福家司2022年4月3日 11時30分 JR予讃線の観光列車、伊予灘ものがたり(松山―伊予大洲・八幡浜間)の2代目車両による運行が2日始まった。松山駅では記念の出発式典があり、初代車両のラストランから約3カ月ぶりとなる運行再開を祝った。 式典では、JR四国の西牧世博社長が「2代目の伊予灘ものがたりが四国、愛媛の観光振興のきっかけになるよう、新たな物語を皆様と紡いでまいりたい」とあいさつ。テープカットの後、野本明人駅長や国、県、沿線各市関係者らの出発合図で初便「大洲編」が発車。乗客は車窓に広がる満開の桜や穏やかな伊予灘を望み、春の旅を楽しんでいた。 沿線の各駅などでは住民らによる歓迎の「おもてなし」に沸いた。五郎駅(大洲市)でも、住民の扮する名物の「たぬき駅長」が列車を迎えた。「たぬき駅長」を長年続ける井上金徳さん(80)は「伊予灘ものがたりはみんなを笑顔にする不思議な列車。2代目の車両もすばらしく、今日は待ちに待った日でうれしい」と話していた。 2代目は初代の普通用から特急用車両となり、1両増え3両編成になった。外観は夕日に映えるメタリック塗装が施され、定員最大8人の個室も新設されている。JR四国によると、初日と3日は満席。4月の予約率(3月31日現在)も8割を超えている。(福家司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
たった一度の花見 亡き母に、今年も桜の下で 神戸・王子動物園
たった一度だけの、母との花見。王子動物園(神戸市灘区)の桜を見ると、その日の記憶がよみがえる。 「明日、花見行くで」 63年前の4月、小学6年生だった田村稔さん(75)に、母のキヨさんは突然告げた。 晴天の日曜日。2学年下の妹と母の3人で10分ほど歩き、動物園に行った。満開の桜の下には、大勢の家族連れがいた。敷いたござがあおられるほどの、冷たい風が吹く。母の甘い卵焼きが入った弁当には、花びらではなく砂が入った。 「早めに帰ろ。花見どころやないわ」 髪を押さえて、母が言う。結局、1時間ほどで花見は終わった。 花見の前年、田村さんの父は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地震で脱線の東北新幹線、郡山―福島が再開 山形新幹線も東京直通に
福島県沖で先月16日に起きた地震の後、不通となっていた東北新幹線の郡山―福島間が2日、臨時ダイヤで運転を再開した。通常の半分ほどの本数だが、半月ぶりに東京―福島間が直通となった。あわせて山形新幹線も東京までの直通運転を再開。福島駅と山形駅の新幹線ホームは、久しぶりににぎわった。 この日、朝日に照らされたJR福島駅の新幹線ホームは、スーツケースや大きな荷物を手にした人たちが行き交っていた。新幹線が到着するたび、多くの乗客が乗り降りした。 間もなく都内に転勤する仙台市の会社員女性(24)は、住まいを選ぶために東京へ行くという。朝4時に起きて在来線で1時間半かけて福島まできて、9時過ぎの上り新幹線に乗り込んだ。「福島まで復旧したのはよかったけど、まだ不便ですね。早く仙台から乗れるようになってほしい」 一方、新庄―福島間で折り返し運転をしていた山形新幹線「つばさ」は、通常の75%にあたる上下計24本の臨時ダイヤで東京まで運転を始めた。 群馬県太田市のガードナー菜穂子さん(41)は、小学校3年の長男陽輝(はるき)君(8)と山形駅で上り「つばさ258号」に乗ろうとしていた。地震の後、新幹線と在来線を乗り継いで山形市内の祖父母宅に帰省し、直通運転の再開を待っていた。親子は「行きは車内がぎゅうぎゅう詰めでしんどかったが、きょうは座れるのでうれしい」と話した。 山形市の伊藤智彦さん(47)と妻の恵里奈さん(46)は、新幹線が大好きな長男翼玖(たすく)君(3)とともにホームの新幹線を見物にきた。親子3人で直通運転の再開を喜んでいた。 東北新幹線は、地震の際に東京発仙台行きの「やまびこ223号」が脱線したほか、あちこちで高架橋や電柱の損傷が見つかり、那須塩原―盛岡間で運転を見合わせた。約1週間後に那須塩原―郡山間と一ノ関―盛岡間で運転を再開したほか、脱線した車両を移動させるなどして復旧作業が進められている。 JR東日本によると、東北新幹線の残る不通区間のうち、仙台―一ノ関間は4日に、福島―仙台間は20日前後にそれぞれ再開し、全線が復旧する見通しだ。(福地慶太郎、辻岡大助) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
花で醸す「クラフトサケ」同級生2人の挑戦 海外で日本酒造りめざし
日本酒の醸造方法を用い、季節のエディブルフラワー(食用の花)や果物を加えた酒をつくっている醸造所がある。きっかけは、中学時代の同級生2人が抱いた、海外での「日本酒」づくりという夢。コロナ禍ですぐの実現はかなわなかったが、地元・福岡で新しい酒造りに挑み、世界進出の夢を追い続けている。 福岡市中央区の住宅や店が立ち並ぶ一角に、醸造所を併設したパブ「LIBROM Craft Sake Brewery(リブロム クラフト サケ ブルワリー)」がある。昨年5月にオープン。客席からは、醸造タンクや作業の様子を見ることができる。 福岡県産のイチゴ「あまおう」を使った酒は、上品な香りが特徴で、甘みが口いっぱいに広がる。これまで2回つくったが、いずれもすぐに完売する人気ぶりだった。 代表の柳生光人さん、醸造責任者の穴見峻平さんはともに北九州市出身の29歳。中学の同級生で、同じサッカー部だった。 店名の「LIBROM」は、イタリア語の「自由」と「ロマン」を掛け合わせた造語だ。自由な醸造で、ロマンあふれる酒造りを目指したいという思いを込めた。 柳生さんは、大学時代に何度も訪れたイタリアで酒造りを思い立った。 当時、留学や海外旅行を経験… この記事は有料会員記事です。残り1131文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「心崩れた」ランドセルと遺体 捜査1課の刑事がカレー屋になるまで
京都市中心部のビジネス街に、30種類以上の豊富なメニューで人気のカレー店がある。 「欧風カレーハウス ガーネッシュ」。日本三大祭りの一つ、祇園祭の山鉾(やまほこ)をイメージして、山に見立てたメレンゲがつく「鷹山(たかやま)カレー」が名物だ。 店を切り盛りする吉野明彦さん(61)は元刑事。52歳で京都府警を早期退職し、2014年に店を開いた。 古巣の捜査1課の後輩たちは出前の常連だ。 夜にカレーを食べると火事や事件が起きてしまうというジンクスがあるらしく、注文が入るのは決まって昼どき。「コロナ禍のなか、本当にありがたい」 振り返ると、転機は2011年3月11日だった。 船に乗っているような長い揺れ。 「何が起こってるんや」 吉野さんは府警本部にいた。少しして、建物や車が流されるテレビの映像が飛び込んできた。 東日本大震災。全国の警察官が、支援部隊として被災地へと向かった。吉野さんもその一人だった。 医師にみとられなかった遺体… この記事は有料会員記事です。残り1181文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
入学式、東海大が一新 式典やめて屋外で歓迎イベントに なぜ?
コロナ禍のもと、各大学でサークル活動が制限されるなどして学生の孤立が課題となるなか、東海大学湘南キャンパス(神奈川県平塚市)で1日、新入生に早くキャンパスになじんでもらおうと、従来型の入学式の代わりに歓迎イベントが開かれた。昨年までは、体育館などの会場で壇上から語られる話を新入生が聞く形の入学式だったが、今年はクイズラリーなど新入生が楽しめる企画を在校生と職員で練ったという。 イベントは「Tokai Entrance Festival」。感染予防のため、新入生6千人弱を2日間に振り分けた。 1日午後、同キャンパスでは、地図を手にした新入生たちが歩き回っていた。1グループ5人ほど。構内100カ所にクイズの紙が貼り出され、解いた数を競う趣向だった。 地図を見ながらほかのメンバーと相談していた男子学生は「まだ友達もできていないけど、初めて会った人と話しながらキャンパスを歩き回れて楽しい」。大分県出身で一人暮らしを始めたばかりの女子学生も「かしこまった式典より面白かった」と話した。 他大学を招いたラグビーと女… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
西本願寺の阿弥陀堂内陣、往年の輝き戻る 修復工事が完了
浄土真宗本願寺派の本山・西本願寺(京都市下京区)にある国宝・阿弥陀(あみだ)堂の内陣の修復工事が完了し、2日に法要と特別内覧があった。工事は4年8カ月に及び、本尊の阿弥陀如来像を安置する宮殿(くうでん)や、木を格子状に組んだ格天井(ごうてんじょう)は往時の輝きを取り戻した。 現在の阿弥陀堂は1760年に再建された。大きさは奥行き42メートル、横45メートル、高さ25メートル。修復工事では、阿弥陀如来像を移して宮殿を解体し、漆を塗り直して新たな金箔(きんぱく)を押した。格天井の天井画269面もすべて取り外して修理。汚れを取り除き、絵の具が剝落(はくらく)した部分に色を補った。 西本願寺は阿弥陀堂内陣のほかに、飛雲閣、唐門(いずれも国宝)の修復工事もしており、今回ですべての工事が終わった。2023年には宗祖・親鸞の誕生850年、24年には開宗800年を迎える。 内陣は3年3カ月ぶりに公開された。13日と14日にも法要と1時間ほどの特別内覧があり、宮殿を間近で見られる。(西田健作) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大小さまざまな「堺五月鯉幟」 絵付け作業で最後の追い込み
5月5日の端午の節句を前に、堺市西区の「堺五月鯉幟(こいのぼり) 高儀」で、こいのぼりの絵付け作業が追い込みを迎えている。 木綿の布地に下絵なしで顔料を使って一気に手描きする。竹製のはけや筆を数十種類使い分け、7色の顔料を使う。ぼかしや色の濃淡、毛先を使った繊細な色使いと、勢いある描き方が特徴だ。 布を2枚合わせて裁断し、「ぶんまわし」と呼ばれるコンパスのようなはけをつかって「目入れ」から描き始めるなど、大きく九つの工程がある。 一番売れ筋の2・5メートル… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オール巨人「NSCあるから強い」 吉本110周年「伝説の一日」
土井恵里奈2022年4月2日 16時30分 吉本の強さの秘密は、NSCがあるから――。オール巨人(70)はそう話す。 4月2日、吉本興業の芸人が一堂に集まる特別公演「伝説の一日」がなんばグランド花月(大阪市、NGK)で開かれた。今年は吉本興業創業110年、NSC開設40年の節目で、多くのスター芸人が舞台へ上がった。 オール阪神・巨人の2人も弐回目公演で口上と漫才を披露。その後、取材陣に「こんなめでたい日に漫才ができて」「ありがたいです」と喜びを語った。 伝説にまつわるエピソードを聞かれたオール巨人は、スター芸人の名前を挙げた。笑福亭仁鶴、横山やすし・西川きよし、ダブルヤング――。「僕らは本当に伝説を見てきました。割れるほどの笑いを取っていて」 流血の時代から 一方、続々と次世代スターが誕生する吉本興業の強さの原動力については、NSCの存在が大きいと話す。 「僕らの時は(芸人になるには)弟子にならなあかんかった。殴られて当たり前で、血流れて、めちゃくちゃやったで」 「今は(芸人になる)ハードルが下がって、才能ある子がたくさん集まって売れていく」 変わる笑い 笑いのスピードと形も昔とは変わってきたのを感じている。 「僕らの時は10秒台、今は9秒台で走ってる」。笑いの形も多様化し、「そのフォームで走れるかって感じやけど、それがおもしろさやな」。 進化し続ける若手芸人の活躍に目を細めた。 公演は3日まで。オンライン(有料)で4月11日正午まで視聴できる。問い合わせは0570・550・100。(土井恵里奈) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
レジェンドたちの「初めて」は… 在阪局のお宝映像 吉本110年
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