出入国在留管理庁は15日、自国の情勢不安を理由に日本での滞在を希望するミャンマー人の在留・就労を認めてきた特例的な措置を見直し、より長い在留期間を与える運用を始めた。2021年2月に発生した国軍によるクーデターを受けて同年5月に緊急的に始めたが、現地の事態が改善しないため、対応を改めた。 入管庁によると、特例措置の主な対象は、クーデター前後から日本にいて、日本にとどまることを希望しているが、在留資格の期限が切れる などしたミャンマーの人たち。今年3月までに約4600人が認められた。措置の見直しにより、6カ月働けるとしていた「特定活動」資格の期間を1年に延ばすなどし、より安定的な生活が送れるようにする。 また入管庁は、21年の1年… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
植木鉢に心のもやもや打ち明けて 小学生が選んだうなずくロボット
白石和之2022年4月15日 12時13分 子どもの遊びや学びを豊かにする発明のアイデア動画を新潟県長岡市の団体が募ったところ、全国の若者から83件の応募があった。料理のお手伝いにもってこいの計量器、成り立ちを学べて漢字が覚えやすくなる勉強アプリ……。力作ぞろいの発明の中から小学生がグランプリに選んだのは、ただ話を聞いてうなずいてくれる花の形のロボット「Ohanashi(おはなし)」だった。 団体は、「若者が働く魅力創出」を目指して市内の4大学、1高専、15専門学校と企業や市でつくる「ながおか・若者・しごと機構」で、昨年、「米百俵デジタルコンテスト」と銘打って動画を募集。全国の高校生や大学生、20代前半の社会人らから続々とアイデアが届いた。 アートディレクターや人工知能を活用するベンチャー企業の社長、研究者らによる1次審査を11作品が通った。「はかーる君」と名付けられた計量器はカップやスプーンの使い分けが不要の優れもの。削った鉛筆の量や色に応じて本体画面上の木の育ち方が変化する鉛筆削り器や、スマートフォンを振るとおみくじで家族の家事分担が決まるアプリなども。中には実際に試作されたものまであった。 続いて市内にある小学校3校の4~6年生298人で投票が行われた。その結果、Ohanashiが半数近い得票でグランプリに選ばれた。 共感・すごい・うれしい…花びらの色変え反応 崇城(そうじょう)大(熊本市西区)で地域活性化のためのデザイン活用などを学ぶゼミの4年生、栗川詩加(うたか)さん、岩永菖さん、木村真琴さんの3人が考案した。植木鉢の花に話しかけると、その内容に寄り添うように花びらの色が変わる。「共感」は黄、「すごい」は赤、「うれしい」はピンク、「悲しい」は青、「びっくり」は紫。それぞれの色と連動して葉が上下に動く。 「心のもやもやを話せば自分の感情が晴れる」(4年生)、「コロナ禍で話があまりできない人もいる」(同)、「他人に話せないときでも自分の気持ちをわかってくれる」(5年生)――。児童たちは選んだ理由にこんなことを挙げた。 大人の審査員たちも「小学生の意見を読むと、感情を分析してアクションを起こしてほしいのではなく、ただ話を聞いてうんうんと相づちを打ってくれる相手を求めているようだ」「自分自身、子どもの話を聞いてあげなければと再認識させられた」「大人の視点とは違い、面白さを感じた」などと評価した。 Ohanashiには質問に答える機能もあるが、「子どもたちは難しいことではなく話を聞いてくれることを評価してくれた」と栗川さん。「機械っぽくないビジュアルにも気を配った。選ばれると思っていなかったのでびっくりした」と喜んだ。(白石和之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2週間に13回、鍋の中に立たせる 岡山女児虐待死、母と男を追送検
2022年4月15日 12時13分 岡山市で5歳だった女児が鍋の中に立たされる虐待を繰り返し受け、その後に死亡した事件で、岡山県警は15日、母親と交際相手の男を強要容疑で岡山地検に追送致し、捜査を終えたと発表した。2人は容疑を認めているという。立たせる虐待は2週間あまりのうちに13回あったとされる。 追送検されたのは西田彩容疑者(34)と内装工の船橋誠二容疑者(38)=共に逮捕監禁致死と強要の罪で起訴。追送検容疑は、昨年9月17~25日の間に西田容疑者の自宅で、真愛(まお)ちゃんの額を殴ったり髪をつかんだりした上で、両手鍋やポリタンクの上に立たせるなどした疑い。立たせる虐待は計8件で1回あたり1~4時間に及んだとされる。 今年2月の最初の逮捕容疑と合わせ、昨年9月の鍋などの上に長時間立たせる虐待は、同月10~25日に計13回になった。室内のカメラに虐待の様子が映っていたという。 2人は同月25日午後1時ごろ、真愛ちゃんの全身に布団を巻きつけて約1時間半にわたり押し入れに放置し、低酸素脳症にさせ、今年1月12日に死亡させたとする逮捕監禁致死罪などで起訴された。真愛ちゃんは死亡時、6歳だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
僧侶2人が「1分足らずで消火」 甲斐善光寺、訓練生きて大火を回避
本堂内の廊下に掛けられた「戸帳」と呼ばれる布が焼けた甲府市の甲斐善光寺。一夜明けた14日、甲府署は本堂や境内の巡回を始めた。7年ぶりの「御開帳」で多くの参拝客を迎え入れる中でのトラブル。寺関係者は「消火訓練や日ごろの備えで大火を免れた」と胸をなで下ろしている。 甲府署や寺によると、13日午後2時40分ごろ、本堂西側の廊下から出火した。壁に掛けられた戸帳(縦約3・5メートル、横約3メートル)の一部、約1平方メートルが焼けた。戸帳が覆う壁や柱には黒い焼け跡が残っていた。 廊下は幅約2・5メートル。本堂奥の戒壇(かいだん)に通じ、参拝客の通路となっている。寺は「ろうそくや電気配線など出火につながるものはない」と説明する。 出火当時、現場から約30メートル離れた場所にいた寺のアルバイトらが煙に気づき、僧侶2人が消火器を使って消火した。副住職の吉原知仙さんは「出火に気づいてから消火するまで1分足らずだった」と振り返る。 甲斐善光寺の本堂と山門は1754年の火災で焼損。その後、再建され、現在は国の重要文化財に指定されている。毎年1月の「文化財防火デー」に合わせた消火訓練では、僧侶らが消火器や消火栓の設置場所と使い方を確かめている。吉原さんは「木造建築の寺にとって一番怖いのは火。今回は不幸中の幸いだった」と話す。 甲府署は「御開帳」の期間中… この記事は有料会員記事です。残り81文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
使用済みおむつ「持ち帰り」ルール、自治体に差 保育士の負担にも
お子様がおしっこやうんちをした後のおむつは、持ち帰ってください――。保育施設への入園の際、そう聞いて驚いた保護者もいるかもしれない。実は、使用済みおむつの「持ち帰り」ルールの有無は、自治体によって大きな差があることが、民間調査で明らかになった。一方、保護者からの要望を受けて園での廃棄に切り替えた自治体もある。 「臭いが気になって電車に乗りづらい」「衛生面が心配」「帰宅途中にスーパーにも寄れない」 そういった使用済みおむつの持ち帰りに対する保護者の声が寄せられていると話すのは、紙おむつの定額サービスを展開する「BABY JOB」(大阪市)の広報担当者だ。同社は今年、全国の公立保育施設の持ち帰りの実態について、公立施設がある全国1461の市区町村へ調査を実施した。 その結果、全体の約4割(575自治体)が「持ち帰りにしている保育施設がある」と回答した。都道府県別で最も割合が高かったのは滋賀県で89%。長野県85%、香川県75%、京都府73%、島根県、山口県67%と続いた。一方、愛媛、石川、青森の3県は0%だった。 「持ち帰り」とする自治体にその理由を聞いたところ、「健康状態を保護者に把握してもらうため」というものが43%で最多。「理由は分からない」(30%)、「ごみの保管・回収の手配で問題がある」(14%)、「予算がつかない」(9%)という回答もあった。一方、新型コロナウイルスの感染症対策として、園廃棄に切り替えた自治体もあるという。 同社の上野公嗣社長は「自治体の中には実態そのものを把握していないケースもあり、保護者の負担や衛生面のリスクがあるという認識が薄いのではないかと感じる。保護者の意向もふまえ今後のあり方を検討してほしい」と話している。 全国の保育施設でみると、使用済みおむつを持ち帰ってもらうか、施設内で処理するかはまちまちでした。記事後半では、都道府県別の「持ち帰り率」を紹介します。 「バッグに臭いがついて困っていたが、園廃棄になりとても助かった」。香川県善通寺市の保育施設に長男を預ける母親(32)は、当時を振り返る。 空海誕生の地で知られる同市は3年前、持ち帰りから園での廃棄に方針転換した。私立施設にも回収費用に補助を出し、園での廃棄を求めた。 きっかけは2018年秋。「… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
桜前線、北上中 大阪では3年ぶりの「桜の通り抜け」
矢木隆晴2022年4月15日 9時00分 造幣局の桜の通り抜け=12日午前、大阪市北区、矢木隆晴撮影 桜前線北上中 東北、北海道でも 春を告げるソメイヨシノの桜前線が全国を北上し、東北地方でも満開を迎えつつある。気象庁によると、全国で開花が最も早かった3月17日の福岡市を皮切りに開花が進み、東京では3月27日に、平年より4日早く満開を迎えた。 4月12日時点で、開花が観測されていないのは、盛岡市、青森市、札幌市など。4月8日に開花した仙台市は、11日に満開となった。桜の名所として知られ、約200万人が訪れる弘前公園(青森県弘前市)でも、徐々につぼみがほころび始めた。4月下旬に満開が予想されている。「弘前さくらまつり」が4月23日から(21日から準まつり期間)5月5日まで開催される。 造幣局の桜=12日午前、大阪市北区、矢木隆晴撮影 桜の通り抜け 3年ぶりに開催 八重桜が見頃を迎えている造幣局(大阪市北区)では、新型コロナウイルスの影響で過去2年中止になっていた「桜の通り抜け」が、3年ぶりに開催されている。 会期は13日から19日までで、造幣局専用ホームページからの事前予約制となっている。138品種、335本が見頃を迎え、鈴なりに枝がしだれる並木はまるで「桜のトンネル」。今年の花は「福禄寿」で、淡紅色で八重咲きの大輪品種だ。新たな品種として「伊予菊桜」と「暁鐘」が加わった。 4月12日には、高齢者や障害者などを対象とした「特別観桜会」が開かれ、写真を撮ったり散策をしたりして楽しんでいた。 通り抜けは「市民とともに楽しもう」と1883(明治16)年から始まった。1917(大正6)年には約70万人が来場するなど、市民からの人気も高まっていった。43年から46年は太平洋戦争の影響で中止。45年の空襲では約500本中300本の桜が焼失する被害を受けた。 2020年と21年は新型コロナウイルスの影響で、太平洋戦争以来の中止となった。様々な困難を乗り越えて、通り抜けは来年140周年を迎える。 朝日新聞社では、15日正午からと、夕方午後6時からの計2回、桜の通り抜けのライブ中継を行います。会場に来ることができなかった方々のために、まるで会場を歩いているかのような疑似体験をお楽しみいただけます。(矢木隆晴) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
レジオネラ肺炎で温泉施設の利用者1人死亡 有馬の「かんぽの宿」
岩本修弥2022年4月14日 20時56分 神戸市は14日、日本郵政が運営していた有馬温泉の温泉宿泊施設「かんぽの宿 有馬」(神戸市北区)で、温泉に入浴した兵庫県内の70代の男性2人がレジオネラ菌に感染し、うち1人がレジオネラ肺炎で3月下旬に死亡したと発表した。もう1人の男性は、現在治療中という。 市環境衛生課によると、2人は3月18日~20日にかけて入浴施設を利用していた。市が31日から4月1日にかけて立ち入り検査し、浴槽などの遺伝子調査をした結果、患者と一致するレジオネラ菌が検出されたという。市は14日付で、施設に営業停止命令を出した。 日本郵政によると、年2回検査をしていたが、特に異常はなかったという。施設は5日付で別のホテル運営会社に事業譲渡しており、連携を取りながら再発防止に努めるとしている。(岩本修弥) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
写真で見る熊本地震6年の1日「あの日を忘れない」各地で慰霊の祈り
2022年4月15日 6時00分 観測史上初めて2度の震度7を観測した熊本地震の発生から14日で6年を迎えた。熊本県内ではこの日、被害に見舞われた各地で、故人をしのぶ祈りが捧げられた。最愛の親や子の在りし日の姿に思いをはせた多くの遺族は「あの日を忘れない」と心に誓った。追悼の1日を写真で追った。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌五輪招致案に欠けているものは 舛本・東京都立大客員教授
――札幌市が2030年冬季五輪・パラリンピックの招致を目指していることをどう見ますか。 「まだ20年東京五輪について、開催経費や開会式をめぐる不祥事など多くの問題への反省も検証もできていない。そんななかで札幌市や日本オリンピック委員会(JOC)が大会招致に突き進むことに、国民は納得しないだろう」 ――昨年11月公表の札幌市の概要計画案の評価は。 「五輪を機にインフラを整備し、経済効果を高め、札幌や北海道を活性化させようという狙いが見える。こうした形の五輪は『開発途上国型』と呼ばれるものだ。しかし各国では都市機能が成熟し、12年のロンドン大会以降は『成熟都市』での五輪開催を考える局面に入っている」 ――計画案に欠けている点は。 「そもそも五輪は他の世界的… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
恵比寿駅のロシア語案内、JRが紙で覆い隠す 識者「消極的ヘイト」
JR東日本が、恵比寿駅(東京都渋谷区)のロシア語の案内表示の上に紙を貼り、文字を隠す状態にしていたことが分かった。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、利用客からロシア語の表記を疑問視する意見が相次いだためという。 SNS上では「ロシア語に罪はなし」などとこの対応を批判する声が広がっており、JR東は取材に対して14日、「戻すことが妥当と判断した」と説明。紙をはがし、15日から通常の状態に戻すという。 案内表示は改札内に掲示され、日本語と英語、韓国語、ロシア語でそれぞれ「六本木 中目黒」と書かれ、矢印とともに東京メトロ日比谷線への道案内をするものだった。 同社によると、利用客らからロシア語の案内表示に対して「不快だ」という趣旨の意見が複数寄せられたという。そこで7日から、ロシア語の案内表示だけ白い紙を貼り付けて隠し、「調整中」と表記した。 JR東の外国語の案内は中国語、韓国語、英語が多い。ただ、日比谷線沿線にロシア大使館があり、行き方の問い合わせが多いことからこれまでロシア語も表示してきたという。 識者「消極的なヘイト行動に該当」 同社は「コロナ禍で外国人の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル