北海道・知床半島の先端部分で、それらが見つかったのはウニ漁の最中だった。青色のジーンズに、灰色のタンクトップ、黒色のポーチ。潜水していたベテラン漁師が、水深7メートルほどの海底で発見した。 5月18日のことだ。沈没した観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の乗客の遺留品とみられた。知床半島先端部付近で唯一の避難港である文吉湾近くだった。 ある地元漁協関係者は明かす。「潮だまりみたいなくぼみで見つかった。やぶけたりせず、きれいな状態だった」 その後、当日の服装から持ち主が乗客の男性とわかった。 だが、この男性はいまも見つかっていない。海上保安庁は、この遺留品を頼りに周辺を捜索したが発見には至らなかった。 知床沖の広大な海から、行方不明の乗客を捜す。事故の直後から、その手がかりとなってきたのが遺留品だ。そして、見つかるたびに、捜索に参加する人々は乗客に思いをはせた。 子ども用の救命具 「あれは予備用だ」 事故翌日の4月24日。地元漁師による捜索では、岩場で子ども用の救命具が見つかった。「KAZUⅠ」と書かれている。 その後、付近で捜索が続けら… この記事は有料会員記事です。残り1128文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京都心で2日連続猛暑日 6月は観測史上初
張り出した太平洋高気圧の影響で、26日も東日本や九州を中心に記録的な暑さとなった。気象庁によると、午後3時時点で、全国914の観測地点のうち29地点で35度以上となり、このうち東京都内の3地点(千代田区、練馬区、青梅市)では観測開始以降初めて、6月に2日連続で猛暑日を記録した。27日以降も続くとみられる猛暑に備え、政府は電力需給逼迫(ひっぱく)注意報を発令して節電を呼びかけた。 気象庁によると、千代田区では午後0時15分に36・2度を観測し、6月としては2005年に記録した過去最高を更新。ほかにも練馬区で36・4度となるなど、都内5地点で35度以上の猛暑日となった。また、茨城県土浦市(36度)、千葉県鴨川市(35・2度)、東京都大田区(34・7度)など東日本や九州の18地点で6月の最高気温を更新した。30度以上の真夏日も491地点に上った。 27日も都内で最高気温が35度と予想されるなど、1週間程度は各地で35度前後の猛暑となる見通し。 東京消防庁によると、都内(… この記事は有料会員記事です。残り189文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ウガンダのドライフルーツで孤児を救いたい 24歳が高校生とコラボ
アフリカ東部・ウガンダで作ったドライフルーツを売り、孤児たちを支援する計画が進んでいる。企画したのは現地で孤児院の支援に取り組む24歳の男性。コラボするのは大阪の高校生たちだ。 6月14日、建国高校(大阪市住吉区)の教室。ウガンダにいる石崎陸さんが、パソコンの画面を通じて生徒たちに語りかけた。 「(孤児院の)窓ガラスは割れたままで、雨漏りも直せないなか、救えるはずの子どもたちが目の前にいる。今すぐにでも支援が必要な状態です」 在日コリアンの生徒らが通う同校の「総合的な探究の時間」では、生徒が「校則」「図書室の改革」「日韓友好」などのテーマを学ぶ班に分かれる。 そのうち一つの班では、世界でも最貧国の一つに数えられるウガンダの情勢や、ドライフルーツの作り方などを研究している。石崎さんが講師役だ。 この日、生徒からは現地の食事情や教育についての質問が相次いだ。李(イ)陽花(ヤンファ)さん(2年)は取材に、「学校に行けず栄養失調になっている子どもたちが、一日でも早く栄養を取れるようにしたい」と話した。 物乞いの男性の言葉に気付かされた 6月から3年ぶりにウガンダ… この記事は有料会員記事です。残り976文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「命守るために、逃げる」 50人犠牲の球磨川流域で続く試行錯誤
治水対策が脆弱(ぜいじゃく)な中、命を守るためにいかに逃げるか――。2020年7月の熊本豪雨で、50人が犠牲になった球磨川流域の防災関係者は異口同音に語る。熊本県は新たな川辺川ダム建設を対策の柱に見込むが、目標通りに進んでも完成は35年度。その間も常に大雨の危険はあり、流域自治体は住民避難について試行錯誤を続けている。 球磨川は流域自治体と国土交通省、気象庁などが加わる「流域タイムライン(TL)」の先進地として知られる。 「大雨警報が出たら高齢者等避難情報を出す」「水位が3メートルを超えたら避難指示を出す」など気象や河川の情報に応じて、自治体や関係機関が時系列の対応策をあらかじめ決めておくのがTLだ。 「全国の模範となる流域タイムラインめざす」 今年5月、流域自治体の首長らが集まった球磨川流域TL検討会で、座長の松尾一郎・東大大学院客員教授は「適切に逃げるには仕組みが必要。全国の模範となる流域TLをめざしたい」と力を込めた。 市町村ごとにTLを作ることが多い中、人吉市、球磨村、八代市は熊本豪雨前から連携。それでも、球磨川が氾濫(はんらん)する前から支流で水があふれ被害を拡大させた教訓から、今年から支流を管理する熊本県がTLに加わった。上流から下流まで流域全12市町村がそろい、一体となってTLの充実に取り組む。 国交省は流域TLについて、今年度中に全国に109ある1級水系での導入をめざす。国交省河川環境課の木村勲企画専門官は「災害は自治体の枠を超えて広域で起こる。自治体同士での危機感の共有が必要」と話し、球磨川流域の取り組みに期待を寄せる。 だが、関係機関が多岐にわたれば情報量も増え、その分、TLも複雑になる。自治体の防災担当者からは「この情報量をどう役場内で共有するか」「やりながら理解するしかない」と戸惑いの声も聞かれる。 想定を超える雨量、実際の避難行動 課題山積 そもそも熊本豪雨でもTLに… この記事は有料会員記事です。残り879文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
USB紛失は「協力会社の委託先の社員」 市の委託業者、説明に誤り
兵庫県尼崎市の全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーが一時紛失した問題で、市から業務委託を受けた情報システム大手「BIPROGY(ビプロジー)」は26日、メモリーを紛失したのを「協力会社の社員」と説明してきたのが、「協力会社の委託先の社員」の誤りだったと発表した。 BIPROGYは24日の記者会見で、紛失したのは協力会社の40代男性社員だったと、企業名も挙げた上で説明していた。BIPROGYは「協力会社から聞き取る中で認識を誤った」としている。 BIPROGYによると、尼崎市との契約書では、業務の一部を委託する際は市の許可を取ると記載していた。BIPROGYが今回の業務を協力会社に委託し、協力会社がさらに別の会社に委託していたことについて尼崎市は「紛失発覚後に初めて知った」と説明している。 USBメモリーは21日、データ移管作業後にUSBメモリーを持ったままBIPROGY関西支社の社員と大阪府吹田市内で飲酒した男性が、帰宅時に路上で寝込んでかばんごと紛失。24日に同市内で見つかった。メモリーには約46万人分の名前、住所、生年月日のほか、住民税額や、児童手当と生活保護の受給世帯の口座情報などが入っていた。(小川聡仁、中塚久美子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熊本で最大震度5弱の地震、津波の心配はなし 福岡や宮崎も震度3
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セレッソ大阪と清水エスパルスの対戦中に近くで住宅火災 けが人なし
2022年6月26日 23時00分 26日午後7時45分ごろ、大阪市住吉区長居西1丁目の女性(71)方で「家が燃えている」と女性の娘から119番通報があった。 住吉署によると、現場は木造2階建ての4軒長屋で、約1時間20分後にほぼ鎮火し、けが人はいなかった。女性は娘と2人暮らしで、出火当時は2人とも1階にいた。娘は「2階からどんどんどんという音が聞こえ、見に行くと火の粉が上がっていた」と話しているという。 近くに住む会社員の男性(45)は「爆発音もあり、火柱は3階建ての高さまで上がっていた。このあたりは住宅が密集しているので我が家まで燃え広がらないかと怖かった」と話した。 現場の約1キロ東には、ヤンマースタジアム長居や、サッカーJ1のセレッソ大阪がホームとする「ヨドコウ桜スタジアム」、市立自然史博物館などが入る長居公園がある。 火災発生時、ヨドコウ桜スタジアムではセレッソと清水エスパルスの試合終盤で、約1万人が観戦していた。セレッソ大阪によると、終了間際だったため試合に影響はなく、終了後に少し煙が流れてきたという。帰宅する観客に向け、近隣火災のため帰りの交通機関の運行に注意を促すアナウンスを流したという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自転車でひき逃げ容疑の男逮捕「自分は悪くない」 女性が意識不明
2022年6月26日 23時08分 大阪市北区の歩道上で25日早朝、自転車同士が衝突して女性(76)が頭をけがして意識不明の重体になり、もう一方の自転車が逃走したひき逃げ事件で、大阪府警は26日、大阪市城東区鴫野西1丁目、自称飲食店経営の市原直人容疑者(46)を重過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕し、発表した。市原容疑者は「事故を起こしたが、相手の方が寄ってきたので自分は悪くない」と供述しているという。 天満署によると、市原容疑者は25日午前6時25分ごろ、北区天満1丁目の路上で自転車に乗車中、大阪市都島区の女性が乗る自転車と接触し、けがを負わせたが、そのまま逃げた疑いがある。防犯カメラ映像などから、市原容疑者が浮上したという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
調布市長に長友氏、新顔・磯辺氏を破り6選
東京都調布市長選が26日投開票され、無所属現職の長友貴樹氏(69)が、無所属新顔で市民団体代表の磯辺隆氏(42)を破り、6選を果たした。当日有権者数は19万5140人で、投票率は37・74%(前回36・65%)だった。 午後10時半過ぎ、当選確実の知らせを受けると、長友氏は事務所に集まった支援者らと万歳し、花束を受け取った。長友氏は「支援いただいた皆さんの期待に応えられ、ほっとした。今後も市民の声を聞き、協調して市政に取り組んでいく」と述べた。 多選の是非が争点となった市長選。長友氏は「任期が長いことについて、色々な声があるのは当然。みなさんに納得してもらえる、開かれた市政を今後も目指す」と述べた。選挙戦では近隣自治体の首長も応援に駆けつけ、多摩地域全体の経済発展も訴えていた。 一方、磯辺氏は「長友氏は長期市政で情熱を失っている」と批判し、4期以上市長を務めることを禁じる条例の策定を掲げた。長く環境保護ボランティアとして活動した実績から、「子どもたちが誇れる環境先進都市に」とミニ集会などで支持を訴えたが、及ばなかった。(石川瀬里) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
狛江市長に松原氏、新顔・周東氏を破って再選
東京都狛江市長選が26日投開票され、無所属現職の松原俊雄氏(70)=自民、公明推薦=が再選を決めた。無所属新顔で市民団体世話人の周東三和子氏(75)=共産、社民推薦=は及ばなかった。当日有権者数は6万8844人。投票率は43・26%(前回45・31%)だった。 当選を決めた松原氏は午後10時半ごろ、支援者らと万歳した。「私の訴えが届いた。色々な方と話ができたことが宝になった。その宝をまちづくりに生かしていく」と話した。2期目は子育て支援などに力を入れたいと抱負を述べた。 松原氏は、市職員へのセクハラ問題で辞職した前市長のあとを受け、2018年7月に初当選した。選挙戦では「安心安全のまちづくり」の推進を掲げ、台風による浸水対策を進めると訴えた。高校生までの医療費無償化に取り組むとも主張し、支持を広げた。 周東氏は市民センター内の図書館を、一部機能を残して移転する方針に「2カ所に分割し、使いにくい」と反対。市と協定を結んで作った市民提案書に沿わない内容だとして「市民の協働を踏みにじる決め方」と松原市政を批判したが、幅広く浸透しなかった。(堀川勝元) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル