老朽化のため、架け替え工事が進められていた、福岡市の繁華街・中洲と天神両地区を結ぶ「春吉橋」の新しい橋が完成した。同市出身で、タレントのタモリ(本名・森田一義)さん(76)が橋の銘板を揮毫(きごう)した。 完成まで迂回(うかい)路となっていた隣の仮設橋には2023年度に広場が整備され、「にぎわい空間」として生まれ変わる。市中心部の新名所に花を添えたタモリさん。橋の名前には、ある縁があった。 銘板は縦10センチ、横30センチほどの大きさ。管理する国土交通省福岡国道事務所が昨夏、「福岡にゆかりのある著名人」に揮毫してもらおうとタモリさんに依頼した。タモリさんは秋ごろに書き上げたという。 9日に開かれた完成式では、タモリさんが「(揮毫は)恐れ多いことなので辞退するつもりでしたが、地元博多で、また私の父の名前が同じ春吉(はるよし)ということもあり、これも何かの巡り合わせと思い、お引き受けしました」「このような機会をいただきましたことに感謝します」とメッセージを寄せた。 式典に出席した、県立筑紫丘… この記事は有料会員記事です。残り672文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「この子を育てなきゃ」生まれた翌日、初の対面 里親は覚悟した
「はじめまして。20歳のお誕生日おめでとう」 2枚の便箋(びんせん)に大きく丁寧な字でつづられた手紙は、こんなあいさつで始まっている。青空柄の封筒に、差出人や受取人の名前はない。 手紙は、松山市で美容師をしている蔵下誠さん(50)と由美さん(41)夫妻の長男、遥充(はるみ)くん(1)に宛てられたもの。あいさつの後、こう続く。 「育てられなくて、ごめんなさい」 夫妻の自宅1階の美容室で、由美さんがスマホで撮った戸籍を見せてくれた。 「長男:遥充」 その下の欄に、「民法817条―2による裁判確定日」と書かれている。 日付は今年2月のもの。この日、遥充くんは「特別養子縁組」という制度で、夫妻の実子になった。 「長男と書かれて、本当にうれしかった」 その日を思いかえす誠さんのひざの上で、遥充くんがじゅっじゅっと音を立てて哺乳瓶を吸っている。 「産んでも育てられない」 産婦人科を受診した女性が、そんな相談をすることがある。 経済的な困窮、性暴力による… この記事は有料会員記事です。残り1854文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
古都から羽ばたけ 「みんなで作った」夢のサッカースタジアム
いつか国際的なサッカークラブに――。大仏で有名な古都鎌倉に、壮大な夢と情熱の詰まったスタジアムがある。澄んだ日は富士山が望める芝生の上で、子どもたちの笑顔がはじける。 湘南モノレールの湘南深沢駅から望む「みんなの鳩サブレースタジアム」=神奈川県鎌倉市 日が暮れて、鮮やかな緑の人工芝が照明に照らされると、日本版の「フィールド・オブ・ドリームス」は一層、その存在感を際立たせる。 ケビン・コスナーがとうもろこし畑に野球場を造る主人公を演じた米国映画の脚本に負けない、サッカー版の夢物語の始まりは5年前にさかのぼる。 サッカー日本代表が出るワールドカップは必ず現地観戦してきた四方(よも)健太郎さん(42)はシンガポールを拠点に人材育成業を営む。「日本に国際的なサッカークラブを作りたい」。自身は横浜育ちだが、大仏や寺など日本らしさが外国にアピールでき、Jクラブがない古都鎌倉に白羽の矢を立てた。 グーグルの航空写真で空き地を発見、海外のサッカークラブの運営経験を持つ吉田健次さん(38)ら仲間と動き出した。サッカークラブ・鎌倉インターナショナルFCを立ち上げ、本拠を造る一大プロジェクト。「みんなで作ろう」を合言葉に、3万円で芝生の「1平方メートルスタジアムオーナー」になれるクラウドファンディングを募ると、目標の3千万円を突破、民設民営のグラウンドが完成した。鎌倉を代表する銘菓「鳩(はと)サブレー」を作る豊島屋が命名権を購入し、「みんなで」の精神はスタジアムの名称にも反映された。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントがあります。 11日でオープンから半年… この記事は有料会員記事です。残り770文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
土地区画整理事業の「非公開」文書、杉並区に一部公開命じる
東京都杉並区の阿佐ケ谷駅付近の土地区画整理事業をめぐり、公文書を公開するよう松尾ゆり区議が区に求めた訴訟の判決で、東京地裁(市原義孝裁判長)は8日、土地の位置関係を記した図面など一部については「公開する必要性が高い」と判断し、公開を命じた。 松尾区議は事業が適切かを検証するため2019年、情報公開制度を使い、区画整理を進めるために、区と民間法人の間で交換する土地を指定する「仮換地」に関する文書の公開を求めた。区が図面や土地の価値評価に関する文書などを非公開としたため提訴していた。 訴訟で区側は「公開すると、仮換地に関係する法人に問い合わせが寄せられ、業務に支障を来す」などと主張した。判決は、仮換地の位置や権利者の情報などは「登記記録などと同じように公にされる必要性が高く、公開によって具体的な不利益も生じない」として退けた。区は取材に「今後の対応を検討する」としている。(田中恭太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雄大な十勝でドローンを飛ばそう! 北海道経産局が支援策
北海道をドローン(小型無人機)の活用先進地にしようと今春、北海道経済産業局が相次いで支援策を打ち出した。ドローンによる空撮を十勝地方の観光に役立てるウェブサイト「さぁ、十勝で飛ばそう!」(https://flyers.plus/special/tokachi)が立ち上がったほか、各種手続き円滑化のため、省庁の枠を超えた実務者会議も創設した。他の都府県に先がけて、自治体や企業が活用しやすい環境づくりを急ぐ。 ドローンは農業や測量などに活用されている。年内にも改正航空法が施行され、都市の物流や遠隔地のインフラ点検にも活用が広がる見通しだ。経産局はこうした状況を見据え、道内で企業や自治体と連携し、ドローンで医薬品や野菜、検体などを配送する実証実験を重ねている。 十勝地方は、雄大な自然や「… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
路面電車、次は自分が引っ張りたい 広電教習生は運転士の夢を乗せて
【動画】「だから私は運転士になる」第1部=遠藤真梨撮影 広島電鉄物語 第三部「だから私は運転士になる」① 「皆さんは、年は違っても同じ教室で、同じ電車で学んできた同期。何かあれば相談し合ってこれからも成長していってもらいたい」 昨年12月27日、路面電車の車両数と利用客数で全国最多を誇る広島電鉄(広島市)本社内の一室。 濃緑色のブレザーの制服に身を固め、運転士の養成所長の話にじっと耳を傾ける一団がいた。昨年5月から半年以上の教習を終え、養成所の閉講式を迎えた教習生たちだ。 路面電車の免許取得をめざす12人のなかに、土橋拓実(24)、山口紗奈(23)、宮川卓也(34)の神妙な顔があった。 実際の路線で電車を動かす技能講習で運転する山口紗奈。サイドミラーで慎重に後方を確認する=2021年8月31日、広島市、上田潤撮影 3人はこれまで育ってきた環境や、路面電車の運転士という珍しい職種を目指す理由はそれぞれ異なる。しかし、同じ目標にまっすぐに向かってきた点やそのために費やしてきた時間は一緒だ。 時に不安や孤独に心を揺さぶられつつも、何かに背中を押されるように、高みに一歩踏み出そうとして後戻りできないという状況にもがいてきた。 路面電車の運転士という珍しい職業をなぜ、目指したのか。どんな思いでどんな講習を受け、自分の夢に近づくことはできたのか。 広島電鉄企画の第3部では路面電車の運転士をめざす3人の教習生の姿を追った。(敬称略) ■「かっこいい運転士になる」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「1年児童が泣き出す」広がる米軍機の騒音 岩国所属機は再編で倍増
中国地方5県で、米軍機の飛行による騒音被害が広がっている。騒音の測定回数や低空飛行の目撃回数がこの5年の間に増加。背景には、米軍岩国基地(山口県)への空母艦載機の移駐など基地機能強化があるとみられる。(岡田将平) 3月下旬の晴れた日、広島県廿日市市の市街地を見渡す場所にある山陽自動車道宮島サービスエリアに、世界遺産・厳島神社のある宮島を眺める人たちの姿があった。午後3時ごろ、その上空で「ゴー」という低い爆音が響き渡った。爆音は空を覆うように少なくとも数十秒間は続き、その後も30分ほどの間に相次いだ。2回は軍用機が北東方向に向けて飛んでいくのが見えた。 岩国市在住の元広島市職員、戸村良人さん(75)は午後3時前から約20分の間に、岩国基地から電子戦機EA18Gグラウラーが4機飛び立つ様子を撮影した。機体は宮島方面に飛んでいったという。2013年から岩国基地の米軍機の撮影を続けている。 岩国には、在日米軍の再編に伴い、18年春までに厚木基地(神奈川県)から空母艦載機部隊約60機が移駐。所属機はそれ以前の倍となる120機以上に増え、極東最大級の基地となった。飛行回数も増えているといい、戸村さんは「1時間で30機くらいどんどん飛んでいくこともある」と話す。 この日、記者が飛行を確認した場所から4キロほどの場所に廿日市市が設置している騒音測定器では、同じ時間帯に3回、74・7~82・4デシベルの音を観測した。「騒々しい街頭」にあたる70デシベル以上の数値だ。 周辺では、最新鋭ステルス戦闘機F35Bや戦闘攻撃機FA18スーパーホーネットなどの飛行も目撃されている。「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」の共同代表を務める廿日市市の坂本千尋さん(69)のもとには、宮島や山間部など各地から苦情が寄せられるといい、「広範囲になっている」と語る。 「空をつんざく轟音」泣き出す児童も 米軍岩国基地に近い広島県西… この記事は有料会員記事です。残り1293文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
障害者って何様?そう思う自分こそ何様? 「夜更けにバナナ」作者は
筋ジストロフィーの重度障害者と介助ボランティアの奮闘を描き、大泉洋さん主演で話題となった映画「こんな夜更けにバナナかよ」(2018年)。ノンフィクションの原作を手がけ、取材者・介助者として、主人公の障害者と向き合った渡辺一史さん(54)は「障害のある人たちの存在が、逆に社会を助けてくれている」と感じた。 渡辺さんに取材者・介助者として感じたことを語ってもらいました。 「バナナかよ」の主人公の故・鹿野靖明さんと出会ったのは、22年前のことです。当時は、今より在宅介護の制度が未整備な時代で、重度障害者が地域で生きるには、ボランティアの存在が不可欠でした。鹿野さんとボランティアの交流をテーマに本を書かないかと、編集者に勧められ、取材を始めました。 衝突や葛藤は絶えず メディアで描かれがちな「感動ドラマ」とは全く違った世界でした。鹿野さんはとにかく自己主張が強く、介助者に「あれしろ、これしろ」と容赦なく要求を繰り出す。ボランティアも「善意の人」というイメージとは違い、人生に悩みを抱える普通の若者たちで、鹿野さんとの衝突や葛藤は絶えませんでした。 映画で、ボランティア役の高畑充希さんが、大泉さん演じる鹿野さんに、「障害者って何様なの?」と感情をぶつけるシーンがありますが、まさにそんな感じです。でも大切なのは、そう思っている自分こそ「何様?」と突き付けられる場面が多いことです。 1日24時間の介助が不可欠なので、常にボランティア不足。私も取材しているうちにローテーションに組み込まれていきました。泊まり介助の時に、深夜に腹をすかせた鹿野さんから「そうめん作って」と言われたことがあります。 めんをゆでて、つゆを水で薄… この記事は有料会員記事です。残り1261文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「火事だ」叫び声で急行 引っ越し作業の3人、救出後またすぐ仕事に
渡辺七海2022年4月9日 10時13分 「火事だ!」の声で、煙の上がる住宅に駆けつけ、室内にいた80代の女性を助け出した男性3人が8日、奈良県から表彰を受けた。3人は大和郡山市の運送会社社員で、「引っ越しの仕事で体力、精神力を鍛えられました」と笑った。 表彰を受けたのは、池田悠樹さん(41)、西上武志さん(41)、阪口龍矢さん(34)。 火事は昨年5月7日午前、桜井市の2階建て住宅で発生。約85平方メートルが全焼した。3人は当時、住宅の近くで引っ越し作業をしており、叫び声などで火事に気付いた。 住宅の中からは「火消して~!」と女性の声が聞こえた。表の玄関は開かない。阪口さんが裏手の掃き出し窓から中に入った。煙に巻かれた室内で、女性の姿が見えた。すぐ横で炎が上がっていた。女性は、1階の台所とリビングの間に座り込んで動けない状態だった。服なども一部溶けていた。 女性を抱えて外に出ようとした阪口さんだが、途中でつまずき転倒した。「まずいぞ!」。その姿を見た池田さんと西上さんが室内に入り女性を助け、阪口さんも自力で脱出した。 8日の表彰式で表彰状を渡した村井浩副知事は、「自分の身を顧みない行動。県民の模範だ」と3人の行動をたたえた。 女性は病院に搬送され、重傷のやけどを負ったが、命に別条はなかった。3人は脱出後、すぐに仕事に戻った。西上さんは「何も考えず、体が勝手に動きました」と振り返る。池田さんは「やるべきことをやっただけです」と話した。(渡辺七海) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
交番巡回中の警部、拳銃の実弾を紛失 拾った通行人から回収
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