井石栄司2022年9月30日 20時30分 来年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて大阪・堺両市で開かれることが決まった貿易相会合に向け、吉村洋文知事と永藤英機市長は30日、堺市役所で共同記者会見を開いた。吉村知事は「大阪・堺の魅力を世界に発信していきたい」と語った。 会合は2025年の大阪・関西万博の弾みをつけようと、府と堺市が誘致を進めていた。G20大阪サミットなどの開催実績がある大阪市で会議を開き、堺市で歓迎レセプションや食事会などが催される見込み。ただ、吉村知事は「会議場とレセプションの場が近い方が安全。地元の意見は(国に)尊重される。堺で無理かについてはもう一度じっくり考えたい」と話した。 堺市内では各国大臣に茶の湯体験を通じて日本の精神文化を感じてもらうことも想定しているという。永藤市長は「三千家(裏千家、表千家、武者小路千家)ともお話をさせて頂いて、堺の魅力を発信できるようにしたい」と話した。 堺市が世界文化遺産の大山古墳(伝仁徳天皇陵)近くで計画するガス気球遊覧について、永藤市長は「今年末から来年初めに実現したい。大臣に乗って頂けるかは警備の問題がある」と否定的な見方を示した。一方、吉村知事は「(気球に大臣を乗せることを)追求してもいいんじゃないか。ぼくが大臣なら乗ってみたい」と話した。(井石栄司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
苦労は「自分が決めたこと」? 日米同性カップルの問いと尽きぬ不安
「異例ではありますが、理由の骨子を先に述べることにします」 日本人男性と米国で法的に結婚した米国人男性が在留資格を求めていた訴訟で、東京地裁の市原義孝裁判長は30日、冒頭にこう述べて判決文の読み上げを始めた。そして、「国の運用は憲法の趣旨に反するものだ」と述べ、男性に在留資格を与えなかった国の対応は違法だった、とした。 弁護団が判決後の会見で「非常に画期的な判決と受け止めている」と話す中、原告のアンドリュー・ハイさんの顔は曇ったままだった。 「正直言って信じるのが難しい」 あらゆる手、尽くしてきた18年 国は2013年、海外で結婚した外国人同士の同性カップルは、一方に有効な在留資格があれば、他方に「特定活動」の資格を与えるとの通知を出した。ただ、日本人と海外で結婚した外国人の同性配偶者は、対象外としてきた。 弁護団の鈴木雅子弁護士によると、これまでは原則、留学か就労の在留資格を得るしか方法がなかったという。 ハイさんとパートナーの康平さん(姓は非公表)も長年、なんとか安定した同居を実現しようと、あらゆる手を尽くしてきた。 2人が出会ったのは04年… この記事は有料記事です。残り1285文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教科書会社の大日本図書、茨城県五霞町の教育長らを接待
有料記事 谷口哲雄、武田啓亮、桑原紀彦2022年9月30日 21時00分 小中学校の教科書を発行する大日本図書(本社・東京)の社員2人が7月、茨城県五霞(ごか)町の倉持伸樹教育長らと会食し、飲食代を全額支払っていたことが分かった。教科書会社でつくる業界団体は自主ルールで教科書採択の関係者を接待することを禁じている。同社は取材に「コンプライアンス違反にあたる不適切な行為だった」と認め、今後、経緯などを詳しく調査する方針を示した。 同社によると、支社長と営業担当者1人が7月1日、茨城県内の料亭で倉持教育長、県内の元公立中学校長と計4人で会食。同社側は1人あたり約9500円の飲食代を全て負担し、約1600円の焼き菓子を手土産として渡したという。 公立小中学校で使う教科書は… この記事は有料記事です。残り762文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ゼロゼロ融資」不正、3分の1の店舗で判明 中日信金に行政処分
愛知県を地盤とする中日信用金庫(名古屋市)は9月30日、コロナ禍の経済対策として政府が用意した実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の取り扱いで、計79件の不正があったと発表した。基準を満たすために取引先の業績を偽って申請し、60社に計約15億円を不正に融資していた。「多大なご迷惑とご心配をおかけし深くおわび申し上げます」としている。 財務省東海財務局はこの日、過度な営業の推進、内部管理体制の不備、法令順守の意識の薄さなどの問題があったとして、中日信金に業務改善命令を出した。「ゼロゼロ融資」の不正をめぐる行政処分は全国で初めてだという。 中日信金によると、ほかの公的な融資でも同様の不正が計5件あった。ゼロゼロも含めて不正融資の総額は計15億5400万円。2020年3月に始まり、今年4月まで行われた。8月末の残高は12億1700万円。全店舗の3分の1にあたる7店舗で不正が見つかり、管理職を含む計11人の職員がかかわっていた。「組織的な不正ではなく、それぞれ各職員の判断で始めた」(経営企画部)とみている。 経営陣は不正を知らなかった… この記事は有料記事です。残り201文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌駅の「パセオ」が営業終了 33年の歴史に幕 新幹線延伸工事で
長谷川潤2022年9月30日 21時30分 JR札幌駅直結の商業施設「パセオ」が30日営業を終え、33年の歴史に幕を閉じた。北海道新幹線の札幌延伸に向けた高架橋工事に伴うもので、工事後の施設の形態は決まっていない。同日午後8時半からセレモニーが行われ、多くの人が詰めかける中、伏見克也店長は「パセオは皆様に育てていただいた施設でした。本当に長い間ありがとうございました」とあいさつした。パセオは1989年開業。JR発足後の最初の大型商業施設として注目を集めた。駅直結の利便性に加え、流行に敏感な衣料店や飲食店が入り、幅広い世代に利用された。(長谷川潤) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
公立保育園の廃園で専決処分「撤回しない」 小金井市長に議会紛糾
東京都小金井市の西岡真一郎市長は30日、市立保育園2園を廃園とする改正条例を市議会の議決を経ずに専決処分で決めたことについて、市議会で急きょ開かれた全員協議会で理由を説明した。市議からは憤りや法的根拠をただす声が相次ぎ、撤回を求める場面もあった。西岡市長は、来春の入園案内が始まる10月前に決める必要があったとし、「撤回しない」と改めて廃園実施を明言した。 「議会において議決すべき事件を議決しないとき」 西岡市長は冒頭発言で、地方自治法にあるこの規定があてはまる理由を説明していった。廃園予定の園は築60年が迫り、来春から対応を始めないとリスクが高まること。保育園運営には財源の課題があること。待機児童が減って市内民間園に空きが生じ、今後は人口減も見込まれること。 今議会で、9月中の議決が必要だと繰り返し求めたにもかかわらず、条例案が付託された厚生文教委員会で採決されずに継続審査となったため、「苦渋の決断を行った」とした。 これに対し、市議たちからは「暴挙」「二元代表制の否定だ」「全国の地方議会にあしき先例を残した」と強く憤る声が続いた。 特に問題視されたのが、同委員会が専門家の意見を聴くため参考人招致を決めたのを、先延ばしと市長側がとらえたことだった。 「民主的な議論の妨害。子育て支援の公共施設廃止にかかわる重大事を、議決を経ずに決めるとは」(渡辺大三市議) この日の全員協議会は継続となり、10月3日に再開となった。 廃園をめぐる紛糾の背景には… この記事は有料記事です。残り1049文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
丘一面、風に揺れるレモン色 国営昭和記念公園のキバナコスモス
山本裕之2022年9月30日 21時30分 東京都立川市と昭島市にまたがる国営昭和記念公園で、約400万本のキバナコスモスが見頃を迎えている。 秋の青空の下、「レモンブライト」と呼ばれる品種が丘一面に広がっている。大勢の観光客が、風に揺れるレモン色の花を見つめて楽しんでいた。 同園のキバナコスモスは約1ヘクタールの面積を誇り、東京都内では最大級の広さ。天候にもよるが、10月中旬まで花を見られそうだ。 植物グループ担当の引田悠一郎さん(29)は「今年は例年と同じく7月に種をまきましたが、当初の降水量が少なかった影響で、例年より背丈が短くなりました」と話す。また「開花時期が近づいた9月に、台風が2回も発生し、風の影響で茎が折れないか心配でしたが、無事に咲いてくれました。背丈が短かったおかげかもしれません」とほっとした様子だった。(山本裕之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
笹子トンネル事故 中日本高速が遺族説明会「事故の教訓を次世代に」
古城博隆2022年9月30日 22時00分 中央自動車道の笹子トンネル(山梨県大月市)で2012年12月、天井板が崩落し、9人が死亡した事故で、中日本高速道路(名古屋市)は30日、安全対策に関する遺族説明会を開いた。事故から10年となるのを前に、社員教育の強化などを報告した。 説明会は13年から開かれ、今年は遺族9人が参加して中日本高速の研修施設「安全啓発館」(東京都八王子市)であった。 施設は昨春に完成し、崩落した天井板や事故車両、犠牲者の遺品などを展示している。小室俊二社長は、施設を使った研修を本格的に始めたことを報告。事故後に入社した社員が3割を超えているとして、「事故の尊い教訓を決して風化させずに次の世代に確実に伝えていく」と述べた。 次女の友梨さん(当時28)を亡くした石川信一さん(73)=神奈川県横須賀市=は説明会後の取材に、現場の社員と対話する機会を設けてほしいと求めたところ、「前向きに検討する」と回答があったと明らかにし、「遺族の本音を伝えたい」と話した。(古城博隆) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
盛り土規制の区域設定に手順案 国土交通省が自治体に通知
大規模な盛り土が起点になった昨年7月の静岡県熱海市の土石流災害を受け、国土交通省は、盛り土の規制区域の設定などについて手順案をまとめ、関係自治体に30日、通知した。自治体は来年5月と見込まれる盛土規制法の施行に向け、先行して準備を進める。 盛土規制法は、宅地造成等規制法を抜本改正して5月に成立した。盛り土の崩落が被害を及ぼし得るエリアを規制区域に指定し、一定規模の盛り土に許可や届け出を求める。 規制区域は①市街地や集落か… この記事は有料記事です。残り396文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「大阪府警は危機的状況」 留置場自殺、相次ぐ警官逮捕、パワハラ…
五十嵐聖士郎2022年9月30日 19時00分 大阪府警は9月30日、秋の人事異動に伴う新体制を迎え、府内全66署の署長を集めた署長会議を府警本部で開いた。留置場で被留置人が自殺した問題のほか、警察官の逮捕が相次いでいることから、野村護(まもる)本部長が「危機的状況にあることを認識してもらいたい」と訓示するなど、厳しい注文がついた。 福島署では9月1日、殺人容疑で逮捕されていた被留置人が留置場で自殺を図り死亡。この経緯について府警留置管理課が報道陣に虚偽の説明をしていたことも明らかになっている。さらに今年3月以降、府警の警察官が酒気帯び運転や盗撮、わいせつ行為などの容疑で6人逮捕されている。 署長会議では冒頭、高瀬桂子・府公安委員長がこの問題を取り上げ、「府民の疑念と怒りと失望を招き、府警に対する信頼が揺らいでいることを重く受け止めている」と述べた。その上で「今の府警は正念場にあることを強く認識してほしい」と注意喚起した。職員の言動に関する苦情も多いとし、適切な対応も求めた。 続いて訓示した野村本部長は、署幹部によるハラスメント事案にも触れ、「府警を取り巻く状況は大変厳しく、危機的状況にある」との認識を示した。8月には前の枚方署長が、複数の部下にセクハラとパワハラをしたとして本部長訓戒の処分を受け、依願退職している。(五十嵐聖士郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル