIGAスクール構想の「元年」と位置づけられた。ICT(情報通信技術)教育の環境が整った学習現場で育った中学3年生がこの4月、高校に入学した。 高校でも4月から「情報I」が必修科目になるなど、デジタル化が進むが、小中学校に比べれば遅れがちで、「中高ギャップ」が生じないかが気がかりだ。 昨年12月20日、福岡教育大付属小倉中学校(北九州市)に、福岡県立北筑高校(同)の先生13人が訪れた。 昨年末の時点で、北筑高校の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「日本一桃源郷」に春が来た…モモの花が見ごろ、菜の花とコラボも
【動画】菜の花と桃が見頃を迎えた。陽気に恵まれ、半袖姿で楽しむ人も=遠藤雅彦撮影 「モモの生産量日本一」を誇る、山梨県笛吹市の一帯でモモが開花し、辺りをピンク色に染めている。畑の一部では菜の花とも共演。訪れた人たちが散策したり、写真を撮ったりして楽しんでいた。 市観光商工課によると、市内では約25万本のモモが育てられており、市は「日本一桃源郷」としてPRしている。ここ最近暖かな日が続いたことで、例年並みに開花が進んだという。 今後は標高の高い地域へ開花… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教会で扇情的な写真を見ていた男性に怒り 姜尚中さんが説く「理解」
60代女性です。昨年、退職を機に毎週近所のキリスト教会の主日礼拝に通うようになりました。牧師のお話は新鮮で、新しい聖書の解釈に目をひらかれる思いです。 先週の礼拝中に、隣席(と言ってもコロナのために2席空けていたのですが)の、多分60~70代の男性がグラビア雑誌から切り抜いたような扇情的な女性の写真を見ていることに気づきました。私はそれに耐えられず、礼拝の終わった後にできるだけ声を潜めてその男性に、その行為は非常に不愉快です、そういったものを教会に持ってこないでください、と言いました。男性はハッとして、すみません、もうしませんとこちらの目を見て言いました。男性はこれ以上話をしたくないというふうに席を立ちました。 冷静になってみると、教会に集まる人が全て聖人君子などではないとわかっていますし、見て見ぬふりなど大人の対応もできた、その男性は一種の心の病を抱えているのかも知れず、直接話すのは良くなかった、とも思います。教会へ行くのをやめるという残念な選択はしたくありません。また、自分は正しいと思い上がっているのではないか、一体何に対して怒っているのか、など思いが胸中を駆け巡ります。 感情を整理するために、知見豊かな相談者のご意見をうかがいたいと思います。 回答者 政治学者・姜尚中さん あなたは本当に心優しい女性… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪で新たに3652人感染、死者11人確認 新型コロナウイルス
大阪府は10日、新たに3652人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。また、70~80代の男性11人が死亡していたことも新たに確認した。 府内の感染者は延べ83万2884人、死者は4817人になった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新型コロナ東京で8026人、前週の日曜日よりも127人増える
東京都は10日、新型コロナウイルスの感染者を新たに8026人確認したと発表した。前週の日曜日(3日)から127人増えた。10日までの1週間平均の感染者数は7571人で前週の99・2%だった。死者の発表はなかった。 10日の新規感染者を年代別にみると、最多は20代の1576人で、30代の1480人、10歳未満の1352人、40代の1267人、10代の1024人と続いた。65歳以上の高齢者は422人だった。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO)を使用」とする都基準の重症者数は29人だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
12年ぶりに自由に花見 福島県富岡町夜の森、立ち入り規制緩和で
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北海道名寄市長選、加藤氏が無投票で4選
本田大次郎2022年4月10日 18時30分 北海道名寄市長選が10日告示され、無所属で現職の加藤剛士氏(51)以外に立候補の届け出はなく、加藤氏が4選を決めた。 加藤氏は、新型コロナウイルスの影響を受けた地域経済の振興を訴え、道北の物流拠点整備や、「エネルギー地産地消」のための地域電力会社の設立推進を公約に掲げた。加藤氏はこの日の第一声では「コロナが収まった後は社会が大きく動く。名寄には新分野に挑戦するポテンシャルがある」と訴えていた。(本田大次郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル