徳永猛城、屋代良樹2022年10月26日 5時00分 全国の家裁で少年事件の記録の廃棄が相次いで発覚するなか、京都府亀岡市で2012年、無免許運転の車が集団登校の小学生らの列に突っ込み、10人が死傷した事故を巡り、保護処分を受けた少年らの記録を京都家裁が廃棄していた。家裁が25日、取材に対して明らかにした。 この事故に関連して、少年6人が道路交通法違反(無免許運転)などの容疑で逮捕され、運転をしていた少年ら3人は検察官送致(逆送)を経て起訴され、懲役5~9年の不定期刑や執行猶予つきの有罪判決、罰金刑を受けた。残る3人については、少年法に基づき、家裁が保護観察や中等少年院送致の保護処分とした。 家裁によると、19年2月~21年3月、保護処分を受けた少年3人の記録などを廃棄していた。逆送した3人についても、京都地検に送付していなかった家裁調査官の調査記録を廃棄していた。家裁が廃棄理由などを調査している。 事故の遺族らは、無免許など悪質な運転の厳罰化を求めて署名活動などを展開した。13年に成立した自動車運転死傷行為処罰法では、無免許運転で死傷事故を起こした場合に刑が重くなる規定が盛り込まれた。 この事故で妊娠7カ月の長女・松村幸姫(ゆきひ)さん(当時26)を亡くした中江美則(よしのり)さん(59)は取材に対し「法整備にもつながった事案なのに、遺族に連絡せずに廃棄した姿勢に落胆している。次の犠牲者を出さないためにも、次世代が参考にできるよう記録を保管すべきだ」と話した。(徳永猛城、屋代良樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会調査、「年内着手」へ急ぐ文化庁 教団は「改革」強調
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への「報告徴収・質問権」行使に向けた有識者会議の初会合が開かれ、教団の解散請求を視野に入れた政府の手続きが始まった。一方、教団は「改革」を訴えイメージの一新に躍起だ。 「年内のできるだけ早いうちに」 「旧統一教会に対して、報告徴収・質問権を適切に行使すべく、手続きを進める所存だ」 宗教法人法に基づく「報告徴収・質問権」行使に向けた文化庁の有識者会議が開かれている最中の25日午前、永岡桂子文部科学相は記者会見で、この権限を使った初の調査への着手に強い意欲を示した。 岸田文雄首相が国会で報告徴収・質問権を行使し、教団を調査する考えを示したのは今月17日。永岡文科相も国会で「年内のできるだけ早いうちに権限を行使」と期限に触れ、権限行使にあたっての基本的な考え方や基準を明確化するために有識者会議を設置すると表明した。以降、宗教法人を所管し、一連の問題を取り扱う文化庁の作業は急ピッチで進んでいる。 25日の有識者会議の冒頭、文化庁の合田哲雄次長は「次回の会議で一定の方向性を共有したい」と日程に言及。会議後の文化庁の説明によると、有識者からは「信教の自由に配慮することが大事」との意見もあったが、質問権の行使や基準策定に大きな異論は出なかった。また、「(宗教法人法が解散要件に定める)『法令違反』には民法の不法行為も入る」と、これまでの政府の見解に沿った意見も出たという。 文化庁の担当者は、早ければ… この記事は有料記事です。残り1529文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
柔道整復師試験、他の専門学校にも試験問題漏洩か 理事ら再逮捕へ
高嶋将之、山口啓太2022年10月26日 5時00分 今年3月にあった柔道整復師の国家試験内容を宮城県内の専門学校に漏洩(ろうえい)したとして逮捕された公益財団法人理事ら2人について、警視庁は、他の専門学校にも情報を漏らした疑いが強まったとして柔道整復師法違反容疑で26日に再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。 捜査関係者によると、公益財団法人「柔道整復研修試験財団」(東京都港区)理事の三橋裕之容疑者(64)と試験委員の黒田剛生容疑者(62)は共謀して今年3月、公益社団法人日本柔道整復師会の関係者を介して東京都と神奈川県内の専門学校に試験問題に似た模擬試験問題三十数問を教えた疑いが新たに持たれている。 黒田容疑者については昨年10月、自身が講師を務める東京都内の専門学校1校に試験問題に関する情報を漏らした疑いもある。 黒田容疑者は、実際に出題する問題を選ぶ会議に参加して試験問題全体を把握できる立場で、携帯電話を使って録音した会議のやりとりを三橋容疑者と共有していたという。警視庁は、専門学校側がこの情報をどう活用したか詳しく調べている。(高嶋将之、山口啓太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
那覇軍港の浦添移設計画、国と地元が合意 48年前の日米合意後膠着
米軍那覇軍港(那覇市、約56ヘクタール)の沖縄県浦添市への移設計画をめぐり、国と県、那覇市、浦添市は25日の移設協議会で、代替施設の位置と形状案について合意した。沖縄の玄関口に位置する軍港返還は沖縄の日本復帰からまもない1974年に日米が合意したが、移設が条件とされ、膠着(こうちゃく)状態が続いてきた。4者が一致したことで移設作業は本格化する。 返還時期は日米が2013年に「28年度以降」で合意している。県は、代替施設完成まで少なくとも17年かかると試算している。 協議会はオンライン開催で、冒頭のみ公開された。移設計画は、那覇市の北隣に位置する浦添市の西海岸沖合を埋め立て、約49ヘクタールの代替施設を造るというもの。3月の前回協議会で代替施設の位置や形状について、防衛省が米側と調整した案を地元に提示していた。協議会後の県担当者の説明によると、この日は示された案について県と両市などが了承。また、県からは、移設によって機能強化がされないよう求めた。 那覇軍港では今年2月に米軍… この記事は有料記事です。残り857文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
膨張する大阪・関西万博、円安が追い打ち 相次ぐ建設・整備費の増大
2025年大阪・関西万博の建設工事費が、円安などによる資材高騰で膨らんでいる。大阪府などが出資するパビリオン(展示館)の費用は当初想定よりも約1・5倍に。25日から万博に参加する国、地域が集まる初の国際会議が始まり、来年度には工事が本格化するが、今後さらなる費用の上ぶれも懸念されている。 21日に開かれた大阪府議会の総務常任委員会。吉村洋文知事は、大阪府・市などが出資する「大阪ヘルスケアパビリオン」の建設費が約1・5倍になったことを受け、「コストダウンに努めてもなお、約41億円の増額が必要になった。府民、市民に多額の追加負担を求めるもので、重く受けとめている」と陳謝した。 当初想定の建設費は74億円。だが、9月に第一優先交渉権者に選ばれた竹中工務店の提案額は、2倍をはるかに超える195億円だった。府・市は屋根素材の一部をガラスから透明な膜に、木材を鉄骨に変えるなどして115億円に抑え、補正予算案を議会に提出。このうち111億円は府・市が折半で負担し、残りの4億円は民間からの協賛金をあてることになった。 建設費が膨らんだ要因の一つが、資材費の高騰だ。ウクライナ情勢に伴うエネルギー価格の上昇や急激な円安が背景にある。 一般財団法人・経済調査会(東京都)によると、大阪市での工事で使った15年度の建設資材費を100とした場合の価格指数は、今年9月に165・6に。柱などに使う鋼材やコンクリートなどの値上がりが続いている。今回の建設費の増大では府、市などの見通しの甘さが指摘されている。 ■会場建設費1850億円に影… この記事は有料記事です。残り1112文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
渋谷の美竹公園が利用禁止に 閉め出された生活者らは反発
東京都渋谷区は25日、渋谷駅に近い区立美竹公園を利用禁止にし、仮囲いを設置した。公園で生活していた人たちは閉め出されたという。公園を含めた敷地に複合施設を整備する計画があり、区は「工事の準備をする必要があり、公園管理者の判断で利用禁止とした」と説明。支援団体は「いきなり封鎖して出ていかせるのはひどい」と反発している。 区は公園利用禁止の措置を25日早朝から始めた。目撃者によると、多数の区職員や警備員らが訪れ、仮囲いを設置したという。区は、公園で生活していた4人のうち3人を区の借り上げアパートに案内したとし、「4人には丁寧に声がけした。これまでも公園で生活をする人に対しては福祉的アプローチを行ってきた」と説明した。 一方、公園生活者を支援する男性は午前6時40分すぎ、生活する一人から公園封鎖の連絡を受けた。「事前の告知もなく、いきなりの封鎖だったようだ。意味が分からない」。公園は炊き出しや生活支援の場にもなっていたことから、公園前では利用禁止に反対する人たちが夜まで抗議の声を上げた。 区によると、美竹公園には隣… この記事は有料記事です。残り232文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Bouddhisme : « Derrière la réception médiatique des abus se cachent tant de choses à évoquer… »
Des moines en promenade lors d’une tournée médiatique organisée par le gouvernement à Lhassa, au Tibet, le 31 mai 2021. HECTOR RETAMAL / AFP Le Français Clément Sans est récemment devenu moine zen, ordonné sous le nom de Tozan (« la montagne du pêcher »). Chaque mois, il nous envoie une lettre qui […]
「手を汚さず犯行に」 闇サイトで殺人依頼の男に懲役19年の判決
平川仁、武井風花2022年10月25日 21時48分 宮城県柴田町の毛利哲雄さん(当時74)が2020年9月に自宅で刺殺された事件で、インターネット上の「闇サイト」で殺害を依頼したとして殺人罪に問われた元建設作業員岩見尭明被告(29)=同県山元町=の裁判員裁判の判決が25日、仙台地裁であった。中村光一裁判長は「自らの手を汚すことなく犯行に導いた責任は免れない」として懲役19年(求刑懲役20年)を言い渡した。 判決によると、岩見被告は、森満受刑者(46)=殺人罪で懲役19年の刑が確定=や「闇サイト」上の氏名不詳者と共謀して毛利さんの長男の殺害を計画。同年9月11日、森受刑者は人違いだと気づかず毛利さんの左胸腹部を包丁で突き刺すなどして殺害した。 争点は、闇サイトを通じて長男の殺害を依頼した岩見被告と、長男ではなく毛利さんを殺害した森受刑者との共謀が成立するかだった。中村裁判長は、森受刑者は犯行時、玄関から出てきた人物を「刺せば依頼者から報酬をもらえるターゲット」と認識し、人違いで毛利さんを刺したと認定した。弁護側は、森受刑者が「長男ではないかもしれないと認識していた」と無罪を訴えたが、退けた。(平川仁、武井風花) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
渋谷暴動、目撃証言の信用性は 無罪主張の大坂被告「官憲の創作文」
1971年に起きた渋谷暴動事件で警察官を殺害したとして、殺人罪などに問われた過激派「中核派」の構成員・大坂正明被告(73)の公判が25日、東京地裁で始まった。46年間の逃亡生活を経て逮捕された大坂被告は「無実であり無罪です」と起訴内容を全面的に否定した。 大坂被告は初公判の冒頭、準備した紙を読み上げ、「証拠とされた当時の参加者の供述調書は、取り調べを行った官憲による創作文でしかない」と述べた。公判中は落ち着いた様子で被告人席に座り、裁判資料に目を通していた。 起訴状などによると、大坂被告は71年11月14日午後、東京都渋谷区であった沖縄返還協定の批准に反対するデモに参加し、他の学生らと共謀して、警視庁渋谷署神山派出所付近で警察官3人に火炎瓶を投げてやけどを負わせたとされる。さらに、新潟県警から派遣されていた中村恒雄巡査(当時21)を鉄パイプで殴り、火炎瓶を投げつけて殺害したとされる。 デモ集団のどこにいたのか 検察側は冒頭陳述で、大坂被告は「神山派出所付近でデモ集団の先頭にいた」と説明。中村巡査を殴った後、デモ隊のリーダーとともに「殺せ、殺せ」と叫んでいた、とも述べた。さらに翌15日の集会では「機動隊1人をせんめつした」と演説したと指摘した。 一方、弁護側は冒頭陳述で全面的に反論した。 弁護側は、大坂被告は、途中で遭遇した警察車両を追いかけてデモ隊から遅れたと主張。再びデモ隊に戻るために急いだものの、神山派出所付近を通った時には、検察側が主張する警察官への暴行は既に終わっており、暴行や殺害には「一切関与していない」と訴えた。 翌日の集会で「せんめつした」などと演説した事実もないと反論した。 群馬の学生4人「現場で見た」 信用性が最大の焦点 大坂被告の関与を示す客観証拠が乏しい中、検察側は「被告が殺害現場にいるのを見た」という、デモに参加した他の学生4人の目撃証言を立証の柱にする。公判では、この証言の信用性が最大の争点となる。 4人は群馬県の学生で、渋谷… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
万引き後、店主をボンネットに乗せ逃走 強盗殺人未遂容疑で男逮捕
加藤真太郎2022年10月25日 22時15分 コンビニで万引きした後、追いかけてきた男性を車のボンネットに乗せたまま逃走し、路上に転落させて殺害しようとしたとして、群馬県警は25日、同県太田市の契約社員、増倉孝弘容疑者(60)を強盗殺人未遂の疑いで逮捕し、発表した。「違います」と容疑を否認しているという。 太田署によると、増倉容疑者は25日午前6時50分ごろ、同市泉町のコンビニで、自身で購入したSサイズのブラックコーヒー(販売価格110円)のカップに、より高価なカフェラテを注ぎ入れて盗み、駐車場に止めていた軽乗用車で逃走。追いかけてきて車のワイパーにしがみついた、コンビニのオーナー加治屋一男さん(74)を乗せたまま蛇行運転を繰り返し、転落させて殺そうとした疑いがある。 加治屋さんは頭を強く打って救急搬送され、外傷性くも膜下出血の重傷。搬送時は意識があったという。(加藤真太郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル