三浦淳2022年5月30日 20時00分 文部科学省は30日、虐待で親元から避難している大学生や専門学校生が、年間を通じて日本学生支援機構の奨学金を随時申し込めるよう、機構の制度を変更する方針を明らかにした。7月の導入をめざす。現在、奨学金を随時申し込めるのは、親が亡くなった場合などに限られている。 文科省によると、日本学生支援機構の奨学金は、住民税額などを基に支給対象や支給額などが決まるため、申請の受け付けは春(4~6月)と秋(9~11月)の年2回を原則としている。年間を通じて申請できるのは、親の死亡や事故、病気、失職、災害などによる「家計急変」があった場合に限られている。 文科省は、虐待を理由に避難している学生も年間を通じて申請できるように、機構の制度を変更する。これまでは、例えば7月に避難した場合、9月まで申請を待たざるを得ず、実際の支給にはさらに時間がかかっていたが、これを改めることで進学機会の確保につなげたいという。 虐待の避難情報などは、地方自治体の福祉部門と連携して把握する。大学や自治体にも、制度変更を周知していくという。(三浦淳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪メトロに新車両30000A系 大きな荷物あっても乗りやすく
2025年の大阪・関西万博期間中の増便に対応するために、大阪メトロは30日、中央線の新車両30000A系を報道陣に公開した。運行開始は7月中の予定。今年度中に10編成(1編成6両)を導入する。 30000A系は御堂筋線などで走る30000系を改良した車両。外観や車内のデザインは、中央線の路線カラーの緑を基調とし、大小のドット柄を採用した。 車内は、荷棚を従来と比べ1… この記事は有料会員記事です。残り220文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
サントリー、「桜」夕食会に酒を無償提供 識者「違法献金の可能性」
2022年5月30日 20時00分 安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」の前日に開いた夕食会の費用を安倍氏側が補塡(ほてん)していた問題で、サントリーホールディングス(HD)が2016~19年の夕食会に酒類を無償提供していたことが、刑事確定記録や同社への取材で分かった。専門家は「無償提供は違法な企業献金にあたる可能性がある」と指摘している。 夕食会は政治団体「安倍晋三後援会」(山口県下関市)の主催で13~19年に開かれ、会費は5千円だった。後援会代表だった配川(はいかわ)博之・元公設第1秘書は、16~19年分の政治資金収支報告書に、安倍氏側が補塡した約708万円を含む約3022万円の収支を記載しなかった政治資金規正法違反(不記載)の罪で罰金刑を受けた。 ウイスキーやワインなど計382本提供 朝日新聞はこの事件について刑事確定訴訟記録法に基づく記録閲覧をした。夕食会の会場となった東京都内のホテルが作成した「宴会ファイル」という資料には、17~19年にウイスキーやワインなど計382本が持ち込まれたと記され、提供元としてサントリーHDの電話番号が載っていた。 同社広報部は取材に、16年も含めた4年間、無償提供していたと認め、17~19年に提供した酒類は各15万円程度と説明。「会の開催は安倍議員事務所から教えてもらった。多くの人が集まる会だと聞き、自社製品を知ってもらう良い機会と考えて、会に無償で協賛した」と話した。同社の新浪剛史社長は安倍政権時代の14年から政府の経済財政諮問会議のメンバーだが、この点と無償提供の関連性については「コメントを差し控える」とした。 一方、安倍氏の東京の秘書は供述調書で、費用補塡は選挙区内での寄付を禁じた公職選挙法に違反すると分かっていたため、「会場に酒を持ち込んだり、料理の数を少なくしたりして、飲食代を抑えていた」と語っていた。 「捜査機関にすべて真摯に協力した」安倍氏の事務所 政治資金規正法は、企業や団体が寄付できる対象を政党か政党が指定する政治資金団体に限定している。岩井奉信・日大名誉教授(政治学)は、サントリーHDが無償提供した相手は安倍晋三後援会と考えられ、後援会は「その他の政治団体」になるため、「違法な寄付にあたる可能性がある」と指摘。「安倍氏側は無償提供の経緯を説明すべきだ」と話した。 後援会を含む安倍氏の関連団体の収支報告書に同社からの寄付の記載はない。安倍氏の事務所は30日、同社からの酒類の無償提供や違法性について「捜査機関には質問の事実を含め、すべて真摯(しんし)に協力し、その結果の処分だったと認識している。収支報告書は処分結果を踏まえ、訂正すべき点は適正に修正している」と答えた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
辺野古、沖縄県が係争委に申し出 国交相の是正指示に対して
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐって、防衛省の設計変更申請を承認するよう、斉藤鉄夫・国土交通相が県に出した是正指示は違法だとして、県は30日、総務省の第三者機関の国地方係争処理委員会(係争委)に審査を申し出た。 係争委は、国と地方自治体の行政上の争いを審査する機関。埋め立て予定地での軟弱地盤判明に伴う設計変更申請について、県は昨年11月に不承認とした。これに対し国交相は行政不服審査法に基づいて取り消す裁決をし、地方自治法に基づく是正指示を県に出していた。 県は「本来異なる制度である… この記事は有料会員記事です。残り209文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「最高裁までやる」河村市長が控訴表明 トリエンナーレ訴訟
愛知県の大村秀章知事が会長を務める芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の実行委員会が名古屋市に未払いの負担金約3380万円を支払うよう求めた訴訟で、名古屋市は30日、支払いを命じた一審・名古屋地裁判決を不服として名古屋高裁に控訴した。 河村たかし市長は同日、記者団に一審判決を「本質は公金支出の適否にあるとの視点が欠落している」「ハラスメントと感じる作品に税金を使うのは適切なのか」と持論を展開し批判。「間違っとる時は闘っていかないかん。最高裁までやる」と語った。 一方、大村氏は同日、名古屋… この記事は有料会員記事です。残り263文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
性暴力訴訟の原告女性が会見 「判決、働く女性の一筋の光になれば」
「性暴力があったというだけでなく、相手の長崎市の部長の職権乱用があったと、きちんと書かれていたことがうれしかった」 長崎市の幹部による性暴力をめぐる訴訟で、長崎地裁は30日、原告勝訴の判決を言い渡した。性暴力から15年、提訴から3年。原告の女性は判決後、長崎市内で記者会見に臨んだ。 被害を受けた後の08年、市に調査と第三者委員会の設置を求めたが、拒まれた。翌年には、日本弁護士連合会(日弁連)に人権救済を申し立てた。日弁連は14年に謝罪と再発防止策を求める措置勧告をしたが、市は受け入れなかった。 「今日の判決が、この社会に暮らし、働く女性にとって一筋の光となることを希望します」 判決をどうみる 性暴力をめぐり、判決は組織としての市の責任を認めました。後段では、弁護士が判決の意義や評価について語ります。 判決は、取材への協力という職務に関連する行為に際し、性暴力に及んだと言及。市の責任を認めた。原告弁護団の中野麻美弁護士は「取材は民主主義の基本。そこを侵害することは慎まなければいけないと認められた」と語った。 判決の社会的意義について… この記事は有料会員記事です。残り839文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
訪問ドタキャンも諦めない 小池知事が抱く「東京発」ワクチンの野望
東京都の小池百合子知事が今月、コロナ下では初となる2年9カ月ぶりの海外出張を行った。訪問先は中東。ところが、進展させるはずだった重大任務は果たせず、都にとって悔いが残る結果となった。 「結果的に、大変有意義な出張だったと思う」 18日午後、約10時間のフライトを終えて成田空港に到着した小池知事は疲れた様子も見せず、集まった記者団にそう語った。 エジプト留学経験もある小池知事が今月15日から4日間の日程で訪れたのは、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビだ。ハリファ大統領の急逝を受けて就任したムハンマド新大統領ら要人と次々面会するなどし、「非常に好待遇を受けてくることができた」と満足げだった。 ただ、中東出張はもともと、UAEだけでなく近隣のクウェートも訪れ、新型コロナにも絡むプロジェクトを進めることが大きな目的だった。それが、出発の直前にUAE大統領が急逝した影響で急きょ予定変更に。そのことに話が及ぶと小池知事は「クウェートには改めてうかがいたい。どのタイミングが良いのか、連携を取りながら模索する」と仕切り直す方針を示した。 知事がそこまでクウェート訪問にこだわるのは、都が注力してきた「東京発」の国産ワクチン開発に光を見いだせる可能性があるからだ。 このワクチン開発事業は、都が全額出資した公益財団法人・東京都医学総合研究所(医学研、世田谷区)が2020年春に着手した。これまでに都が計2億円の補助金を支出したほか、国立の日本医療研究開発機構(AMED)も2年間で5億円の補助金を出してきた。 高まる都庁の期待 だがネックが… 医学研によると、このワクチンの特徴は、1回の接種で長期間、さまざまなウイルスに対する免疫を獲得できる、というものだ。天然痘ワクチンの成分を活用して開発。抗体に加え、ウイルスを直接攻撃する「細胞性免疫」を作ることができるという。 これにより、すでに判明して… この記事は有料会員記事です。残り960文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山口・阿武町長の給与、3カ月間5割減額へ 誤入金問題受け処分発表
4630万円の誤入金問題を巡り山口県阿武町は30日、管理監督責任を怠ったり、ミスがあった際の業務に関与したりしたとして、町長、副町長と職員5人に対する減給などの処分方針を決め、発表した。 発表によると、花田憲彦町長を3カ月間の給与5割減額、中野貴夫副町長を同4割減額の処分とする。 このほか、出納室長を同1割… この記事は有料会員記事です。残り328文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
飲酒運転の常連客の身代わりに 容疑で居酒屋店主ら書類送検 大阪
2022年5月30日 21時28分 店で飲酒した後に車で事故を起こした常連客に頼まれ、店員を身代わりにしたとして、大阪府警は30日、居酒屋店主の男(34)=大阪府泉佐野市=を犯人隠避教唆容疑で書類送検し、発表した。容疑を認めているという。 泉南署によると、居酒屋の常連客の男(31)が3月10日未明、泉南市の国道26号で酒を飲んで軽トラックを運転した。店主は男と共謀し、男の処罰を免れようと、店のアルバイト店員の女(30)に身代わりになるよう依頼した疑いがある。 常連客は道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑などで、店員は犯人隠避容疑で、それぞれ書類送検された。2人も容疑を認めているという。 署によると、常連客は運転中に中型トラックに追突。自分の車が動かなくなり、店主に「来てくれ。飲酒運転がばれる」と連絡したという。店員は店主からの依頼で現場に行き、「自分が運転していた」と警察官に申告していた。 常連客の右手に事故の際にできたとみられる擦り傷があり、身代わりの疑いが浮かんだという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中学生が理科の実験中に指を切断、447万円賠償へ 広島県福山市
広島県福山市神辺町の市立神辺中学校で2018年9月、男子生徒が理科の実験中に手の指を切断する事故があり、福山市教委は卒業した男子生徒に慰謝料や治療費など約447万円を賠償する方針を決めた。市側が30日、市議会6月定例会に提出する関連議案を明らかにした。 市教委によると、事故は男性教諭の指示で「慣性の法則」を学ぶ実験を廊下で行った際に起きた。男子生徒は別の生徒を乗せた台車を押す役だったが、バランスを崩した台車が倒れ、男子生徒は台車の持ち手と床の間に手を挟まれ、左手中指の先を切断したという。 市教委は当時、校長を通じて担当教諭に再発防止を指導した一方、「保護者の意向」などを理由に事故を公表しなかった。 賠償を決めたことについて、市教委学事課は「台車は荷物用で、人を乗せるものではない。実験は安全に対する配慮が不十分だった。学校における安全管理を徹底する」としている。(西本秀) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル