盛岡市の中学校に通っていた女子生徒が部活動などで悪口を言われたり、嫌がらせをされたりといういじめを受け、別の自治体の中学校に転校した。市教育委員会と学校は「いじめの重大事態」と位置づけ、関係者に聞き取りなどをし、調査報告書を今年3月末に作成した。(西晃奈) けがとワクチンの副反応で部活を休むと… 髪形をからかわれ、「キノコ」と言われた。キノコの実物を投げつけられ、バッグに虫を入れられた。 盛岡市の中学校に通っていた女子生徒は、同じ部活動に所属する生徒らに、昨年5月から11月ごろまで、こんな悪口や暴言、嫌がらせを受け続けたという。 学校は昨年12月、校内いじめ防止対策委員会を開催し、いじめ重大事態発生であると確認した。一方、女子生徒は精神的にまいり、今年1月、別の自治体の中学校に転校した。 女子生徒や両親、学校作成の調査報告書などによると、けがと新型コロナワクチン接種に伴う副反応で部活動を数週間休んだ。昨年11月初めに復帰すると、周囲から厳しく指導を受けた。休んだ正当な理由があるにもかかわらず批判されたと捉えた女子生徒は、泣きながら帰宅した。両親はそこで初めて、娘がいじめに悩んでいると知った。 朝日新聞は、学校作成の調査報告書を情報開示請求で入手しました。「なんで転校しなければならなかったのか」。女子生徒の両親はそう訴えます。記事の後半では、報告書の内容や取材をもとに、学校側の配慮に欠ける対応を明らかにします。 昨秋ごろから女子生徒は体調… この記事は有料会員記事です。残り1228文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
7月10日は「ウルトラマンの日」 シン作上映会、生みの親の故郷で
斎藤徹2022年6月5日 10時10分 全国公開中の映画「シン・ウルトラマン」が、故・円谷英二監督の故郷、福島県須賀川市で特別に上映される。上映会は「ウルトラマンの日」の7月10日で、ウルトラマンを演じた俳優の斎藤工さんも登壇する。6月6日から市民優先で特別上映会の参加者を募る。 須賀川市は、「特撮の神様」と言われる円谷氏を顕彰し、地域活性化にいかそうと、円谷氏が設立した円谷プロと協力して様々な企画に取り組んでいる。今回の上映会もその一つだ。 「ウルトラマンの日」は、1966年のテレビ初登場を記念して定められた。特別上映会はこの日の午後2時からで、会場は市文化センター大ホール。上映後は、主演の斎藤さんと樋口真嗣監督によるスペシャルトークもあり、撮影の舞台裏や円谷監督への思いなどを語り合う予定だ。 特別上映会に向け、斎藤さんはこんなメッセージを寄せている。「ウルトラマンの生みの親である円谷英二さんの出身地・福島の皆さんには、ぜひ大きなスクリーンで興奮と感動を味わっていただきたいです」 須賀川市民限定の250席のチケットは6~19日、市ホームページ(HP)で受け付け、22日に抽選結果を発表する。一般の700席は24日から「チケットぴあ」で販売する。入場料は大人1800円など。詳細は市HPで。(斎藤徹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
八ツ場のダムは「こんにゃく製」 そばより売れる個性派グルメ拡大中
「ダムグルメ」と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、ダムカレーだろう。2年前に完成した八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)でも、個性的なダムカレーが次々と登場している。 ダムカレーとは、主にご飯をダム、カレーをダム湖などに見立てて器に盛りつけたカレーライスのこと。富山県の黒部ダムをモチーフにしたカレーが発祥とされ、玄関口の長野県大町市では「黒部ダムカレー」による町おこしが盛んだ。 八ツ場のダムカレーを味わおうと、まず向かったのは、2020年秋にダムサイトにオープンした「やんば茶屋」。昨年から「やんば茶屋ダムカレー」(税込み800円)を提供している。 カレーとご飯を仕切る「ダム… この記事は有料会員記事です。残り934文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
はかま姿の「はいからさん」 大正から昭和、女性の社会進出の装いは
朝日新聞写真館 洗練された制服やセーラー服に身を包み、街に出た女学生たちは、開放的な時代の空気を胸いっぱい吸い込んだことだろう。 女性の社会進出が始まった大正から昭和初期にかけて、明るい表情の女学生の写真が多く残っている。 スターを待ち受けるはかま姿の「はいからさん」や「元祖なでしこ」のコーディネートにも注目。 和洋折衷の装いが、新時代へ… この記事は有料会員記事です。残り213文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
彬子さまが語る「ヒゲの殿下」故・寛仁さま 「一人の人間として」
「ヒゲの殿下」と親しまれた寛仁(ともひと)さまが逝去して6日で10年。長女彬子(あきこ)さまが朝日新聞の取材に応じ、寛仁さまから引き継いだ公務について「父と同じようにはできないので、私の目線で感じたことをお伝えし、ご理解いただけるように、との思いで務めている」と語った。1日には、寛仁さまの生前のコラムをまとめた本も出版された。 彬子さまは、逝去から現在までを「あっという間の10年」と振り返り、「長かったような、短かったような、無我夢中で進んでいるうちに過ぎてしまったという印象」と述べた。 寛仁さまは皇室の枠にとらわれず、型破りな存在として知られた。高校では応援団長、大学ではスキー部でキャプテンを務め、卒業後は英オックスフォード大学に留学。札幌冬季五輪の組織委員会事務局に勤める「サラリーマン生活」も経験した。ラジオの深夜放送に出演したり、皇籍離脱の意思表示をしたり。女系天皇容認論に異議を唱え、皇位の男系主義を崩すと「いつの日か、『天皇』はいらないという議論に迄(まで)発展する」と主張したこともあった。 また、障害者の社会参加を進… この記事は有料会員記事です。残り1232文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本史教師が世界史も教える新科目スタート 用語集を自腹で購入も
今年度から新学習指導要領のもと行われている高校の授業。日本史と世界史の両方を扱う「歴史総合」では、教員は専門外の分野に不安を抱えつつ、対応する努力を続ける。一方、「地理総合」は担当教員が足りないという課題がある。3年後の入試改革を控え、揺れる現場の声を歴史と地理の2回に分けて報告する。 4月中旬、千葉県立長生高校(茂原市)の1年生のクラスで、歴史総合の授業があった。 担当する佐藤克彦教諭(26)は新科目の導入として、生徒に身近な制服の歴史を題材に選んだ。生徒38人の手元には、明治維新以降の日本の就学率のグラフや、大正時代に制服を導入した学校の記念誌の抜粋などの資料が並ぶ。 佐藤教諭は資料をもとに「当時の国内や世界の情勢はどうだっただろう」などと問いかけ、議論を促した。時代ごとの制服の変化をイラストや写真で示しつつ、当時の歴史を地域横断的に考える工夫を凝らした。授業を受けた荘司広尊さん(15)は「地域も時代も区切って歴史を教わっていた中学と違って、歴史の流れや地域同士の交流が学べて楽しい」と話した。 歴史総合では、18世紀以降の日本と世界の歴史を扱う。これまで日本史か世界史のどちらかのみを教えていた教員も、今後は日本と世界の双方を適切に関連づけながら生徒に考えさせる役割が期待される。 佐藤教諭も昨年度まで日本史だけを教えてきたが、新科目の目標に共感し、自ら担当を希望。部活動が終わってから帰宅までの数時間や休日を使い、自ら資料を調べ、全国の有志の教師らとSNSでつながって勉強会や情報交換をした。「全国の教師が同様に試行錯誤をしている」という。 ただ、準備を重ねても、まだ… この記事は有料会員記事です。残り1175文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ホームドア未設置の京浜東北線側で転落 鶯谷駅で女性はねられ死亡
2022年6月4日 14時29分 4日午前9時50分ごろ、東京都台東区根岸1丁目のJR鶯谷駅のホームから転落した女性が京浜東北線の電車(10両編成)にはねられ、間もなく死亡が確認された。女性は直前に体調不良を訴えていたといい、警視庁が事故原因などを調べている。 下谷署によると、亡くなったのは10~20代ぐらいの女性。同署が防犯カメラの映像などを調べたところ、女性はホームのベンチに座っていたが、立ち上がって線路側にふらふらと歩いて向かい、かがむような姿勢になった後、転落していた。その直後、駅に入って停車しようとしていた電車にはねられたという。 当時女性と一緒にいた別の女性は署に対し、「(亡くなった女性は)『具合が悪い』と言っていた。嘔吐(おうと)したいのかなと思った」と話しているという。 JR東日本は線路への転落を防ぐ「ホームドア」の設置を進めているが、鶯谷駅は山手線側に設置されている一方で、京浜東北線側にはまだ設置されていなかった。 この事故の影響で、京浜東北線が最大約1時間20分、山手線の内・外回りが約30分にわたって運転を見合わせ、約1万8千人に影響が出た。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
素朴で古風な面持ちの「あの子」 起源はみちのくにあった
職人がたくみの技でろくろを操る。くずが飛び、工房に木の香りが広がると、先端は球体になっていった。全国に広く知れ渡るその正体は――。足跡をたどると、みちのくに起源があった。 温泉地として知られるまちへ入ると、道路標識に欄干、郵便ポスト、公衆電話と、いたる所でつぶらな瞳がお迎えしてくれる。散策で遭遇する数々の出会いに、思わずほおが緩んだ。 こけし。200年余前、わんや盆などをつくる東北の木地師(きじし)が、余った木材を子どもの遊び道具や人形に仕立てたのが始まりとされる。が、名前が定まったのは80年ほど前に過ぎない。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。12日(日)締め切り。 「こけしはこのまちで生まれ… この記事は有料会員記事です。残り1056文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「右手に輝く北極星…海に出てよかった」 堀江さん、69日間の航海
【動画】堀江謙一さん単独太平洋横断ゴール=朝日放送テレビ撮影 60年前に94日かけて世界で初めて成功したヨットでの太平洋横断に、83歳で挑んだ堀江謙一さん。日本に近づいた終盤は悪天候や黒潮の大蛇行に難航したが、まる69日間で偉業を達成した。約8500キロの航海だった。 83歳での挑戦について出発前に「年齢は経験でカバーできると思う」と話していたが、ゴールした4日、「今回はずいぶん勉強しました」と話した。不眠不休での操舵(そうだ)が続いたが「まあ、平均的に24時間勤務です」と笑い、「人生、そんなこともありますよ」。一方で「最後の2日間は好天に恵まれ、何とかゴールできてラッキーでした」と幸運を強調。「僕の日ごろの行いですかね」と、冗談を言う余裕もみせた。 航海の状況は日々、衛星電話で陸上のスタッフに伝え、航海日記としてウェブサイトで公開してきた。その日記から航海をふり返る(日付は現地時間)。 3月27日 出航早々、嵐の洗礼を受けています その後は天候にも恵まれ、順調に進んだ。 4月5日 風がやみ波が無い夜は、海面一杯に星空が映り、取り囲まれます。息をのむ景色です 予定より早くハワイを通過。 「5月3日 突然GPSの電源が……」 4月15日 海から見るダイ… この記事は有料会員記事です。残り896文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
無関心装えても無関係ではいられないのに SNSでも「遠い」沖縄
メディア空間考 牛尾梓 普段、東京で生活する私にとって、沖縄はどこか遠い存在のように感じる。それはSNSを眺めていても同じだ。 特にそう感じたのは2016年10月、沖縄・高江の米軍ヘリパッド建設現場で、抗議活動をしていた沖縄の人に機動隊員が「ぼけ、土人が」と発言したことが問題になったとき。 「問題は日当をもらって抗議活動をしている人。こういう報道に日本人はだまされない」「反米軍基地運動は、中国の沖縄侵略の露払い」 SNSには真偽不明の情報があふれた。投稿した著名人や匿名アカウントでもプロフィル欄などを見る限り、多くは県外からと見られ、議論には当事者であるはずの沖縄県民は不在のように感じた。 県内と県外の心理的な距離を、SNSを分析することで可視化できないか――。沖縄返還50年の節目に合わせて、ツイッターに投稿された沖縄に関するつぶやきを追跡し、日々うつろう「SNS世論」から、話題の温度差を見た。 投稿の分析には、SNS分析ツール「ブランドウォッチ」を使った。ツールでさかのぼれる最古の2010年7月から22年4月まで約12年間の「沖縄」を含むつぶやき計1億8827万件を抽出。 これを「10年7月~14年6月」「14年7月~18年5月」「18年6月~22年4月」の3期間に分け、一緒につぶやかれた言葉の変化を、発信元が県内か県外かに分けて調べた。 SNSの黎明(れいめい)期… この記事は有料会員記事です。残り491文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル