音楽にあわせて移ろう照明が素肌を彩る。時にコケティッシュ、時に挑発的な視線が観客をあおる。手品のようにスカートをはぎ取り、首のホックをじりじり外し――。衣装が脱ぎ捨てられるたび、客席の盛り上がりは高まっていく。 バーレスク。近年、京都のクラブや劇場などでしばしば見かけるショーのスタイルだ。「脱ぐ」とあってちょっぴり大人の雰囲気。一体、バーレスクとは何なのか。 「人によって解釈が違うんですけど」と、バーレスクパフォーマー・うのさんは前置きする。「脱いだ後の美しい体を見せるのがストリップなら、見えそうで見えないと観客をじらしながら、脱ぐ過程を見せる芸がバーレスク」。股間と乳首を隠す小さな衣装は最後までつけたまま。お色気に加え、英語で「からかう、じらす」を意味する「TEASE(ティーズ)」の要素が重要という。 7月半ば、京都市は三条木屋町のアートスペース、アバンギルドで開かれたイベント「VarieTEASE Kyoto(バラエティーズ・キョウト)」は満員御礼だった。演目はバーレスクのほか、ドラァグクイーンのショーやバルーンパフォーマンスなど多彩。欧州発祥で米国で発展したとされるバーレスクが元々、キャバレーなどの飲食店で踊りやバンド演奏、手品、軽演劇といった種々の演芸を見せるバラエティーショーだったことに倣った形だ。 「裸になった時に一番、その… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジンベエ像の除幕式 ワンピースの「麦わらの一味」 熊本に勢ぞろい
吉田啓2022年7月23日 19時30分 熊本地震の被災地に、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の主人公と仲間たち「麦わらの一味」の各キャラクターの像を設置する熊本県などのプロジェクトで、最後の1体となる操舵(そうだ)手・ジンベエの像が23日、熊本県宇土市でお披露目された。 プロジェクトは、県と熊本市出身の作者・尾田栄一郎さん、作品を出版している集英社が協力して進めてきた。主人公のルフィの像が2018年11月に県庁の敷地内に設けられ、益城町(サンジ像)や南阿蘇村(ロビン像)などに順次、置かれていった。 10体目となるジンベエ像は、操舵(そうだ)手らしく海に臨む宇土市の住吉海岸公園に立つ。お披露目の除幕式は「今日は皆に集まってもらってかたじけない」と話すジンベエの声が流れ、始まった。 あいさつに立った宇土市の元松茂樹市長は、多くの市民が避難生活を強いられ、ゆがんで崩れ落ちそうになった市庁舎に言葉を失いつつ、復興に向かっていった熊本地震当時の心境を「失ったものばかり数えるな。残っておるものはなんじゃ」とジンベエのセリフを引きつつ振り返った。 ワンピースを連載している週刊少年ジャンプの中野博之編集長も参加して、尾田さん直筆のジンベエが描かれた色紙を披露した。 地元の小学生らが像に向かって、空手の達人でもあるジンベエの技「鮫瓦(さめがわら)正拳」を突き出すと、幕が落ちて高さ1・8mの迫力あふれるジンベエ像が現れた。(吉田啓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京五輪開幕から1年、国立競技場でセレモニー 1万5千人の観客も
2022年7月23日 21時59分 東京オリンピック(五輪)の開幕から丸1年が経った23日、開会式の会場となった東京・国立競技場で記念セレモニーがあった。ボクシング女子で金メダルを獲得した入江聖奈選手ら五輪・パラリンピックに出場した選手に加え、大会ボランティアや聖火ランナーら計約1千人が入場行進。陸上トラックでは、五輪・パラリンピックに出場した選手たちと、都内や東日本大震災の被災地で暮らす子どもたちが組んだ混合リレーがあった。 東京五輪は原則無観客で行われたが、この日は約1万5千人の観客が訪れた。主催した東京都の小池百合子知事は「2025年にはここで世界陸上(選手権)も開かれる。スポーツを通じて、一緒に未来をつくってまいりましょう」とあいさつした。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は「東京大会は希望、連帯、平和の大会になった」とビデオメッセージで述べた。セレモニーが始まる前には故・安倍晋三元首相への黙禱(もくとう)が行われた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
終のすみかを追われた90歳 東京五輪に「恨みはない」けれど…
21日午前6時。国立競技場のコンコースに、強い日差しが降り注ぐ。 菊池浩一さん(90)は左腕だけで自転車を操り、やってきた。ここで20人近い仲間たちと太極拳とラジオ体操をするのが30年来の日課だ。 以前は神宮球場の敷地内で集まった。東京五輪の開催が近づいて立ち入り禁止区域が広がるたび、神宮外苑の絵画館、信濃町駅そば、と転々とした。 昨年9月にパラリンピックが終わってしばらくすると、国立競技場のかいわいはすっかり平穏を取り戻した。昨夏は近寄ることもできなかったこの場所を、いまは拝借している。 ラジオ体操が終わると、近くのコンビニエンスストアのイートインコーナーに場所を移す。100円のコーヒーを買い、みんなで朝ごはん。最近の話題は、もっぱら神宮外苑の樹木の伐採計画。「困った話だよ」と眉をひそめる。 今年卒寿を迎えた菊池さんの老後の日々を翻弄した東京五輪から1年。平穏を取り戻した街で、どんな暮らしを送り、いまなにを思うのか聞きました。 菊池さんは旧満州の大連で生まれた。幼い頃に引き揚げ、熊本で育った。地元の建設会社で働いていた23歳の頃、現場のモーターのベルトに巻き込まれ、右肩から先を失った。 他人に無関心な東京、居心地がよかった 長い療養を終えると、勤め先から「お金は出すから、利き腕がなくても仕事に就けるように好きな専門学校に通いなさい」と言われ、上京した。 経理を学んだが、気持ちは腐ったまま。線路の上に横たわったこともあった。 一度は九州に戻ったが、右腕のない自分に向けられる視線がつらかった。 「あいつはもうだめだ」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宗谷線抜海駅存続、住民が管理費負担すれば「協力」 北海道稚内市長
奈良山雅俊2022年7月23日 21時00分 JR北海道の宗谷線抜海(ばっかい)駅(稚内市)の廃駅問題で、工藤広市長は23日、存続を望む町内会が独自に維持管理費を負担する場合、「JRとの間に入って協力する」との考えを示した。地元町内会への説明会後、報道陣に対して述べた。 工藤市長はクトネベツ町内会の住民9人に廃駅の方針を伝えた。住民からは駅存続を望む声や、市が廃駅後に導入する代替交通について「駅を存続させながらよりよい運用を探ってはどうか」などの意見が出た。 工藤市長は説明会後の取材に、駅の維持管理費年間100万円を来年度以降も市が負担することについて「市民に説明がつかない」と改めて説明。ただ、住民が独自に維持管理費を調達し、JR側に直接支払う場合には「市がJRに自治会の支払いや管理について保証することはやぶさかではない」とも話した。 もう一つの抜海町内会の会長が、2年分の維持管理費をクラウドファンディング(CF)で新たに集める考えを明らかにしていた。市は27日まで文書で意見を受け付けた上で、駅の存廃を正式決定する方針。(奈良山雅俊) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
550本の竹あかりがつなぐ教訓 国内最大級・長崎大水害から40年
寺島笑花2022年7月23日 21時29分 299人の死者・行方不明者を出した長崎大水害から40年になる23日、長崎市の眼鏡橋近くの中島川公園で、約550本の竹筒にあかりをともす「竹灯(あか)りのつどい」が開かれた。ハートを描いたモニュメントのほか、川沿いに犠牲者の数と同じ299本の竹筒が並び、オレンジ色の光が揺れた。 1982年7月23日、長崎市付近では1時間に100ミリを超える猛烈な雨が3時間以上にわたって降り続けた。土砂災害が複数の箇所で発生。死者・行方不明者が299人にのぼる災害となった。また、隣の長与町では、国内最大級となる1時間雨量187ミリを記録。「記録的短時間大雨情報」を気象庁が出すきっかけになった。 つどいは環境保全のNPOなど11団体が主催した。記憶の伝承が課題となる中、節目の年に改めて水害について考えてほしいと、今年初めて開催。企画した兵働馨さん(70)は「市民の3分の1が水害以降の世代になった。この日に災害を思い出すだけでなく、犠牲になった方が教えてくれたことを、次の世代につないでいく機会にしてほしい」と話した。(寺島笑花) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
脚光浴びたスケボー、広がる裾野 でも「パリ五輪へ企業の熱はない」
東京五輪で一躍注目を浴びたのは、新競技のスケートボードだった。 男子ストリートの堀米雄斗(23)ら日本勢3人が金メダルを獲得したから、だけではない ライバルの演技が成功すれば拍手を送る。 失敗した選手がいれば駆け寄り、抱きしめる。 勝敗を超えた選手たちの一体感は、見るものに強い印象を残した。 五輪で活躍した選手たちも、その名を広く知られるようになった。 女子ストリート金メダリストの西矢椛(もみじ)(14)は今年4月、大手飲料メーカー「伊藤園」とスポンサー契約を結んだ。 ただ、あるスケボー関係者は言う。 東京五輪の開会式から23日で1年がたった。新型コロナウイルスによる史上初の延期、ほぼ無観客での開催という異例の経過をたどった大会は、この国に何を残したのか。 「スポンサーがつきやすかっ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「京都は10年遅れ」 京アニ支援の職員が語る「被害者支援」の課題
京アニ事件では、被害者やその家族へのサポートの取り組みが前例のない規模で進められた。あれから3年。京都府はいま、犯罪被害者支援に特化した条例作りを検討している。支援のための課題はなにか。対応にあたった府警職員や支援員らが、事件当時の様子や思いを取材に語った。(小松万希子) 「大変なこと起きている」 「大変なことが起きている。被害者が相当数いる」。出先で火災の一報を聞き、現場に駆けつけた府警職員の保崎恵理子さん(51)は、建物から噴き出す黒煙におののいた。 府警は本部や各署から人を集め、事件直後から100人、24時間態勢の被害者支援チームを結成。捜査本部の隣に支援拠点を設け、家族らの対応にあたった。臨床心理士の資格を持ち、普段から被害者や家族からの相談対応にあたっていた保崎さんも、すぐにチームに加わった。 次々駆けつける被害者の親族… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪・兵庫・京都・岡山・福井で過去最多 新型コロナ感染確認
2022年7月23日 18時22分 新型コロナウイルスの感染確認が23日も、西日本の各地で過去最多を更新した。 大阪府は23日、新たに2万2501人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。1日あたりの感染者数としては過去最多だった21日よりも455人多かった。 また、50~90代の男女計9人が死亡したことが新たに確認された。府内の感染者は延べ121万3407人、死者は計5262人になった。 コロナ以外の疾病で重症病床での治療が必要な人を含めた府内の重症病床(595床)の使用率は14・6%、軽症中等症病床(4077床)の使用率は49・2%だった。 このほか、自宅療養者は9万4568人、入院や療養先を調整中の患者は4万3944人となっている。 兵庫県は23日、県内で新たに9497人が新型コロナウイルスに感染したことを確認したと発表した。22日の9254人を上回り、4日連続で過去最多を更新した。 京都府内で23日、過去最多となる4201人の新型コロナウイルス感染が新たに確認された。内訳は、府発表分1712人、市発表分2489人。1日あたりの新規感染者数としては、22日の3951人を上回り、3日連続で過去最多を更新した。 岡山県などは23日、県内で新たに1893人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日あたりの新規感染者としては22日の1866人を上回り、過去最多を3日連続で更新した。 福井県は23日、新たに939人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日あたりの新規感染者数としては、22日の841人を上回り、5日連続で過去最多を更新した。累計の感染者数は4万8166人。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「戦争ひとごとでない」24日に不発弾処理 JR運休、2千人避難へ
大阪府吹田市の工事現場で見つかった不発弾の処理にともない、JR西日本は24日正午ごろから、京都線の高槻―大阪間とおおさか東線の新大阪―放出間で、上下線ともにすべての電車の運転を取りやめる。約3時間の運休を見込み、約4万8千人の利用者に影響する見通し。陸上自衛隊が処理にあたるが、不発弾の状況によっては運転再開がさらに遅れる可能性がある。 市によると、不発弾は77年前の太平洋戦争で投下されたとみられる米国製の1トン爆弾(長さ180センチ、直径60センチ)。同市南吹田3丁目のマンション建設現場で4月27日、工事関係者が掘削中に見つけた。弾頭と弾底に信管が確認され、動かすと爆発のおそれがあるという。市民からは「戦争はひとごとでない」との声があがる。 市は現場の半径約300メートルを警戒区域とし、24日午前10時から作業が完了するまで、約950世帯、約2千人の住民に避難を求める。市役所と市立吹田第六小学校に一時避難場所を開く。JR線は区域内を通るため、陸自の作業着手にあわせ、正午ごろから運休する。 JRは米原―姫路間(琵琶湖線、京都線、神戸線)の新快速も運休するほか、特急のサンダーバード、こうのとり、スーパーはくと、はるかも一部区間で運転を取りやめる。 戦争末期の1945年、吹田市内もたびたび空襲に見舞われた。 関連文献によると、3月19… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル