2022年4月27日 15時53分 【動画】「カシュニの滝」周辺で続く捜索活動=野津賢治撮影 北海道斜里町の知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明となった事故で、第1管区海上保安本部(小樽市)は27日、海底で反応があった物体について、船ではなく岩の起伏だったと説明した。 同本部によると、カズワンと連絡がとれなくなった「カシュニの滝」から西に150メートルの場所で26日、ソナー(水中音波探知機)に物体の反応があり、潜水士が水深約30メートルまで探索した。27日も海保の潜水士5人が潜って探索を続けたが、船は見つからなかったという。同本部は引き続き、一帯の海中や海面、沿岸の探索にあたっている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「金銭返還されず精神的苦痛」女児自殺いじめ認定 第三者委が報告書
小若理恵2022年4月27日 13時00分 大阪市立小学校の5年生の女児(当時11)が2019年9月に自殺したことをめぐり、事実関係を調べていた大阪市の第三者調査委員会は27日、同級生との間で金銭問題や「死ね」と言われるなどのいじめがあったと認定する報告書を公表した。自殺に至るまでの経過について「気づく機会があったにもかかわらず、何もできていなかった」などと学校の対応を批判した。 女児は同年9月24日、大阪市内の自宅で亡くなった。直前に「3000円かえして」「気づいてほしかった」「学校で死ねって言われた」などと書いた手紙を残していた。遺族の求めにより、市の第三者委員会が20年12月から自殺の背景や原因を調べていた。 報告書によると、同級生への聞き取り調査などから、女児が亡くなる直前の19年7月~9月、同級生の男児数人と書店に行き、ゲームをするためにお金を貸していたことが判明。「友人に貸した金銭の返還を受けられなかったことは、『いじめ』に該当する」と認定した。 詳しい日時や状況の特定には至らなかったものの、女児が同級生から「死ね」と言われたことや、性的な言葉をかけられていたことも「いじめ」と認めた。 教員への聞き取りや資料の分析から、女児が3、4年生ごろから「学校が楽しくない」と思うようになり、5年生になって「学校が嫌い」「死にたい」という思いを強めた経過を考慮。「その上にいじめと認定した苦痛が加わり、自死の実行に至ったと判断するのが適切」と、結論づけた。 事件後の学校の対応については、同級生へのアンケートや聞き取りから、学校側が遺族に「いじめがあったと確認する根拠がない」と伝えたことに触れ、「事実を明らかにして、いじめが認められることを表明すべきだった」と批判。「学校生活への負担感や嫌悪感に気づく機会が何度もあったにもかかわらず、教職員が気づかず、何もできていなかったことが重大な問題」と厳しく追及した。 市教委に対しても「市いじめ対策基本方針は、詳細が確定しなければいじめ事実が認定できないとはしていない」として、いじめや自殺の問題に専従する指導主事を置くことなどの改善を求めた。 報告書を受け取った母親は朝日新聞の取材に応じ、「事実を矮小(わいしょう)化しようとした学校と市教委に不信感があったが、娘の最後の声が届いていじめが認められたことはよかった」と話した。「子どもたちは悪ふざけだったかもしれないが、ただせる機会が何度もあったのに生かせなかったのは大人の責任。このできごとを多くの人に知ってもらい、もっと子どもたちと話そうと思うきっかけにしてほしい」と訴えた。(小若理恵) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
あの訪問先が湯川秀樹を決断させた ビキニ事件直後の葛藤
日本人初のノーベル賞を受賞した物理学者の故・湯川秀樹博士の胸像が、高知県の小学校にある。除幕式には本人も足を運んだ。戦時中、原爆研究に関わっていた湯川だったが、戦後に核廃絶運動に生涯を捧げるようになったきっかけの一つがこの高知訪問だったとする論文が、このほどまとめられた。 太平洋に面する香南市夜須町の市立夜須小。玄関前の松の木陰に、「湯川秀樹先生像」がたたずむ。生前に建てられた唯一の銅像で、高さ約60センチ。御影石の台座には「わが子らよ 先生のごとく偉大になれ 先生の御来臨を永久に記念して」と彫り込まれている。 湯川像が建てられたのは、戦後間もない1954年。49年にノーベル賞を受賞した湯川の功績をたたえるとともに、地元の子どもたちの科学教育の振興を願い、旧夜須町民や町出身者らが寄付金を出し合った。朝日新聞の54年3月23日付紙面には、夜須小と夜須中の児童・生徒や町民ら千数百人が、湯川を迎えて除幕式を行ったとある。 ロシアのウクライナ侵攻で核の脅威が現実味を帯びています。湯川の胸像から何が読み取れるのでしょうか。記事後半で紹介します。 ■厳しい質問攻めに… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
観光船の社長、午後3時半に会見 出航判断・会社の態勢、どう説明?
北海道斜里町の知床半島沖で乗客・乗員計26人の観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明になった事故を受け、同船の運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長が、27日午後3時半から記者会見を行う。事故後、桂田社長が公の場で説明するのは初めて。事故当日、なぜ船を出航させたのか、日頃の安全管理は十分だったのか。会社の対応をめぐっては不明な点も多く、桂田社長が何を語るか注目される。 最大のポイントは、「悪天候が予想されたのになぜ出航したのか」だ。23日午前10時の出港の20分ほど前、札幌管区気象台は、高さ3メートル以上の波を予想し、「波浪注意報」を出し注意を呼びかけていた。北海道開発局によると、118番通報があった直後の23日午後1時半時点で、現場周辺の波の高さは約3メートルに達していた。 事故当日、別の観光船関係者は出港直前のカズワンの豊田徳幸船長に「やめておいたほうがよい」と忠告をしていたことが明らかになっている。漁業関係者らからは「無謀だった」などの声が複数上がっており、判断の背景に何があったのか、社長の説明が注目される。 遊覧船を運航するために十分… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
肛門に異物、数百回スクワット…神奈川の障害者施設で虐待疑い報告
神奈川県立の障害者施設「中井やまゆり園」(中井町)における利用者への虐待の有無について、調査していた県の第三者委員会は26日、虐待として疑われる事案が5件あったと報告した。服薬用の水などに塩や砂糖が入れられたり、利用者の肛門(こうもん)にナットが入っていたりしていたという。第一次の調査結果を受け取った黒岩祐治知事は「信じられない出来事が起きていた。うみを出し切り、県庁を挙げて改善に取り組む」と話した。 2019年に同園の利用者が骨折する事案があり、県が職員へのヒアリングを実施した結果、虐待が疑われる複数の事案があった。昨年12月~今年1月に職員や退職者ら約250人に匿名アンケートをしたところ事案は約40件に上り、県は3月に第三者委を設置し、調査していた。 第三者委はこのうち8件を優先的に調査。5件について、障害者虐待防止法の定める虐待が疑われ、関係市町に通報すべき事案だと判断した。誰が、どのような目的で虐待を行ったかがはっきりしていないケースもあり、アンケートなどで発覚したすべての事案について調査を継続する。 5件のうち、コップの水に塩などが混ぜられていた事案は20年7~11月ごろ、利用者が頻繁に嘔吐(おうと)したことから発覚。5人の利用者の服薬用の水やみそ汁に塩や砂糖が入れられ、ヒアリング調査の結果、職員が入れた可能性が極めて高いと判断した。肛門にナットが入っていたのは50代の男性利用者で20年3月に職員が異変に気付いた。職員や本人、医師を調査した結果、第三者委は本人が入れた可能性は低く、職員が入れた可能性が高いとした。 利用者の食べ物に多量のシロ… この記事は有料会員記事です。残り556文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道各地の小型観光船業者を緊急点検 十数社対象、知床の事故受け
【北海道】知床の観光船事故を受け、国土交通省は全国の旅客船事業者への緊急点検を25日から始めた。大型連休前の28日までに集中的に実施する。北海道運輸局も道内の旅客船事業者の安全点検を始めた。許可を受けた約40業者のうち、事故を起こした観光船のような小型船を扱う十数業者が対象となる見通しだ。 運輸局職員が事業所を訪問し、安全管理態勢や設備を確認。必要に応じ船舶もチェックする。過去に行政処分・指導を受けた業者は最優先で点検する。 事故があった知床半島西部の反対側、半島東部の羅臼町では、運航会社6社で構成する知床羅臼観光船協議会が25日に緊急会議を開催。29日のクルーズ開始を前に、点検の徹底や連絡手段を確認するなどした。 「改めて安全確保を徹底」 協議会の長谷川正人会長(6… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コーヒー豆に隠し合成麻薬900錠を密輸の疑い ベトナム人を逮捕
2022年4月27日 9時45分 合成麻薬MDMAをコーヒー豆の袋にまぜて国際郵便物でドイツから密輸したとして、神奈川県警は26日、ベトナム国籍の技能実習生チャン・ゴック・トアイ容疑者(27)=茨城県大洗町=を麻薬及び向精神薬取締法違反容疑で再逮捕し、発表した。「頼まれて受けとった。中身が何か知らない」と容疑を否認しているという。 薬物銃器対策課によると、同容疑者はMDMA900錠(末端価格約450万円)が入った段ボール1箱を3月13日、航空便で密輸した疑いがある。横浜税関が同16日、検査場でエックス線検査を実施。コーヒー豆に混ぜた錠剤を見つけた。県警は中身をすり替えて運ばせて、4月13日に同町で荷物を受けとった同容疑者を麻薬特例法違反(所持)容疑で現行犯逮捕していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
伐採樹木971本→2本に 神宮外苑再開発でイコモスが提案
東京・明治神宮外苑地区の再開発計画で、文化遺産保存の専門家らでつくる日本イコモス国内委員会は26日、約千本の樹木の伐採を避ける案を都に提出した。秩父宮ラグビー場を現地で建て替え、外苑内の車道を歩行者用通路にすれば伐採は2本にとどまるとしている。 外苑地区の再開発計画は、神宮第二球場を解体して跡地に新ラグビー場を建設し、秩父宮ラグビー場の跡地にホテル併設の新たな野球場をつくるもので、年内にも工事が始まる。再開発の事業者が作った資料によると、地区内の樹木971本を伐採し、70本を移植する。 委員会は、ラグビー場を現在の場所に建て直し、移設に伴う伐採を減らす案を主張する。さらにイチョウ並木を含めた外苑内の車道を歩行者用通路に変え、新野球場を建設する位置を調整すれば、試算では伐採2本、移植53本に抑えられるという。 伐採の見直しを求めて約5万… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「手話」で歌詞が見えた! 写真展「第九のきせき」 東京・港区で
ベートーベンの交響曲第九番「歓喜の歌」の歌詞を、聴覚に障害のある人たちが手話を使って表現した写真展「第九のきせき」が、東京都港区のダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」で29日から開催される。5月29日まで(月曜日休館、5月2日は開催)。入館料1千円。小学生以下無料(保護者の同伴が必要)。 写真家の田頭真理子さん(東京都在住)が撮影した。「歓喜」「やわらかい翼」「神々の火花」など「歓喜の歌」の中に出てくる歌詞を音楽的にアレンジした手話「手歌」によって可視化した。聴覚に障害のある人たちが光る手袋を着け、「手歌」によって表現した歌詞を1~4秒の露光をかけて撮影した。会場には26枚の写真が展示されている。 モデルとして撮影に参加したのは主に合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」の子供たち。白い手袋を着け、歌詞を手話を使って表現する「サイン隊」と合唱する「コーラス隊」で構成されている。田頭さんは2017年の活動開始当初から撮影を続けている。 会場では来場者もモデルとして参加できるフォトセッションも予定されている(有料で2千円)。撮影した写真は会期中、会場に展示される。また、手話体験のワークショップ(1千円)やミニコンサートなども予定されている。問い合わせはダイアローグ・ジャパン・ソサエティ(https://djs.dialogue.or.jp/) 写真撮影では写真を見た聴覚… この記事は有料会員記事です。残り89文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安倍政権に辺野古NO貫いた翁長氏 「あり得ない」菅氏が抱いた不満
2014年11月の沖縄県知事選は、米軍普天間飛行場を県内の名護市辺野古に移設する日米合意を認めるかどうかが最大の争点となった。超党派の「オール沖縄」の支持を得て「阻止」を掲げた前那覇市長の翁長雄志が、容認した仲井真弘多(ひろかず)に約10万票の大差をつけ初当選した。 翁長は、安倍政権へ直接断念を訴えようと官房長官の菅義偉ら閣僚に面会を求めたが、アポが取れない。仲井真県政の時と様変わりだった。沖縄を訪れた菅との会談がようやく実現したのは、知事就任から4カ月後の15年4月だった。 那覇市のホテルで、菅は手元の紙をもとに「負担軽減のためにできることはすべてやる」と述べ、辺野古移設を譲らなかった。 翁長も知事選で得た民意を背に、「上から目線」「政治の堕落」「国民を洗脳」と社交辞令のかけらもない言葉を次々と投げかけた。「キャラウェイ高等弁務官が重なる」と、米軍統治下の沖縄で強権的な政策を進めた人物に沖縄政策を担う菅を例えさえした。 菅は表情を変えずにテーブル… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル