松山紫乃2022年4月23日 21時54分 北海道・知床半島西部沖を航行中の観光船が消息を絶ったことを受け、熊本市を訪問中の岸田文雄首相は23日夜、当初の日程を切り上げ、自衛隊機で東京へ戻ることを決めた。事故の報告を受けるとみられる。 記者団から事故の状況を問われた首相は「今、確認中だ」とだけ述べた。首相は同日、熊本市内で開かれた「第4回アジア・太平洋水サミット」に出席。現地で1泊した後、24日には2020年7月の記録的豪雨で被災した熊本県人吉市を視察する予定だった。(松山紫乃) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知床住民「とにかく無事で」 現地「川のように流れ速くなることも」
「船が浸水している」――。北海道の世界自然遺産・知床半島を巡る乗客・乗員26人を乗せた観光船は23日午後、斜里町沖で救助を求めた後、連絡が取れなくなった。海上保安庁はヘリや巡視船で捜索を続けたが23日夜時点で、船はまだ見つかっていない。地元の住民たちは「とにかく無事で」と願った。 夜になっても詳しい情報が入らない中、知床半島の地元で漁業や観光業を営む関係者は情報収集に追われ、乗客の安否を案じた。斜里町の「知床遊覧船」の事務所には23日午後11時現在、人の姿が見られなかった。 斜里町にあるホテルの従業員は「宿泊客が乗船しているかもしれないので確認作業を進めているが、情報が集まらない」と不安そうに話した。別のホテルの営業支配人によると、宿泊客の多くが観光船を利用するという。「乗っているお客さんらが無事であってほしい」と心配する。 知床半島周辺では23日、波浪注意報や強風注意報が出ていた。斜里町のウトロ漁港の漁師瀬川康彦さん(64)は、午後から風が強くなり、現場周辺の海がしけることを予想し、漁師仲間と「昼が過ぎたらダメになるぞ」と声を掛け合って、正午ごろには港に帰ってきた。瀬川さんは「午後から波が荒れると見込まれる日に、岬まで行くのはあまりに無謀でちょっと考えられない。何とか助かってほしい」と話した。 ウトロ漁業協同組合には、海保から「知床遊覧船のエンジンが止まり、船に水が入ってきている」との情報が寄せられた。同漁協は海上での救助に向け、出発の準備を進めた。ただ、波が高く、二次被害の恐れがあるため、出航は見送り、待機していたという。 この日の海水温は3度程度とみられ、乗客の安否も懸念される。 知床半島東側の羅臼町にある「知床ダイビング企画」の関勝則社長(68)によると、沖合は23日、白波が立っていたため、ダイビング船は出ていなかったという。関さんは「海に落ちれば、低体温症になってしまう危険がある」と話した。 「流れが川のように速くなることも」 観光船が航行していた知床は… この記事は有料会員記事です。残り605文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
26人乗せた知床の観光船、夜通し捜索続く 船は過去2度の事故歴
【動画】観光遊覧船から「浸水した」と通報があった海域。海上保安庁の捜索が続いた=熊倉隆広撮影 23日午後1時13分ごろ、北海道斜里町の知床半島西部沖を航行中の観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が「浸水している」と、救助を要請する118番通報があった。第1管区海上保安本部(小樽市)によると、乗っていたのは子ども2人を含む乗客24人と乗員2人の計26人。海上保安庁の巡視船艇7隻や航空機5機などが現場に向かい、同日午後4時半から捜索を始めたが、24日午前0時現在、船体は確認できず、乗員・乗客は見つかっていないという。 船は斜里町の「知床遊覧船」が運航する小型観光船で定員は65人。斜里町ウトロ地区を出航し、世界遺産・知床半島の断崖の滝やヒグマ、オジロワシなどの野生動物を観察する計3時間のツアーの最中だった。 同本部によると、118番通報時は知床半島西部の「カシュニの滝」の沖合を航行していた。約5分後にカズワンの乗組員からあった118番通報では、「カシュニ滝のすぐそば」「船首が浸水している」「エンジンが使えない」などの報告があったという。その後、「船体が30度傾いた」という情報が同社に入ったという。 同本部は23日午後7時40分、航空自衛隊に災害派遣を要請。捜索は夜通し実施する。国土交通省は同日夜に対策本部会議を開催。斉藤鉄夫国交相は同省海事局に対し、今回の事業者に対する監査を早急に実施するよう指示した。24日朝に現地対策本部の要員を派遣するという。熊本市を訪問中だった岸田文雄首相は23日夜、当初の日程を切り上げ、自衛隊機で東京へ戻った。記者団から事故の状況を問われた首相は「今、確認中だ」と述べた。 札幌管区気象台によると、斜里町ウトロ地区の気温は23日午後1時時点で5・8度。気象台の予測では、同時点の周辺の海水温は2~3度とみられるという。北海道開発局によると、波の高さは1・9メートルだったが、午後1時半時点で約3メートルに上昇した。気象台は当時、強風・波浪注意報を出していた。 国交省によると、カズワンは昨年6月11日にも航行中に座礁。自力で港に戻るトラブルを起こしている。事故当時、乗客乗組員23人が乗船していたが、けがはなかったという。同年5月には浮遊物に衝突する事故を起こしている。 知床半島近海では2005年6月、別の会社の観光船が岩に乗り上げ、20人以上が重軽傷を負う事故があった。 知床は05年に世界自然遺産… この記事は有料会員記事です。残り64文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知床沖、船影見えぬまま迎えた夜 乗員・乗客26人、懸命の捜索続く
大野正美、石垣明真2022年4月23日 23時26分 春の観光シーズンを迎えた知床半島から寄せられた突然の救助要請。23日午後1時過ぎ、「浸水している」との通報を残した観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の行方は日が暮れた後も分からないまま。船影が見えず、乗員・乗客26人の安否が気遣われる中、海上保安庁などの懸命の捜索が続いた。 不明になっている観光船「カズワン」は「知床遊覧船」(北海道斜里町ウトロ東)が運航。同社ウェブサイトによると、同船を含む観光船2隻があり、ウトロ漁港を出港し知床半島西部を巡る観光ツアーを行っていた。 運航会社の事務所はウトロ漁港近く、観光ホテルや民宿などがある区域にある。夜も海上保安庁の巡視船やヘリの捜索が続く中、事務所には明かりがともり、従業員とみられる人が何度も出入りしていた。 観光船のコースは知床半島西部を巡る3種類があり、最も長い知床岬まで行って折り返すコースが約3時間。午前10時と午後2時の出航で、「知床半島ウトロ側をくまなくお見せするコース」と紹介されていた。今回船から午後1時過ぎに「浸水している」と救助要請があった「カシュニの滝」もそのコース沿いにあった。 地元の観光業者らは安否を気遣った。 「ホテル知床」(斜里町ウトロ香川)の柳沢亨営業支配人(50)は「乗っているお客さんらが無事であって欲しい」と心配する。 ホテルは現在、冬季休業中だが、営業中は宿泊客の多くが、知床半島の自然を満喫するために観光船を利用しているという。現場海域とみられる「カシュニの滝」について、「川の水が海に流れ出る様子がきれいな人気の景勝地で、知床岬の先端まで行く際に紹介されるスポットだ」と話す。(大野正美、石垣明真) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知床の観光船、最後の連絡は午後2時17分 「浸水」通報の1時間後
2022年4月23日 23時34分 【動画】観光遊覧船から「浸水した」と通報があった海域。海上保安庁の捜索が続いた=熊倉隆広撮影 北海道・知床半島西部沖で23日、乗員・乗客26人を乗せて「浸水した」と通報があった観光船について、第1管区海上保安本部は取材に対し、船側との最後のやり取りは同日午後2時17分ごろだったことを明らかにした。浸水したとの連絡は同日午後1時13分ごろだった。 同保安本部によると、午後2時17分ごろの連絡は「子ども2人、大人22人」などの乗員に関する内容だった。その前の段階の連絡では「船首が浸水」「エンジンが使えない」「カシュニ滝のすぐそば」などの内容だったという。 また、同保安本部は捜索は夜通し継続すると説明している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夜通し捜索続く知床の観光船 118番通報からこれまでの経緯
【動画】観光遊覧船から「浸水した」と通報があった海域。海上保安庁の捜索が続いた=熊倉隆広撮影 北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船から23日午後、「浸水している」との118番通報があった。これまでの経緯をまとめた。 (最新の情報が一番上に表示されます) ■■■4月23日の経緯■■■ 22:05 海保「最後の通報は午後2時17分ごろ」 北海道・知床半島西部沖で23日、乗員・乗客26人を乗せて「浸水した」と通報があった観光船について、第1管区海上保安本部は取材に対し、船側との最後のやり取りは同日午後2時17分ごろだったことを明らかにした。浸水したとの連絡は同日午後1時13分ごろだった。 同保安本部によると、午後2時17分ごろの連絡は「子ども2人、大人22人」などの乗員に関する内容だった。その前の段階の連絡では「船首が浸水」「エンジンが使えない」「カシュニ滝のすぐそば」などの内容だったという。 また、同保安本部は捜索は夜通し継続すると説明している。 19:40 海保、自衛隊に災害派遣要請 第1管区海上保安本部は23日午後7時40分、航空自衛隊(第2航空団千歳救難隊)に災害派遣を要請し、受理された。 18:00 海保が現地対策本部を設置 第1管区海上保安本部は23日午後6時、網走海上保安署に現地対策本部を設置した。 17:30 「発見できていない」 海上保安庁によると、ヘリ1機が遭難場所に近いとみられる「カシュニの滝」周辺を捜索しているが、発見できていないという。海保によると、現地にはこのヘリを含めて、巡視船艇5隻、航空機2機を出動させている。ただ夜間になると、捜索が難しくなるという。 浸水したとみられる観光船を捜索する海上保安庁の巡視船。奥は知床半島=2022年4月23日午後6時6分、朝日新聞社機から、井手さゆり撮影 16:30 海保の回転翼機が現場付近に 第1管区海上保安本部の回転翼機は23日午後4時半、118番通報のあった観光遊覧船が航行していた現場付近に到着、捜索を始めた。 13:13 海保が対策本部を設置 北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船からの通報を受けて、第1管区海上保安本部は23日午後1時13分、対策本部を設置した。 13:13 「浸水している」と118番通報 第1管区海上保安本部によると、23日午後1時13分ごろ、北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船から、「浸水している」との118番通報があった。船は北海道斜里町の「知床遊覧船」が運航する「KAZUⅠ(カズ ワン)」で、乗員・乗客は計26人。自力航行が出来る状況かどうかは不明という。 北海道・知床沖で浸水したとみられる観光遊覧船「KAZUⅠ(カズワン)」=知床遊覧船のウェブサイトから Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知床観光船で「浸水」 118番通報からこれまでの経緯
2022年4月23日 21時25分 【動画】観光遊覧船から「浸水した」と通報があった海域。海上保安庁の捜索が続いた=熊倉隆広撮影 北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船から23日午後、「浸水している」との118番通報があった。これまでの経緯をまとめた。 ◇ 19:40 海保、自衛隊に災害派遣要請 第1管区海上保安本部は23日午後7時40分、航空自衛隊(第2航空団千歳救難隊)に災害派遣を要請し、受理された。 18:00 海保が現地対策本部を設置 第1管区海上保安本部は23日午後6時、網走海上保安署に現地対策本部を設置した。 17:30 「発見できていない」 海上保安庁によると、ヘリ1機が遭難場所に近いとみられる「カシュニの滝」周辺を捜索しているが、発見できていないという。海保によると、現地にはこのヘリを含めて、巡視船艇5隻、航空機2機を出動させている。ただ夜間になると、捜索が難しくなるという。 16:30 海保の回転翼機が現場付近に 第1管区海上保安本部の回転翼機は23日午後4時半、118番通報のあった観光遊覧船が航行していた現場付近に到着、捜索を始めた。 13:13 「浸水している」と118番通報 第1管区海上保安本部によると、23日午後1時13分ごろ、北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船から、「浸水している」との118番通報があった。船は北海道斜里町の「知床遊覧船」が運航する「KAZUⅠ(カズ ワン)」で、乗員・乗客は計26人。自力航行が出来る状況かどうかは不明という。 13:13 海保が対策本部を設置 北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船からの通報を受けて、第1管区海上保安本部は23日午後1時13分、対策本部を設置した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「意識一つで守られる命ある」 遺族らの願い 京都・亀岡暴走10年
大切な人が奪われたあの日から、10年が経った。京都府亀岡市で集団登校中の小学生らの列に車が突っ込み、10人が死傷した事故の遺族らは、それぞれに苦悩を抱えながら少しずつ前に進んできた。23日、遺族らは事故現場で法要を営んだ後、京都市内でシンポジウムに参加し、「ドライバーの意識一つで必ず守られる命がある」と悲惨な事故を繰り返さぬよう訴えた。 春の匂い、暖かい陽気が嫌になる。事故の記憶がよみがえる、つらく苦しい季節。「昨日のことのように思い出す。遺族には区切りはない」。小学2年生の次女、小谷(おだに)真緒さん(当時7)を亡くした高田絵里さん(40)はこう話す。けれど、真緒さんの姉妹の支えで、少しずつ前へ向こうと思えるようになった。 「ママ、よー頑張ったね」。事故から9年を前にした昨年の春。三女の優奈(ゆな)さん(15)が、こう言ってくれた。 優奈さんは「つらい思いをし… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「浸水」と通報あった観光船、発見できず 夜間は捜索困難に 北海道
2022年4月23日 21時50分 【動画】観光遊覧船から「浸水した」と通報があった海域。海上保安庁の捜索が続いた=熊倉隆広撮影 23日午後1時13分ごろ、北海道斜里町の知床半島西部沖を航行中の観光船「KAZUⅠ(カズワン)」から「船が浸水している」と、救助を要請する118番通報があった。第1管区海上保安本部(北海道小樽市)によると、乗員・乗客は子ども2人を含む計26人。海上保安庁の巡視船艇6隻や航空機4機などが現場に向かい、同日午後4時半から捜索を始めたが、午後8時現在、船体は確認できず、乗員・乗客は見つかっていないという。 船は斜里町の「知床遊覧船」が運航する小型観光船で定員は65人。斜里町ウトロ地区を出航し、世界遺産・知床半島の断崖の滝やヒグマ、オジロワシなどの野生動物を観察する計3時間のツアーの最中だった。同本部によると、118番通報時は知床半島西部の「カシュニの滝」の沖合を航行していたという。海上保安庁によると、船から「船体が30度傾いた」という情報が同社に入っているという。 同本部は23日午後7時40分、航空自衛隊に災害派遣を要請。この事態を受け、国土交通省は同日夜に対策本部会議を開くことを決めた。熊本市を訪問中だった岸田文雄首相は23日夜、当初の日程を切り上げ、自衛隊機で東京へ戻ることを決めた。記者団から事故の状況を問われた首相は「今、確認中だ」と述べた。 札幌管区気象台によると、斜里町ウトロ地区の気温は23日午後1時時点で5・8度。気象台の予測では、同時点の周辺の海水温は2~3度とみられるという。北海道開発局によると、波の高さは1・9メートルだったが、午後1時半時点で約3メートルに上昇した。気象台は当時、強風・波浪注意報を出していた。 カズワンは昨年6月11日にも航行中に座礁し、自力で港に戻るトラブルを起こしている。事故当時、乗客乗組員23人が乗船していたが、けがはなかったという。 知床半島近海では2005年6月、別の会社の観光船が岩に乗り上げ、20人以上が重軽傷を負う事故があった。 知床は05年に世界自然遺産に登録された。地元の観光業者によると、観光シーズンは、暖かくなり始めるゴールデンウィーク前後から10月末ごろまでが中心だという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
まち唯一の書店、閉店から1年経て再始動 本はなくても「人がいる」
まち唯一の本屋さんが閉店して1年あまり。一部の事業を引き継いで、カフェが15日、オープンした。シャッターを下ろす店が増えた商店街で、「人が集う場所を残したい」という強い思いが、元店主夫妻と新しいオーナーを結んだ。 宮崎県高原町西麓。66年間、地元の人たちに親しまれてきた山下書店は2021年3月31日、閉店した。 「年齢や健康に加え、売り上げの減少を肌で感じるようになった。やめ時かな、と」と店主だった尾上政利さん(75)。 妻茂子さん(73)の父、山… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル