東京電力は28日、柏崎刈羽原発(新潟県)の核物質防護に関する情報を、社員が責任者の許可を得ずに、社内のシステムから印刷して自宅に持ち帰っていたことを明らかにした。 東電によると、原発から持ち出されたのは、秘匿性が最も高い「秘密情報」ではなく、次の「管理情報」にあたるもので、防護部門の責任者の許可があれば持ち出しが可能。発表によると、社員は6月29日、手続きを失念したまま自宅でのテレワークのため情報を印刷。7月3日に許可が必要と気づき、上司や責任者に報告した。外部への流出などはなかったという。 東電は今回の問題を受け、責任者の許可がなければ印刷ができないようにシステムを改めた。稲垣武之所長は「システムだけでなく、情報を扱う人がしっかり自覚しなければならない。社員教育が重要だと考えている」と話した。 管理情報にアクセスできるの… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
川崎市教委、安倍元首相死去で市立学校175校に半旗掲揚を依頼
川崎市教育委員会が、安倍晋三元首相の死去を受けて、市立学校計175校に半旗の掲揚を依頼していたことがわかった。市教委は「哀悼の意を表するためだった」と説明している。 市教委などによると、安倍氏の通夜があった11日、庁舎管理にあたる市総務企画局が市の各局や市教委に対し、11~12日に半旗を掲げるよう依頼した。 これを受けて、市教委は「安倍晋三元内閣総理大臣の御逝去に伴う弔意の表明について(依頼)」と題した電子文書を、市立小学校114校、中学校52校、市立高校5校、特別支援学校4校、図書館などの文化施設に送った。11日正午から葬儀があった12日まで、国旗や市旗を半旗掲揚するよう求めた。「業務や市民サービス上、対応が難しい場合は所属長の判断で実施しないことを可とする」とも併記したという。 実際にどれだけ実施されたか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
校庭で拾った小さな淡いピンク色の骨 忘れたいと思うほど浮かぶ記憶
爆心地から約1・7キロの比治山橋(広島市南区)。15歳の女学生だった切明千枝子さん(92)はここで被爆。爆風で気を失った。 「目が覚めると、対岸は火の海で。皮膚が垂れ下がった大勢の中学生がぎゃーって悲鳴を上げて、橋を渡ってきましたよ」 当時の親柱などが残り、「被爆橋梁(きょうりょう)」として知られる橋には人々が行き交い、傍らを路面電車が走る。 朝日新聞広島版で14年続く連載「聞きたかったこと」。 約400人が被爆体験とその後の人生を語ってくれました。被爆77年の今年、忘れられない「あの場所」で再び話を聞きました。 当時の記事も再録しています。 建物の陰となり大けがを免れたが、市役所近くで建物疎開の作業をしていた後輩らは大やけどを負い、次々と亡くなった。校庭で火葬し、小さな淡いピンク色の骨を拾った光景は今も、くっきりと記憶に残る。 「忘れたいと思うほど、浮か… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「アサリの話したら住めなくなる」 地域ぐるみの偽装「バイト感覚」
【動画】アサリ偽装の闇-黙認の果てに- 市場から「熊本県産」アサリが一斉に消えた2月中旬、熊本県北部にある玉名市の有明海沿いを歩いた。海岸そばの空き地には、魚介類の運搬に使う、ナンバープレートがないトラックがずらりと並ぶ。 海岸に出ると、大量の白い貝殻が混じった砂浜が広がる。人の気配は無く、近くにある作業所も無人だった。南北9キロ以上にわたって広がる国内最大規模の荒尾干潟に近く、干潮時は沖合2キロ以上の干潟が姿を見せる。 漁協の作業場の隣にある小さな事務所の扉を開けると、受付の女性が笑顔で迎えてくれた。記者がアサリの産地偽装を取材していると伝えた途端に表情が曇り、「何も知らないので、答えられません」と断られてしまった。 近くを歩いていた人に話しかけて回ったが、「アサリの偽装」と言葉に出すと瞬時に口を閉ざした。 何も聞けないまま3時間ほどが過ぎたころ、家の前で洗濯物を取り込んでいた80代の女性をみかけた。 「このあたりで蓄養をやっていますか」と聞くと、「家に入って」と小声で言われた。 「すごく後悔している」 「話はするけど、私の名前は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【マンガ動画】組織に潜む無意味 「クソどうでもいい仕事」とは?
2022年7月30日 11時00分 【マンガ動画】デビッド・グレーバー著「ブルシット・ジョブ」の翻訳者、酒井隆史さんのインタビューから マンガ動画で紹介したのは「ブルシットジョブ」。日本語でいうと、「クソどうでもいい仕事」だ。 米国の人類学者デビッド・グレーバーが著書「ブルシット・ジョブ」で論じ、世界で話題になった。一昨年、この本を翻訳し「クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか」という副題の本を書いた大阪公立大の酒井隆史教授。酒井教授によると、グレーバーの分類ではブルシットジョブには五つの種類があるという。 さかい・たかし 1965年生まれ。専門は社会思想。昨年末「ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか」(講談社現代新書)を出版。大阪・新世界周辺の都市史を描いた大著「通天閣 新・日本資本主義発達史」(2011年)でサントリー学芸賞を受賞。著書に「自由論」「暴力の哲学」、訳書にグレーバー著「負債論」「官僚制のユートピア」も。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
7時間耐久トロッコ旅、なぜJR四国はマニアックなツアーが多いのか
JR予讃線の高松から松山まで、トロッコ列車による臨時列車が6月下旬に運行され、記者も同乗してみた。この区間をトロッコ列車が走るのは珍しく、所要時間はなんと、特急の3倍近い7時間。JR四国は、数多くの奇抜なアイデアの列車の旅を提供するが、仕掛け人は2人の若い社員だった。 6月26日午前8時57分。梅雨特有の曇り空の下、2両編成の列車がJR高松駅を出発した。 「せとうち縦断! 愛(あい)×藍(あい)トロッコの旅」と題されたツアーが始まった。使われるのは2020年から「藍よしのがわトロッコ」として徳島県内の徳島線を走っている車両だ。 先頭の1号車がトロッコ車両。車体側面に窓ガラスがなく、手すりはあるものの見晴らしは抜群。2号車は国鉄型キハ185系特急型ディーゼル車で、旧式の特急車両だ。 乗客は記者も含め、鉄道ファンを中心に27人。関西や四国のほか、中には北海道から来た人も。出発時は、通常車両に乗り込む。新型コロナ対策で、1人で2席使え、車内には余裕がある。 出発直後、JR四国社員で添乗員の山本直人さん(31)が最初の車内放送。「いよいよ始まりました、7時間耐久トロッコの旅をお楽しみください」。車内が爆笑に包まれる。 出発からわずか9分後、端岡駅(高松市)でさっそく9分間停車し、快速に抜かれた。この後も、多くの途中駅で特急を中心に行き違いや追い越しがあり、5分以上の長時間停車を繰り返す。 その都度、乗客はいったん下車し、ホームから対向列車や追い越し列車の撮影を楽しむ。「アンパンマン列車が来るよ」などと、乗客同士が情報を伝え合う。 いよいよトロッコに乗り込む 午前10時14分、雨が降り出した海岸寺駅(香川県多度津町)で、待ちに待ったトロッコ車両へ移動だ。 トロッコ車両は向かい合わせ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
現場のたばこ1本ずつ鑑定 八王子射殺事件から27年、続く捜査
1995年7月に東京都八王子市の「スーパーナンペイ大和田店」の事務所で女性従業員3人が射殺された事件は30日、未解決のまま発生から27年を迎えた。警視庁捜査1課は現場の遺留物などから容疑者をたどる捜査を続けるとともに、事件を伝える動画も新たに作り、風化を防ごうとしている。 捜査関係者によると、現場の事務所のシンク脇にあった灰皿には11本の吸い殻が残され、同課は誰が吸ったのか、1本ずつ特定を進めてきた。訪問者がわかれば、新たな目撃情報などが得られる可能性があるからだ。11本は同じ銘柄のため同一人物の吸い殻とみられ、DNA型鑑定などで、吸ったとみられる人物が数年前から浮上している。 一方、未解明な点はなお多い。スーパーの外の通路に落ちていた2本のたばこは誰のものかわからず、事件直前に付近で事務所の方を見ていた不審者や、事件前後に目撃された白色の不審車両も謎のままだ。 警視庁に寄せられる情報は減… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「自分で調べて発表」 京大特色入試に多数合格 開明高の学び
大学入試の学校推薦型選抜と総合型選抜の出願が、秋から始まります。知識偏重ではない授業や入試への転換が叫ばれる中、高校時代の学びや活動の履歴で評価する入試の募集枠は年々広がってきています。こうしたなか、東京大学の推薦入試と京都大学の特色入試で合格者を続々と出している学校はどんな教育をしているのでしょうか。校長に聞く5回シリーズの4回目は、大阪の開明中学校高校です。 開明中学校・高校 林佳孝校長 7年前に京都大学の特色入試が始まってから毎年合格者を出し、今年は7人が合格しました。受験情報誌などの調査では、今年は全国最多とされています。 でも、本校の合格者の場合、国際科学オリンピックに入賞するなどの華々しい業績があるわけではありません。ただ、学校として中学時代から行事を多く実施し、自分たちで調べて発表する形の取り組みを積み重ねています。その内容を深めつつ、学力も着実につけていった生徒が合格を得た例が多いですね。 本校の行事をいくつか紹介しましょう。たとえば一昨年度の高2の修学旅行では、北海道の夕張市を訪ねました。事前に夕張市近辺の地域の振興策について調べ、現地で発表しました。 記事後半では、探究活動とリンクした文化祭について紹介します。 農学部に合格した女子生徒の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
保育園児バス熱中症死1年 自問自答続け、小規模保育園つくった女性
福岡県中間市の双葉保育園で昨年7月、園児の倉掛冬生(とうま)ちゃん(当時5)が送迎バス内に取り残され、熱中症で死亡した事故から29日で1年となった。地元で起きた事故に思い悩んだ女性は、勤めていたこども園をやめた。いまは小さな保育園をつくり働く。 中間市の子育て支援施設だった場所。0~1歳の子どもたちが、広いフロアで保育士に抱っこされたり、自由に動き回ったりしていた。ここは5月にできたばかりの園児8人、職員6人の小規模保育園だ。 夕方、保護者が迎えにやってくる。「今日も一日、元気でしたよ」と、保育士に抱っこされた園児が引き渡された。 園長の上村初美さん(68)は事故があった1年前、市内の別の認定こども園の園長だった。前身は認可保育園で、母と1979年に立ち上げた。 事故はニュースで知り、耳を疑った。「やってきたことは意味がなかったのだろうか」と心を痛め、自問自答した。当時、県保育協会保育士会の会長。2011年から8年間は全国保育士会の会長も務めた。保育の質の向上や、保育士の専門性を高めることを呼びかけてきた。 悩んだ末、退職 「できることをやっていきたい」 それなのに、地元で重大な事故が起きた。責任を感じ、悩んだ。「もやもやした気持ちを抱えたまま働くことはできない」という思いをぬぐい去れなかった。40年以上勤めた園をやめることを決めた。 今年3月末に退職。現場から… この記事は有料会員記事です。残り1130文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
5歳女児と44歳男性が意識不明 熊本・天草で3人が海に流される
長妻昭明2022年7月29日 20時13分 29日午後4時55分ごろ、熊本県天草市五和町二江の通詞島の海岸で、「3人が海に流された」と119番通報があった。県警天草署や天草広域連合消防本部によると、3人は救助されて市内の病院に搬送されたが、女児(5)と男性(44)が意識不明の重体。男児(8)は意識があるという。 3人は、熊本市内から親族13人で貝を捕りに訪れていた。浮輪で泳いでいるときに流されたという。(長妻昭明) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル