ロシアとウクライナ、その双方の架け橋になりかった。それなのにまさか、入国禁止とは――。ロシア外務省が5月4日に発表した措置について、両国と長く交流を続けてきた研究者が心境を語った。 ウクライナ研究で知られる神戸学院大教授の岡部芳彦さん(48)。岸田文雄首相や林芳正外相、報道関係者ら63人の「入国禁止リスト」に自分が入っていることを知ったのは、大型連休のさなかだった。 「子どもと映画館でアニメを見ていて、終わってスマホの電源を入れたら、着信やメールが30件ぐらい来ていたんです」 ウクライナに住む日本人の友人からのメールには、「リスト入りおめでとうございます」とあった。「何のことですか?」。そんなやりとりをして、事態をのみ込んだ。 「ただただ驚いたし、ショックでした」 だが、リストに入った面々を見渡せば、原因はうかがえた。 スポーツジャーナリストの二… この記事は有料会員記事です。残り1573文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「融資を」 2日続けて窓口を訪れた女性、銀行員コンビはピンときた
その女性は2日続けて銀行を訪れ、融資を求めた。行員が理由を尋ねても、女性は話さない。初日は行員に促されて帰ったが、翌日もまたやってきた。「これは詐欺だ」。ピンときた行員らの説得で女性は詳細を語り出し、被害を未然に食い止めることができた。 女性の詐欺被害を防いだのは、南都銀行(奈良市)行員の松島温(あつし)さん(40)と楠田幹喜(かんき)さん(23)。 奈良県警奈良署や2人によると、今年3月9日、40代女性が同行南支店(奈良市)の窓口を訪れた。60万円ほどの融資を希望していた。融資担当の楠田さんが応対した。ところが困ったことに、お金が必要な理由をなかなか明かしてくれない。家族にも内緒だという。 「詐欺かもしれない」。頭によぎった楠田さんは、女性に考え直すよう促した。女性は「頭を冷やします」と銀行を後にした。 丸く収まったかのように見え… この記事は有料会員記事です。残り925文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
芸備線「前提ない議論を」踏み込んだJR西 「廃線も?」地元反発
JR西日本は11日、広島と岡山の山あいを結ぶJR芸備線について「特定の前提を置かない議論を速やかに開始したい」と沿線自治体に申し入れた。同線の一部区間は利用者低迷が深刻化している。廃線やバス転換などの可能性も含む提案で、両県では動揺や反発が広がっている。 廃線の可能性を示唆 11日、岡山県新見市で開かれた芸備線の利用促進検討会議。その最終盤、JR西岡山支社の須々木淳副支社長が沿線自治体の幹部を前に突然切り出した。 「鉄道は地域のお役には立てていない。前提を置かず、将来の地域公共交通の姿について速やかに議論を開始したい」 須々木氏は会議終了後、記者団の取材に「今後の議論の進め方について問題提起をした」と説明。選択肢に廃線が入るのかとの質問に対しては「いろんな可能性を含めて、議論させて頂きたい」と語った。 過去には広島と島根をつなぐJR三江線で、JR西が「持続可能な公共交通の実現に向けた検討」を自治体側に申し入れ、最終的に廃線となった経緯もある。このため、自治体側には「前提を置かない議論」への警戒感が強い。 「利用促進にしっかり取り組… この記事は有料会員記事です。残り1195文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警視庁の警察犬、新たに骨のようなもの二つ見つける 山梨・道志
山梨県警は11日、子ども用の靴などが見つかった同県道志村の山中で、新たに人の骨のようなものを二つ発見したと発表した。付近では2019年に千葉県成田市の小学生、小倉美咲さん(9)が行方不明となっており、県警が遺留品などの捜索を進めている。 県警によると、二つの骨のようなものは靴などが見つかった沢付近で発見された。10日から応援に入っている警視庁の鑑識課員と、骨などを捜索する特殊な訓練を受けた警視庁の警察犬(シェパード)が見つけたという。 人の骨と確定すれば、DNA… この記事は有料会員記事です。残り217文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
漏洩、再就職の見返りか 防衛局元課長、省OBの後任予定
航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)の施設工事をめぐる官製談合事件で、逮捕された防衛省近畿中部防衛局の元建築課長、稲垣正義容疑者(60)=沖縄県浦添市=が、入札情報を漏らした同省OBの建設会社側に定年退職後に再就職する予定だったことが、捜査関係者への取材で分かった。愛知県警は、稲垣容疑者が自身の再就職も入札情報を漏洩(ろうえい)した動機の一つだったとみて調べる。 官製談合防止法違反などの疑いで10日に逮捕されたのは、稲垣容疑者と同省OBで「アイサワ工業」(岡山市北区)の社員、村上泉容疑者(65)=東京都世田谷区。 防衛省などによると、村上容疑者は同省の東海支局建築課長だった2018年に退職。翌19年4月からアイサワ工業で顧問を務めていた。一方、問題となった20年11月の一般競争入札の際、稲垣容疑者は近畿中部防衛局の建築課長に就いていた。入札の対象となった電子戦評価技術の研究施設の新築工事で、予定価格を積算するなど実務を取り仕切っていた。 捜査関係者によると、村上容疑者は再就職から数年したら顧問を退く予定で、後任には今年3月に定年退職した稲垣容疑者が就く計画だった。最初に入札情報を漏らしたとされる20年9月より前にこの取り決めが交わされたとみられ、県警は稲垣容疑者が見返りとして情報を漏らしていた可能性があるとみている。 アイサワ工業は朝日新聞の取材に代理人弁護士を通じて「ノーコメント」とした。 両容疑者が都内の居酒屋で情… この記事は有料会員記事です。残り154文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
反対派の言葉にはっとした 目を背けたい歴史、見えなくなった本土
久保田美奈穂さん(43)は11年前、茨城から沖縄に避難した。 澄んだ空、きれいな空気。ただ、安全だと信じて逃げた沖縄には米軍基地があった。イメージになかった存在。なぜ自分たちは知らなかったのだろう――。 2011年3月11日、突然の強い揺れに襲われた。茨城県内の自宅の壁にひびが入り、水道管から水が漏れた。車で寝泊まりし、親戚の家にも身を寄せた。 4月には自宅に戻れたが、東京電力福島第一原発事故が不安だった。「子どもの健康に影響はないだろうか」。ネットで放射性物質について調べ、役所に「放射線量を測定してほしい」と掛け合ったが、部署をたらい回しにされたあげく、「モニタリングポストで管理しているから大丈夫」と言われただけだった。 周りの友人も「気にしていたら、ここでは生きていけない」と諦めている人が多かった。「ここじゃない場所では普通の生活をしているのに」。そう思うとやりきれなかった。 その年の6月、2人の子どもを連れて沖縄へ向かった。荷物はスーツケース一つだけ。少しでも原発から離れられれば。「少し早い夏休みのような感じだった」 英語の看板、幹線道路の横に延々と続くフェンス。沖縄では連日、米軍基地への抗議活動がニュースで流れていた。 生まれ育った神奈川県にも、米軍基地はたくさんあった。高校時代に一度、厚木基地に行ったことがある。ホームパーティーに招待され、外国に行ったみたいで楽しかった。 「沖縄のことを、自分は何も知らないのかも」 避難した翌年、反対運動の現場となっていた一つ、ヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)の移設が計画されていた米軍北部訓練場(東村など)を訪れた。座り込みを続ける人たちが頭にタオルを巻き、サングラスをかけた姿は異様に見えた。 でも、思い切って話しかけた… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
娘に「わいせつ」問われた父親に無罪判決 判決「供述信用性に疑い」
実の娘への準強制わいせつ罪に問われ、一審の実刑判決が控訴審で破棄された父親に対する差し戻し審の判決が11日、津地裁であった。四宮知彦裁判長は「被害者の供述の信用性には疑問が残る」として一転して無罪の判決を言い渡した。 父親は、2019年8月に就寝中の娘(当時14)にわいせつな行為をしたとして起訴された。父親は捜査段階から一貫して無罪を主張していたが、一審・津地裁四日市支部は20年11月、「被害者の証言は全体として高い信用性を有する」として、懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡した。 だが、名古屋高裁は昨年3月、一審が被害者の初期の供述を記録した児童相談所職員による司法面接の映像の証拠調べを却下したことを疑問視し、「審理が尽くされていない」として、津地裁に差し戻した。 差し戻し審判決は、司法面接や公判での被害者の供述を検討。わいせつ被害の際の体勢が不自然なことや、被害時の痛みに関する供述が二転三転したことなどについて、「看過できない不自然かつ不合理な変遷が複数見られる」と判断し、父親が犯行を行ったと断定できないと結論づけた。 判決後、父親は「裁判所の結… この記事は有料会員記事です。残り111文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
髪染め、メガネで息子になりすまし 免許不正取得疑いで52歳父逮捕
息子になりすまして運転免許証の交付を受けたとして、大阪府警は11日、電気工事会社役員の男(52)を道路交通法違反(免許不正取得)などの疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。髪の毛を黒く染め、眼鏡をかけた写真で申請しており、府警は息子に似せるために変装したとみている。 羽曳野署によると、男は2020年7月、大阪府和泉市の光明池運転免許試験場で、当時24歳だった息子の名前を記入した申請書などを提出し、免許証の再交付を受けた疑いがある。交付された免許は息子の名義。申請の理由は「免許証を紛失した」としていたという。 男は免許停止期間中だった1… この記事は有料会員記事です。残り195文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
観光船の安全対策、全国どこでも同じルール 有識者から異論相次ぐ
北海道・知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故を受け、国土交通省は11日、小型観光船の安全対策について議論する検討委員会の初会合を開いた。委員からは、救命具や通信設備の整備が全国で同じ基準となっている現状を問題視する意見が相次いだ。国交省は議論をふまえ、全国一律ルールの見直しなど、再発防止に向けた規制強化を検討していく方針。 委員は、海事法や船舶工学、船員養成などの有識者ら計14人。地域事情も反映させるため、知床半島で大型観光船の事業を営む企業の社長も参加している。検討委の初会合は冒頭を除き非公開で実施された。 今回の事故をめぐっては、荒天が予想されながら出航した判断のほか、通信設備や救命具、船長の経験が十分だったかが課題として指摘されている。 初会合で注目されたのが、安全対策が全国で同じ基準となっている点だ。 現在のルールでは、船に備え付けるべき救命具や通信設備は、地域ごとに差はない。カズワンは規則に従って救命胴衣や救命浮器を備え付けており、乗船者は実際、救命胴衣をつけていたとみられている。 しかし、事故があった4月下旬の知床半島沖は海水温が低く、水につかってしまう救命胴衣や浮器では命を救うのが難しいと指摘されている。船からの通信も、船長の携帯電話を使う予定だったが、現地は携帯電話がつながりにくい地域だった。 国交省によると委員からは、北海道のように水温が低い地域では、体が水につからない救命いかだの設置を義務づけることを検討すべきではとの意見があがった。携帯電話がつながりやすい港や湖と、つながりにくい地域でルールが同じである点も異論が示され、地域によって衛星電話や無線を備えるべきだとの声もあったという。 さらに船員に求められる技量… この記事は有料会員記事です。残り1087文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ソフトバンク東浜投手ノーヒットノーラン、母校の沖縄尚学監督も喜び
プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの東浜巨(なお)投手が、11日に福岡ペイペイドームであった西武戦でノーヒットノーランを達成した。ホークスファンとともに、出身地の沖縄のゆかりの人も祝福した。 母校・沖縄尚学高(那覇市)の野球部で東浜投手を指導した比嘉公也監督(40)は、テレビで初回から試合を見守った。8回に西武の主軸を抑えた場面を見て、「このまま達成できる」と確信したという。 高校時代から自ら改善点を見… この記事は有料会員記事です。残り233文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル