【岩手】7月下旬の早朝。盛岡市長田町の路上に黄色い液体が入ったペットボトルが2本落ちていた。不自然に泡立っている。最寄りの公衆トイレまで慎重に運び、使い捨て手袋を装着してキャップを開ける。「オエッ」。ひどい悪臭に襲われた。息を止め、便器に流す。2本とも尿だった。しばらく強烈な臭いが辺りから消えなかった。「黄金のペットボトル」「ションペット」などというらしい。 盛岡市北山の国道4号。ここでもペットボトルが時々、捨てられている。決まって同じ銘柄のお茶のボトル。放尿する時に楽なのか、わずかにへこみがあるのが特徴だ。多い時は週2回。気温が高い今の時期は、臭いはさらにひどくなり、破裂する心配もある。 こうした尿入りのペットボトルは全国各地で捨てられている。トラックなどのドライバーが車内で用を足し、ポイ捨てするほか、いたずら半分で路上などに放置する不届き者もいる。 国土交通省岩手河川国道事務所によると、汚物が入ったペットボトルは、国道の清掃で月に数回は見つかるという。作業員は回収すると、中身はトイレに流し、ペットボトルは産業廃棄物として処分している。 「衛生的にも心配。嫌な仕事だが『よくあること』と割り切って作業するしかない」とあきらめた顔だ。 「ゴミ屋敷」の住民がため込むケースも 高速道路でも同様の被害があ… この記事は有料記事です。残り934文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「正体隠す伝道、規制を」 旧統一教会問題、長年関わる弁護士が講演
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の元信者らの救済に30年以上携わってきた全国霊感商法対策弁護士連絡会代表世話人の郷路征記弁護士(札幌弁護士会)のオンライン講演会が開かれた。霊感商法や高額な献金といった教団の布教活動の違法性を指摘し、規制の必要性を訴えた。 自由法曹団北海道支部などが23日夜に開催し、全国から弁護士や大学職員ら約450人が参加した。 郷路弁護士によると、教団による布教活動は組織的で、金銭的に余裕があって信心深い人を狙い定め、不幸の原因が家系にあるなどとして、家系を学ぶセミナーに勧誘するという。郷路弁護士は「教団の勧誘であることを隠し、本人の知らぬ間に信仰心を植え付ける点に法的な問題がある」と述べた。 安倍晋三元首相の銃撃事件で現行犯逮捕され、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者の母親は入信していた。郷路弁護士は「山上容疑者の母親は信教の自由を侵害されていた。正体を隠した伝道活動が禁じられていれば、悲劇は起こらなかった」と指摘。個人が信教を自主的に選択する自由意思を守るため、宗教団体の正体を隠した布教活動を規制する必要性を訴えた。 郷路弁護士は元信者らが教団に対し損害賠償を求めた訴訟で原告代理人を務めてきた。2012年には札幌地裁で、教団の布教活動の違法性が認められ、教団に対し元信者ら56人へ計約2億7800万円を支払うよう命じる判決を勝ち取った。 判決は「統一教会では多額の… この記事は有料記事です。残り254文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋葉原ホコ天で「花火、バーベキューする」 犯行予告はバズり目的か
東京・秋葉原などでの虚偽の犯行予告をしたとして逮捕された愛知県の男(23)が、動機について「秋葉原で迷惑行為をしてバズり(話題になり)たかった」と供述していることが、捜査関係者への取材で分かった。2008年に発生した秋葉原無差別殺傷事件で死刑囚の刑が執行されたニュースを見て思いついたとも説明しているという。 男はツイッターで「警察の無力さの報復のために8月14日新宿か秋葉原でどーなるか覚えておけ」などと投稿し、秋葉原の事件を想起させて歩行者天国の一時中止の手続きを取らせたなどとして、13日に偽計業務妨害容疑で警視庁に逮捕された。 捜査関係者によると、男は調べに対し、実際に8月14日に上京する予定があったとし、「コスプレ衣装を着て歩行者天国の路上で花火やバーベキューをするつもりだった」などと説明。「死刑執行のニュースを見て思いついた。迷惑行為をすれば警察が来たり、一般の人に動画を撮られたりしてネット上でバズるのではないかと思った」など話したという。 その上で「ツイッターにしか… この記事は有料記事です。残り129文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「私を消すのは誰?」 追い詰められた女性はあの少女に問いかけた
何でもそつなくこなすことを自負してきた女性が良心に反する仕事を求められたら。こんな一人芝居「市長公室の木村さんが」が大阪で上演されている。反響が大きく、10月には追加公演が決まった。 主人公の「木村さん」は、市長の秘書役の部署に女性として初めて配属された。どんな仕事も笑顔で受け入れる「わきまえる女」と自負していた。 ある日、海外の姉妹都市に旧日本軍の慰安婦をモチーフにした少女像が設置された。市長は抗議の手紙を送ると決め、主人公に翻訳を命じる。 主人公は主語があいまいな文面に戸惑う。正確に訳したいと市長に真意を尋ねるが、「ケチをつけた」とし、「これだから女は」と言われる。追い詰められ、「わきまえる女」としての自分が揺らいでいく、というストーリーだ。 二つの出来事をモチーフに 劇作家で精神科医のくるみざわしんさん(55)が脚本・演出を手がけた。昨夏の初演から好評で、今春から隔月の定期公演に。4、6月の回は満席になった。 「市長公室の木村さんが」は、一人芝居「あの少女の隣に」と対になる作品として、大阪で上演されてきました。執筆のきっかけとなったのは、3年前のできごとでした。 脚本自体は完全なフィクションだが、二つの出来事を踏まえている。 一つは、くるみざわさんが暮… この記事は有料記事です。残り922文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女性のスカート内を盗撮した疑い 男性巡査長を懲戒処分 大阪府警
2022年8月24日 16時52分 女性のスカート内をスマートフォンで繰り返し盗撮したとして、大阪府警は24日、枚方(ひらかた)署地域課の巡査長、西口卓弥容疑者(36)を府迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで書類送検し、発表した。「短いスカート姿の女性の下着に興味があった」と認めているという。府警は減給6カ月(10分の1)の懲戒処分とし、西口容疑者は同日付で辞職した。 監察室によると、西口容疑者は7月14日夜、大阪市都島区の京橋駅近くのエスカレーター上で、女性のスカートの下からスマホで太ももなどを動画撮影した疑いがある。女性に気づかれて逃走したが、約300メートル離れた路上で現行犯逮捕されていた。当時、新型コロナウイルスの濃厚接触者として自宅待機中だった。 また7月7日にも同駅近くの階段で女性のスカート内を撮影していた疑いがある。西口容疑者は「6月下旬から4~5回盗撮した」と供述しているという。 西口容疑者は現行犯逮捕直後、容疑を否認していた。「性犯罪を認めることが恥ずかしく、認めれば人生が終わると思い怖かった」と話しているという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡県に記録的短時間大雨情報 久留米市で1時間に120ミリ
2022年8月24日 22時34分 九州北部地方は24日夜、暖かく湿った空気が低気圧へ流れ込んだ影響で大雨となった。福岡県の久留米市や八女市で1時間に120ミリの猛烈な雨が降ったほか、うきは市でも1時間に110ミリが降り、気象庁は福岡県に「記録的短時間大雨情報」を出して警戒を呼びかけた。 気象庁によると、佐賀県鳥栖市や熊本県山鹿市、福岡県朝倉市でも1時間に80ミリを超す大雨が降った。 久留米市の巨瀬川では午後10時20分ごろ、中央橋水位観測所で避難指示を発令する目安となる「氾濫危険水位」に到達した。 福岡県は災害警戒本部を設置した。各地で冠水や停電が起き、JR香椎線や西鉄甘木線などが一時運休した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「この聖水飲むといいですよ」→「用心するように」 福岡県福津市長
2022年8月24日 17時00分 福岡県福津市の原崎智仁市長は23日の定例記者会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体が関わるイベント「ピースロード」の関係者から2019年に2度表敬訪問を受けたことを明らかにした。教団とのつながりを感じ、その後の接触はないという。 原崎市長や市によると、表敬訪問は2019年7月23日と9月25日の2回で、市長室で応対したという。17年の初当選後、「面会はどんどん受けるように」と指示していた時期だったという。市議による紹介ではなかった。 原崎市長によると、日韓の友好や日韓の平和をうたい自転車で全国キャラバンをする団体との説明を受け、サイクリング姿の若者数人とスーツ姿の男性1人が来庁。その場で写真撮影に応じた。活動を記した冊子を受け取り、内容から教団と関わりがあると感じたといい、後日、写真使用の許可とメッセージを依頼されたが断ったと話した。 以前市議だった時に、活動報告書を読んだ市民から「応援しています」と声がかかり、出向いた先で「この本を読むといいですよ」「この聖水を飲むといいですよ」と言われ、教団とのつながりを感じた経験があり、「用心するようになった」という。市長選でも教団の支援は一切受けていないという。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
芸大・美大生は女性7割、でも教授は逆転 表現の場のジェンダー格差
文化芸術界の主要な賞の審査員と受賞者は男性が多数を占め、教育機関においては学生は女性が多く、教授は男性が多い――。表現に携わる有志らで作る団体が24日、各分野におけるジェンダーバランスの調査結果を発表した。 調べたのは、表現者や研究者ら16人で作る「表現の現場調査団」。これまで文化芸術界のハラスメントについて調べ、その一因にジェンダーバランスの不均衡があると分析。実態を可視化して解消につなげようと、美術、演劇、映画、文芸、音楽、デザイン、建築、写真、漫画の9分野の主要な賞や、表現を学ぶ教育機関など、権力勾配がある場所のジェンダーバランスなどを調べた。 審査員の77%、大賞受賞者の66%が男性 賞(2011年~20年)の調査では、9分野全体でみると、審査員の77・1%、大賞受賞者の65・8%を男性が占めた。調査団は「男性が審査し、男性が評価されやすい構造がある」としている。 文芸のうち「評論」は6賞の審査員の94%を男性が占めた。映画では、学生や新人、低予算作品に比べ、商業映画を対象にした賞ほど女性の割合が少ない傾向があった。美術では「個展開催」「美術館の購入作品」も調査、いずれも男性が8割以上だった。演劇では21年の各協会役員や芸術監督の73%が男性だった。 一方、小説や漫画など個人と… この記事は有料記事です。残り1045文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
事故直前、左右に振れ走行 前方注視せずに運転か 名古屋のバス事故
名古屋市北区の名古屋高速で大型バスが炎上するなどし、9人が死傷した事故で、バスが事故直前に左右に振れる不安定な走行を繰り返していたことが捜査関係者への取材でわかった。後続車のドライブレコーダーに映像が記録されていた。愛知県警はバスの男性運転手(55)が脇見や居眠りなどで前方を注視せずに運転していた可能性もあるとみて調べる。 捜査関係者によると、名古屋市中心部から県営名古屋空港(同県豊山町)に向かっていたバス(乗員乗客8人)の不安定な走行は、現場となった豊山南インターチェンジ(IC)の数百メートル手前の地点から起きていた。具体的には、追い越し車線を走行中、左側の走行車線との境界を示す白線に近づくたびに中央に戻る動きを繰り返していた。 その後、バスは本線から分かれて一般道と合流する取り付け道路に進入。そのまま直進したが、再び何らかの原因で左に寄り始め、本線との分離帯に置かれたクッションドラムに衝突し、横転した。 県警幹部は「車体の振れ幅は… この記事は有料記事です。残り176文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「天狗党の乱」の背景には? 幕末から昭和につながる水戸学の爪あと
「尊攘(そんじょう)」。旧水戸藩校「弘道館」(水戸市)に、9代藩主徳川斉昭の命を受けて、能書家の藩医が書いた書がある。差し込む光の具合も手伝ってか、強烈な印象を放って見える。 NHKの大河ドラマ「徳川慶喜」(1998年放映)の撮影でセットとして掛けられ、定着。ただ、弘道館のイメージが尊皇攘夷(じょうい)に偏るとして取り外しを求める意見もあるという。 弘道館などの世界遺産登録をめざす水戸市教育委員会によると、弘道館は江戸時代における藩校の集大成で、規模も全国最大。総合大学のような幅広な教育がされていたそうだ。 担当者は「水戸学というと尊王(尊皇)と攘夷が前面に出てしまう。我々は誤解のないよう『水戸の学問』と言う」。 少し前、慶応大教授の片山杜秀(58)が書いた「尊皇攘夷 水戸学の四百年」が話題になった。天皇を立て外国を打ち払う。日本を新時代に導いた思想の功罪を考えさせられる本だ。 話は、水戸の漁師が常陸沖で英国捕鯨船と物々交換をする様子から始まる。異国の品々が水戸の市中に出回り、摘発されたのは1823年。さらに、翌年には英国捕鯨船の船員12人が領内に上陸する騒動が起きた。 尋問に出向いた水戸学者の会沢正志斎(せいしさい)は25年、国防論「新論」を脱稿。四半世紀後、吉田松陰が教えを請いに水戸に訪ねてくるなど、志士の必読書になった。その時代を考察した片山の著書は「水戸」を通し、近代への胎動が描かれ興味深い。 「未完のファシズム」など、片山は現代における右翼研究の第一人者だ。水戸学に踏み込んだ理由を聞くと、「天皇を中心とした明治国家の制度設計に影響を与えた思想抜きでは、右翼思想家の大川周明や北一輝の辺だけを論じても、近現代をうまく語れないと思った」と話す。 そうして、掘り下げていった… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル