長崎市に原爆が投下された8月9日にある平和祈念式典で、「平和への誓い」を読み上げる被爆者代表が31日、長崎県雲仙市の宮田隆さん(82)に決まった。 宮田さんは、5歳のときに長崎市立山町の自宅で被爆。8月9日の夕方、全壊した自宅に倒れ込んだ看護師が、水を求めたまま絶命した光景を鮮烈に覚えているという。 これまでNGO「ピースボート」主催の世界一周航海で、被爆体験を証言するなど核廃絶を発信してきた。6月にオーストリア・ウィーンである核兵器禁止条約の第1回締約国会議にも出席する。 宮田さんは、被爆者代表に選… この記事は有料会員記事です。残り124文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道電力敗訴、弁護士の視点「10年たっても安全性を立証できず」
北海道電力が再稼働を目指す泊(とまり)原発(北海道泊村)の運転差し止めなどを道内外の約1200人が求めた訴訟で、札幌地裁(谷口哲也裁判長)は31日、「現在ある防潮堤は津波に対する安全性の基準を満たしていない」として、北電に運転差し止めを命じる判決を言い渡した。原発訴訟に詳しい元立命館大法科大学院教授の斎藤浩弁護士に聞いた。 ――判決をどう見るか 「ほかの原発訴訟判決と比べて、極めて単純明快だ。津波対策に論点を絞って原告らの人格権侵害のおそれを認め、そのほかの争点は『検討するまでもない』とした。民事訴訟では一般的なロジックだが、これまでの原発訴訟は全ての論点を細かく検討していた」 ――原発を動かすことの可否に関する判断は社会的影響が大きく、他の訴訟では裁判官が慎重に判断したのだと思われる。なぜ、今回は論点を一つに絞れたのか 「津波対策について、あまり… この記事は有料会員記事です。残り494文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「規制委に代わり判断」原告ら安堵 全国の「塩漬け裁判」にも影響か
有料会員記事 角拓哉、石垣明真、日浦統 小山裕一、小島弘之、佐藤常敬2022年5月31日 21時01分 津波に対して安全性を欠き、運転によって周辺住民の生命や身体に危険を及ぼすおそれがある――。北海道電力泊原発(北海道泊村)の運転差し止め訴訟で、札幌地裁は31日、運転をしてはならないと命じた。提訴から10年半余り。原告の周辺住民らからは安堵(あんど)の声が広がった。 「極めてわかりやすく、順当な判決。危険性を理由に、再稼働を止めたかった我々の思いに寄り添ってくれた」 判決後の会見で、原告弁護団長の市川守弘弁護士はそう評価した。 原告団は東日本大震災後の2011年11月に提訴。裁判が長期化した一因は、原子力規制委員会の審査をにらみながら、裁判では自らの主張を明らかにしない北電側の姿勢にあった。谷口哲也裁判長は今年1月、「審理が熟した」と弁論を終結させ、この日の判決で「原発の運転によって、周辺住民の生命・身体など人格権を侵害する恐れがある」と断じた。 原告「北電は規制委の方ばかり向いていた」 市川氏は「これ以上待てない… この記事は有料会員記事です。残り1258文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
泊原発運転差し止め判決「北電らしい判決」 国際大・橘川武郎教授
北海道電力が再稼働を目指す泊(とまり)原発(北海道泊村)の運転差し止めなどを道内外の約1200人が求めた訴訟で、札幌地裁(谷口哲也裁判長)は31日、「現在ある防潮堤は津波に対する安全性の基準を満たしていない」として、北電に運転差し止めを命じる判決を言い渡した。大手10電力のうち北電を含む7社の社史編纂(へんさん)に携わった国際大学の橘川武郎教授(エネルギー政策)に聞いた。 ――札幌地裁が泊原発の運転差し止めを命じました 「原子力規制委員会で審査中の原発に対して裁判所が判断を下すのはちょっと違和感があります。判決文は、審査が長引いているから先に判決するんだというように読め、少しロジックとして弱い気がします」 「ただ、北電はなぜ新しい防… この記事は有料会員記事です。残り1843文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
月150時間残業、うつ病で自殺は県に責任 6810万円賠償命令
渡辺元史2022年5月31日 21時30分 奈良県職員の西田幹(つよし)さん(当時35)がうつ病を発症して自殺したのは県に責任があるとして、遺族が県を相手取り1億200万円の損害賠償を求めた裁判の判決が31日、奈良地裁であった。寺本佳子裁判長は県の責任を認め、遺族に6810万円の賠償を命じた。 判決によると、西田さんは2014年4月に県教委教職員課に配属されたが、7月末ごろには上司に「しんどい」とこぼし、異動を願い出た。しかし、希望はかなわず、15年3月ごろにうつ病を発症。当時は1カ月間の残業時間が150時間に及んでいた。 16年4月に県の別の課に異動した後も、80時間を超える残業が続いた。西田さんと面談した産業医も就業場所の変更などを指摘したが、当時の上司は早めの帰宅を呼びかけるなどにとどめていた。西田さんは17年5月に自宅で自殺した。 判決は、西田さんが過酷な勤務状況に置かれていたことを指摘。うつ病発症後も恒常的な長時間労働が続き、心身の負担が自殺の原因と認めた。うつ病だった西田さんの自殺は予見可能だったとし、具体的に業務量を削減するなどしなかった県の対応は安全配慮義務違反にあたるとした。 遺族側「勤務管理のあり方、問題投げかける事件」 判決後、西田さんの父・裕一さんと母・隆子さんが会見した。裕一さんは「(西田さんに)お前の敵(かたき)は取ってやったと伝えたい」と話し、「遺族が何度言っても過労自殺がなくならない」と訴えた。原告側の松丸正弁護士は「勤務時間の適正把握と管理のあり方全体に問題を投げかける事件だと思う」と述べた。 荒井正吾知事は「判決内容を十分精査した上で、今後の対応を検討したい」とのコメントを発表した。(渡辺元史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
特急「くろしお」の台車に亀裂、定期検査で見つかる JR西が発表
2022年5月31日 21時57分 和歌山県と大阪府をつなぐ特急「くろしお(オーシャンアロー)」に使う車両の台車に、長さ11・2センチ、深さ7ミリの亀裂が入っているのが見つかった。JR西日本が31日、発表した。 台車は車輪を収め、車体を受ける部分。大阪府の吹田総合車両所の検査係員が12日の定期検査で傷のようなものを見つけ、27日のメーカーの精密検査で亀裂と確認した。原因は調査中で、他の台車についても今後調べる。他の車両を走らせるため、くろしおの運行に影響はないという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
狙われたのはガードレールの「端っこ」ばかり 408枚が盗難
上月英興2022年5月31日 22時00分 福岡県警豊前署は31日、豊前市など3市町の道路でガードレール端の「袖ビーム」と呼ばれる鉄製の部材408枚(計約102万5千円相当)が盗まれたと発表した。窃盗事件として調べている。 袖ビームは車両の衝突時に衝撃をやわらげるため、ガードレールの端に取り付ける湾曲した部材。署によると、被害は豊前市で96枚、上毛町で145枚、築上町で167枚にのぼる。 署によると、町で4月25日、「男2人が軽トラックにガードレールのようなものを積んでいるのを見た」と住民が上毛町に連絡したことから発覚し、3月ごろから山間部の道路で、袖ビームばかりが盗まれていたことが分かった。 上毛町によると、盗まれた袖ビームは工具で取り外せた。町建設課の担当者は「復旧する際は、これまで通りの設計で良いのか検討したい」と話した。 日本鉄リサイクル工業会によると、国内の鉄スクラップ価格は脱炭素の推進やウクライナ危機の影響により急騰。今年4月には、戦後2番目の高値に達した。(上月英興) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「被害者の声を無視」 旭川いじめ中間報告、遺族側が所見で批判
旭川市で昨年3月、市立中学2年の広瀬爽彩(さあや)さん(当時14)が凍死体で見つかり、遺族がいじめを訴えた問題で、市教委の第三者委員会の中間調査報告への遺族側の所見書が31日、公表された。所見書では中間報告を「被害者遺族の声を無視した」と指摘、今後の調査に協力しない可能性にも触れている。 所見書は21ページあり、遺族側弁護団が30日に今津寛介市長に提出。個人情報にかかわる部分を除く概要を公表した。 いじめの有無などを調べた第三者委は3月末、中間報告をまとめ、遺族側へ伝えた。報告では、生徒や教職員らにヒアリングした結果、広瀬さんが中1の1学期の時、LINEで性的な動画の送信を要求されたり、からかう言動を続けられたりするなど、上級生7人からいじめを受けていたと認めた。 所見書では中間報告への疑問… この記事は有料会員記事です。残り340文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「原発稼働させる能力ない」 泊原発差し止め、原告側から批判
有料会員記事 日浦統、石垣明真、角拓哉 鈴木剛志、佐野楓、中野龍三2022年5月31日 22時30分 北海道電力泊原発(泊村)の運転差し止めを命じる判決が31日、札幌地裁で下された。提訴から10年以上が経つ中、判決文には「被告(北電)が主張立証を終える時期の見通しが立たない」「説明は十分でない」と姿勢を問う言葉が並んだ。国の原子力規制委員会にも審査遅れを招いたと批判される中、司法にも指摘された北電の対応。原告弁護団からは「原発を稼働させる能力はない」(団長の市川守弘弁護士)との声が上がった。(日浦統、石垣明真、角拓哉) 北海道電力泊原子力発電所 北海道の日本海側の積丹半島西側の付け根に位置する泊村にあり、1~3号機はすべて加圧水型。敷地面積は約135万平方キロ。出力は計207万キロワットで、東日本大震災前は北海道で使われる電気の約4割を担っていた。震災後の11年4月~12年5月、1~3号機は順次、定期検査のため運転停止。国の新規制基準施行を受けて、原子力規制委員会による再稼働の審査が続いている。 北電が泊原発の再稼働を申請したのは2013年7月。新規制基準の施行と同時だった。同時期に申請した他電力の原発は再稼働したが、泊原発は停止が続く。市川弁護士は判決後の会見で「北電だけが基準をクリアできていない。裁判所が規制委の代わりに答えを出したのがこの判決だ」と語った。 小野有五・北海道大学名誉教授(自然地理学)は「行動する市民科学者の会・北海道」のメンバーとして、泊原発敷地内の断層は「活断層だ」と指摘してきた。12年5月の第2回口頭弁論では「泊原発は日本海側のプレートに極めて近く、活断層の動きなどで大地震や巨大地震が起きる可能性が大きい」と意見陳述した。 一時は再稼働寸前にも 一方、北電側は「抽象的な可能性の指摘だ」と主張。小野氏は「(北電は)規制委の方ばかり見ていた」といい、規制委の審査を理由に、訴訟での主張を先延ばしする姿勢が目立ったという。 裁判が続く中、規制委の審査… この記事は有料会員記事です。残り2497文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本初の「監獄ホテル」最高級に、2024年夏の開業めざす
国重要文化財の旧奈良監獄(旧奈良少年刑務所、奈良市)をホテルに改修する計画が本格化する。運営者となる星野リゾート(長野県)の星野佳路代表らが5月31日、現地で会見を開き、2024年夏の開業を目指す方針を明らかにした。 日本初となる「監獄ホテル」。星野氏は「コンセプトは『最高級』だ」と話した。九つの独居房を1部屋に改修し、1、2階に全48室を設ける。今秋から工事にとりかかるという。放射状に建つ5棟の受刑者の収容棟のうち1棟は手を加えずに保存し、宿泊者以外も利用できる史料館にする。「詳しい中身についてはベストなタイミングで発表する」とした。 法務省と奈良県、奈良市が包… この記事は有料会員記事です。残り337文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル