日中は大型ショッピングモールをそぞろ歩きし、夜はライトアップされたレインボーブリッジをゆったりと眺める……。お台場でそんな休日を過ごしてみたいと、記者(30)はかねて思っていた。広島県出身で、現地を訪れたのは高校の修学旅行の一度きり。今春の異動で初めて住むことになった東京。「ぶらりふらり」を書くことになり、それならとまずは取材で訪ねてみることにした。 ところで、お台場ってそもそもどんなところなんだっけ。地図を見ると、北端に不自然なひし形がある。現地に着くと、「台場公園(第三台場)」と書かれた看板が立っていた。 調べてみるとお台場は、1853年の黒船来航後、当時の徳川幕府が砲台設置のために築造した防衛拠点だったという。地元の品川区立品川歴史館によると、御殿山(同区)や伊豆半島などから土砂や石を運んで一帯を造成。将軍を指す「御」を付けて、「御台場」と呼ばれるようになった。当初は11基の築造計画があったが、財政難で完成したのは後の追加も含め6基まで。その後、海運の障害になるなどの理由で4基が無くなり、現存するのは台場公園として整備された第三台場と、その西側にある第六台場の2基だけだという。「ゆりかもめ」が走り、ホテルや商業施設が立ち並ぶ「お台場」は、戦後の東京港の整備の一環で造成されたもの。当時の「御台場」とは直接関係ないという。 第三台場にはコンクリート製の砲台が二つある。当時、大砲の最大飛距離は約3キロ。黒船の接近を待って撃つ構えだったという。ただ当時のものは木製で、現在あるのは「同じような形で後に作ったもの」と学芸員。木製だった当時から、大砲が実戦に使われたことはないという。 台場には他にも弾薬庫やかま… この記事は有料会員記事です。残り1171文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
検察トップの検事総長に甲斐行夫氏
2022年6月17日 13時49分 政府は17日の閣議で、林真琴・検事総長(64)の辞職を承認し、後任に甲斐行夫・東京高検検事長(62)を充てる人事を決めた。発令日は24日。 林氏は2020年5月、賭けマージャン問題で辞職した黒川弘務氏の後任として東京高検検事長に就任し、同年7月に検事総長に昇格した。検察の信頼回復を担いつつ、吉川貴盛・元農林水産相の鶏卵汚職事件や日大元理事長の脱税事件などを指揮。最高検にはサイバー犯罪に対応する専門部署を新設した。 甲斐氏は法務省刑事局の勤務が長く、東京地検検事正や高松、福岡、東京の3高検の検事長を歴任した。東京高検検事長には落合義和・最高検次長検事が就く。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
« La Belle Mort. Vivre sa mort à domicile au Japon » : un accompagnement jusqu’à la fin
Livre. Tout évolue. Même la représentation de cette fatalité qui pèse sur tout ce qui vit : la mort. On ne meurt plus comme autrefois, entouré des siens, mais à l’hôpital. Le rapport à la mort et l’accompagnement des mourants sont en train de changer sous l’effet du vieillissement démographique. Le […]
国の基準を無視、独自の固定資産税ルール 岩手・北上市が30年以上
岩手県北上市が、木造家屋の固定資産税を課税する際、総務省の基準を無視し、独自のルールを適用し続けていた。そのため、補塡(ほてん)金を支払ったり、追徴したりする事態に陥っている。誤りは1991年の市町村合併前から続き、正確な課税額は算出できない。精算には少なくとも2年以上かかり、数千万円の費用が必要だという。ずさんな課税ミスのつけは、市民に回ってくる。(小幡淳一) 16日午前の市議会一般質問で、高橋孝二議員が市の対応や問題点を取り上げ、「おわびは相手に伝わってはじめて成立する。間違いを認め、市民にわかるように説明責任を果たすべきだ」と訴えた。 固定資産税の評価は、総務省が全国一律に設けた基準に従って行われる。家屋調査で資材や設備などを確認し、基準表で定めた四つの区分に分け、経年で補正する仕組みだ。 ところが、北上市は区分を分けず、自動的に特定の区分にして課税額を算出していた。その結果、余計に課税したり、低い税額で市の収入が減ったりした。 市によると、原因は合併前の旧北上市が契約していた当時の電算システムで、区分ごとに入力できる仕様になっていなかった。 誤りに気付くタイミングは過去に何度もあった。 1991年の合併前に行われた協議で、総務省の基準通りにしていた旧和賀町と旧江釣子村と差が生じるとして、新市での運用を検討。しかし、件数で全体の約7割を占める旧北上市の方式に従うことになった。 その後も、担当職員が不自然さに気付いても、問題意識が共有されず、表面化することはなかった。 合併から約20年後。市の電算システムを更新することになり、コンペで契約先を選定する際、参加業者から区分ごとに入力するのが適正な処理だと指摘され、ようやく誤りに気付いたという。 市議会で追及され やっと「改める」 誤りに気付いても、市の対応は後手に回った。 2012年に導入した新シス… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
親父狩りにけんか、その私が厨房立つまで 社会復帰阻む「前科あり」
服役による履歴書の空白に悩み、就職活動に前向きになれない。大阪府警によると、谷本盛雄容疑者(当時61)は事件の約5年前、就労相談に訪れた大阪市此花区役所でそんな姿を見せていた。「(前科が)殺人未遂だと告げると支援者の態度が変わって傷ついた」と話したという。 昨年12月17日午前、大阪市北区の雑居ビル4階のクリニックに男がガソリンをまいて火を付け、患者やスタッフら26人が犠牲となった。大阪府警は3月、通院していた谷本盛雄容疑者(当時61)を殺人や現住建造物等放火などの疑いで書類送検した(容疑者死亡で不起訴)。 九州地方に住む40代の元受刑者の男性は、「私も履歴書に事実を書く勇気がなかった」と話す。詐欺に関わり、約10年前に3年半ほど服役した。 逮捕が知られると、妻子が残る自宅に無言電話がかかってきた。妻は職場で「新聞見たよ。まだいるの」と言われ、退職の求めだと感じた。 男性は出所後も前科を知られるのが怖かった。ハローワークではどの求人も履歴書が必要だ。それが要求されない派遣農作業員として数カ月働いてしのいだ。 かつての職場の社長が「戻ってこい」と声をかけてくれた。前科を知る同僚の視線に耐える自信がなく、いったんは断った。だが、新しい仕事を覚えるのも難しく、最終的に元の職場に戻ったという。 お好み焼き店の厨房に 昨年末に出所した玉田恭兵さん(34)は今、大阪市中央区のお好み焼き店「千房」の厨房(ちゅうぼう)に立つ。 16歳で少年院に入った。成人後も仲間と「おやじ狩り」を繰り返し、25歳から5年間刑務所で過ごした。 出所後、ハローワークに行っても仕事は決まらなかった。酒とたばこにおぼれ、酔ってはけんかした。暴行事件を起こし、昨年初めに再び収監された。 刑務所内で出所後の仕事をあ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「楽団作らないか」突然のLINE 吹奏楽、コロナでは終われない
新型コロナウイルスの影響で思うように活動できないまま卒業していった吹奏楽部員たちが、楽団を結成した。出身校の枠を超えて50人あまりが集まり、今夏に故郷の茨城で演奏会を開く。突き動かしたのは、「このままでは終われない」という思いだった。 2020年3月、圓谷夏音(つむらやなおと)さん(19)=北海道大2年=は、茨城県立水戸第一高校の2年生だった。吹奏楽部ではテューバを担当し、指揮者をしていた。 全国の小中高が一斉休校になり、部活動もできなくなった。毎年3月末の定期演奏会や学校祭は開けず、5月には吹奏楽コンクールの中止が決まった。 3年生になっても、休校で友達とも会えない日々が続いた。自分たちには何ができるのか。将来どんなことができたら、面白いのか。そんなことを一日中考えていた。 当時、個々が自宅などで録画した演奏動画を編集して一つの曲に仕上げるリモート合奏が流行していた。その動画を見ながら「いいな」と思う一方で、別の思いも抱いた。 「本当にめざしたいのはこれじゃない」 コロナの前は、音楽を通じて… この記事は有料会員記事です。残り1340文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
食べログ裁判で違法とされたアルゴリズム運用 欧州では規制、日本は
月間の利用者が8千万人を超える「食べログ」。飲食店に点数をつける「アルゴリズム(計算手順)」の運用について、東京地裁が独占禁止法違反を認定した。アルゴリズムは今や様々な分野で使われ、透明性確保に向けたルールづくりが国内外で進むが、日本はまだ限定的なものにとどまる。 インターネットを使う人にとって、デジタルプラットフォーム(DPF)事業者が独自に定めるアルゴリズムは、日常生活に欠かせないものになっている。 店舗や商品、サービスをランク付けして表示するオンライン仲介サイトは、飲食店だけでなく、宿泊施設、医療施設、映画や不動産など、幅広い分野で利用されている。アルゴリズムが導き出す順位は、事業活動に大きな影響を及ぼすこともある。 今回の判決は、食べログのアルゴリズム運用が、公表した説明から踏み出していた点を問題視した。DPFの多くは不正防止や営業秘密を理由にアルゴリズムの詳細を開示していないが、不公正な運用が現にあることを示した。 国内外でルール作り、でも日本は… アルゴリズムの透明性や運用上の懸念は近年、国内外で高まっている。 公正取引委員会は19年の報… この記事は有料会員記事です。残り672文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
学校のお便りはまるで謎解き、埋もれる情報 「昭和で止まってる」
学校から保護者に配られるプリントがあまりに多く、まるで「プリント地獄」のよう――。そんな声を紹介した記事に、多くの反響が寄せられました。 どうやら、問題は「量の多さ」だけではないようです。届いた声からは、ほしい情報がバラバラの紙に書かれており、情報収集だけでも一苦労の実態が見えてきました。 分かりにくさを改善する策はないのか。学校側の実情は。取材しました。 ママ友に問い合わせ、ようやく判明 「あれは、どこに書いてあるの?」 小学3年の長男が横浜市立の小学校に通う女性(47)は、学校からのお便りの分かりにくさに頭を悩ませる。 新学期目前の4月はじめごろ。まず、「いつから登校すればいいのか」でつまずいた。 「結局、始業式って何日なのかな。これって学校便りには書いてなかったよね?」 同じ学校に通う子を持つ「ママ友」4人のグループラインに投稿した。 「クラス便りの裏に書いてあったよ」。数分後にこう返ってきた。 「裏か、見逃してたわ」とつぶやいた。 こうしたグループラインでの情報共有は必須だ。お便りは週に15枚ほど。量も多いが、必要な情報がバラバラの紙に書かれていて一元化されておらず、見つけにくいと感じる。 保護者として特に知りたいのは、持ち物や時間や場所、提出書類の締め切り日などだ。だが、それがどこに書いてあるのか探すのに一苦労だ。 記事の後半では、分かりにくいお便りになる学校側の事情や専門家の改善のためのアイディアを紹介します。 「大量のプリントから答えを… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カラフルな落雁のグラデーション お盆の供え物に人気 福岡・福智町
福岡県福智町の工房「楽心堂」では、お盆に向けて和菓子の落雁(らくがん)を使った供え物作りに追われている。 赤やピンク、黄色に青など200色あるカラフルな落雁を、円柱や六角柱、八角柱の心棒に一つずつ丁寧に貼り付けてゆく。寺院や家庭向け用に特大からミニまで、サイズは8種類ある。 工房は2006年から供え物… この記事は有料会員記事です。残り195文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
屈辱的だった国の言い分 原発事故の責任はないのか 17日に判決
東京電力福島第一原発事故の賠償責任は国にもあるのかどうか。各地に避難した人らが起こした4件の集団訴訟について、最高裁第二小法廷が17日の判決で統一判断を示す。原告は計約3700人。一審、二審では、めまぐるしく変わる認定に翻弄(ほんろう)された。最終決着に向け、事故から11年3カ月の思いを聞いた。 「一言ひとことに責任を持つため実名で取材を受けることにした。国も原発事故の責任をとってほしい」 「実名で語る」原告の決意 福島県浪江町出身の小丸(おまる)哲也さん(92)はこれまで「家族に迷惑をかける」と実名を避けてきたが、4月に最高裁で意見陳述したことを機に考えを変えた。 自宅は福島第一原発から約11キロ離れた山あいにある。300年以上続く農家の生まれで、コメづくりや養蚕に励んだ。町議も16年務め、道路舗装や用水路整備に取り組んだ。「住みよい場所にしたいという一心だった」。地区には約30世帯が暮らし、全員の顔と名前が一致した。春や秋は神社の祭りを楽しんだ。 そんな生活は2011年3月の事故で一変した。福島県内を転々とした後、千葉県内の長女宅に避難。生きがいの農作業はできず、12年に脳梗塞(こうそく)を患った。 事故で平穏な暮らしを奪われた原告たちは、裁判で責任を否定する国の主張に怒りを募らせます。記事後半では、間もなく言い渡される最高裁判決のポイントも解説します。 土地と暮らしを奪われた悔し… この記事は有料会員記事です。残り1699文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル