全国霊感商法対策弁護士連絡会が12日に開いた記者会見には、過去に宗教法人「世界平和統一家庭連合」(旧・世界基督教統一神霊協会=統一教会)の信者だった40代の女性が、つい立て越しに同席した。女性は会見前に朝日新聞の取材にも応じ、自身の経験を語った。 女性は母親の影響で、1990年ごろ、17歳で信者となった。 2世信者だった。 母親はその約1年前から教会の集会に通い始めていた。定期的な「献金」に加え、父親や親族の反対を押し切り、数万円の水晶製の数珠や、数百万円の大理石の弥勒菩薩(みろくぼさつ)像を買わされることもあった。 その費用は、父親の退職金の一部や、生命保険を解約して充てていた。 次第に、母親は教義にのっとった生活を娘らにも強制し始めた。教義に反すると、食事を出さないと言われた。 「子どもは母親に刃向かうと… この記事は有料会員記事です。残り1061文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
8児の母が立候補、仕事辞めた父 落ちたら無職…三男は涙こらえた
食卓には、唐揚げやハム入りのサラダ、油揚げのみそ汁など10人分のおかずがいっぱいに並んだ。 きょうだい8人と両親が、いつも通りの夕食を囲んでいた3月30日夜、母(44)が真剣な表情で切り出した。 「今までは県だったけど、今後、国の方の選挙にでるんだよ。参院選に出る」 母は翌日から、あいさつ回りのための東京出張が決まっていた。3日後には、立候補が正式に決まる大事な会議も控えていた。 この日が家族に伝えられる最後のタイミングだった。 仙台市の静かな住宅街に暮らす4男4女と両親の大家族。母の参院選への立候補が決まり、生活は一変しました。一番下の妹は3歳。支え役に回った父は仕事を辞め、母が不在がちになった一家には大きな不安が広がりました。5回の連載で、家族の選挙戦を追います。 「今度の選挙は大がかりで、あなたたちにも家のお手伝いとか協力してもらわないといけないよ」 言葉を重ねる母に、高校2年の長男十嗣(とうし)(16)を始め、子どもたちは「ふーん」と聞き流した。 反応の鈍さを見て、今度は父が強めに言った。 「当選したらお母さんは東京に行って、仙台に戻ってこられない期間も出てくるよ」 家からお母さんがいなくなる… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
あの時、何が起きたのか 安倍氏の銃撃現場で検証 奈良県警
2022年7月13日 5時00分 安倍晋三元首相(67)が奈良市で街頭演説中に銃で撃たれて殺害された事件で、奈良県警は13日午前5時ごろ、無職山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=が手製の銃を撃ったとされる近鉄大和西大寺駅(奈良市西大寺東町2丁目)の北側で現場検証を始めた。発射された弾丸などの遺留物を調べるという。 事件は7月8日午前11時32分ごろに発生。安倍氏は交差点のガードレール内に立ち、北側を向いて演説をしていた。山上容疑者は車道に出て、安倍氏の背後から発砲したとされる。 現場で確認された発砲音は2回。山上容疑者は路上で取り押さえられた。県警は、自作したとみられる銃(長さ約40センチ、高さ約20センチ)を押収した。現場付近に止められた選挙カーの上部の看板には、貫通しているような穴が数カ所見つかった。 県警は事件当日の8日も午後5時ごろまで現場一帯を立ち入り禁止にし、捜査員が路面の状況を調べたり、植え込みの中を確認したりしていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
容疑者、事件前日に新幹線で奈良―岡山を往復 バッグに銃隠し移動か
安倍晋三元首相(67)が奈良市で8日、街頭演説中に銃で撃たれて殺害された事件で、無職の山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=が事件の前日、新幹線を利用し、自宅のある奈良市と安倍氏が遊説に訪れた岡山市を日帰りで往復していたことが、奈良県警への取材でわかった。供述や防犯カメラの映像などから、ショルダーバッグに手製の銃を隠して移動していたと県警はみている。 捜査関係者によると、山上容疑者は事件前日の7日未明に、宗教法人「世界平和統一家庭連合」(旧・世界基督教統一神霊協会=統一教会)の関連施設が入る奈良市三条大路1丁目の建物を銃撃したと供述。1階のドア付近で6カ所の穴が確認され、県警の現場検証では、手製の弾丸とみられる数個の金属片が見つかった。 安倍氏が銃撃された現場で、県警が押収した手製の銃(長さ約40センチ、高さ約20センチ)は、銃身が2本あり、引き金を引くと一度に6発の弾が発射される構造だったとみられる。県警は、二つの現場で同じ銃が使われた可能性があるとして、今後、弾丸や銃を詳しく鑑定する。 JR新大阪駅や岡山市内の防犯カメラに似た男の姿 また、捜査関係者によると… この記事は有料会員記事です。残り470文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
埼玉・東松山の2地区に「緊急安全確保」発令 大雨で市内の川が越水
2022年7月12日 23時59分(2022年7月12日 23時59分更新) 大気が不安定になった影響で、埼玉県北部では12日夕から、猛烈な雨が降った。同県東松山市は同日午後10時25分、2地区に避難情報の中で最も危険度が高い「緊急安全確保」(警戒レベル5)を発令した。対象は毛塚地区(608世帯1574人)と田木地区(206世帯517人)。市内の九十九川で越水が確認されたためだという。 同市のほか、坂戸市、狭山市、鳩山町、嵐山町、越生町、毛呂山町で1時間に約100~120ミリの雨が観測され、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を出した。熊谷地方気象台によると、鳩山町では3時間の降水量が観測史上最大の263・5ミリに達したという。 県によると、ときがわ町で土砂崩れが発生し、少なくとも5棟が被害を受けたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
米軍無人偵察機が岩国基地に着陸 中国艦船の活動などの情報を収集
川本裕司2022年7月13日 0時10分 米領グアムの海軍基地に所属する無人偵察機MQ4「トライトン」1機が12日午後11時5分ごろ、山口県岩国市の米軍岩国基地に着陸した。海洋監視用のトライトンは昨年5~10月に三沢基地(青森県)に展開され、岩国基地に一時配備されるのは初めて。5月に到着し約5カ月間滞在の予定だったが、遅れていた。中国艦船の活動の情報収集などにあたる見込み。滞空時間は30時間。 また、地上監視用の米空軍の無人偵察機RQ4「グローバルホーク」は2014年以降、三沢、横田基地(東京都)に数カ月ずつ一時配備されている。(川本裕司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
埼玉北部で猛烈な雨 「浸水で家のドア開かない」、土砂崩れの被害も
2022年7月12日 23時18分 大気が不安定になった影響で、埼玉県北部では12日夕から、猛烈な量の雨が降った。同日夕から夜にかけて同県東松山市、坂戸市、鳩山町、嵐山町、越生町、毛呂山町で1時間に約100~120ミリの雨が観測され、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を出した。 熊谷地方気象台によると、鳩山町では3時間の降水量が観測史上最大の263・5ミリに達したという。 大雨に伴う土砂災害の恐れがあるとして、県によると、ときがわ町が午後7時半に町内全域に避難指示を出したほか、東松山市は同8時15分に住民に避難指示を出した。鳩山、越生、ときがわの各町では避難所を設置した。 午後8時すぎ、避難所となった東松山市の高坂丘陵市民活動センターには、市民5人ほどが避難した。近くには越辺川の支流の川があり、はんらんする恐れがあるという。男性(78)は「自宅前の川が増水してあふれそうになった。心配だ」と話した。 県によると、ときがわ町で土砂崩れが発生し、少なくとも5棟が被害を受けたという。 西入間広域消防組合によると、鳩山町で、道路の冠水により車の中に取り残された人から救助要請が少なくとも3件寄せられた。その後、自主的に避難したり、消防に救助されたりするなどして、いずれも無事だった。「土砂崩れの恐れがある」との通報も相次ぎ、越生町内からも車内に取り残された人がいるとの通報があるという。 東松山市などを所管する比企広域消防本部によると、「浸水で家のドアが開かず出られない」との救助要請が少なくとも1件あったという。 NEXCO東日本によると午後6時50分から、関越道下り鶴ケ島インターチェンジ(IC)―東松山IC間(約10キロ)を通行止めにした。午後8時10分から上り線も通行止めとした。 JR東日本高崎支社によると、12日午後6時ごろ、八高線明覚駅構内の線路が冠水し、高麗川―小川町駅間の上下線で運転を見合わせた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会に絡む被害相談、いまも 弁護士ら会見 元2世信者も同席
安倍晋三元首相が銃撃を受けて死亡した事件で、逮捕された山上徹也容疑者(41)が「恨む気持ちがあった」と供述したとされる宗教法人「世界平和統一家庭連合」(旧・世界基督教統一神霊協会=統一教会)の問題に取り組む「全国霊感商法対策弁護士連絡会」が12日、東京都内で会見を開いた。「容疑者の行為は断じて許されないが、統一教会の問題性に目を向けてほしい」などと訴えた。 連絡会はこの日公表した声明で、旧統一教会への母親の献金で生活苦になったと山上容疑者が供述していると報道されていることについて、「元信者やその家族の苦悩や葛藤、生活の困窮などの悩みに接してきた当会としては、かねてこのような実情について心から憂えてきた」と指摘。「こうした問題に対して社会としてどう取り組むべきか改めて問われている」とした。 旧統一教会をめぐっては、不安に陥れて高額な物品を購入させる霊感商法とのかかわりや、高額な献金が社会問題化した。連絡会が同日公表した資料によると、昨年末までの約35年で、弁護士や消費生活センターが受けた旧統一教会に関する相談は3万4537件、被害総額は約1237億円で、昨年までの5年間に限っても約580件、約54億円という。 前日の11日に家庭連合が開いた会見で、同連合日本教会の田中富広会長は「過去にトラブルがあったのは事実だが、2009年に当時の会長が声明を出してからは献金に対する姿勢は変わった」と主張した。 これに対し、連絡会の紀藤正… この記事は有料会員記事です。残り611文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
容疑の男を9月まで鑑定留置 福岡地検が発表 病院医師刺傷事件
中山直樹2022年7月12日 22時47分 福岡市東区の千早病院で、医師を刃物で刺して殺害しようとしたとして、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された同区の無職の男(59)について、福岡地検は12日、刑事責任能力の有無を調べるための鑑定留置を始めた、と発表した。期間は9月2日まで。 捜査関係者によると、男の母親が約4年前まで通院し、男も母親に付き添い、面識があった。被害にあった医師は事件当時、別の患者の診察をしていた。(中山直樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「テロ」と呼ぶべきか 恐怖による過剰反応が破壊する民主主義
安倍晋三元首相が街頭で銃撃され死亡した事件を「テロ」と呼ぶべきなのか。そして、犯行は民主主義を破壊しようとする行為だったのか。事件の動機や背景がまだよく見えないこともあって、人々の見方は揺れている。「キーワードは恐怖です」と語るテロ研究者の宮坂直史・防衛大学校教授に聞いてみた。 宮坂直史さん(防衛大学校教授) ――元首相が銃撃されたという初報に触れた瞬間、多くの人が「テロだ」と思いました。テロを研究してきた立場から、この反応をどう見ますか。 「有名政治家が公衆の面前で撃たれたという情報に触れた人が『テロだ』と思うのは自然の反応であり、理解できます」 ――テロリズムの語源は「恐怖」ですよね。そもそも、テロとは何を指すのでしょう。 「テロとは政治的な目的を持って行われる違法な暴力の行使、または脅しです。たとえば日本の特定秘密保護法でも、テロリズムの定義には「政治上その他の主義主張に基づき……」という文言があります。テロが一般的な犯罪と異なる点としては、動機が政治的目的の追求であることと、パブリックな場で実行されることが挙げられます。テロは、人々に『見せる』形で行われるのです」 「他方、一般的な犯罪の場合は私利私欲や私怨(しえん)が主な動機になり、プライベートな場で行われます。テロとは逆に、『隠す』形での犯行になります」 テロと一般犯罪、あいまいな境界 ――今回の銃撃事件をテロとみなすかどうかは意見が割れています。特定宗教への恨みが背景にあるとの見方も浮上し、動機も分かりにくい状態です。 「ここはテロという概念のや… この記事は有料会員記事です。残り1863文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル