有料記事 聞き手・貞国聖子2022年9月21日 17時03分 福岡県で2020年、当時5歳の男児が餓死した事件で、保護責任者遺棄致死の罪などに問われた女に対し、福岡地裁が21日、有罪判決を言い渡した。女は男児の母親の「ママ友」。女に先立ち言い渡された男児の母親に対する判決は、ママ友から生活全般を実質的に支配された側面もあると指摘していた。ママ友関係の悩みなどを研究してきた奈良女子大学の中山満子教授(社会心理学)に、ママ友との付き合い方などを聞いた。 ――ママ友の女が男児の母親の生活に入り込んで支配し、子どもを餓死させるという衝撃的な事件でした。 「今回の事件では、新聞やテレビの見出しに『ママ友』という言葉が繰り返し載りました。ママ友で、変わった人がいるという話を聞くのは珍しくありません。夜、突然電話してきて『私はねたまれているの』と話し始めたり、仲良くしていたと思ったら突然キレ始めたり」 「もちろんママ友という関係性はありますが、ママ友という関係性自体が事件の原因になったという見方はしないほうがいいでしょう。ママ友以外にも家族や恋人など親しい関係はあり、従属的な関係になることはあるからです。どんな人と付き合っていたか、だと思います」 ――ほかの人間関係に比べて、ママ友の関係性の特徴はありますか。 「友人関係は①自発性②対等… この記事は有料記事です。残り1110文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「札幌五輪の賛否拮抗、東京五輪汚職も影響」 秋元・札幌市長
日浦統2022年9月21日 17時30分 2030年冬季五輪・パラリンピックの札幌開催について、朝日新聞の9月の世論調査で道内では「反対」が「賛成」を上回ったことについて、札幌市の秋元克広市長は21日の定例会見で、「東京大会を巡る(五輪とカネを巡る)疑惑も影響しているのではないか」との認識を示した。 秋元市長は3月に市が市民・道民を対象に行った意向調査でも「反対理由は経費の問題が多かった」としたうえで、「懸念を払拭(ふっしょく)するため、30年大会は必要最小限の経費で効率的な大会運営を目指す。招致の段階からクリーンな大会にしていくことを明らかにしていく」と述べた。 国際オリンピック委員会(IOC)による30年大会の開催地の内定時期が年内から年明けにずれこむとの見方については「IOCからは何も言われていないのでこれまで通り年内の前提で進めていく」と述べた。改めて調整中のIOCのバッハ会長との会談は「現時点で具体的な日程は決まっていない」と語った。(日浦統) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ママ友」被告の主張ことごとく退け 母親より重い求刑通りの判決に
有料記事 中山直樹、板倉大地2022年9月21日 17時32分 福岡県篠栗町で2020年4月、5歳の男児が餓死した事件。保護責任者遺棄致死の罪などに問われた母親の「ママ友」、赤堀恵美子被告(49)に求刑通り懲役15年の判決が言い渡された。福岡地裁は、男児の保護者に当たらない「ママ友」の主張をことごとく退け、母親の碇(いかり)利恵被告(40)=同罪で懲役5年、控訴中=の共犯と認定した。 冨田敦史裁判長は、亡くなった碇翔士郎ちゃんについて、「この飽食の時代にあって、ごく少量の食事しか与えられず、頼るべき母親から十分な保護を受けられなかった。つらく悲しい気持ちは計り知れない」と述べた。 赤堀被告と碇被告の出会いから、翔士郎ちゃんが亡くなり、碇被告に判決が言い渡されるまで。事件の経緯を記事後半で紹介しています。 赤堀被告には、「これだけの罪を犯しながら、不合理な弁解や責任を転嫁する供述を繰り返し、自らの責任に全く向き合っていない」と断罪した。 赤堀被告は公判で、「(食事制限などの)指示はしていない」と起訴内容を全面的に否認し、無罪を主張。しかし、判決は、碇被告とその子への強い支配が翔士郎ちゃんの餓死につながったと認めた。 また、赤堀被告は、食事の制… この記事は有料記事です。残り1269文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
盛り土規制条例違反の疑いで初摘発 熱海の土石流事故受け7月施行
小山裕一2022年9月21日 14時43分 静岡県知事と富士宮市長の許可を得ないで市内の山林に盛り土をしたとして、県警は21日、残土処分会社社長の加藤肇容疑者(55)=伊東市岡=ら3人を県盛り土規制条例違反と市土砂埋め立て等規制条例違反の疑いで逮捕し、発表した。県条例は同県熱海市の土石流災害を受けて7月に施行されたもので、初めての摘発という。県警は3人の認否を明らかにしていない。 発表によると、3人は2018年4月~今年7月、富士宮市内野の山林で、県や富士宮市の許可なく盛り土をした疑いがある。 県警によると、盛り土は少なくとも山林の4900平方メートルに土砂1万立方メートルが積まれていた。5月にのり面が崩落し、6月に富士宮市の条例が、7月に県条例が施行されてからは県と市が条例に基づき盛り土をしないよう中止命令を出したが従わなかったという。 県条例は、盛り土の規制や監視を強化するため、盛り土を知事の許可制とし、罰則を強化。罰則は地方自治法上限の懲役2年以下または罰金100万円以下に引き上げた。 ほかに逮捕されたのは、残土処分業の高橋信行(62)=静岡市清水区八木間町=、同下山優一(27)=富士市浅間上町=の両容疑者。(小山裕一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
松山でフェリーが防波堤に乗り上げる、1人けが 風にあおられたか
井潟克弘2022年9月21日 14時45分 21日正午ごろ、松山市の離島・中島の大浦港内で、同市の三津浜港行き中島汽船のフェリー「ななしま」(総トン数765トン)の船長から、「風であおられ、岸壁に接触した」と松山海上保安部に通報があった。松山海保によると、フェリーが出港時に方向を変えようとした際、船首部分が防波堤に乗り上げ、動けなくなったという。乗客45人のうち、男性1人が腰にけがを負った。 当時、現場には風速10メートルの北東風が吹いていたという。松山海保は業務上過失往来危険容疑で調べている。(井潟克弘) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡5歳児餓死 母親の「ママ友」赤堀被告に求刑通り懲役15年判決
中山直樹2022年9月21日 15時21分 福岡県篠栗町で2020年4月、碇(いかり)翔士郎ちゃん(当時5)が餓死した事件で、保護責任者遺棄致死の罪などに問われた母親の「ママ友」、赤堀恵美子被告(49)の裁判員裁判で、福岡地裁は21日、求刑通り懲役15年の判決を言い渡した。 冨田敦史裁判長は「重度の低栄養状態に陥っている被害者を認識しながら、(母親を)心理的な支配から解放せず、(被害者の)不保護を継続させた」などと述べ、保護責任者遺棄致死罪の共犯と認定した。 赤堀被告は、翔士郎ちゃんの母親の碇利恵被告(40)=同罪で懲役5年の判決、控訴中=の生活を支配する中で、翔士郎ちゃんへの食事の制限などを指示したなどとして起訴された。赤堀被告は裁判で、「指示はしていない」と全面的に否認していた。 裁判で検察側は、赤堀被告が碇被告に送っていたLINEの内容などから、赤堀被告が翔士郎ちゃんへの虐待や食事制限を命じていたと指摘。「赤堀被告が支配的な立場に立ち、それを最大限利用していた」と主張した。 一方の弁護側は、碇被告を支配して翔士郎ちゃんを餓死させる動機がないなどとし、無罪を訴えていた。(中山直樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
置き去り対策グッズの効果は 通園バスで検証、ブザー聞こえない例も
佐藤英彬2022年9月21日 12時18分 静岡県牧之原市の認定こども園で3歳の女児が通園バスに置き去りにされ死亡した事故を受け、磐田市は20日、車内の子どもが周囲に知らせるためのブザーや旗など対策グッズの使い方や効果を検証した。草地博昭市長も立ち会い、今月中にも市内の保育園で対策を進める考えを示した。 検証は、磐田市の幼保連携型の認定こども園「福田(ふくで)こども園」(同市福田中島)のバスで実施された。市が準備したブザーは、ひもを引くと鳴る防犯ブザーと無線式の2種類。防犯ブザーは130デシベルの大音量だったが、ドアを閉めた状態で車両から距離を置くと、音はほとんど聞こえなくなった。 一方、無線式のブザーは、バスから約50メートル先の保育園施設に音がなる親機を設置。車両のドアを閉めた状態でも機器を通じて室内に音が響き、市としても効果を実感していた。 草地市長は終了後、報道陣の取材に「絶対に起こしてはいけない事故だと改めて決意を新たにした。ヒューマンエラーがある前提で、二重三重の防御策を考えていきたい」と語った。磐田市内の保育園などで通園バスを運用しているのは計6園。バスの駐車位置や周辺環境がそれぞれ異なるため、他でも検証を進め対策を講じる考えだ。 また市はこの日、各園のバス乗降時の園児の確認方法など現地調査も実施し、安全を確認したという。(佐藤英彬) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
詐欺罪で起訴された吉羽美華被告に辞職勧告決議 寝屋川市議会
独立行政法人「福祉医療機構」(WAM)の新型コロナウイルス対応の融資制度をめぐる詐欺事件で、福岡地検に詐欺罪で起訴された大阪府寝屋川市議の吉羽美華被告(42)について、寝屋川市議会は21日、議員辞職勧告決議案を全会一致で可決した。決議に法的拘束力はない。 決議の内容は今後、市議会側が弁護士を通じて吉羽被告に伝えるという。決議議案は、ねやがわ未来議員団、公明党市会議員団、大阪維新の会議員団の3会派が共同提案した。 決議では「『公人の立場を利用し詐欺行為を行った』とする事実を以(もっ)て起訴されたことは、甚だ遺憾」としたうえで、「社会的影響の重大性、また、市民から本市議会への信用を著しく失墜させたことに鑑み、辞職を勧告する」とした。 北川光昭議長は、報道陣に「… この記事は有料記事です。残り221文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中央区、新宿区に続く中野区 都内住宅地、基準地価の上昇率
笠原真2022年9月21日 12時30分 東京都は20日、土地取引の指標となる基準地価(7月1日時点)を公表した。都内全域の平均変動率は前年比1・7%のプラスで、10年連続の上昇となった。コロナ禍による行動制限などが影響し、昨年9年ぶりにマイナスだった都内商業地もプラスに転じた。続く上昇傾向について、都は「東京は政治経済の中心地であり、物価が高くなる中でも土地の需要は底堅い」とみている。 都は都内1285地点を調査し、各地点の地価を毎年公表している。昨年、前年比で地価上昇したのは433地点だったが、今年は1041地点に増加。下落地点は昨年の365地点から57地点に減った。全体の上昇率で見ると、区部は2・2%、多摩地区は1・1%だった。 商業地は2・0%の上昇。昨年は0・3%の下落だった。区部は2・2%(前年は▼0・3%)、多摩地区は1・5%(同0・0%)で、区部の上昇が目立った。商業地の地価でコロナ禍の影響を特に受けてきたのは都心部だったが、昨年はマイナスが目立った千代田、港、新宿の各区も今年は上がった。 23区で唯一上昇しなかったのは中央区。前年比0・0%(昨年は▼1・9%)だった。都の担当者は「回復傾向にはあるものの、これまで都心部の地価上昇に寄与してきたインバウンドや飲食店の需要が、十分に戻っていない(ことが影響している)」とみる。 住宅地は都内全体で1・5%の上昇(昨年は0・2%)。区部で上昇率が最も高かったのは中央区(4・0%)で、有楽町線と大江戸線があって便利な月島、東京五輪・パラリンピックの選手村だったマンション群がある晴海などのエリアが人気で、上昇を支える。これに続くのは、電車の主要路線が多く利便性の高い新宿区(3・7%)、中野駅前の再開発が進む中野区(3・3%)など。多摩地区では国立市(2・7%)や武蔵野市(2・6%)も堅調だった。都担当者は「いずれも中央線沿線で都心部へのアクセスが良い。武蔵野市は吉祥寺というブランドもあり、人気が根強い」と話す。 住宅地で下落したのは、多摩地区の東大和市や日野市などの地点。斜面造成地や駅から離れた場所が主に下がったという。こうした場所では人口減少や高齢化が進んでいるという。(笠原真) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元浜岡町長の鴨川義郎さん死去 浜岡原発の誘致と建設を推進
大平要2022年9月21日 8時01分 旧浜岡町長を3期務め、中部電力浜岡原子力発電所の建設を推進した鴨川義郎(かもがわ・よしろう)さんが17日、亡くなった。95歳だった。通夜の一般焼香は21日午後6時から御前崎市池新田2518の1のこすもすホールはまおかで開く。葬儀は近親者で営む。喪主は長女の典子さん。 旧浜岡町の幹部として浜岡原発を担当。1975~87年に町長を務めて建設を推進し、1号機から4号機まで関わった。原発誘致による財政の立て直しを掲げ、中部電からの寄付を受けて浜岡病院(現・御前崎総合病院)の開院にも力を入れた。 退任後も首長選びに影響力を発揮した。鴨川さんに仲人をお願いしたという御前崎市の柳沢重夫市長は、「地域が貧しい時代に苦労してくれた方。原発に対する住民の意見は様々だが、その努力なしに、今の御前崎市はなかった」と悼んだ。(大平要) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル