映画「20歳のソウル」が5月27日から全国で公開されます。千葉県船橋市立船橋高校に代々受け継がれている応援曲「市船soul(いちふなソウル)」にまつわる実話をもとに、紡がれるストーリー。映画化のきっかけは、2017年4月2日の朝日新聞朝刊に載った記事でした。映画公開を前に、この記事を再掲します(一部修正、年齢は当時)。 ◇ 市立船橋高校(千葉県船橋市)には、受け継がれていくメロディーがある。 応援曲「市船soul」。吹奏楽部の躍動感あふれる旋律が、運動部員たちに力を与えてきた。 「僕に作らせて」 作曲したのは2014年3月に卒業した浅野大義(たいぎ)さん。目立ちたがり屋のトロンボーン吹きが卒業前、高橋健一先生(56)に願いでた。 「僕にオリジナルの曲を作らせてください」 「できが良かったら採用してやるよ」 しばらくたって、大義さんは先生に4枚の譜面を手渡した。机に広げた先生は「長いよ」と苦笑し、ペンで少し手をいれた。 やがて「市船soul」が、試合で流れはじめた。 2015年の夏、大義さんはバーベキューに出かけた。家に帰ると、吐き気がした。せきも止まらない。 記事後半では、病魔と闘いながらも音楽を愛し続けた大義さんの姿をお伝えします。大義さんを見送るため、同級生や後輩ら総勢164人で「市船soul」を演奏する動画もあります。 詳しい検査の後、医者から「… この記事は有料会員記事です。残り980文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「安全あっての商売」 知床事故の半年前、語った社長 しかし…
北海道斜里町の知床半島沖で、26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故から、23日で1カ月。最後の出航となったあの日、あの海で何があったのか。 出航決断、規程に違反 「天気が荒れる可能性があるが出航は可能」 カズワンを運航する「知床遊覧船」の桂田精一社長(58)が記者会見で語ったところによると、桂田社長は4月23日の午前8時ごろ、カズワンの豊田徳幸船長(54)にそう伝えられたという。2人で運航の可否を話し合い、海が荒れる場合は途中で引き返すという「条件付き」で運航することを決めた――。桂田社長はそう説明した。 しかし、この判断は明らかに規程に反していた。 同社が定めた運航基準をみる… この記事は有料会員記事です。残り1841文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
列車内の悲鳴や騒ぎを自動でキャッチ JR西日本が実用化に向け研究
JR西日本が、列車内の声や音からトラブルの発生を検知するシステムの開発を進めている。列車内で乗客が被害に遭う事件が相次いでいるためで、安全性の向上につなげるねらいがある。 JR西によると、グループ会社とともに開発中のシステムは、列車内にマイクを複数設置し、悲鳴や助けを求める声や騒ぎとみられる音を検知した場合にシステムが作動し、乗務員室に通報が入る仕組みを想定している。音声データを常時録音して蓄積することはないとしている。 乗客が非常ボタンを押すなどで異常を伝える従来の仕組みより、乗務員が早く対応できる利点があるという。 2018年には東海道新幹線… この記事は有料会員記事です。残り227文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ダム計画再浮上、遊水池整備… 公聴会で噴き出した住民の不信と困惑
有料会員記事 今村建二、杉浦奈実、長妻昭明、大貫聡子2022年5月23日 5時00分 国と熊本県は、2020年7月の記録的豪雨で氾濫(はんらん)した球磨(くま)川水系の治水対策「河川整備計画」の原案をまとめた。一度中止したダム計画を流水型ダムに衣替えし、遊水地を整備することが柱。ただ、豪雨への不安や行政への不信も重なり、流域で開かれた公聴会では住民の複雑な思いがにじんだ。 公聴会は4月23~27日に各地で行われ、公述人33人が意見を述べた。 相良村での流水型ダムの建設に伴い、村域の一部が水没する五木村。公述人として参加した60代の男性は、「親の代から苦しめられ、引っかき回された我々の苦労はいつまで続くのか」と、ダム計画に振り回されてきた村民の思いを代弁した。 球磨川最大の支流、川辺川への貯留型ダムの整備計画が発表されたのは1966年。以降、村は翻弄(ほんろう)され続けてきた。 住民に不信感、割れる賛否 村民を二分する議論を経て計画を受け入れ、水没予定地の住民の多くが代替地や村外へ引っ越した。 ところが、ダム計画は2008年に蒲島郁夫知事の「白紙撤回」で中止に。しかし、20年7月の豪雨が球磨川流域を直撃すると、再びダム計画が浮上した。 行政と災害に振り回されてきた男性は「仮に流水型ダムをつくって何かあっても、また誰も責任を取らないのではないか」と、国や県への不信をぶつけた。 20年豪雨で20人が犠牲となった中流域の人吉市では、賛否が分かれた。 100世帯以上が床上浸水し… この記事は有料会員記事です。残り1360文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
職場で自分を偽らずにいるために 「心理的安全性」どうつくる?
意見や疑問を口にしづらい。そんな職場は心の安全性が乏しいのかもしれません。個性を生かし、チームの力を発揮する土台になり得る概念として、「心理的安全性」が注目を集めています。モノを言える組織のために一歩を踏み出すと、どんな景色が広がるのでしょうか。 心理的安全性は、組織の中で対人関係のリスクにおびえることなく、意見や質問、違和感を気兼ねなく口にし、話し合える状態を指す。米グーグル社が生産性の高いチームの最大の要因に挙げ、パフォーマンスを高める処方箋(せん)として話題を呼んでいる。 データサイエンティストで起業家の石井遼介さんは心理的安全性に基づくチーム作りを提唱している。著書「心理的安全性のつくりかた」(日本能率協会マネジメントセンター)は13万部を発行、企業研修に引っ張りだこの存在だ。 石井さんは日本企業で働く6千人の意識を調べ、日本の組織に求められる心理的安全性の土台として、①話しやすさ②助け合い③挑戦④新奇歓迎、の4因子を見いだした。 そもそも①②がなければ③④は生まれづらい。ミスや失敗を報告したら叱るのではなく、報告自体を歓迎できるか。失敗を責めずに建設的な解決策を出し合えるか。管理職の役割は大きい。 「日本企業は部下に文句を言わせないことでマネジメントしてきましたが、従来の成功体験が通用しない時代。気づきや意見を言い合って、試行錯誤するのが成長の近道との考えが、徐々に定着しつつあります」 モノ言える職場のために、部下の立場からできることもある。 上司には提案よりもまずは相… この記事は有料会員記事です。残り1887文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
20年後の東京の人に誇れるか 神宮外苑の再開発、都市社会学者の目
東京・明治神宮外苑で、再開発が進められようとしています。スポーツ施設やホテルの建設、ビルの高層化に伴い、外苑内の1千本近い樹木が伐採される見通しで、反対運動が起こっています。元・日本社会学会会長で東京経済大教授の町村敬志さんは、樹木だけでなく、「空き地」に着目します。 20~30年後の東京を考えた時、禍根を残さないためには何が必要か。神宮外苑を記者と歩きながら、語ってもらいました。 ――神宮外苑地区で、約1千本の樹木伐採などについて反対運動が起こっています。 記事では、町村さんに、神宮外苑の再開発計画で将来に禍根を残しかねないポイントを詳しく聞き、都心のビルの高層化や、曲がり角を迎える東京全体の再開発についても聞きました 樹木も大事ですが、私の専門… この記事は有料会員記事です。残り1879文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
判定欄に「○」並んだカズワン 甘い監査、裏に「船の世界」の難しさ
有料会員記事 磯部征紀、小川崇 武田啓亮、江戸川夏樹2022年5月22日 19時00分 北海道・知床半島沖で乗客・乗員計26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故をめぐり、安全を確保するための国のチェック体制や制度の「穴」が次々と浮き彫りになりました。国の対応のどこに問題があり、この事故の教訓をどういかしていくのか。23日で事故発生から1カ月となるのを前に、問題の経緯や、今後の制度見直しのポイントをまとめました。 「事業者へのさらなる確認や指導が十分にできていなかったと認識している。真摯(しんし)に受け止め、監査方法の改善をはかっていく」 18日の衆院国土交通委員会。斉藤鉄夫国交相は、カズワンの運航会社「知床遊覧船」に対する国のチェックの甘さを認めた。安全対策をめぐって野党議員から繰り返し「国の確認がずさんだった」と追及されたためで、何度も「改善をはかる」との答弁に追われた。 事故があったのは、4月23日。その1年近く前の昨年5~6月、カズワンは2度の事故を起こし、国は特別監査を行っていた。運航管理者と常時連絡を取れるようにすることなど10項目を指導。同年10月には抜き打ち確認も実施した。改善確認のチェック表の判定欄には「○」が並び、確認が済んだことになっていた。 風速・波高15日間すべて同じ数値 そのままにした国 しかし、この抜き打ち確認か… この記事は有料会員記事です。残り2768文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中国空母、沖縄・宮古島間を再び通過 艦載機の発着300回以上
成沢解語2022年5月22日 19時25分 防衛省は22日、中国海軍の空母「遼寧」など7隻が21日に沖縄本島と宮古島の間を北西に進み、東シナ海に抜けたと発表した。遼寧は沖縄南方の海域で艦載機を過去最多となる300回以上発着させた。同省は中国の空母の運用能力が向上しているとみている。 同省によると、21日午前から午後にかけて、宮古島の東約170~220キロで、北西や西に進む遼寧など7隻を相次いで確認した。7隻は同日中に沖縄本島と宮古島の間を北西に進み、東シナ海に抜けた。20日にも別の1隻が通過。これら8隻は2日に同海域を南下していた。遼寧のこの海域の通過は11回目。 遼寧は3日以降、台湾や沖縄に近い海域で戦闘機やヘリの発着を繰り返していた。18日午前には中国軍のH6爆撃機2機が沖縄本島と宮古島の間を往復した。対艦ミサイルを積んでいた可能性があり、空母と連携した実戦的な訓練にあたったとみられるという。(成沢解語) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国で新たに3万1457人感染 8日連続で前週の同じ曜日を下回る
新型コロナウイルスの国内感染者は22日、午後7時半時点で新たに3万1457人が確認された。1週間前の15日より3545人少なく、8日連続で前週の同じ曜日を下回った。 369人の感染が確認された福島県は22日、内堀雅雄知事(58)が感染したと発表した。飲食店での会食に同席した人の感染がわかり、19日以降は自宅で公務にあたっていた。23日からの出勤に備えてPCR検査をしたところ、陽性と判明した。体調に異常はないという。 東京都では新たに3317人… この記事は有料会員記事です。残り196文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「オイサ」 響く掛け声 3年ぶり宮出しの三社祭 継承の写真展も
浅草神社(東京都台東区)の三社祭は最終日となった22日、宮神輿(みやみこし)3基の巡行が3年ぶりに実施された。宮神輿を境内から担ぎ出す「宮出し」で、盛り上がりは最高潮に達した。 午前7時、境内での一本締めを合図に、緑の法被姿の担ぎ手たちが神輿を持ち上げ、お囃子(はやし)に乗り、上下に激しく揺らした。「オイサ、オイサ」の掛け声が響いた。 「3年ぶりの神輿は重かった~」。担ぎ手の一人、芝崎西町会(西浅草3丁目)の専門学校生、立川力さん(19)は肩をさすった。マスク着用での参加に「担げるのは本当にうれしいけど、息がしづらくて苦しかった」と苦笑いした。 別の町会の担ぎ手の一人、会社員、嶋村琴音さん(23)は、「昨年までの2年間は町が祭りに向かって高まっていく空気感がなく、さみしかった」と振り返った。「この日を楽しみに仕事を頑張ってきた。改めて浅草になくてはならないものだと実感した」 その後、3基の神輿は境内を出ると、台車に載って神社周辺を巡行した。道の両わきでは大勢の人がスマホを向けるなどして勇壮な祭りを見守った。 浅草神社そばで1953年か… この記事は有料会員記事です。残り756文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル