第2次世界大戦終戦後、旧満州(中国東北部)などにいた日本兵らが、ソ連軍によってシベリアなどに連行され労働を強制された。約58万人が連行され、過酷な環境のなか約6万人が命を落とした。愛媛県宇和島市堀端町の元会社員阿部喜教(よしのり)さん(96)も連行された一人だ。2年1カ月、飢えや寒さ、重労働に耐えた。 阿部さんは愛媛県畑地村(現宇和島市)生まれ。8歳のとき朝鮮半島の釜山に移住し、平壌の陸軍予備士官学校に在学していた19歳で終戦を迎えた。その直後、満州から逃げてきた日本の民間人を平壌の近くで警護中に、ソ連軍の捕虜となった。 1945年の秋ごろ、ウラジオストクの収容所に連行された。道中では幾日も歩かされた。「これはもう死ぬ思うた。落後したら銃殺ですけんね」 倍のノルマを課せられ 札幌とほぼ同じ緯度にあるウ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
進まぬシベリアの遺骨収集 「必ず迎えに」過ぎゆく時間に焦り
77年前の8月15日、長い日本の戦争が終わった。だがその直後、旧ソ連軍は千島列島の占守(しゅむしゅ)島に侵攻。多くの日本人がシベリアに強制連行され、過酷な労働を強いられた。一人、また一人。終戦にたどり着きながらも、異国の地で無念の死を遂げた人々がいた。 終戦直後、樺太(現サハリン)から旧ソ連軍にシベリアへ強制連行された北海道利尻町の吉田欽哉さん(96)は唇をかむ。極寒の地で自ら埋葬した日本人の遺骨を持ち帰りたい。そんな思いを、外務省によるロシアへの渡航中止勧告が阻む。「必ず迎えに……」。約束を果たせぬまま、時間だけが過ぎていく。 仲間たちを弔ったのは抑留翌年の1946年6月中旬、20日間滞在した収容所の時だった。収容所に送られた7人に与えられた仕事は、棺の移し替えだ。ノルマは1日4体。土日を除く毎朝8時、馬に乗った将校と出発し、1時間余り歩いて墓地に向かった。 仲間に誓った、遺骨の帰国 そこには「土まんじゅう」と… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
維新カラーの政策「歯止め効かず」 大阪府市の財政どう変わった
大阪府と大阪市のトップを地域政党「大阪維新の会」が占めるようになって10年。選挙の街頭演説などで維新は府市の財政再建の成果を訴えるが、府市の財政はどう変わったのか。 「我々は大阪の再生と成長をずっと掲げてきた。大阪市も大阪府も、着実に財政状況はよくなっている」 2月16日、大阪維新前代表の松井一郎氏は、大阪市長として新年度予算案を発表する記者会見でそう語った。会見場で配られた資料には、2028年度に大阪市が国の普通交付税に頼らない「不交付団体」となる可能性が記されていた。不交付団体は、税収が恵まれた東京都など一握りの自治体に限られる。 さまざまな指標はたしかに改善している。松井氏が「一番重要なポイント」と話す経常収支比率。100に近づくほど財政が硬直化しているとされるが、大阪市の場合、2004年度に103・6%まで上昇していた。それが、19年度には93・4%まで改善し、政令指定市の平均97・3%を下回る。固定費の割合が減り、お金を自由に使える裁量が増える。 市の貯金にあたる財政調整基金は22年度予算で2118億円まで増えた。コロナ禍ではこれを財源に、公立小中学校の給食無償化を打ち出した。 松井氏は同じ会見で、「ありとあらゆる改革を通じて、スリムな筋肉質な体質に改善した」と強調した。ただ、財政状況の改善は、維新の力だけによるものとは言い切れない。 連載「維新の実像 大阪はどう変わったか」(全3回)はこちら 大阪府市での施策を「実績」として訴え、昨秋の衆院選と今夏の参院選で議席を伸ばした維新の会。維新が大阪府知事、大阪市長のダブル選挙を制してから10年で、大阪はどう変わったのか。「副首都」「民営化」「財政」の三つの側面から検証します。 企業の本社機能が集まる大阪… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
混み合うコミケ会場、他人のリュックを見る男を20分尾行したら…
東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた国内最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」でスリをしたとして、警視庁は、埼玉県所沢市の会社員の男(38)を窃盗容疑で現行犯逮捕し、16日発表した。男は容疑を認め、「混雑している場所で立ち往生している女性がいて、リュックの中の物が盗めそうだと思った」と話しているという。 捜査3課によると、男は13日午後0時10分ごろ、東京都江東区有明3丁目の東京ビッグサイトで、同人誌の販売ブースの前を歩いていた10代女性が背負ったリュックの中から、現金約2千円やキャッシュカードなどが入った財布を盗んだ疑いがある。 会場内で警戒中の同課員が、買い物客のリュックに不自然に視線を向ける男を発見。20分ほど尾行したところ、女性の後ろに回り込み、リュックのチャックを開けて財布を抜き取る現場を確認し、その場で逮捕した。女性は被害に気づいていなかったという。 男は「コミケにブースを出す… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「車内の熱で肉は焼けるか」 焼き肉店が実証動画で熱中症を注意喚起
猛烈な暑さが続く中、エアコンを止め、閉めきった車の中で肉が焼けるのかを検証する動画がインターネット上で話題だ。熱中症の危険性を広く伝えるため、前橋市や群馬県高崎市で焼き肉店を営む「ホルモンしま田」が制作・配信した。 「炎天下の車内に置き去りにされた子どもが亡くなる悲劇が絶えない。熱中症の危険性を訴えたかった」 同社の担当者はそう話す。動画は約6分。前橋の最高気温が38~39度との予報が出た日の午前中に実験し、その様子を撮影した。 実験は、上州牛のもも肉をアルミホイルで包み、車のダッシュボードの上に置き、時間の経過とともに肉の温度や車内の温度を測定するもの。冷蔵庫から出した直後の肉の芯温は12度ほどだったが、約3時間後には65度くらいになった。 車内の温度も実験開始ととも… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人口の5割が「老年」の夕張市 奮闘した「よそ者」市議の思い
今年の人口動態調査で、65歳以上の「老年人口」の割合が53・5%と全国の市で最も高かったのが、北海道夕張市だ。全国唯一の財政再建団体になってから15年。かつて11万人を超えた人口はこの春、7千人を割り込んだ。東京23区よりも広いこの街で最年少市議の今川和哉さん(33)は、市内で唯一の司法書士で、不動産会社の社長も務める。平成生まれの「よそ者議員」に夕張はどう映っているのか。この街への思いを語ってもらった。 いまがわ・かずや 札幌市出身。北海学園大学法学部卒。在学中に司法書士試験に合格。22歳で夕張市に移住して開業。2014年に不動産会社「夕張開発」を設立。15年の統一地方選で夕張市議会議員に当選し、現在2期目(無所属)。妻と娘の3人家族。 ――すごいところに事務所を構えていますね。 「ここは廃校になる前の夕張小学校です。家賃は月3万円。22歳の時に初めて夕張に来て司法書士事務所を開業しました。最初は市役所そばの夕張商工会議所2階に構えて、その後、こちらに移りました。社長をつとめる不動産会社『夕張開発』の本社もここです」 ――なぜ司法書士になったのですか。 「マイペースな性格で、普通の社会人にはあまり向いていないと考えて、大学に入ってから司法書士の勉強を始めました。大学3年の時に受けた試験で合格しました。当時20歳で、その年度の試験では全国最年少でした。4年生になり司法試験を目指して法科大学院進学も考えましたが、実家に余裕がなく、すでに奨学金を受けていたこともあり諦めました。そして札幌市内の大手司法書士事務所に就職しました」 ――夕張に来るきっかけは?… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Yoshitomo Tsutsugo inks minors deal with Jays; Kohei Arihara to return
Washington – First baseman Yoshitomo Tsutsugo has signed a minor league contract with the Toronto Blue Jays, while pitcher Kohei Arihara is set to make his major league return for the Texas Rangers, Joel Wolfe, the agent for both players, said Monday. Tsutsugo, who parted ways with the Pittsburgh Pirates […]
Yoshitomo Tsutsugo inks minor league deal with Blue Jays
Washington – First baseman Yoshitomo Tsutsugo has signed a minor league deal with the Toronto Blue Jays, his agent Joel Wolfe said Monday. The former standout for the Yokohama DeNA BayStars in Japan’s Central League is expected to play for Triple-A Buffalo Bisons while seeking a return to the majors […]
たも網1本で休日にすくった魚は100種 会社員が秘技を図鑑で紹介
ちょっと変わった生き物図鑑がこの夏、出版された。著者の勤務先は、大学や水族館ではなく、大手化学メーカーだ。会社員生活のかたわら、週末のたびに川や池に足を運んでは魚を捕まえてきた。趣味が高じて、経験に裏付けられた魚とりのテクニックと、すべて自分でとらえた魚から約100種を選んで図鑑に収めた。 ホンモロコはひれをぴんと伸ばしてメタリックに輝き、シロヒレタビラは鮮やかなブルーの体と白黒のひれのコントラストが美しい。魚のカラー写真は、アクリル板を切って自作した観察ケースを使い、実際に捕まえたときの自然に近い状態で撮影したのが特徴だ。 この「タモ網1本ではじめられる魚とり 実践テクニックと生き物図鑑」(山と渓谷社、税込み1980円)は、魚やカニなど生き物の写真に加え、網や道具の選び方、写真を撮る方法などをまとめている。魚をうまく捕まえるための九つのテクニックも紹介した。 「すべての川魚を捕る万能の方法」 「ほぼすべての川魚を捕るこ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山中で10日間、遭難した2人救助 沢の水やビスケットで命つなぐ
浅田朋範2022年8月16日 8時03分 奈良県警は14日、天川村の弥山(みせん、895メートル)に入山し、5日から連絡が取れず遭難していた名古屋市の女性(61)と愛知県一宮市の女性(69)を救助したと発表した。2人は擦り傷程度で、命に別条はないという。2人はわずかな食料や沢の水をたよりに10日間を山中で過ごしていた。 吉野署などによると、2人は1泊2日の予定で、同村に登山届を提出。4日の正午ごろ弥山に入山し、天川村北角の弥山小屋に宿泊。5日午前8時ごろに山小屋を出発し、同日夜に同村内の民宿に宿泊予定だった。だが、夜になっても到着せず、民宿の経営者が警察に通報。県警や消防は6~10日に捜索したが、発見できず捜索を打ち切った。 13日午後6時半ごろ、1人の携帯電話から「山の尾根にいる」と110番通報があり、県警はGPSで居場所を特定。14日早朝から捜索を再開した。午前6時半ごろに天川村役場から南に約6キロの地点で1人を発見し、県の防災ヘリで救助した。約3時間後にその近くを捜索した警察官らがもう1人を発見し、ヘリで救助した。 取材に応じた名古屋市の女性によると、2人は山小屋を出発後、下山途中に霧が立ちこめる中、道を見失った。2人は山中で見つけた屋根のある場所で火をたいて助けを待った。沢の水で水分補給をし、持っていたビスケットやチョコレートなどを少しずつ食べた。 食料が少なくなり、女性は13日午前6時半ごろから、スマートフォンの地図やコンパスを頼りに、天川村役場のある北方向へと歩き始めた。もう1人は体力を消耗していたことなどからとどまった。女性は同日午後6時半ごろ、電波が届く場所にたどり着き、110番通報。バッテリー残量は20%だったという。 女性は「たくさんの人に迷惑をかけて申し訳ない」と話し、「途中で引き返す勇気を持てたらよかった」と振り返った。(浅田朋範) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル