天野剛志2022年8月8日 19時30分 兵庫県明石市の泉房穂市長(58)が特定の企業の法人市民税額を同意を得ずにツイッターで公開したことは違法だとして、市議会の市議と市民の有志ら33人が8日、泉市長を地方税法違反(秘密漏洩〈ろうえい〉)の疑いで神戸地検に告発した。 告発状によると、泉市長は2月12日、市内に工場がある企業の社名を挙げた上で、2014~21年度の法人市民税の法人税割と均等割の一覧表をツイッターに掲載し、税の徴収事務に関して知り得た秘密を漏らしたとしている。 告発した33人のうち市議は自民党真誠会や公明など5会派15人で、正副議長も名を連ねた。会見した三好宏市議(自民)らは「市長が謝罪し、自らを罰していれば告発もなかったのではと思う。市長の行為が許されるのなら、市職員も流してもかまわないとなる。司法に判断を委ねたい」と話した。 市長「違法性はない」 泉市長はツイートについて「税情報は慎重に扱うべきもので、不適切だった」と約10日後に削除したが、「市民の知る権利に寄与し、公益性があり違法でない」と主張してきた。この日も「違法性はないとの認識に変わりない」とのコメントを出した。 ツイートした税情報は、市が本来、非公開としている内容で、市議会は4月に調査特別委員会(百条委員会)を設置。6月に「地方税法で定められた秘密漏洩に当たる疑いが強い」との報告をまとめ、賛成多数で可決した。(天野剛志) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
待機児童は減ったけど…ベテラン保育士が危惧する「子どもの気持ち」
待機児童ゼロに保育料無償化。少子化を国難と位置づける政府は、保育政策を対策の目玉に掲げてきた。明快なスローガンに巨額の予算が投じられる裏で「保育の質が置き去りになった」と警鐘を鳴らす保育士がいる。名古屋市などで保育士を40年続け、雑誌「ちいさいなかま」で10年間コラムを連載した平松知子さんに聞いた。 ――保育士の多くが、このままでは働き続けることがつらいと考えている、と訴えていますね。 「大きな理由の一つに配置基準の問題があります。今の基準では1、2歳児は保育士1人で6人を、4、5歳児なら30人をみることになっています。災害が起きた時、まだ歩けない子もいる1歳児6人を、あなた1人で避難させるのは難しいと思いませんか? こう問うと、皆さんウンウンとうなずかれます。しかし保育士のつらさは、こんな数字では表しにくいところに日常的にあります」 ――どういうことでしょう。 「日々子どもたちと向き合っていると『もう1人保育士がいたら、この子は救われるのでは』と思う場面に何度も直面します。例えば2歳児クラスでのこと。公園から帰ろうとすると1人の子がダンゴムシに夢中になっている。誰か1人保育士がそばにいて『あとちょっとしたら帰ろうね』と言えたらいいけど、国の基準では『わかったわかった! また来ようね』なんて言って連れ帰るのが精いっぱい。子どもの気持ちは二の次、三の次になってしまいます」 部屋に鍵をかける園、ブルーシートの上で食事をとらせる園…。保育政策に危機感を募らせる平松知子さんはこの後、「子ども置き去り」の状況を具体的に語ります。記事後半では、研究者の池本美香さんが、海外の保育政策との比較について解説します。 人生を左右しうる就学前の6年間 ――それは、単なる子どもの… この記事は有料会員記事です。残り3887文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
沖縄をエッセーで世界に 池澤夏樹さんら「あまくま琉球」立ち上げへ
国吉美香2022年8月9日 6時30分 世界文学全集の編集や芥川賞選考委員など幅広く活躍してきた作家の池澤夏樹さん(77)が、沖縄を世界に伝えるサイト「あまくま琉球」の立ち上げに乗り出した。8日、地元のエッセイストや編集者らと、制作費の寄付を呼びかけるクラウドファンディング(CF)を始めた。 サイト名に使う「あまくま」は、沖縄の方言で「あちらこちら」を意味する。「泡盛」「オキナワン・ロック」「沖縄戦」「復帰」といったキーワードをもとに、文化や歴史、自然や産業、島々など多様な姿を、沖縄内外の100人以上の筆者がエッセーでつづるのが特徴だ。 池澤さんらは同様の本を30年前「沖縄いろいろ事典」として出版。その後も数度、内容を更新した書籍などを世に送り出してきた。こうした蓄積をいかす形で、末永く世界中の誰もがアクセスできるサイトを残したいと準備を進める。 寄付金は翻訳や編集、著作権使用などにあてる。720万円で300項目の掲載を目標とする。沖縄で10年ほど暮らしたことがある池澤さんは「通り一遍の説明ではなく、それぞれが生活や体験に基づいて書いたエッセーで、伝えたいという気持ちにあふれている。大変魅力的な内容をぜひネットで公開したい」「沖縄は『戦略的な拠点』というものに押し込められることもあるが、元々持っている強い力は文化的なもの。広く深く沖縄を知ってほしい」と話す。寄付の受け付けは9月30日まで。詳細は、専用サイト(https://readyfor.jp/projects/amakuma)へ。(国吉美香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ふげんの廃炉完了、2040年度に 工法変更で7年の遅れ
朝日新聞デジタルに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。Copyright © The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
後見人弁護士「キャバクラに使った」 約8千万円着服などで除名処分
後見人として管理していた預金を使い込むなど計約8千万円の横領や詐欺行為をしたとして、大阪弁護士会は8日、堺市内に事務所を置く古賀大樹弁護士(43)=業務上横領罪で公判中=を懲戒処分で最も重い除名にし、発表した。 古賀弁護士は調査に対し、大阪・北新地のキャバクラで使ったなどと説明したという。 同会は、古賀弁護士が201… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「暑いけど…」のメッセージ、容疑の祖母は返信せず 2歳児熱中症死
大阪府富田林市の団地で6月、2歳の女児が熱中症で死亡した事件で、大阪府警は8日、女児の手足を縛って2日間ほど放置して死なせたとして、祖母と内縁の夫=いずれも保護責任者遺棄容疑などで逮捕=を逮捕監禁致死容疑で追送検し、発表した。 死亡したのは小野優陽(ゆうは)ちゃん。捜査1課によると、小野真由美容疑者(46)と桃田貴徳容疑者(50)は6月27日午後8時ごろ、優陽ちゃんの手足を粘着テープで縛り、自宅居間のベビーサークル内に閉じ込めて外出。29日昼ごろまで置き去りにし、死亡させた疑いがある。真由美容疑者は黙秘し、桃田容疑者は「27日は少なくとも私は縛っていない」と供述しているという。 同課によると、2人は富田林市小金台4丁目の団地で優陽ちゃんのほか、真由美容疑者の四男(16)、五男(6)の5人暮らしだった。2人は五男を連れ、6月27日夜からユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)近くのホテルに連泊していたという。 四男「暑いけど大丈夫か、とメッセージ送った」 大阪府警の捜査で死亡までの経緯が浮かんできた。 府警によると、6月27日午後8時ごろに祖母の小野真由美(46)と内縁夫の桃田貴徳(50)の両容疑者が五男と外出し、自宅には優陽ちゃんと四男が残った。捜査関係者によると、四男は優陽ちゃんが死亡した29日について、真由美容疑者に朝、「暑いけど(優陽は)大丈夫か」とのメッセージをSNSで送ったが返事がなかった、と府警に説明したという。 捜査1課によると、四男は29日午前7時40分ごろに家を出て学校に向かった。富田林市の29日の最高気温は34・5度。優陽ちゃんは脱水状態になって死亡したとみられる。 捜査関係者によると、四男は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【速報中】「歴史に共感」各国大使らが献花 「原爆の日」迎える長崎
9日、長崎は被爆77年の「原爆の日」を迎えます。ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用をちらつかせるなかで営まれる平和祈念式典や関連の催しなど、祈りの日を迎える長崎の動きを詳報します。 ■■■8月8日■■■ 19:00 宗派超えた祈り ウクライナでも黙禱 宗教や宗派の違いを超えて平和を祈る第50回原爆殉難者慰霊祭が8日夜、長崎市松山町の爆心地公園であった。長崎県宗教者懇話会が主催し、ウクライナ正教会の司祭やイスラム教の指導者らも参列。約400人が原爆や戦争の犠牲者を追悼した。 1973年から毎年8月8日に開かれ、今回で半世紀。この日は、広島やウクライナの首都キーウ、核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれているニューヨークなど5都市とオンラインでつなぎ、ともに黙禱(もくとう)を捧げた。 18:00 「核兵器の怖さ伝えるのに重要」原爆資料館に各国大使ら 長崎原爆資料館には、爆心地公園での献花を終えた各国の大使や一般客らが訪れていた。 初めて長崎に来たというリトアニアのオーレリウス・ジーカス特命全権大使は隣国のロシアの動向について「平和が脅かされていて不安」と話す。戦争を知らない世代が増えるなか、「セレモニーや資料館は、戦争や核兵器の怖さを伝えるのに重要な役割を果たしている」と語った。盛岡市から家族旅行で来た男子高校生(15)は「地域全体で平和を伝えているのを感じた。核の恐怖を理解していきたい」と話した。 17:30 国連の中満事務次長が長崎市長と面談 9日の平和祈念式典に国連事務総長の代理として出席する中満泉・事務次長が、長崎市のホテルで田上富久市長と面談した。米ニューヨークで開催中の核不拡散条約(NPT)再検討会議について、どのような課題があり、どう進んでいくのか意見を交わしたという。 中満事務次長は面談後、NPT会議について「核戦争の緊張が高まっているなか、会議を行うのは非常に難しいが、77年間続いている核不使用の原則を最低限守ることが重要」と述べ、「被爆地・長崎でもメッセージを出していければ」と報道陣に述べた。 16:30 各国の駐日大使らが献花 長崎市の爆心地公園で、9日の平和祈念式に参列する各国の駐日大使らが、原爆落下中心碑の前に献花した。 パラオのピーター・アデルバイ駐日大使は献花後、「パラオは日本の統治下にあったこともあり、長崎の歴史に共感している。過去の歴史を二度と繰り返してはいけない」と話した。 また、核兵器禁止条約の交渉会議で議長国を務めたコスタリカ共和国のアレクサンダー・サラス・アラヤ駐日大使は、核兵器禁止条約について「日本だけでなく、全世界の国々が参加するのが、平和への唯一の道だ」と語った。 16:10 イラク大使「長崎の人々、私たちと同じ」 たび重なる戦禍に見舞われてきたイラク。その代表として爆心地公園に献花に訪れたアブドゥル・カリーム・カアブ特命全権大使はイラク戦争に触れ「私たちと同じように、アメリカの攻撃で犠牲になった長崎の人々に祈りを捧げられて光栄だ」と話した。 ロシアによるウクライナ侵攻や、中国と台湾の緊張関係を憂えているといい、「あらゆる国はともに並び立つことができるはず。核兵器は最も危険な必殺兵器で、人間性を踏みにじるだけでなく、地球の生命をあっという間に消してしまう。二度とそんな爆弾が投げられることがないよう、そして戦争のきっかけになるものを防ぐよう、人類が教訓とすることを願っている。私たちにはそれができると思う」と話した。 16:00 全国の小中高生250人が平和学習 長崎市の平和会館と原爆資料館では、「青少年ピースフォーラム」が開かれ、全国の小中高生ら約250人が参加した。被爆体験者の話を聞いたり、戦時下の生活を疑似体験したりした。 愛知県から参加した中学3年の伊藤圭佑さんは「昔に起きた原爆投下や戦争だけど、現代の問題、自分事として考えることができた」と話していた。 11:30 大阪の大学生「平和って何なのか考えたい」 長崎市の原爆資料館を訪れた… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
GPS機器送り住所特定、郵便物の転送悪用か ストーカー容疑で逮捕
GPS機器を送り女性の位置情報を無断で取得したなどとして、神奈川県警は8日、会社員の男(27)をストーカー規制法違反の疑いで逮捕し、発表した。男は転居先に郵便物が転送される制度を悪用。GPS機器入りの封筒を女性の旧住所に郵送し、それが新住所に転送されたことで、住まいを把握していたという。 港南署によると、逮捕されたのは相模原市南区相模台2丁目の河野浩与史容疑者。容疑を認め、「彼女のことが好きだった」と供述しているという。 逮捕容疑は、1月下旬ごろ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「虚偽答弁に基づく議決は無効」 街路樹伐採で反対住民が区長を提訴
東京都の千代田区道「神田警察通り」の整備に伴う街路樹伐採問題で、伐採に反対する住民が8日、樋口高顕区長に対し、工事代金の支払いの中止を求める住民訴訟を東京地裁に起こした。同様の訴訟は2件目。 訴状によると、伐採の契約を認めた区議会の議決は、「既存の街路樹を伐採しないと道路整備できない」などとする区の虚偽答弁に基づくものだと主張。議決は無効で、無効な議決による契約は地方自治法違反と訴えている。 さらに、伐採対象の街路樹のイチョウ30本のうち、区が実施した樹木医の診断で「不健全」と診断されたのは1本だけだったと指摘。伐採の必要がなく、貴重な緑陰をつくる街路樹を伐採するのは、必要のない経費の支出を伴う契約で、地方自治法と地方財政法に違反すると主張した。 また、区が住民の合意形成の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
公立小中校の面積2割が老朽化 モルタル落下、漏電など不具合2万件
全国の公立小中学校の施設で、全体の面積の約2割が老朽化していることが8日、昨年度の文部科学省の調査で分かった。消防設備が作動しなかったり、軒裏のモルタル片が落下したりする不具合も約2万2千件起きていた。文科省は各教育委員会に改修を促す。 文科省によると、公立小中学… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル