世界遺産・法隆寺(奈良県斑鳩町)が15日、クラウドファンディング(CF)を始めると発表した。寺社のCFは特定の文化財修繕などを目的とするケースが多いが、今回は日常経費とも言える境内の整備費などの支援を求める。知名度の高い寺でも、コロナ下で苦境に立たされている実情が浮き彫りとなった。 クラウドファンディングの申し込みは、ウェブサイト(https://readyfor.jp/projects/horyuji)から。指定口座に振り込む方法もある。問い合わせは法隆寺(0745・75・2555)。 聖徳太子と推古天皇によって607年ごろに成立したとされる法隆寺。15日、五重塔や金堂など世界最古の木造建築群として知られる西院伽藍(がらん)のそびえ立つ境内には、修学旅行客やカメラを持った参拝者などの姿があった。一見、問題は見当たらない。 植木ぼさぼさ だが、異変は起きていた。「植木の剪定(せんてい)を2年ほど放置したので伸びっぱなしです」。大野正法執事長が指す境内の塔頭(たっちゅう)や宝蔵殿付近の植木は、本来なら長さが整えられているはずだがぼさぼさ。コロナ下で拝観料収入が減り、節約を重ねている結果の一つだ。 2019年度に約65万人だった法隆寺の拝観者数は20年度は約20万人、21年度は約35万人と大きく減った。檀家(だんか)はなく、主な財源は拝観料収入のため、拝観者数の減少は減収に直結する。 17万8千平方メートルの境内には五重塔、金堂、夢殿など国宝・重要文化財55棟を含む約150棟の建物がある。国宝・重要文化財に指定された美術工芸品も約2500点にも上り、未指定の美術工芸品も約6万5千点ある。 国、自治体の補助もあるが…… 指定文化財の修理費には国や自治体の補助があるが、寺の負担分もある。急を要する修理費や夜間警備費など削れない費用もある。 そこで法隆寺は主に3種類の費用を節約した。大規模な建物の修理費、未指定の彫刻や絵画の修理費、そして今回CFで支援を募る境内の整備費だ。 年間約5千万円、数年を要する塔頭の修理や年間1400万円の未指定の彫刻・絵画の修理を一時的にとめた。国宝の舎利殿のふすま絵を修理する計画も止まったままだ。また、草刈りや植木の剪定など年間約2千万かかる整備費も約35%節約した。 古谷正覚管長は「(コロナ下の)2年間、我慢してきた」と話す。ただ、来年には世界遺産指定30周年を控える。「大勢の方に来ていただくためにも境内を美しくしたい」 目標額は2千万円 CFの目標額は2千万円。1万円~100万円の9コースで、いずれのコースでも返礼品に「供養札」がある。 大野執事長によると、昔、庶民は何万人もの力を合わせて仏像の建立や修理の費用を出した。今回はそれにならい、仏像の絵の入ったお札に名前を入れ、納経堂に納めるという。 大野執事長は「どう受け取られるかわからない」と不安も明かしつつ、「コロナがなくなって多くの方に参拝していただくのが一番の支援。その日を迎えられるようにしたい」と話した。 ウェブサイト(https://readyfor.jp/projects/horyuji)から。指定口座に振り込む方法もある。問い合わせは法隆寺(0745・75・2555)。(米田千佐子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Blue Jays’ Yusei Kikuchi continues to struggle in loss to Orioles
Toronto – Yusei Kikuchi gave up four runs over four-plus innings on Tuesday in the Toronto Blue Jays’ 6-5 loss to the Baltimore Orioles as he struggled to get back on track after his career-worst start. The 30-year-old southpaw was looking to right the ship after lasting just two-thirds of […]
胸にしまった思いを言葉にする 女性がリーダーに向け一歩踏み出す時
各地で行われている「女性のリーダーシップ教育」の試みだが、いろいろな段階がある。最初から誰もが「リーダー」を意識するわけではない。地方ではなおのことだ。女性が何かやりたくても、がまんや遠慮をして、あるいは忙しさにまぎれて、そのままになっていないか。一歩踏み出すことが、地域のリーダーにつながるスタートだ。 避難所でがまん「仕方ない」 外資系企業で働いていた石本めぐみさん(51)が宮城県の南三陸・気仙沼地域に来たのは2011年。災害支援のボランティアだった。避難所でよく目にしたのが、女性ががまんしている姿だった。 たとえばある避難所で、男性リーダーたちがパーティションを使用しないと決めた。女性たちは着替えや就寝時のために必要としていた。でも言えない。 「女性は意見を言えない空気感があって。リーダーは男性ばかり」。何百人の女性と話し、違和感はふくらむばかり。「何でそんなにがまんするの?」と聞くと「前からそうだから仕方ない」。外資系企業で男女の差別がほとんどなく、問題があれば口にして解決してきた石本さんにとって、驚きの連続だった。 「仕方ない」を変えないと 「『仕方ない』を変えないと… この記事は有料会員記事です。残り862文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東電旧経営陣、控訴審判決は来年1月18日 原発事故で強制起訴
村上友里2022年6月15日 15時09分 2011年の東京電力福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久・東電元会長(82)ら旧経営陣3人に対する控訴審で、東京高裁(細田啓介裁判長)は判決期日を来年1月18日に指定した。 他に起訴されたのは武黒一郎・元副社長(76)、武藤栄・元副社長(71)で、19年の一審・東京地裁判決は3人を無罪とした。控訴審は今月6日に結審し、検察官役の指定弁護士は一審判決の破棄を求め、弁護側は改めて無罪を主張した。主な争点は巨大津波の発生を予見できたかと、事故を回避する対策がとれたかの2点となる。(村上友里) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
4630万円誤入金、町長の5割減給案を可決 検証委の設置案は否決
大藤道矢2022年6月15日 15時10分 山口県阿武町議会は15日、4630万円の誤入金問題の監督管理責任として、7月から3カ月の間、花田憲彦町長を5割減給、中野貴夫副町長を4割減給する条例案を可決した。誤入金の原因解明と問題をあらためて検証する調査特別委員会の設置条例案が議員提案されていたが、反対多数で否決された。 同日の議会閉会後、花田町長は「残る約340万円も全額回収に向けて粘り強く努力をしていく」と述べる一方で、「議会で一定の説明責任を果たし、安堵(あんど)の気持ちはある。この問題で2カ月間にわたって町づくりが停滞してきた面があり、一つの区切りとして(町政を)再起動させて前に進めていく」と話した。(大藤道矢) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山手線走った70歳の電車、第2の人生 クモハ73形を修理し展示へ
【香川】高松市牟礼町の民間施設に、山手線(東京)などを走った1949年製造のボロボロになった電車が現れた。運転席など「先頭部分」のみだが、保存例の少ない貴重な車体といい、展示しながら修復を目指す。 車体が運び込まれたのは、ことでん(高松琴平電気鉄道)のレトロ電車を譲り受け、お遍路さんの休憩所として修復・活用しているNPO法人「88」の拠点施設。 この電車は、「クモハ73形」。首都圏の山手線や京浜東北線や広島県の呉線、可部線などを走り、84年に引退。切断・分割され、広島市の鉄道模型店が運転台と客室の一部(長さ約2・2メートル)を旧国鉄から買い取って、店先に展示していた。 屋根がなくなるなど大きく傷… この記事は有料会員記事です。残り491文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ものづくりヒーロー、製造業の街に集結「どんなものでもつくります」
ものづくりの相談は、何でも引き受けます。どんなものでもつくってみせます――。そんな気概をもった町工場など16社が、製造業の街、東大阪市に結集し、ものづくり集団をつくりました。その名は「ザ・クラフターズ」。すばらしい技能者たち、です。 町工場の仲間たちに結集を呼びかけたのは、東大阪市で4年前に「MACHICOCO(マチココ)」という会社をつくった戸屋加代さん(43)だ。金型をつくる町工場の娘、でもある。 仲間に講師になってもらって子どもたちにものづくりの楽しさを教えたり、ものづくりに困っている企業を支援したり。そんな「製造業プロモーター」として活動している。 戸屋さんには、危機感がある。 電車、車、パソコン、スマホ… この記事は有料会員記事です。残り819文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
泳ぐパンダ? 正体は変異したウナギ 食堂に3匹「調理はしません」
笠原雅俊2022年6月15日 11時50分 白と黒のまだら模様の珍しいニホンウナギ3匹が、高知県・四万十川沿いにある食堂の大きな水槽で元気に泳ぎ始めた。突然変異で体の色が白黒になった「パンダウナギ」だ。 パンダウナギが泳ぐのは四万十市の佐田沈下橋近くにある食堂「さこや」。店を切り盛りする田辺精美さん(73)と大家一二三さん(70)姉妹が「店に来ていただくお客さんに少しでも明るい気持ちになってもらおう」と、1日から店の大型水槽で飼育し始めた。 パンダウナギは知り合いの業者の養殖場で見つかった。普通のウナギは黒っぽい体だが、3匹は黒と白のまだら模様。全長50~70センチほどで、水槽の中を並んで動いたり、筒の中から顔を出したり。 四万十川の川魚などを飼育している「四万十川学遊館さかな館」(同市)の野村彩恵さんによると、パンダウナギは10万匹に1匹の割合で出現する突然変異種で、自然界でもたまに見つかるが、目立つため外敵に襲われ生き残る確率は低いという。野村さんは「それにしても一度に3匹が泳ぐのは聞いたことがない」と驚く。 水槽では、川漁師の田辺さんの夫の輝明さん(73)が四万十川で取った天然ウナギの稚魚も泳ぐ。店は天然ウナギの料理が人気メニュー。だが、姉妹は「パンダウナギは業者の人から借りているので、調理はしません。多くのお客さんに見て楽しんでもらえればうれしい」と話している。(笠原雅俊) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
取調室のドアをハンマーで壊し、壁にドリルで穴 「リアル」な訓練
南海トラフ地震に備えた「リアル」な救助訓練が旧高知県警高知署で行われた。取り壊し予定の旧庁舎を災害現場に見立て、署員ら150人が参加した。 建物が被災し、取り残された人を救助する想定。遠慮することなく、かつての取調室のドアをハンマーで壊したり、壁にドリルで穴を開けたりした。 築50年の旧庁舎は、4月に… この記事は有料会員記事です。残り64文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
PKO、30年の「変質」 途絶えた日本の部隊派遣、もうできない?
国連平和維持活動(PKO)協力法が成立して15日で30年。この間、日本は13のPKOに自衛隊員ら延べ約1万人以上を派遣した。当初は部隊派遣が中心だったが、現在は要員派遣だけという状況が続く。最初の派遣部隊を率いた元自衛官は「もう部隊派遣はできない」と断言する。 「もうだいぶたってしまったので意外と第三者的になってしまうかもしれません」。1992年6月15日の法成立を受け、同年9月にカンボジアに派遣された第1次施設大隊長の渡辺隆さん(68)は、そう言いつつも当時の経験を懐かしそうに振り返った。酷暑の中、道路や橋の補修に汗を流したこと。住民の笑顔に接し、やりがいを感じたこと。他国軍の司令官との意思疎通に苦労したこと――。 だが、日本がこのとき初めて部隊を派遣したPKOから、現在は「変質」したという。 「92年当時の国連のPKOに対するスタンスと、いまのスタンスはもう百八十度違う。その背景にあるのは、ボスニアやルワンダでジェノサイドを横目で見ながら何一つできなかったことでしょう」 PKOのルーツは、第一次中東戦争後の48年に設立された国連休戦監視機構にさかのぼる。 湾岸戦争の「トラウマ」に端を発する日本のPKO。記事の後半では、初めての派遣部隊を率いた渡辺さんが見る「変質」の経緯と、現在の自衛隊がかかえる事情などから「部隊派遣できない」背景を読み解きます。 停戦監視から復興、介入、そして… 「変質」に日本は 第1次中東戦争は、ユダヤ人… この記事は有料会員記事です。残り2424文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル