米国が広島に原爆を投下してから、6日で77年となる。ロシアがウクライナに侵攻し、核兵器使用の懸念が高まる中で迎える原爆の日になる。 広島市中区の平和記念公園では6日朝、平和記念式典がある。地元選出の岸田文雄首相が首相就任後では初めて出席し、あいさつする。国連のグテーレス事務総長も初めて参列する。 広島市の松井一実(かずみ)市長は式典で読み上げる平和宣言で、核兵器禁止条約に否定的な日本政府に対し、来年開かれる第2回締約国会議に参加することや、条約に署名・批准することを求める。 広島市によると、式典には過去最多の101カ国の駐日大使らが参列する予定だ。昨年参列したロシアについては今年、ウクライナ侵攻を理由に招待しなかった。 厚生労働省によると、今年3月末現在、被爆者健康手帳を持つ人は11万8935人で、前年同時期より8820人減った。平均年齢は84・53歳で、初めて84歳を超えた。 平和記念式典では、この1年に死亡が確認された被爆者ら4979人の名前を加えた原爆死没者名簿が奉納される。死没者の総数は計33万3920人となる。(福冨旅史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
被爆前の子どもの笑顔、AIでカラー化「家族がよみがえったみたい」
1945年8月に米国が広島、長崎に投下した原爆は、10歳未満だった約1万4千人の子どもたちを死に追いやったとされる。 遊び、学校、親の愛情――。被爆前の子どもたちを撮影した白黒写真を人工知能(AI)技術で色づけすると、今の子たちとなんら変わらない、無邪気な笑顔がよみがえった。 広島、長崎両市が続けてきた調査では、原爆投下により、広島と長崎で10歳未満の子計約12万人が被爆した。約1万4千人が45年12月末までに死亡した。10~19歳の死亡者も計約2万4千人にのぼる。 朝日新聞は核兵器の非人道性を伝えるため、広島、長崎で亡くなった子や、両親らを失った子がいる5家族を取材し、被爆前の子どもたちが写っている白黒写真の提供を受けた。 早稲田大の石川博教授の協力を受け、同研究室が開発したAI技術を用いてカラー化した。 16歳で広島で被爆した故・綿岡智津子(ちづこ)さんは、焼けずに残った1枚の家族写真に生涯、複雑な思いを抱いていた。原爆投下の直前、両親や妹と撮ったが、智津子さんを除く全員が原爆で帰らぬ人になった。 智津子さんの長女、岩田美穂さん(64)は、母と家族が写ったその1枚を提供してくれた。 カラー化された写真を見た岩田さんは「時代を超え、亡くなった家族がよみがえってきたみたい」と目を見張った。「亡くなった母のお父さんも喜んでいると思う」と話した。(長富由希子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡・川崎町の住宅に成人男性の遺体、事件として捜査 福岡県警
2022年8月6日 1時17分 5日午後6時25分ごろ、福岡県川崎町池尻の住宅で、「人が倒れている」と近隣住民から110番通報があった。 福岡県警田川署によると、住宅内から成人男性の遺体が見つかった。遺体には外傷があり、署は事件性があるとみて調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
交通機関で「コロナ運休」広がる 第7波拡大で乗務員確保できず
新型コロナウイルスの感染拡大で、交通機関の運行にも支障が出始めている。コロナに感染したり、濃厚接触者となったりして出勤できない乗務員が増え、通常ダイヤを維持できなくなっているためだ。 東京都営バスは4日から、8路線で1時間あたり1~3本の減便に踏み切った。都によると、今月2日時点で運転手57人が新型コロナに感染。濃厚接触者を含めると計101人が出勤できず、通常の運行に必要な人数の確保が困難になったという。 減便は「当面の間」としており、感染状況をみながら復旧時期を検討する。 都では2020年12月末、都営地下鉄大江戸線もコロナ感染拡大の影響で運転士21人が出勤できず、通常の7割程度で運行した経緯がある。都の担当者は「資格が必要な運転手や運転士はすぐに増やせない。出勤できる人数で回すしかないが、感染の拡大が続くと無理が生じる」と危機感を募らせる。 乗り合いバス事業では国内最大規模の西日本鉄道(福岡市)も8~21日の期間、福岡市と北九州市の連接バスで運行している一部のバス路線を運休すると3日に発表した。約2600人の運転手のうち1日時点で約100人が出勤できない状況だといい、運休数は平日188本、休日は200本以上になる。 政府は7月下旬以降、濃厚接… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小倉でクイーン名曲と花火の競演 工場の向こうに大輪 夏の風物詩
西田慎介2022年8月5日 22時00分 北九州市小倉北区で5日夜、夏の風物詩「わっしょい百万夏まつり」(6、7日)の前夜祭花火が上がった。フェリーターミナルそばにあるミクニワールドスタジアム北九州を会場にロックバンド「QUEEN」の名曲にあわせて1万4千発を打ち上げるイベントで、多くの家族連れやカップルが音と光の競演を楽しんだ。約1・5キロ離れた岸壁からは、工場の向こうに大輪が見えた。(西田慎介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「金貸してくれる」と期待 組長らに情報漏えい容疑の巡査長が供述
暴力団組長や知人からの依頼で、他人の指名手配や所在の情報などを漏らしたとして、福岡県警は5日、田川署地域2課巡査長で交番勤務の田中恭平容疑者(34)=同県飯塚市幸袋=を地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで再逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 田中容疑者は依頼者側に借金があり、飲食接待も受けていたといい、動機について「(依頼者たちの)信頼を得られたら、暗号資産への投資話などがまわってくるのではないか。お金を貸してくれるのではないか(と思った)」と供述しているという。 県警は同日、山口県下関市阿… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
トキ、石川・島根で本州初の放鳥へ 26年度以降野生復帰目指す
環境省は、トキの野生復帰をめざし放鳥する2地域(石川県と県内9市町、島根県出雲市)を選び、5日に発表した。野生復帰に必要な環境整備を進め、2026年度以降に本州で初となる放鳥を行う方針だ。 日本産の最後のトキは03年に死亡。中国から贈られたトキを繁殖させ、08年からトキを放鳥する野生復帰事業を新潟県佐渡市で進めていて、環境省によると生息数は昨年末、約480羽まで増えた。本州では佐渡市からの飛来はあるが、生息までは確認されていないという。 2地域ではエサ場となる水田… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「これまでにない事態」与那国町漁協、初の漁自粛 中国の軍事演習で
ペロシ米下院議長の台湾訪問で激しく反発した中国が台湾周辺で大規模な軍事演習を始めたことをめぐり、沖縄県・与那国島(与那国町)の与那国町漁業協同組合は5日、組合員35人に演習期間中の漁の自粛を求めた。軍事演習を理由に自粛を求めるのは初めてという。 与那国島は台湾までおよそ111キロ。日本政府によると、日本の領土に最も近い落下地点は与那国島の北北西80キロだった。 漁協の嵩西(たけにし)茂則組合長らは中国軍の演習計画が報じられた後の3日の朝日新聞の取材には「むやみに不安をあおりたくはない」と話し、漁の自粛や規制には慎重な考えを示していた。しかし、4日に近海に弾道ミサイルが着弾したことから、「これまでにない事態」(組合員)として自粛を急きょ決めた。被害は確認されていないという。 玉城デニー知事は5日、記者… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
77年後に沈黙を破った元大学教授 介護施設の庭で記者に語ったこと
「原爆の体験を語りたい」。川崎市の介護福祉施設で暮らす男性(89)が、家族ら以外に明かしたことがない77年前の夏の記憶を記者に語った。ロシアがウクライナに侵攻した映像を見て、突き動かされた。 広島県出身の元大学教授、浜本昌宏(まさひろ)さんだ。広島総局員の記者は人づてに、その意向を知った。7月中旬、施設を訪ねた。 新型コロナウイルス対策で、家族以外の人とは原則面会できない。だが、浜本さんは記者を見ると、施設長に言った。 「直接話したい」 施設側の許可を得て2メート… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
陸軍将校の日本刀、80年ぶり帰郷 元米兵の孫、返還までの東奔西走
この夏、一振りの刀がほぼ80年ぶりに宮崎県に帰ってきた。「志賀関」の呼び名を持つ日本刀。太平洋戦争に出征した陸軍将校とともに宮崎を離れ、中国、韓国、沖縄を経て終戦後に米国へ。巡り巡って刀を手にした元米兵の「私の存命中に日本へ」という願いを受け、孫が東奔西走して「里帰り」をかなえた。 この日本刀は、宮崎県高原町の梅木家で先祖伝来の家宝として大切にされていた。陸軍将校だった梅木留助さんが外地へ配属される際に携え、1941年ごろに高原町を旅立った。梅木さんは中国大陸から韓国へ移動し、済州島で終戦を迎えた。刀はそこで米軍に没収されたという。 その刀を手にしたのが現在、米国・シカゴに住む元米兵のジョセフ・カーサーさん(99)。カーサーさんは終戦直後の1945年、沖縄本島の海岸で、日本軍の武器が積み上げられた中から刀を見つけた。くくりつけられた木札を読んで、「由緒あるものでは」と思い米国に持ち帰った。 木札には、こんなことが英語で書かれていた。 「お願いがあります。どうぞ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル