大阪府高槻市の会社員女性(当時54)への殺人容疑などで再逮捕された養子の高井凜容疑者(28)が自殺をほのめかす内容を便箋(びんせん)に書き残し、死亡する2日前に署員が確認していたことを2日、府警が明らかにした。確認後に監視を十分に強化しておらず、府警の情報共有に不備があった可能性がある。 府警留置管理課によると、自殺をほのめかす内容の便箋は両親らに宛て、数枚にわたってつづられていたという。署員が8月29日午後6時50分ごろ、高井容疑者の単独居室から回収したノートに挟まれていた。留置場では毎日同7時ごろに不要な物品を回収していた。 署員がノート内の便箋の内容を確認したのは翌30日午前0時過ぎ。報告を受けた署の当直責任者は「注意して(容疑者を)見るように」と指示した。同日夜からは巡視を強化し、1時間に4回以内だった見回りを、署長の指示で5回程度に増やした。 高井容疑者はこの2日後の9… この記事は有料記事です。残り1916文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
堺の父弟殺害公判 父の死因をめぐる中間論告・弁論 主張分かれる
安井健悟2022年9月2日 20時07分 堺市で2018年、父親と弟を殺害したとして、殺人罪などに問われた無職足立朱美被告(48)=同市南区=の裁判員裁判で、父親の死因をめぐる中間論告・弁論が2日、大阪地裁であった。検察側はインスリン投与による低血糖脳症などと主張し、弁護側は末期がんで死亡したと反論。殺人事件か病死かで双方の主張が分かれた。 検察側は、足立被告が18年1月、同市中区の実家で父親の富夫さん(当時67)に多量のインスリンを投与したため、富夫さんは低血糖脳症を発症して寝たきりとなり、がんの適切な治療を受けられなくなったと指摘。「栄養の摂取が困難になり、誤嚥(ごえん)性肺炎を発症して衰弱し、死亡した」として、インスリンの投与に伴う殺人事件だと主張した。 一方、弁護側は中間弁論で、富夫さんの状態は改善していたとし、誤嚥性肺炎による衰弱を否定し「家族が栄養の減量を希望し、富夫さんが延命治療を望まなかった」とし、がんによる病死だと反論した。 これまでの公判では、富夫さんの死因をめぐり、5人の証人が出廷した。 富夫さんの主治医は、検察側の証人として証言。富夫さんが誤嚥性肺炎を発症しなければ「抗がん剤治療で2年以上の余命が期待できた」と述べ、インスリンの投与が死亡に影響した可能性を示唆した。 一方、富夫さんのカルテを確認した脳神経内科医は、弁護側の証人として「たんを無理やり吸引したことで、誤嚥性肺炎になったのではないか」と述べ、インスリンの投与と死亡の関連に疑問を投げかけた。 足立被告は、弟の聖光さん(当時40)を睡眠薬で眠らせ、トイレで練炭を燃やして一酸化炭素中毒で殺害したという殺人罪などにも問われた。次回公判からは、2人の死亡が足立被告の犯行によるものかが審理される。(安井健悟) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
開業いよいよ 西九州新幹線 地震、故障などを想定した訓練を実施
岡田真実2022年9月2日 20時19分 地震や故障などに備えるため、西九州新幹線(武雄温泉―長崎)で2日、訓練があった。JR九州は長崎、佐賀県警や消防と異常時の対応を確かめた。 車両故障の想定では、救援列車を停止中の新幹線車両の横にぴたりとつけ、渡り板を設置。乗客役のJR九州社員約50人を移動させた。 社員同士の連絡で詰まるところもあったが、23日の開業に向けて、手順をあらためて見直すという。新幹線「かもめ」の巣立ちはもうまもなく。(岡田真実) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
萩原朔太郎賞に川口晴美さん「朔太郎における『絶望』に近い」と評価
優れた現代詩に贈られる第30回萩原朔太郎賞(前橋市など主催)の選考委員会が2日、同市であり、詩人の川口晴美さん(60)の詩集「やがて魔女の森になる」(思潮社)が選ばれた。「コロナ禍の現代における『私』を見つめ、年を重ねる自分を融通無碍(むげ)に柔らかくとらえている」などと評価された。11月に贈呈式がある。 川口さんは「小さないくつもの声に光があてられたような気持ちです」とのコメントを出した。 コロナ禍で深まる孤立に迫る 「私だったかもしれない誰かの声を詩で掬(すく)い取りたいと思った」。現代最高の詩人に与えられるといわれる「萩原朔太郎賞」(前橋市など主催)に自身の詩集が選ばれた川口晴美さん(60)=東京都=は2日、関係者を通じてコメントを発表した。そこにはコロナの時代に生きる表現者の内なる切々とした思いがうかがえる。 川口さんは福井県小浜市生まれ。早大卒。2016年には詩集「Tiger is here.」で第46回高見順賞を受賞した。 今回の「やがて魔女の森にな… この記事は有料記事です。残り415文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大雨の中、田んぼ見に行った70代女性が不明 奈良・桜井
米田千佐子2022年9月2日 23時00分 奈良県は2日、大雨の影響で同県桜井市の70代女性が行方不明になったと発表した。県警などによると、女性は同日午後、田んぼの様子を確認に行ったきり帰宅せず、午後5時20分ごろ110番通報があった。 用水路付近に傘が残されており、警察と消防が捜索したが女性を発見できなかった。午後7時半に捜索は終了し、3日午前7時に再開する予定。 桜井市には2日午後、大雨注意報が出ており、当時は激しい雨が降っていたという。(米田千佐子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
陳謝文拒む共産市議の訴え認め、処分差し止め 地裁、議長批判めぐり
渡辺七海2022年9月2日 23時41分 奈良県香芝市の青木恒子市議(共産)が、自身の発言をめぐり「市議会から出席停止処分を受ける可能性がある」として、市を相手取り、処分をしないよう求めた仮処分申し立てについて、奈良地裁(寺本佳子裁判長)が市議の訴えを認め、処分を差し止める決定をした。市議の代理人弁護士が2日、明らかにした。 決定などによると、市議会福祉教育委員会で昨年12月、川田裕議長が、国民健康保険窓口などを訪れる市民に議員が同行することは禁じられているという趣旨の発言をした。青木市議は「政治倫理条例の何条に入ってるんでしょうか、議長」と発言。休憩が宣言された後も「議員に対する圧力だというふうに私は今、感じました」「パワハラのように聞こえた」などと述べた。 こうした青木市議の発言について、別の市議らから「議長に対し、公然と誹謗(ひぼう)中傷したと受け止められるおそれのある発言だ」などとして懲罰動議が出され、懲罰として議場で陳謝文を朗読するよう求められた。「内心の自由に反する内容だ」として拒んだところ、その後も3回、朗読を求められ、いずれも拒否した。 市議会懲罰特別委員会は今年8月、4回目の朗読拒否は「8日間の出席停止にあたる」と決定。9月5日の本会議で懲罰動議が審理される予定だったため、処分の差し止めを求めていた。 決定は、陳謝文のうち、それまでの経緯を記した部分について、青木市議の評価とは異なる表現が含まれており「内心の自由に関わる」と指摘。市議会の規則では「陳謝は議会の決めた陳謝文によって行う」と定められているため、一部のみを朗読する選択肢はなく、拒否したことは「やむを得ない側面がある」とし、出席停止処分は市議会の裁量権の範囲を超えると結論づけた。 青木市議は2日、記者会見し「懲罰が見せしめのようになり、議員が自由に発言できなくなるのは問題だ」と強調。代理人の宮尾耕二弁護士は「多数派の力に任せた横暴に警鐘をならす結果だ」と評価した。 川田議長は「内容を精査できておらず、現時点で詳細なコメントはできない」とするコメントを出した。(渡辺七海) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ホテルの目の前にダンプカー3台…台風に備え、宮古島で厳戒態勢
有料記事 釆沢嘉高、豊島鉄博2022年9月2日 20時30分 台風11号が近づく沖縄・宮古島では2日午後、街路樹が大きく揺さぶられるほどの強風が吹き始めた。食料品を買っておくほか、店舗の窓枠に板を張り付けるなど、それぞれ最接近への備えを進めていた。 宮古島市内のホテル「サザンコースト宮古島」では、強風によって入り口の自動ドアが外れてしまうのを防ぐため、目の前に3台のダンプカーを停車させている。ホテルの関連会社が所有する車両で、7~8年前から台風への対策として活用しているという。担当者は「ホテルの周囲にある自転車など、風で飛ばされそうなものはすべて撤去し、備えるべきことは備えた。あとは大雨にならなければいいが……」と話していた。 沖縄県内の空港を発着する空… この記事は有料記事です。残り289文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
感染症危機で行政の権限強化 政府のコロナ対策本部 秋以降に法改正
政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は2日、コロナ禍の反省と教訓を踏まえ、次の感染症危機に向けた具体策をまとめた。行政の権限を強めることで、感染拡大期の医療体制の確保や水際対策をより確実にすることをめざす。新たに司令塔役を担う「内閣感染症危機管理統括庁(仮称)」も2023年度に新設するとした。 コロナ禍では、病床や外来医療は各病院への要請にとどまり、十分に確保できないという問題が起きた。患者が入院できず自宅で亡くなるケースも相次ぎ、今年6月に開かれたコロナ対応を検証する政府の有識者会議でも指摘された。 そこで、都道府県と医療機関… この記事は有料記事です。残り447文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
老朽マンション、「所有者不明」で工事できず 決議要件緩和を検討へ
老朽化したマンションの建て替えや共用部分の工事を円滑に進めるため、葉梨康弘法相は2日、区分所有法の見直しを法制審議会に諮問すると明らかにした。所有者が多数決で決議する要件の緩和を検討する。 背景には、老朽化マンションの急増がある。築40年超のマンションは昨年末時点で116万戸あり、20年後には3・7倍の425万戸が見込まれている。さらに、部屋の所有者の高齢化が進み、死亡後に誰も住まないなどの「所有者不明」事例が増える恐れもある。 分譲マンションでは、建て替えや、通路や外壁といった共用部分を工事する場合、所有者による集会を開いて多数決を取る必要がある。賛否を明らかにしない所有者は反対と扱われる。 所有者不明のケースが増えれば、老朽化して危険な状況でも工事に着手できない事態が生じかねない。 検討される仕組みは このため、法制審では「公的… この記事は有料記事です。残り156文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マスク拒否乗客を途中下車させる 伊豆箱根バスを車両の使用停止処分
道路運送法に違反してマスクの着用を拒んだ乗客を途中下車させたとして、国土交通省中部運輸局は1日、乗り合いバス事業者「伊豆箱根バス」(静岡県三島市)に対し、中型バス車両2両の使用停止を命じる行政処分を出した。期間は25日間。マスク着用をめぐるトラブルが原因の乗り合いバス事業者の停止処分は全国で初めてという。 局や同社によると、4月7日午前10時10分ごろ、観光施設「伊豆・三津シーパラダイス」(同県沼津市)と伊豆長岡駅(同県伊豆の国市)を結ぶ路線バスで、運転手が伊豆の国市内の停留所から乗車した客がマスクを着用していないことに気づいた。車内放送で着用に協力を求めたが、応じないため、別の停留所を通過した地点で降ろしたという。 乗客側から苦情が寄せられ、局が4月22日、同社三島営業所に監査に入った。正当な理由がなく、拒絶することはできないとする道路運送法に違反すると判断。事業者として運転手の指導監督が不適切だったとした。運送約款で拒絶できる理由として明記していなかったという。 同社によると、この路線では沿線の大学病院を利用する乗客が多く、当時は25人が乗車していた。運転手は社内の聞き取り調査に対し、他の乗客に配慮したと説明した。降ろした乗客は同社が手配したタクシーで目的地に向かったという。 予備車両もあり、処分後も路線バスの運行に影響はないという。広報担当者は「運転手が独断で対応したが、今回の対応は誤りで、指示も徹底していなかった。再発防止に努める」と話す。 中部管内では、新型コロナの感染拡大を受け、タクシー事業者が運送約款を見直すなどしてマスク着用をめぐる対応に乗り出す一方、バス事業者ではあまり進んでいないという。(床並浩一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル