奈良山雅俊2022年8月21日 11時00分 77年前の終戦直後に旧ソ連軍の侵攻を受け、樺太(現サハリン)で自ら命を絶った女性電話交換手9人らを悼む60回目の平和祈念祭が、「命日」となる20日に北海道稚内市で営まれた。 当時の樺太では無条件降伏を告げる15日の玉音放送後も戦闘が続いた。旧ソ連軍による南樺太(当時の日本領)への侵攻は激しさを増し、20日朝には西岸の真岡沖から艦砲射撃が始まった。陵辱を恐れ、青酸カリなどを用いて自決した真岡郵便局の女性たちは「九人の乙女」と呼ばれる。 コロナ禍で縮小開催となり、日本郵政やNTT東日本などの関係者や市民が参列する中、九人の乙女の遺影の近くに用意された席に元同僚や遺族の姿はなかった。そんな中、今年も9年前に他界した元同僚の金川一枝さんの次女で歌手の中間真永さんが参加した。 中間さんは主宰する愛宕劇団(札幌市)で、真岡郵便局の悲劇を伝える舞台活動を続ける。今回は小樽市での公演「九人の乙女~氷雪の門」を終えて駆けつけた。祭壇横のスクリーンに舞台の様子の写真が次々と映し出される中、劇団員4人が朗読で悲劇を伝えた。 最後に自ら作詞作曲した「命火」を歌った中間さんは「母と同僚だった人たちがおらず寂しい。樺太の人たちにとって終戦は15日ではない。無念の死を遂げた人たちがいた事実をしっかり若い人たちに伝えていきたい」と語った。(奈良山雅俊) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
両親「姉の髪を乾かしている時に」「早く帰って」 2歳児不明 富山
伊藤稔2022年8月21日 13時09分 富山県高岡市立野で20日夕から行方不明になっている高嶋怜音ちゃん(2)の両親が21日午前、報道陣の取材に応じた。 父の亮二さん(34)と母の美由紀さん(36)によると、怜音ちゃんは姉と両親との4人暮らし。20日は父親は外出中で、怜音ちゃんと姉、美由紀さんの3人は夕方、自宅2階の風呂に入った。風呂から上がり、美由紀さんが姉の髪を乾かしている間に怜音ちゃんがいなくなったという。 美由紀さんが1階に行くと、勝手口のドアが開いていた。近くを捜したが見つからず、警察などに連絡し、近所の人たちも近くの公園などを捜した。21日も早朝から近所の資材置き場や公園などを捜しているが見つかっていないという。20日夕は雨が降っていた。 亮二さんは「とにかく無事で、早く帰ってきてほしい」と話した。(伊藤稔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「極超音速ミサイル」迎撃へ、防衛省が予算要求で調整 北朝鮮も保有
防衛省は来年度予算案の概算要求で、通常のミサイルよりも速い速度で飛行し、変則的な軌道で迎撃を難しくする「極超音速(ごくちょうおんそく)ミサイル」の迎撃能力向上に関連する予算を事項要求する方向で調整に入った。政府関係者への取材でわかった。極超音速ミサイルは北朝鮮が今年発射を繰り返したミサイルの中に含まれ、対策が急務とされていた。 極超音速ミサイルは、音速の5倍(マッハ5=時速約6千キロ)を超える速さで飛ぶミサイルだ。低い高度を飛ぶことからレーダーなどによる捕捉が難しく、いったん下降して再び浮上するといった変則的な動きをみせることがある。 北朝鮮は1月5、11両日、極超音速ミサイルと称する短距離弾道ミサイルを相次いで発射。日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられるが、実際に日本に着弾することが見込まれた場合には「迎撃は相当難しい」(防衛省関係者)との声が上がっていた。 周辺国から日本の方向にミサ… この記事は有料会員記事です。残り588文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手拍子の「三本締め」 なぜ「3」なの? リズムの由来は
都会暮らしの猿・モンジロー君が、くらしの中の「なぜ?」を深掘りする「疑問解決モンジロー」シリーズ。お祭りや酉(とり)の市とかで、みんなでする手拍子の「三本締め」はなぜ三なんだろう。どんな意味があるのかな? 「三」にちなんで応援の定番、「三三七拍子」の由来も調べてみたよ。(2013年8月28日付の記事を再掲します) 商売繁盛の願い込めて 三本締めは、いつごろからやっているの? 江戸時代の町火消しの伝統を受け継ぐ「江戸消防記念会」(東京都)は行事でよく三本締めをしているので聞いてみたよ。 記念会の資料によると、三本締めは江戸時代初期から式典などで行われてきた。「物事が無事収まりました」という感謝の思いを込め、ひとつの区切りとしてやるそうだ。 リズムの由来を事務局長の須藤晃二さんに聞いた。手拍子は「パ・パ・パン(3回)、パ・パ・パン(3回)、パ・パ・パン・パン(3+1回)」。手拍子9回で漢字の九。これに最後の「パン」が点を意味して、「丸」を表す。「丸く収まりました」という解釈だと言い伝えられているそう。キキッ。三本締めが宴会や納会、結婚式などおめでたい席でされていることに関係していそうだね。 でも、なんで3回繰り返すの? 三本締めといえば、毎年11月に各地で開かれる酉の市。熊手を買ったお客さんに感謝を込めて三本締めをする光景はおなじみだね。浅草のお酉(とり)様で知られる「鷲(おおとり)神社」(東京都台東区)の酉の市。実家が熊手屋を出している書家の橘右之吉(うのきち)さん(63)によると、「三は割れない縁起のいい吉数。ごひいきの関係が壊れずこれからも続くように、お客さんの商売繁盛も続くようにという願いを込めているんだと、両親から教わりました」。ウッキー、縁起を担いでいたんだね。 橘さんは歌舞伎や寄席の演目などを書く江戸文字の書家さん。歌舞伎や落語の舞台でも三本締めをするけど、そこでは「お客様に一本、主催者に一本、演者に一本という解釈もある」んだって。 「三三七」はレガッタの応援から ところで、手締めは三本締め… この記事は有料会員記事です。残り852文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中3少女「死刑になりたくて」 渋谷で母子刺した疑い 警視庁に供述
東京都渋谷区の路上で20日夜に母子が刺されてけがをする事件があり、警視庁は21日、現場で取り押さえられた女について、埼玉県戸田市に住む中学3年の少女(15)だと発表した。少女は事実関係を認め、「死刑になりたかった。たまたま見つけた女性2人を刺して殺そうとした」と供述しているという。 少年事件課によると、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された少女は、20日午後7時20分ごろ、渋谷区円山町の路上で、パート従業員の女性(53)とその娘(19)に背後から近づき、包丁で切りつけて殺そうとした疑いがある。刺されたパート従業員の女性がその場で取り押さえ、駆けつけた警察官に身柄を引き渡した。女性は肩や腹、背中に、娘は背中や腕にいずれも約3カ月の重傷を負った。 少女は包丁で2人を刺したとみられ、服のポケットには、ほかにナイフ2本を所持していたという。 現場は京王井の頭線神泉駅北側の飲食店や住宅が集まる路地。 「あの子、死んだ?」 近くの飲食店の女性従業員(… この記事は有料会員記事です。残り338文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
学校が苦手なら映画館へ来てみない? ふらっと雑談だけでも大丈夫
学校に行きづらい子は映画館においで――。長野県上田市の三つのNPO法人が協働し、毎月2回、築100年を超える映画館で無料上映会を続けている。孤立しがちな若い世代に、さまざまな映画作品と出会う機会と、人と交流する居場所を提供している。 朝10時前、映画館「上田映劇」前に「うえだ子どもシネマクラブ」の看板が置かれると、小中学生が次々とやって来た。8月8日午前の上映作品は「映画ざんねんないきもの事典」。子どもたちはロビーで無料のポップコーンを受け取って客席へ。親やきょうだいと一緒の子も多い。 上映が始まってもロビー脇のカフェスペースで絵を描くのに夢中な子たちがいた。どう過ごすかは自由。カフェではNPO法人のスタッフが遊んでくれる。映画をみるのに疲れたら途中で客席から出ても良い。昼休みや午後の作品「河童のクゥと夏休み」上映後のロビーでは、タブレット端末でゲームをする子どもや、話し込む若者と大人の姿もあった。 76人のシネマクラブ登録者のうち、この日に参加した子どもは21人。保護者や支援者も15人来ていた。「久しぶり」「初めて? 楽しんでね」などと声をかけていた直井恵(なおいめぐみ)さん(43)は、NPO法人「アイダオ」の事務局長だ。 シネマクラブは「アイダオ」と、上映や館の保存・活用を担う「上田映劇」、若者の自立を支える「侍学園スクオーラ・今人(いまじん)」の三つのNPO法人が協働。「孤立を生み出さないための居場所作りの整備~コミュニティシネマの活用~」事業として、2年前から続けてきた。今年度までの活動資金は、休眠預金を活用した助成でまかなう。 上映会は原則月2回の月曜だが、毎週水曜と金曜も、別館として使う近くの映画館の事務所を登録者らの居場所として提供する。最近は中学生や自立を目指す20代の女性ら数人が来ておしゃべりや勉強をするほか、ポスターを貼り替えるなどの作業を手伝う。 「学校が苦手だったり卒業後に悩んだりしている人が、映画でいろんな人生や価値観に触れて、なにか感じてもらえれば。映画館に来れば人と話す機会もあるし、細かい作業をしてくれるのは私たちも大助かりです」と直井さんは言う。 今年2月には「映画館は未来をつくる学びの場」と題したシンポジウムも開いた。中学1年(当時)の女子生徒は、「学校に行っていない人とかいて相談しやすいし、ひきこもっているよりは絶対こういうところに来た方がいいと思います」と利用者としての意見を壇上から語った。 記事の後半では、通って来る子どもの感想や、子ども、保護者と関わるほかの取り組みとの連携を紹介します。 この女子生徒は昨年の夏休み… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Un moine bouddhiste de retour en France : « est-il possible de parler du zen sans en trahir l’esprit ? »
En août, les cérémonies bouddhistes d’« Obon » permettent aux Japonais de rendre hommage aux défunts. Ici, des personnes assistent à l’une d’elles au temple Joenji, à Fukushima, dans le nord du Japon, le 6 août 2011. YURIKO NAKAO / REUTERS Le 15 septembre 2021, Clément Sans est devenu moine zen, ordonné sous le […]
「岡本太郎のフンドシ洗った」 19歳で出征した父の軍歴をたどると
19歳で戦地に行った父は、どんなことを経験したんだろう。生前、詳しく尋ねていなかったことを記者は後悔している。「俵を担ぎ上げて徴兵検査に合格した」「(『太陽の塔』で有名な芸術家)岡本太郎のフンドシを洗った」……。聞いていたのは、そんな断片的な話ばかり。もっと知りたい。この夏、千葉県庁や図書館などに足を運び、記録の合間から父の思いをたどることにした。 父は大正14(1925)年生まれ。17年前、79歳で亡くなった。 従軍体験を書き残した手記や、当時の写真は残っていない。母(85)や兄(60)に聞いたが、「自動車連隊」にいたという記憶までしかない。 所属部隊が分かれば、当時の足跡に迫れる。そう思い、7月初旬、本籍地の埼玉県に「軍歴」に関する資料の開示を申請した。数日で写しが送られてきた。 終戦時に処分されるなどして… この記事は有料会員記事です。残り3510文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2歳男児が行方不明 雨の中、自宅から出たか 富山・高岡
2022年8月21日 8時55分 富山県警は21日未明、同県高岡市立野の保育園児、高嶋怜音(れおん)ちゃん(2)が行方不明になっていると発表した。県警や消防が捜索している。 高岡署によると、20日午後6時40分ごろに自宅内で姿が確認されたのを最後に行方がわからなくなった。家族が自宅の周囲を捜したが見つからず、同47分に110番通報した。同署は自宅から外に出たとみている。当時、同市内には大雨洪水警報が出ており、雨が降っていたという。 怜音ちゃんは身長約80センチ。半袖、半ズボンの水色のパジャマを着ていた。自宅は住宅街の中の一戸建てで、周りには水田が点在している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夏休み、子のSOSに気づくには? 命を守るために大人ができること
夏休み明けは、子どもたちの心が不安定になりやすいと言われます。いじめの電話相談に長く関わり、小中高生の自死事案や小学生の不登校事案の第三者委員を務めるなどしてきた教育評論家の武田さち子さん(63)=一般社団法人「ここから未来」理事=に、子どもの命を守るために大人ができることについて聞きました。 警察庁の調べでは、2021年に自殺した人のうち、19歳以下は750人。この数字には小学生11人も含まれます。いまは、小さな子どもでも自殺の方法をテレビや漫画、ネットから簡単に知ることができ、「小さいうちは大丈夫」と安心はできません。 特にいじめは、思春期の子どもにとって、「死にたい」という希死念慮に結びつきやすい悩みの一つです。13年9月~21年7月に調査・検証のための委員会が立ち上がった子どもの自殺・同未遂事案計105件を独自に分析したところ、6割以上で事前に何らかのSOSを出していました。ただ、いじめの相談を受けていても、教師が「単なる生徒間トラブル」などと思い、いじめと捉えていなかった事例も多くありました。 子どもは、つらい内容をつら… この記事は有料会員記事です。残り2296文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル