札幌市で1992年以降に小学生時代を過ごした多くの大人が体験した「スーパードリームライド」。市青少年科学館(厚別区、1981年開館)の人気ナンバー1の展示アトラクションが、来月下旬に廃止される。動かすために用いられてきたのは、パソコン「PC9801」と「レーザーディスクプレーヤー」。かつて栄華を誇った日本のエレクトロニクスの象徴的技術も同時に現役を引退する。 ピポッ。50代以上には懐かしい電子音が、機械だらけの小部屋に響いた。 平成時代の遺産がまた一つ、表舞台を去ります。記事後段ではシステムの起動から運行までの映像もご紹介しています。 スーパードリームライドの試運転前に、NEC製のパソコン「PC9801ES」(1989年発売)が起動する。すると、カタカタカタというフロッピーディスクドライブの小さな動作音が鳴った。ディスプレーには、「マイクロソフト MS―DOS バージョン 3.30D」などの白い文字が浮かぶ。 やがて、ソニー製のレーザー… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
14年前に見過ごされたロシアの脅威 ジョージア大使の日本への期待
駐日ジョージア大使 ティムラズ・レジャバさん(34) 駐日ジョージア大使のティムラズ・レジャバさん(34)は日本で20年以上を過ごしてきた。堪能な日本語でジョージアの文化を発信し、ツイッターのフォロワーは11万人を超える。昨年8月には広島市の平和記念式典に初めて参列し、今年も参列する予定だ。 □ 私が広島県東広島市に来たのは1992年。生物学者の父が広島大大学院に留学するのに伴い、首都トビリシから家族で来日しました。 前年にソ連が崩壊し、ジョージア(当時はグルジア)は独立したばかりでした。しかし東広島市に住む産婦人科医の角谷(かどたに)哲司先生が、国際学会で知り合った私の祖父の依頼を受けて、父の日本留学が実現するよう尽力してくれました。 角谷先生は私たち家族の日本での生活を支え、弟は角谷先生の産婦人科医院で生まれました。 私が東広島市の小学校に入学したとき、ランドセルを贈ってくれたのはとてもうれしかった。 両親は語学講師の仕事をしていて、毎週のように広島市に行っていました。私もついて行っていたので、原爆ドームにはなじみがありました。 ただ、子どもだったので、その意味まではわかっていませんでした。 駐日ジョージア大使のティムラズ・レジャバさんが広島での平和記念式典に参列する背景には、恩師と自身が直面した二つの体験があるようです。 「恩師」から聞いたあの日の体験 父の研究や仕事の関係で米国… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
借金1億円を抱えた元パリコレモデル 茨城移住で見つけた「リア住」
「ボンジュール」 こんな明るい声であいさつするのは、元パリコレモデルの林マヤさん。かつては東京とパリを行ったり来たりしていたが、2009年に茨城県守谷市に移住した。 駅までバスで約40分の郊外の一軒家に「ダーリン」と呼ぶ夫(笛風呂タオスさん)と住み、タレント、ファッションブランド「MAYAMAYA」の運営、2400平方メートルの畑の作業にいそしむ日々だ。 コロナ禍で首都圏を脱出する人が増えています。移住先として注目を集めるのが茨城県です。その中でも人気エリアの守谷市に、13年前から林マヤさんが住んでいます。借金苦を乗り越え、癒やしを求めて移り住んだ林さんに「茨城ライフ」の神髄を聞きました。 「茨城というと、そんな田舎に行っちゃったのという反応が返ってきますが、守谷駅からつくばエクスプレス(TX)に乗れば、20分ぐらいで北千住駅に着くんですよ。『ポツンと一軒家』のような仙人の暮らしじゃないです」 今は仕事で東京に行くのは週2回ほど。打ち合わせはコロナ禍になってリモートが多くなったので不便さは感じないという。 5LDKの一軒家、家賃は月9万円 1住宅あたりの敷地面積が日本一の茨城県にやってきてマヤさんが驚いたのは、家賃の安さだ。 駐車場が2台分付いた5LDKの一軒家で月9万円。マヤさん夫婦が借りている農地の賃料も安いという。 「移住した当初は、住宅地に近いところで畑を借りたので、肥料が臭い、土ぼこりが飛ぶとか怒られました。地元の人の『だっぺ』『やっぺ』など茨城弁がきつく感じ、怖いなと思ったのですが、よくよく話すとシャイでいい意味でおせっかい。親切な人が多いんです」 茨城県は有数のそばの産地。周囲の畑には、野菜だけでなく、そばも多いという。 「うちが野菜を作りすぎたとき、ご近所におすそ分けすると、お返しにそば畑をやっている人が手作りした『常陸秋そば』をドアノブにかけてくれたこともありました」 守谷市には都内から移住したコミュニティーもあり、若い世代も目立つようになったという。 「地元の人は移住者にあまり干渉しないですが、畑で困ったことがあると農地を借りている地主さんが教えてくれます。繁忙期は近所の人に作業を手伝ってもらったり、私も手伝いに行ったり。とにかく住みやすい街です」 田園に点在するレストラン、パン屋、そば屋 唯一の不満はハイファッションブランドのブティックが一軒もないこと。マヤさんは1980年代、モデルとして活躍。クリスチャン・ディオール、KENZO、ジャンポール・ゴルチエなど多くのブランドのパリコレクションに出演した。 「近所にシマムラなどはあるのですが、モデルをやっていた私としてはときめく服がないのは寂しい。週2回、東京に行って流行をチェックするのも楽しみの一つです。そんな思いから自分でデザインした服、かばんなどブランドを立ち上げ、ネット通販で店をやっています」 土地の広い守谷市には田園の中にイタリアの小さな村のようにつくられたおしゃれなレストランやパン屋、おいしいそば屋などが点在しており、生活に不便さはないと言い切る。 「東京から戻ってくると、田んぼからカエルの鳴き声がゲコゲコと聞こえ、自然に癒やされます。やさしい気持ちになって元気になれるんですよ」 電気、ガス、水道が止まった そんな明るいマヤさんも、茨城県に移住する前、うつ状態になり、家から一歩もでられない「ひきこもり」になった過去がある。 マヤさんがパリコレでモデルをしていた当時は、ランウェーを1回歩くだけで100万円ものギャラを稼ぐ人もいる時代だった。その中にいたことで、金銭感覚がまひしていった。 1億円の借金を背負い、地獄の日々からの生還。そして移住で癒やされたマヤさんが見つけたものを記事後半で語ります。 モデルを引退後、夫を誘って… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「移住」ランキングで茨城が「逆襲」 都心への近さとコスパで穴場に
テレワークが普及し、どこでも、いつでも仕事はできる。だから今、地方への移住が注目を集める。その中で「穴場」として人気なのが、実は茨城県。一見、地味な印象を覆す魅力を探った。 転入者増加数、全国トップ 総務省のまとめでは、2021年の転入者が前年と比べて47都道府県別で最も伸びたのは、茨城県の3501人だった。2位は埼玉県の3394人、3位は神奈川県の3385人と続いた。 また、転入者が転出者を上回る「転入超過」となったのは全国で10都府県のみ。中でも、茨城県は7位で、9位山梨県、10位群馬県とともに、外国人を含む集計を始めた14年以降、初めて転入が上回るプラスに。そして、初のトップ10入りを果たした。 東京、大阪、福岡など大都市圏も転入超過だった。ただ、前年より規模は縮小している。最も縮小した東京は、前年比から2万5692人減で、東京23区については、転入者より転出者が増える「転出超過」に初めて転じた。 「リアル移住ランキング」は東京や大阪を上回る だが、転入超過数だけを単純に比較しても、都市圏と地方では人口規模が違う。その差を調整するため、総務省は各都道府県の転入超過数をその年の10月1日時点の人口で割って100倍した「転入超過率」を翌年4月末に算出している。転出超過の場合はマイナスになる計算だ。 この転入超過率について総務省は、「移住の実態を比べるうえで重要な目安になる」と説明。これを都道府県別に並べると、いわば「リアル移住ランキング」と言える。 21年については、ここでも茨城県は東京都や大阪府をおさえて6位にランクインした。 《21年の転入超過率ランキング》 ①埼玉県 0.38% ②神奈川県 0.34% ③千葉県 0.26% ④福岡県 0.11% ⑤山梨県 0.09% ⑥茨城県 0.07% ⑥滋賀県 0.07% ⑧大阪府 0.06% ⑨東京都 0.04% ⑩群馬県 0.02% 湘南、鎌倉は移住バブル…茨城は「大穴」 こうした茨城の状況について、リクルートが運営する不動産情報サイト「SUUMO」の笠松美香副編集長は「コロナ禍で飲食業、旅行業が低迷し、東京、大阪、名古屋、福岡など大都市へ仕事を求めて移住する人が減った」と分析。「さらにリモートワークが進み、家賃の高い東京23区に住み続けるメリットが減り、隣接する地域へ移住する傾向が目立つようになった」とみる。 もともと東京都に隣接してアクセスのよい埼玉県、神奈川県、千葉県への移住者は増加の一途をたどってきた。この結果、大手不動産会社の担当者は「神奈川の湘南、鎌倉エリアは移住バブルが起こり、価格が大幅に跳ね上がった」と話す。 だからこそ、いま「大穴」として注目されるのが茨城だ。 笠松さんは「東京の東側エリアにある茨城県は今まで目立たなかったが、コロナ禍で利便性のよさ、土地、家賃が安いなどのコスパのよさからファミリー層に注目されるようになり、躍進した」と話す。 21年の茨城県への転入者の出身地をみると、東京都が最も多く1万1558人だった。 コロナ禍前、茨城県の転入超過率の順位は18年は28位、19年は24位で、いずれも数値はマイナス。つまり転出者の方が多かった。ここまで躍進したのは、なぜなのか。 茨城を舞台にした漫画「ダッペ帝国の逆襲」の監修者は、いま茨城が人気の理由をどう見ているのでしょうか。記事後半では、47都道府県の「リアル移住ランキング」も紹介します。 魅力度ランキング「最下位」で知名度アップ 茨城県在住で、著書「いばら… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不発弾処理、最初の一回し 一番駄目なこと、隊員が毎朝唱えることば
2千人の周辺住民に避難が呼びかけられ、防護壁で遮断された空間に、たった4人の隊員が入る。 命がけの作業。決して急がせてはならない――。現場の責任者はそう語る。 77年前の太平洋戦争中に投下されたとみられる米国製の1トン爆弾が、大阪府吹田市のマンション建設現場で見つかり、その処理のため、JR京都線など近畿の大動脈が日中に運転を取りやめる。 処理にあたるのは、陸上自衛隊中部方面後方支援隊の第103不発弾処理隊だ。 重圧のなかで、作業はどのように進むのか。日頃、隊員たちが大切にしている言葉があるという。 第103不発弾処理隊は、1… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「生きているだけで良かったのに」親友の涙 八王子射殺事件27年
増山祐史2022年7月23日 16時47分 1995年7月30日に東京都八王子市のスーパーナンペイ大和田店でアルバイトやパートの女性店員3人が射殺された事件は、間もなく発生から27年となる。被害者の1人で高校2年生だった矢吹恵さん(当時17)が通っていた桜美林高校(町田市)では23日、追悼礼拝があり、教員や同級生ら約15人が事件解決を願って静かに祈りを捧げた。 会場には高校時代の矢吹さんの顔写真に、矢吹さんの明るい性格をイメージしたというひまわりの花が添えられた。礼拝の司会は当時学年主任だった伊藤孝久さん(71)が務めた。 親友の鷹野めぐみさん(44)は「今年もまた来たよ。みんな元気でやっているから心配しないで」と、心の中で語りかけたという。27年という月日の長さに「生きていたらどんな感じなのかなと毎年思う。彼女が生きているだけで良かったのに」と涙をぬぐい、「解決しないと彼女に関わった全ての人間が区切りがつかない。必ず解決すると信じて待っていたい」と話した。 事件では、同じく高校2年生だった前田寛美さん(当時16)と稲垣則子さん(同47)も犠牲になった。(増山祐史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
心ない中傷、「忘れてたまるか」 ウガンダ選手を迎えたホテルの宝物
前例のない1年延期の末、半世紀ぶりに東京で開かれた夏のオリンピック。コロナ禍で祝祭感は薄れ、歓声なき17日間だった。誰もが思い描く大会ではなかったが、あの日、喜び、嘆き、翻弄(ほんろう)された人たちがいた。あれから1年。いま、何を思うのか。 「一生忘れられんし、忘れてたまるかって気持ちもあるんです」。ウガンダ選手団の事前合宿先となった、大阪府泉佐野市の「ホテルニューユタカ」社長の西隆さん(65)は言う。 入国時にコロナ陽性者が出ながら、残りの選手らが濃厚接触者か判断されないままホテルに到着。その後、もう1人の陽性もわかった。感染力が強いデルタ株だった。 ホテルへの誹謗(ひぼう)中傷の電話が鳴りやまず、爆破予告メールが届いた。選手が逃走して行方不明になる騒ぎも起きた。「行政の責任のはずなのに、現場に対応を押しつけられた」。大会から半年たっても、「ここウガンダのとこやろ?」と、団体客から予約をキャンセルされたことがあった。 一方、世紀のイベントに関われた喜びも残る。 ウガンダ大使館から派遣され… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「海は冷たい、揚がってきて」 献花台で祈る夫婦 知床事故3カ月
北海道・知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故。23日で発生から3カ月を迎えたが、斜里町役場の正面玄関に設けられた献花台では、今も手を合わせる人の姿が絶える日がない。 カズワンは4月23日午前10時ごろ、同町のウトロ漁港から乗客・乗員26人を乗せて出港し、戻ることはなかった。それから3カ月経ったこの日、同じ時刻に町職員3人が献花台の花の手入れを始めた。花がすぐに枯れないよう各課に当番を割り振り、1日2回、職員が交代で水を替えるなどの手入れを続けてきた。作業を終えた3人は、献花台の前で静かに手を合わせた。 ウトロ地区で民宿を経営する伊藤憲子さん(75)は夫婦で献花に訪れた。カズワンの乗客の1人が大学生の時に、伊藤さんの宿を利用していたという。 毎月23日には献花に来てい… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高校剣道・玉竜旗が25日開幕 中村学園女子が5連覇かけて挑む夏
高校剣道の3大大会とされるうちの一つ、玉竜(ぎょくりゅう)旗大会が25~29日に福岡市東区の照葉積水ハウスアリーナで開催される。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催。その3年前に4連覇を果たした中村学園女子(福岡市城南区)は、阿蘇(現・阿蘇中央)に並ぶ最長の5連覇がかかる。 中村学園女子剣道部の練習場。主将の池田胡春(こはる)さん(3年)の号令で、素振りが始まった。張り詰めた空気の中で「メンッ」と竹刀を一斉に振り下ろす。 部員は剣道ノートつづり、新聞切り抜きも 岩城規彦監督が指導を始めると、散らばっていた部員たちがすぐに集まった。「負けるやつには理由がある。そこを修正しないと勝てない」と発破をかける。 剣道部は3大大会で玉竜旗だけでなく、全国高校総合体育大会(インターハイ)と全国高校選抜大会でも優勝を重ねてきた。 現在の部員は1年生6人、2年生5人、3年生9人(うちマネジャー2人)の計20人。中学時代も成績を残し、中村学園女子で剣道がしたいと集まってきた生徒たちだ。 池田主将もその一人。昨年、5連覇を果たしたインターハイのメンバーだ。「先輩たちに日本一にさせてもらったので、今年は自分が同期や後輩に日本一の景色を見せたい」と意気込む。 ただし、剣道部は強さだけを… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡県の新型コロナ新規感染者は1万2619人 4日連続最多を更新
朝日新聞デジタルに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。Copyright © The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. Source : 社会 – 朝日新聞デジタル