新型コロナウイルス対策の持続化給付金を詐取したとして指名手配された谷口光弘容疑者(47)やその家族らのグループが、給付金の受け付け開始直後の約4カ月間で約1780件を申請していたことが、捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、男らがセミナーを開催して短期間に多数の協力者を募り、組織的に不正な申請を繰り返していたとみている。 捜査関係者によると、谷口容疑者は東京都港区六本木にある飲食店経営会社の代表を務めており、この会社の事務所やファミレスでセミナーを開催。呼び掛けに応じて参加した知人らに「誰でもお金がもらえる」と説明し、申請者になるよう呼びかけていたという。 給付金の申請には、運転免許… この記事は有料会員記事です。残り413文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
電力会社に付き合えない 泊原発差し止め、地裁判決が示したポイント
安全性を主張しながら、いまだに裏付けを示せていない。いつまでも付き合うわけにはいかない。札幌地裁の判決は、こんな論理で泊原発の運転を差し止めた。北海道電力の当事者能力に大きな疑問を投げかけた判決ともいえる。 判決が直接指摘した防潮堤だけではない。北電は、敷地内断層をめぐる原子力規制委員会の審査でも、最低線を探るような無理筋の主張を繰り返してきた。規制委からは、社内の専門家の不足も批判されてきた。 原発の安全確保の責任は一義… この記事は有料会員記事です。残り436文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ウクライナとロシアの子の絵画集め展覧会 「偏見や差別を越えて」
焼けただれた街やおびえた人々の姿に「何もできない」と感じるより、子どもが日常を描いた絵を見て平和への願いを確かめ合いたい。そう考えた聖心女子大(東京都渋谷区)の2人の教授が、ウクライナとロシアの子どもが描いた絵画展を企画した。両国の絵を集めたのは「子どもの表現には国の隔たりがない」と伝えたかったからだ。 お父さんやお母さんの顔、星空、サーカスのバレリーナ、雪の街、スケート……。聖心女子大4号館のエントランスにウクライナとロシアの子の絵18枚ずつが展示されている。七夕の短冊も用意され、平和への願いを書いて飾れる。 企画したのは、同大グローバル共生研究所。担当したのは、現代教養学部教育学科の永田佳之教授(教育学)と水島尚喜教授(美術教育学)だ。 戦争の映像に「何もできない」「いたたまれない」 2月、ロシアがウクライナに… この記事は有料会員記事です。残り676文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ドラマ「30までにとうるさくて」プロデューサーが語る女性の痛み
30歳を前にした男女に「痛いほどわかる」「刺さりすぎてつらい」と話題を呼んでいるドラマがあります。インターネットテレビ「ABEMA」オリジナルドラマとして配信中の「30までにとうるさくて」。恋愛、仕事、性にとさまざまに葛藤し、決断していく29歳の4人の女性のモデルとなったのは、実在の女性たちでした。企画・プロデュースした藤野良太さんは「『痛み』を脚本にしたドラマ」といいます。その「痛み」とは何か。モヤモヤを抱える働く20代の終盤には、どんな状況が待っているのか。藤野さんにドラマに込めた思いを聞きました。 「30までにとうるさくて」 インターネットテレビ「ABEMA」で今年1月から配信されているオリジナルドラマ(全8話)。それぞれ異なった感性や価値観を持つ、現代の東京を生きる29歳独身女性たち4人組の恋、キャリア、性、友情の物語。「30歳までに結婚しないと…って焦るけど、なんで?」「29歳、私たちこのままでいいのかな」など、“30歳”という節目の年齢を意識する女性ならきっと誰もが一度は感じたことがある悩みや焦り、怒りを抱えながらも、自分たちの意思で乗り越えていく姿を、ユーモラスかつ痛烈にオリジナルストーリーで描く。主演は、人気バンド「ゲスの極み乙女。」のドラマーとして活動しながら、女優としても活躍するさとうほなみさん。脚本は劇作家で劇団「贅沢(ぜいたく)貧乏」主宰の山田由梨さん。 「29歳」が持つ特別な意味 切り口に ――このドラマを作ろうと思ったのはどうしてですか。 最初のきっかけは「SNSで精子が個人間で取引され、トラブルが増えている」という新聞記事を読んだことです。国内の医療機関で精子提供を受けられるのは、婚姻関係にある夫婦で、夫が無精子症である場合などに限られる。国が、女性が一人で子どもを生み育てることを否定しているような気がして「おかしいな」と思いました。 「30歳までに結婚したい」… この記事は有料会員記事です。残り3648文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
偽「グッチ」2点で2万円也 販売容疑で逮捕、否認 6500点押収
2022年5月31日 16時17分 高級ブランド「グッチ」などの偽物のバッグを販売したとして、大阪府警は、大阪市西成区南開1丁目の無職、王雷(ワンレイ)容疑者(34)ら中国籍の男4人を商標法違反(侵害とみなす行為)容疑で逮捕したと5月31日に発表した。王容疑者ら3人は「偽物とは知らなかった」などと容疑を否認しているという。 生活安全特別捜査隊によると、4人は共謀して1~2月、佐賀県の50代女性にグッチの偽物のバッグ2点を計2万1800円で、兵庫県の20代女性にバレンシアガの偽物のバッグ1点を1万1600円で販売した疑いがある。 同隊によると、王容疑者らはインターネットサイトを通じ、正規品の約10分の1の価格で販売していたという。昨年1月、国内でグッチの商標権を持つ会社から「サイトで商品を購入し、鑑定したら偽物と分かった」と府警に相談があったという。 また府警は30日、王容疑者らが商品を保管していたとみられる西成区内の倉庫を捜索し、バッグや腕時計など約6500点を押収した。府警は偽ブランド品とみて鑑定を進める。倉庫内にいた別の中国籍の大学生の男(21)を同法違反(譲渡目的所持)容疑で現行犯逮捕した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「自称19歳」の中3女子を働かせた疑い デリヘル店、年齢確認せず
大山稜2022年5月31日 12時29分 採用面接の際に年齢確認をせずに女子中学生を風俗店で働かせたとして、東京都内を中心に営業する無店舗型デリヘル店「ラストJK」の経営者の男(44)と従業員の男(29)を、児童福祉法違反(淫行させる行為など)の疑いで逮捕し、31日発表した。2人とも「自分が面接をしたかは覚えていない」と話しているという。 少年育成課によると、ラストJKは池袋、秋葉原の両地区を中心に女性従業員をホテルに派遣するデリヘル店。2人は昨年12月17日、当時中学3年生の女子生徒(15)=東京都=が18歳未満なのに年齢を確認せずにホテルに派遣し、40代の会社員男性とわいせつな行為をさせた疑いがある。女子生徒は8カ月前の採用面接時に19歳と自称していたが、男らはそれを厳格に確認せず、週3回のペースで働かせ続けていたという。 店には約40人の女性従業員が在籍しており、同課はほかにも18歳未満の女性が働いていなかったかを調べている。(大山稜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
いよいよ大雨シーズン、新しい避難情報の確認を 注目は「レベル4」
まもなく本格的な雨の季節に入る。近年は毎年のように記録的な豪雨が繰り返され、多くの人が犠牲になっている。政府は昨年、自治体が発令する避難情報の体系を見直した。適切なタイミングで適切に避難できるよう、改めて確認しておきたい。(吉沢英将、グラフィック=米沢章憲) 災害発生の危険度を5段階で示して伝えるのが、2019年に運用が始まった「警戒レベル」だ。レベルには大雨警報などの防災気象情報が位置づけられており、自治体はレベルに応じて避難情報を出す。昨年5月に災害対策基本法が改正され、今年は避難情報の運用が見直されて2年目。何が変わったのか。 警戒レベル「4」、避難指示に一本化 大きな変更となったのがレベル4だ。この段階は、気象庁が土砂災害警戒情報などを出すことが想定され、災害発生の直前という位置づけだ。従来、レベル4で自治体は避難情報として避難勧告か避難指示(緊急)を出すとしていたが、わかりづらいこともあって昨年から勧告は廃止に。「避難指示」に一本化された。危険な場所にいる住民はこの段階までに、避難所や高層階へ避難する必要がある。いわば避難の「最後通告」の段階といえる。 さらに事態が進行し、大雨特別警報などが発表されればレベル5に至る。レベル5ではすでに災害が発生している可能性が高い。レベル5の名称はこれまで「災害発生情報」だったが、昨年から「緊急安全確保」に見直された。避難所への移動は推奨されず、自宅の上層階や近所の頑丈な建物などへ緊急的に移ることが求められる。 一方、レベル4の前段階のレベル3は大雨警報や洪水警報が発表される段階。避難に時間がかかる高齢者や障害を持つ人たちが避難する段階として、自治体が出す避難情報はシンプルに「高齢者等避難」になった。 こうした情報は、自治体の防災行政無線のスピーカーや緊急速報メールなどで伝えられる。土砂災害や洪水、浸水の危険度がリアルタイムでわかる気象庁ホームページの「キキクル(危険度分布)」(https://www.jma.go.jp/bosai/risk/)などを活用し、避難を判断することも重要だ。 避難指示、出ないことも 災害が起きる前、自治体が必ず適切に避難情報を出すとは限らない。昨年7月3日に静岡県熱海市であった土石流災害。静岡地方気象台と県は前日の2日午後0時半、熱海市に土砂災害警戒情報を発表。市はその時点で高齢者等避難(レベル3)を出していたが、避難指示(レベル4)への移行は見送った。土砂災害警戒情報が継続するなか、3日午前10時半ごろに土石流は起きた。 内閣府の「避難情報に関するガイドライン」は、土砂災害警戒情報が発表されれば直ちに避難指示を出すことが基本だと例示している。斉藤栄市長は発生直後の記者会見で「雨のピークは越えることが予想されていた」と説明した。この災害では、計画を上回る盛り土が被害を広げた。 こうした事態を受け、昨年10月に内閣府が全国123市町村にアンケートした結果からは、悩む自治体の姿が浮かぶ。「土砂災害の危険度や河川の水位が刻々と変わるため、発令判断が難しい」と回答したのは65・9%。「避難情報を出しても災害が起きず『空振り』になり、効力が薄れる不安がある」とした割合も62・6%だった。 線状降水帯予測も道半ば 今年は新しい情報も示される。気象庁は6月1日から、集中豪雨をもたらす「線状降水帯」ができる可能性が高いと予測できた場合、発生の半日前に予測情報の発表を始める。精度はまだ十分と言えず、発表範囲も「九州北部地方」「中国地方」など広域だ。 実際に線状降水帯が発生したことを伝える「顕著な大雨に関する情報」の発表基準を満たした2019~21年の事例で同庁が検証したところ、予測した地方で発生を的中できたのは約4分の1。予測できずに発生する「見逃し」は、3回に2回程度あったという。必ず予測できるわけでもないことがわかる。 長谷川直之・気象庁長官は会見で「『空振り』があることは認めざるを得ないが、油断せず警戒してほしい」と呼びかけた。線状降水帯の予測情報は自治体の避難情報に即座に結びつく情報ではないが、大雨に備えて個々がハザードマップを確認したり、避難の準備をしたりできる。 「行政ができるのはサポートだけ」 中央防災会議の作業部会で委員を務め、昨年の避難情報見直しに関わった片田敏孝・東大大学院特任教授(災害社会工学)は、見直しについて「自分の命は自分で守る、という高い主体性を求めていることが肝だ」と話す。 変更前は、レベル3で「避難準備」、レベル4で「避難勧告」からさらに「避難指示」と順序立てて情報が発令される流れになっていた。だが変更後は、準備と勧告という文言がなくなり、多くの住民にとって「避難指示」の一つに整理された。 これは何を意味するのか。片田特任教授は「行政が『この情報に沿って行動すればいい』と呼びかけるものではなくなった」という。今後はレベル4の「避難指示」という1度の最後通告までに「自分で避難を判断することが求められる」と言う。 変更の背景に、線状降水帯による豪雨や、土砂災害といった予測の難しい災害が頻発していることを挙げる。「自然が相手なだけに、気象庁や行政がいつも適時、適切に情報を出し続けることは難しく、限界がある。行政ができることはサポートに過ぎない。住民一人ひとりが災害に関心を持ち、自分の命を自分で守る姿勢を持ってほしい」 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新装「まちの駅青梅」にぎわう 「昭和レトロ」な撮影スポットも人気
JR青梅駅(東京都青梅市)の改札口隣に新装開業した「まちの駅青梅」が好評だ。青梅が発祥とされる「昭和レトロ」な看板が並ぶ外観も、訪れる人々をひきつけている。 運営する株式会社「まちの駅青梅」の和田保彦社長(67)によると、特に人気なのは、地元のチョコレート製造「プラム」のロールショコラや、同じく市内の「かわなべ鶏卵農場」の卵やその加工品、地酒など。計40以上の企業や店舗が出品しており、コラボ商品も多い。商品の大半は地元でしか手に入らないものだ。 和田社長は古美術商や飲食業… この記事は有料会員記事です。残り342文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
直木賞作家の今村翔吾さん、原点の地を出発 全国行脚で伝えたいこと
歴史小説「塞王(さいおう)の楯(たて)」(集英社)で1月に直木賞を受賞した作家の今村翔吾さん(37)=大津市=が30日、47都道府県の書店などを巡るお礼行脚に出発した。小説を執筆できるように改造したワゴン車で、119日かけてめぐる。今村さんを全国行脚へと突き動かした思いとは――。 今村翔吾さん略歴 1984年、京都府生まれ。現在は大津市在住。ダンス講師を経て2017年、「火喰鳥(ひくいどり) 羽州ぼろ鳶(とび)組」でデビュー。「童の神」(ハルキ文庫)、「じんかん」(講談社)で直木賞候補に。今年1月、「塞王(さいおう)の楯(たて)」(集英社)で第166回直木賞に決まった。21年11月から大阪府箕面市の書店「きのしたブックセンター」のオーナー。 「今村翔吾のまつり旅」と名づけた旅の出発地は、かつて勤務していた滋賀県守山市の埋蔵文化財センター。小説の執筆活動を始めた作家の原点ともいえる場所だ。 30日、同センターで講演会を開いた。センターで2015年から約2年半働いた今村さんは「ここでの時間が無ければ今のような作品は書けなかった。歴史小説の勉強になっただけではなく、本当に大切なことを学ばせていただいた」と話した。 岩崎茂所長(66)によると、直木賞受賞前に今村さんから講演会の打診があったが、「直木賞作家になってから来てほしい」と断ったという。受賞後の4月に再び今村さんから「旅のスタート地点にしていいですか?」と連絡があったという。岩崎所長は「彼なら必ず取ってくれると思っていたが、律義にスタート地点に選んでくれたことがうれしい」と話した。 出発式では、宮本和宏市長らが激励に駆けつけた。ファンやかつての同僚ら約90人に見送られながら、今村さんはワゴン車に乗り込んで出発した。 最初に訪れた、同市古高町の「本のがんこ堂」守山店では、サイン会を開催。35年前に県内で本屋を創業したがんこ堂社長の田中武さん(68)は「これまで直木賞作家が来たことはない。まちの本屋にとって活性化、売り上げにもつながりありがたい」と話した。 今村さんは直木賞が決まった1月の記者会見で「今年中に47都道府県の書店にお礼に回りたい」と宣言した。コロナ禍前は年間100件ほど書店回りをしていた。ただ、振り返ってみると、主に訪れていたのは、出版社に段取りをしてもらった東京や大阪などの大型店が中心だった。 今村翔吾さんが改造したワゴン車に乗り込んで、全国行脚に出ました。なぜそこまでするのでしょうか。そして何を伝えたいのでしょう。出発前に朝日新聞のインタビューで語ってくれました。記事後半で紹介します。 昨年11月には、閉店の危機… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
封筒の中には100万円と手紙 市の窓口に託した「八十過ぎの老人」
埼玉県春日部市役所の窓口にひとりの男性がやってきた。職員に封筒を差し出し、市長に渡すように伝えると、そのまま立ち去った。中に入っていたのは……。 市によると、男性が来たのは、27日午後1時前ごろだった。年齢は80歳くらい。2階の総務課で「市長に渡してください」と言って封筒を差し出した。職員が名前を聞くと、男性は「答えたくない」と拒み、時間をおいて開封するよう求めた。職員は危険物が入っていないかどうか男性に確認したうえで受け取った。男性はそのまま立ち去った。 総務課から封筒を引き継いだ秘書課の職員が開封すると、銀行の帯封がついた現金100万円と手書きの手紙が入っていた。 手紙はこんな文面だった。 「春日部市に住み五十年にな… この記事は有料会員記事です。残り267文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル