22日に閉幕した第104回全国高校野球選手権大会で初の準優勝を果たした山口代表の下関国際。優勝候補の筆頭とされた大阪桐蔭を逆転で破った試合は、今大会のハイライトの一つだった。山口県出身で横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNA)などで活躍した高木豊さん(63)は、チーム一丸の戦いぶりに、明治維新につながる「奇兵隊」などの長州人の魂を感じたという。 「テレビで下関国際の試合を見ていました。心躍り、胸を熱くして、あらためて自分は山口出身なんだなと感じました。すがすがしい野球に感動を頂きました」 目標にした「ベスト8以上」をかけた準々決勝で、下関国際は大阪桐蔭と対戦。先取点を取られ、同点に追いついてもすぐリードされるという苦しい展開だったが、土壇場の九回に逆転して逃げ切った。春の選抜大会で優勝した大阪桐蔭は昨秋からの公式戦で36勝1敗という「絶対王者」。七回にトリプルプレーで下関国際がピンチを脱すると、球場全体が逆転を期待するかのような盛り上がりに包まれた。 「今夏の甲子園の中で一番感… この記事は有料記事です。残り1670文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
寝屋川市議らと共謀した詐欺の疑いで女を逮捕 架空の融資仲介話で
古畑航希2022年8月23日 18時25分 独立行政法人「福祉医療機構(WAM)」の新型コロナウイルス対応の融資制度を悪用した詐欺事件で、福岡県警は、東京都港区の無職宮原由美子容疑者(53)を詐欺容疑で逮捕し、23日発表した。県警は認否を明らかにしていない。 捜査2課によると、宮原容疑者は大阪府寝屋川市議の吉羽美華容疑者(42)=同容疑で再逮捕=らと共謀し、2020年7月~21年1月、福岡県久留米市の医療法人理事長の男性(63)にWAMの融資制度について架空の仲介話を持ちかけ、この法人のコロナ禍の影響による減収額を多く偽ってWAMに申請して6億円の融資を不正に受けさせ、そのうち2億3200万円を手数料名目で法人側からだまし取った疑いがある。 WAMの融資制度をめぐる詐欺事件での逮捕者は、これで7人目。(古畑航希) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「地盤調査不十分」辺野古周辺の住民ら国交相の裁決取り消し求め提訴
山中由睦2022年8月23日 18時35分 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、辺野古周辺の住民ら20人が23日、国を相手に新たな裁判を那覇地裁に起こした。防衛省の設計変更申請に対する県の不承認を取り消した国土交通相の裁決は違法として、裁決の取り消しを求めている。 訴状によると、国の設計変更は、工事を計画する海底に軟弱地盤が判明したことに伴う地盤改良工事のためだが、原告側は「工事は技術的に施工可能か明らかではなく、地盤の安定性にも疑問がある」「最も深い地点のボーリング調査がなされていない」と指摘。県の不承認は正当であり、それを取り消した国交相の裁決は違法と主張している。 辺野古移設を巡る別の住民訴訟では、今年4月に那覇地裁が「住民には訴える資格がない」と却下する判決を下した。今回の提訴後、原告の一人の東恩納(ひがしおんな)琢磨・名護市議(60)は会見で「門前払いではなく、不承認に正当性があるのか、中身について実質的に検討して司法の責任を果たしてほしい」と話した。(山中由睦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
甲子園準優勝の下関国際が地元へ 担当記者がみた大躍進の理由
第104回全国高校野球選手権大会で、山口県勢として37年ぶりの準優勝を果たした下関国際の選手たちが23日、地元に帰った。選抜大会優勝の大阪桐蔭や準優勝の近江(滋賀)などを次々破って全国を驚かせたのは、強豪校に負けない練習とチーム力があったからこそだ。 23日夕、選手を乗せたバスが山口県下関市の学校に着いた。前日の決勝で仙台育英(宮城)に1―8で敗れて涙にくれた選手たちは、たくましさを増した表情で校長らの出迎えを受けた。 選手の多くは1年の時からレギュラーで、入学前の2018年夏の甲子園ベスト8を超える目標を掲げてきた。山下世虎主将は山口大会中、「ここは通過点」と言い切った。 それを実現させたのが、練習… この記事は有料記事です。残り513文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自然観光、安全管理向け協議会 観光船事故の斜里町「事故、二度と」
北海道・知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故は、23日で4カ月を迎えた。地元の斜里町はこの日、自然体験型レジャー(アクティビティー)での事故を未然に防ぐため、航空安全の専門家などをメンバーとする「知床アクティビティリスク管理体制検討協議会」を設置した。 世界自然遺産・知床を擁する半島では、観光船や自然ガイドツアー、流氷ウォーク、海岸トレッキング、シーカヤック、登山といったアクティビティーが観光産業の基幹となっている。 しかし、自然が相手なだけにリスクは常に伴う。カズワンの事故は安全管理の徹底が急務な現状を突きつけるとともに、知床観光の信頼とブランドを失墜させた。 町によると、協議会の設置目… この記事は有料記事です。残り589文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
皇居内の三の丸尚蔵館、収蔵品管理を宮内庁から文化庁へ移管
多田晃子、神宮桃子2022年8月23日 21時39分 宮内庁と文化庁は23日、皇室から国に寄贈された美術品類などを収蔵する皇居内の三の丸尚蔵館について、来年10月に管理・運営を宮内庁から国立文化財機構へ移管し、収蔵品は文化庁が管理すると発表した。 宮内庁は移管理由について、文化庁が同機構を所管しており、また国の美術工芸品を無償貸与して美術館などで展示をしている実績に言及。収蔵品の適切な管理や地方展開などを今後行っていくにあたり、「実務をより円滑に進めることができる」と説明した。永岡桂子文部科学相は同日、専門的な知見がある同機構へ移管することで、「これまで以上に充実した展示や、貴重な収蔵品の着実な保存・活用、調査研究の進展が図られる」と述べた。 従来、同館の入館料は無料だったが、移管後の運営などについては、今後発足する有識者会議の意見を踏まえて検討するという。 同館は、展示や収蔵のスペース確保などのため、宮内庁が2019年度から新施設の建設工事を開始。移管後の来年秋に新施設の一部が開館予定で、26年に全館開館を予定している。 新施設は地上3階、地下1階建て。展示面積は従来の約8倍の約1300平方メートルに、収蔵庫は従来の約4倍の約4千平方メートルになる。(多田晃子、神宮桃子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
シベリア抑留者追悼の集い ロシアのウクライナ侵攻に抗議
第2次世界大戦後、旧ソ連によりシベリアなどに抑留された犠牲者を追悼する集いが23日、東京都千代田区の国立千鳥ケ淵戦没者墓苑であり、元抑留者や遺族、国会議員ら100人以上が参列した。ウクライナに侵攻したロシアに抗議する一方、ロシアへの経済制裁による抑留に関する調査の遅れを懸念する声も聞かれた。 スターリンが日本軍捕虜の移… この記事は有料記事です。残り267文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「どうみん割」延長へ 北海道知事、経済4団体に意向表明
コロナ禍や物価高騰で経済が厳しい状況にある中、北海道内の経済4団体のトップらが23日、鈴木直道知事に社会経済活動の早期回復を図るよう要望した。鈴木知事は、今月末までとなっている旅行割引「どうみん割」の利用期間を延長する考えを示した。 4団体は道経済連合会、道商… この記事は有料記事です。残り300文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海底火山「海徳海山」付近で変色水 噴火相次ぐ小笠原諸島
吉沢英将2022年8月23日 20時38分 小笠原諸島にある海底火山「海徳海山(かいとくかいざん)」の付近で23日、海上保安庁が変色水を確認した。気象庁は海底噴火の可能性があるとして、噴火警報を発表。軽石などに注意するよう呼びかけている。 気象庁によると、海徳海山は小笠原諸島・母島の南西約120キロ。19日に周辺で海水が変色しているとの通報があり、海上保安庁が23日に航空機で上空から変色水を確認した。気象衛星ひまわりの観測では、特段の変化は認められないという。 気象庁の記録によると、海徳海山では1984年に噴火が発生し、噴煙や軽石の噴出が確認された。その後も周辺で海水の変色や気泡が観測されている。 小笠原諸島では昨年8月に海底火山「福徳岡ノ場」が噴火し、大量の軽石が沖縄などに漂着する被害が出た。また、硫黄島沖では今年7月からマグマが噴出したと考えられる噴火も発生した。(吉沢英将) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水戸学はなぜブームになったのか 昭和初期から総力戦の時代に
茨城県大洗町の日蓮宗護国寺。すぐ隣に明治天皇側近の元宮内相、田中光顕(みつあき)が1929年に創立した「常陽明治記念館」(現・大洗町幕末と明治の博物館)がある。 館内では、等身大の明治天皇像と下賜(かし)品、志士ゆかりの書画や、幕末から明治に至る社会の流れが解説されている。 「勤王水戸は私の心の祖国であった」。学芸員によると、そう語っていたという田中は土佐勤王党の出身。「聖徳を目の当たりに拝し、かつ、維新志士の高風に接する道を開いたならば、国民精神作興の上に偉大なる影響を与えるだろう」と設立趣旨を述べたと伝えられる。 敷地には田中が影響を受けたという水戸学者、藤田東湖の銅像。「皇紀2600年」の翌41年、銃後の国民の思想涵養(かんよう)に役立つとして町の国民学校に建てられ、後に記念館に移された。 国民精神の作興、涵養といった言葉が戦前期らしい。自己を犠牲にして国家のために尽くす気概を国民精神と言った。やがて総力戦へ向かう中、水戸学が大流行した時代があった。 「水戸市史」はこう記す。 〈昭和8年ごろから水戸学再認識の機運が盛り上がり、一種の水戸ブームが現出した。昭和恐慌による農村の疲弊や頻発するテロ行為、あるいは社会主義運動の興隆・弾圧など、この時代があたかも幕末期を思わせる世情不安定な状態にあったこととも関連する。この危機的状況を水戸学の精神で打開しようという主張が強まり、水戸学に関心をよせる者も多くなった〉 維新の精神的な先駆けとなりながら、明治になって影響力を失った旧水戸藩。昭和になって出現した水戸学顕彰のさなか、場外戦とも言える神社界の紛争が地元水戸で起きた。 きっかけは、江戸時代に栄華… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル