長崎大学で9日、原爆犠牲者の慰霊祭があった。戦禍のウクライナを出て、この大学で学ぶマリア・ベズフラさん(17)も、77年前の犠牲者を追悼する輪に加わった。「この街への敬意をこめて、どうやって前に進んできたのか知りたい」との思いからだ。 慰霊祭には約50人が参列。1945年のこの日、爆心地から約600メートル東にあった医学部の前身・長崎医科大学では、講義を受けていた学生や教授らが命を奪われた。 ウクライナ中部のドニプロ出身。昨秋、1千キロ離れた西部リビウの大学に進学し、スペイン語を専攻していた。子どものころ、翻訳の出版を待ちきれなくて英語のファンタジーを原書で読んで以来、語学が好きだった。 「次にいつ連絡できるか…」2分で切れた母の電話 侵攻が始まった2月24日午… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「メッセージ性のあるTシャツ、脱いで」 地裁が傍聴人に退去命令
民事裁判の傍聴に来ていた女性が、原発の運転差し止め訴訟の判決文がプリントされたTシャツを着ていることを理由に、福島地裁の庁舎外に退去させられる出来事が7月にあった。地裁側が「特定の考えや思想をアピールしている」と判断し、退去を求めた。専門家は「過剰反応だ」と地裁の対応に首をかしげる。 「Tシャツを脱いでください」 7月26日、原発事故の避難者関連訴訟の開廷前。傍聴のため地裁1階ロビーにいた松本徳子さん(60)が職員に声をかけられた。 問題視されたのは、黒地のTシャツの背面にプリントされた文言だった。「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」 これは、福井地裁が2014年、関西電力大飯原発(福井県)3、4号機の運転差し止めを命じた判決の一節(のちに運転差し止め請求を棄却する高裁判決が確定)。他の地裁の裁判傍聴で着たこともあった。 「メッセージ性があるので脱いで」と求める職員に、松本さんは「下着になってしまうので脱げない。羽織るものは持っていない」と説明。「裏返して着てください」と言われた松本さんが「それなら傍聴しません」と伝えると、庁舎外に出るよう求められた。 一度は従って外に出た松本さんだったが、他の傍聴人にブラウスを借りて羽織り、結果的にはTシャツを着たまま傍聴できた。 避難者の代理人を務める柳原敏夫弁護士は「Tシャツのデザインは裁判の秩序を乱すものではない。裁判所側が不愉快に感じたのかもしれないが、今後どんな服装ならダメなのか基準が分からない」と困惑する。 松本さんはこの日、東京都内の公務員宿舎に未契約のまま住み続けているとして、福島県に部屋の明け渡しを求められている避難者を支援するため傍聴に訪れた。松本さん自身、東日本大震災後、当時小学6年生だった次女(23)の被曝(ひばく)を避けようと、2人で郡山市から川崎市へ避難。応急仮設住宅となる民間借り上げアパートに住んだが、無償提供の終了をきっかけに市内の一軒家に移った。 Tシャツは、アパートから出る判断を迫られていた時、福島県や神奈川県に家賃補助を設けるよう一緒にかけ合ってくれた支援者がつくったものだ。補助のお陰でしばらく住み続けることができ、新しい家に移る頭金が用意できた。 その仲間は国や東京電力に原発事故の責任を問う集団訴訟も支援しており、活動の一環でTシャツがつくられた。横浜地裁の集団訴訟で松本さんや支援者が大勢で着て傍聴したことがあり、東京地裁での別の裁判にも着ていったが、注意されたことはなかった。 松本さんは「大飯原発訴訟の一審判決の文言は、私たち避難者の思いをくんだもので当然の内容。福島地裁の対応はショックだったし、納得がいかない」と話す。 「傍聴のハードル上げることになる」 福島地裁によると、今回の対応は、全国の裁判所の庁舎管理について定められた「裁判所の庁舎等の管理に関する規程」を根拠にした。12条には、庁舎退去を命じなければいけない対象として、「はちまき、ゼッケン、腕章その他これらに類する物を着用する者」が挙げられており、Tシャツは「これらに類する物」に当たるという。 Tシャツの文言に気付いた職員が庁舎管理者である地裁所長に判断を仰ぎ、所長が「敷地内で特定の考えや思想をアピールされると庁舎管理に支障が生じる。中立公正に裁判を行う場にふさわしくない」と判断した。 松本さんによると、憲法9条を守る趣旨のデザインのTシャツを着ていた傍聴人もいたが、とがめられなかった。地裁側は、原発に関わるデザインが理由ではなく、あくまで「特定の考え」が問題だと説明。地裁内でTシャツのデザインに関する基準は特に設けておらず、今後も所長が個別に判断するという。 関西大の木下智史教授(憲法… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
美術史に無視されたカリスマ?岡本太郎とは何者か 過去最大の回顧展
ひと目でその人の作とわかる強烈なパブリックアート、お茶の間を騒がせた名言やベストセラー。没後26年の今なおカリスマのイメージがあせない芸術家・岡本太郎(1911~96)とは一体、何者だったのか。大阪中之島美術館で始まった回顧展は、その多岐にわたる表現活動を過去最大規模の約300点で総覧する。 「芸術は爆発だ」などの名ゼリフでお茶の間を沸かせた岡本太郎は、何を成し遂げた人なのか。記事後半では、大阪万博の象徴「太陽の塔」と渋谷の壁画「明日の神話」の意外な共通点や、岡本太郎を長年評価してきた美術史家・山下裕二さんの談話を紹介します。 18歳から約10年をパリで過ごした岡本は、抽象やシュールレアリスムといった前衛運動に触れたり、離れたりしながら、作風を模索していく。一時は絵画制作を中断し神秘主義者ジョルジュ・バタイユ率いる秘密結社に参加するなど、最先端の思想も盛んに吸収した。 パリ時代の作品はこれまで戦火ですべて消失したとされ、戦後の再制作や図版だけで知られてきた。そんな状況に一石を投じたのが、近年パリで見つかり、今展で日本初公開となる抽象画3点だ。20代前半ごろの作品と推定され、岡本の原点を知る貴重な作例として調査が進んでいる。 岡本芸術を貫く「対極主義」 帰国後に徴兵された岡本は復員後、合理と非合理、抽象と具象、美と醜といった要素を矛盾したまま共存させる「対極主義」を提唱する。工場に通って描いた「重工業」では、無機物の歯車と有機物のネギが対置されている。1954年のベネチア・ビエンナーレに出品された「森の掟(おきて)」は、世間ではファシズムの寓意(ぐうい)と受け止められたのと裏腹に、岡本自身は「全然意味の認められない無邪気な仕事」と語ったという。 パリ時代に民族学に傾倒した… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Blue Jays’ Yusei Kikuchi allows three homers in loss against Orioles
Baltimore – Yusei Kikuchi surrendered three home runs and was charged with his sixth loss Monday for the Toronto Blue Jays, who were beaten 7-4 by the Baltimore Orioles. Kikuchi (4-6) lasted five-plus innings at Oriole Park, giving up five runs on six hits and three walks, while striking out […]
東京都心の猛暑日、過去最多に 今年14日目
吉沢英将2022年8月9日 12時36分 東日本から西日本が高気圧に覆われて9日、各地で厳しい暑さとなった。気象庁によると、東京都心では午前11時52分に35・0度を記録。都心の猛暑日(最高気温35度以上)の日数は今年に入り、14日目。記録的猛暑を受け、1995年と2010年の13日を上回って過去最多となった。 同庁によると、午前11時現在、全国914の観測点中628地点で最高気温が30度以上の真夏日に。このうち24地点が猛暑日となっている。富山市37・5度▽徳島県美馬市37・0度▽東京都八王子市36・7度、などを記録した。 気象庁は6日に「高温に関する情報」を発表している。12日ごろにかけて全国的に気温が高い状態が続くとしており、熱中症への注意を呼びかけている。(吉沢英将) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パワハラと指導の違い、大半が「曖昧」 行動を促す上司の言葉とは
「パワハラ」と「指導」の違いは曖昧(あいまい)――。上司世代も部下世代も半数以上がそう感じていることが、龍谷大文学部臨床心理学科(京都市伏見区)のインターネット調査で明らかになった。パワハラを防ぐにはどうしたらいいのか。鍵は「部下への褒め言葉」だと心理学の専門家はアドバイスする。 今年4月、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が中小企業にも適用され、職場のパワハラを防ぐ対策を講じることが、全ての企業に義務づけられた。 龍谷大は1月、企業に勤める部下(20~30歳)と上司(45~60歳)各500人にインターネット調査。その結果を、同学科の水口政人(みなくちまさと)教授が分析した。 「パワハラと指導の違いは曖昧と感じるか」の問いには上司の61・8%、部下の53・8%が、「とても感じている」か「やや感じている」と回答した。 一方で、「仕事は言われたこと以外も主体的に取り組むべきか」の設問には、上司の87・4%、部下の75・4%が「とても感じている」か「やや感じている」と回答。上司世代に高い傾向があった。水口教授は「上司の部下に対する要求の高さがうかがえる」と解説。「部下の行動が期待通りでないとき、イライラして『厳しい指導』で打開しようとしがち。なぜ、期待する行動をとらないかを考えることが重要」と指摘する。 その上で、パワハラにならずに部下に行動を促すには、どうしたら良いのか。 調査では、上司に求めるタイ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「乱交」参加の医師逮捕 高校生へのみだらな行為撮影疑い 神奈川
朝日新聞デジタルに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。Copyright © The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
骨つぼにそっと納めた写真 タブーだった兄と70年後の「再会」
長崎の半島の町で暮らす谷崎昭治(しょうじ)さん(13)は、いつもにこにこしている。 昭治さんと追いかけっこをしたくて、妹たちは昭治さんをよくからかった。 それでも、幼い妹たちの相手を嫌がらない。冗談っぽく笑って、追いかけっこにつきあってあげる。 そんな昭治さんは、自宅から遠い長崎市の中学に行きたがった。下宿が必要で、お金がかかる。 父には言い出すことができず、「お父ちゃんに頼んで」と泣きながら母に頼んだ。 4月、希望していた中学校に、長崎市内の下宿から通い始めた。 8月6日。 広島に「新型爆弾」が落ちた。 「長崎も危ないのでは」。心配した父は8日、昭治さんを連れ戻しに、下宿を訪れた。 「明日の英語の試験は、どうしても受けなくちゃいけないから」 連れ帰ろうとする父を、昭治さんは泣いて断った。試験が終わったらすぐ帰れるように、と船賃を渡し、父は家に帰った。 9日、妹2人は、家の近くの砂浜で遊んでいた。 突然、強い光を感じた。兄がいる長崎の方向が光った気がした。怖くなってすぐに家に帰った。 「新型爆弾が長崎に落ちたら… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
3.8万人以上の子どもが原爆の犠牲に 生き残って罪悪感を持つ人も
1945年8月の広島、長崎への原爆投下では、広島で約14万人、長崎で約7万4千人が45年末までに死亡したとされる。子どもたちはどんな被害を受けたのか。 広島市のこれまでの調査では、0~9歳の7万3622人が被爆した。45年末までに7907人が死亡した。10~19歳の死亡も1万5543人にのぼる。 長崎市によると、0~9歳で被爆したのは4万9684人。うち6349人が45年末までに亡くなった。10~19歳の死亡者は8724人。 広島、長崎両市とも、氏名などが確認された人のみを集計の対象としており、実際の被害はさらに膨らむとみられる。 被爆した子たちを苦しめたのは、放射線の影響だ。 広島大原爆放射線医科学研究… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【速報中】微力だけど無力ではない 高校生120人が「人間の鎖」
9日、長崎は被爆77年の「原爆の日」を迎えます。ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用をちらつかせるなかで営まれる平和祈念式典や関連の催しなど、祈りの日を迎える長崎の動きを詳報します。 ■■■8月9日■■■ 08:20 「二度と繰り返さないため、声あげていく」 爆心地公園のそばには、朝鮮半島から渡り長崎で原爆の犠牲となった人々を慰霊する碑がある。平和祈念式典に先立ち、その家族や在日朝鮮人らが集い、献花をするなどして反戦を訴えた。 在日朝鮮人への差別撤廃を訴えて設立された「長崎在日朝鮮人の人権を守る会」の柴田利明事務局長(71)は「日本による侵略が生んだ犠牲。贖罪(しょくざい)の意味も込め、二度と戦争を繰り返さないためにこれからも声を上げていきたい」と話した。 07:30 「微力だけど無力じゃない」高校生らが人間の鎖 長崎市松山町の爆心地公園では、長崎県内外の高校生約120人が、原爆落下中心地碑を囲み、「人間の鎖」をつくった。原爆の犠牲者を悼みつつ、核兵器のない未来をつくっていく意思を示した。 生徒らは「今後も平和な世界を実現していくため、『微力だけど無力ではない』を信じて、活動を続けていきます」と宣言を読み上げた。 06:40 子どもたちの作品展示、「ウクライナへの祈り」も 長崎市松山町の爆心地公園周辺で、世界各地の子どもたちが思い思いの平和のイメージを、ピカソの代表作「ゲルニカ」と同じ大きさ(縦3・5メートル、横7・8メートル)で描く「キッズゲルニカ」の作品が展示されていた。展示は31日まで。 川沿いに置かれている作品を眺めていた長崎市の女性(82)は、毎年8月9日、教会の早朝の集まりに行ってからキッズゲルニカの作品を見るのが決まりだという。女性は、ウクライナの国旗などをモチーフに描かれた作品「ウクライナへの祈り」に目をとめ、「(中国の旧満州から日本へ)引き揚げる際、ぬかるんだ道を歩いたことを覚えている。ウクライナの子どもが避難する姿は、人ごととは思えない」と話した。 06:00 「世界平和祈る」浦上天主堂で追悼ミサ 爆心地から約500メートルに位置する長崎市の浦上天主堂で、原爆の犠牲者を追悼するミサが開かれた。オルガンの音色が響くなか、信徒ら約250人が祈りを捧げた。 森内照子さん(91)は77年前の朝、市内の自宅で被爆した。髪の毛が燃え、皮膚が垂れ下がった人々が「長崎は地獄だ」と叫ぶ姿が目に焼きついている。ロシアのウクライナ侵攻を目の当たりにし、「『またか』と怖い。ただ世界平和を祈るばかりです」。 浦上天主堂は1925年に完成したが、原爆で全壊。周辺に住んでいた1万2千人の信徒のうち、8500人が犠牲になったとされる。 ■■■■8月8日■■■… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル