スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)のフラガール、ラウレア美咲さんには忘れられない光景がある。東日本大震災が起きた2011年の夏。高校生だったラウレアさんの地元・茨城県をフラガールが訪れた。市民祭りに参加した彼女たちは雨が降るなか、地元の人を前に笑顔で踊り続けていた。 「どんな状況でも、笑顔で踊り続けて格好いい」。フラダンス部で活動していたラウレアさんは、その姿に元気をもらった。震災で建物が壊れたハワイアンズは休館を余儀なくされ、フラガールは被災者の慰問や復興支援への感謝を込めた「きずなキャラバン」として、国内外125カ所を巡業中だった。 ハワイアンズを家族で訪れた幼い頃からフラガールが夢だった。中学2年生からフラダンス教室に通い始め、表現力を磨くため、震災当時は自宅から通え、演劇を学べる福島県いわき市内の高校に通っていた。 高校2年生の時、初代フラガ… この記事は有料記事です。残り716文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
張り込んでいたら、別の警察官が… 令状なしの「便乗捜索」は違法?
ある男が、拳銃を持っている――。 そんな情報を得て、大阪府警淀川署の捜査員2人は2019年7月、大阪市内のマンションで張り込んでいた。容疑者の男(55)の行動を確認するためだった。 しばらくすると、マンションに入っていく集団が目に入った。うち1人に職務質問をすると、意外な答えが返ってきた。 「京都府警だ」 京都府警と大阪府警 鉢合わせした捜査員 同じ男が恐喝未遂をした疑いがあるとして、京都府警もこのマンションを訪れていたのだという。 「自分たちも銃刀法違反の事件で捜査している」 京都府警のリーダー格の捜査員にそう説明し、拳銃を見つけたら確認させてほしいと依頼。上司を通じて了承を取り付けた。 室内に入った京都府警の捜査員は男を逮捕し、家宅捜索を続けた。 待つこと30分ほど。 「拳銃様のものを発見、押収した」 そう教えられ、了承を得たうえで室内へ。捜索で見つかった拳銃3丁を確認すると、このうち1丁が捜査中のものと同じだった。 両府警は翌8月、銃刀法違反(所持)の疑いで男を再逮捕した。男は恐喝未遂罪については不起訴(嫌疑不十分)となったが、銃刀法違反罪で起訴され、懲役9年の実刑判決が確定した。 だが、これで「一件落着」とはならなかった。 大阪府警の捜査員らがマンシ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
真っ白なままにしてほしいぜ…ボロボロのあしたのジョー、復活の技術
都内の一室。4畳ほどのスペースに、漫画家のちばてつやさん(83)は自身の原画を保管している。「数え切れない」(ちばさん)ほどの枚数が、壁際の棚にところ狭しと積まれている。 代表作「あしたのジョー」(高森朝雄さん原作)のあの名場面の原画もここにある。 「燃え尽きたぜ……真っ白にな」 リングのコーナーでいすに腰掛け、目を閉じてうなだれながらも笑みを浮かべる主人公の矢吹丈が描かれた一枚だ。 だが、何かがおかしい。ちばさんが説明した。 「この原稿は変色してボロボロになっています。今にも破れそうで危ない状態です」 ちばさんによると、ケント紙… この記事は有料記事です。残り1821文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Le Japon lance l’opération de la « dernière chance » pour rester dans la course aux semi-conducteurs
Yasutoshi Nishimura, ministre de l’économie, du commerce et de industrie, lors d’une conférence de presse, le 11 novembre à Tokyo. AP C’est l’opération de la « dernière chance » pour le Japon dans la guerre des semi-conducteurs. L’archipel a annoncé vendredi 11 novembre la création d’un champion national pouvant rivaliser avec les géants taïwanais […]
文科省が「図書館の自由」揺るがす依頼文 「拉致問題の本充実を」
文部科学省が全国の公立・学校図書館向けに出した1通の依頼文が波紋を呼んでいる。「拉致問題の関連本の充実」を求めるもので、内閣官房が文科省に依頼した。特定のテーマで国が図書館にこうした文書を送るのは初めてという。これに対し、公益社団法人・日本図書館協会は10月、「図書館の自由に関する宣言を脅かすものであると懸念する」などとする意見書を文科省に出した。 「北朝鮮当局による拉致問題に関する図書等の充実に係る御協力等について」 文科省が8月末、全国の公立・学校図書館あてに送った「事務連絡」だ。文書は、拉致問題の解決には「世論の一層の喚起が不可欠」だと指摘。12月10~16日の啓発週間に向けて関連本を充実させ、テーマ展示をするなどして、「児童生徒や住民が手にとりやすい環境の整備」に協力するよう求めている。 文科省地域学習推進課によると、図書館向けにこうした文書を出すのは初めて。「内閣官房拉致問題対策本部から頼まれたから」で、「図書館の自由を侵害する趣旨ではない。撤回予定はない」という。 拉致問題対策本部も「毎年力を入れている若者の啓発策だった。お願いにすぎず問題があるとは考えていない」との見解を示した。 図書館には戦前の反省から、独立や市民への責任をうたった「図書館の自由に関する宣言」がある。宣言では、「権力の介入または社会的圧力に左右されることなく、自らの責任に基づき資料の収集と提供を行う」などと明記している。 このため、図書館協会は依頼文について「外部からの圧力を容認し、主体的な取り組みを難しくする怖れがある」などとして「是認できない」としている。 現場の司書たちにも、危機感が広がっている。 千葉県の公立図書館で働く50代の男性司書は、9月、県から届いたメールで依頼文を知った。違和感を覚えた男性が司書の会議で議題にすると、戸惑いの声が上がった。 「国が依頼してくるのはどうなのか」「拉致問題は重要。本をそろえないということはないが……」 男性は「依頼文の通りに展示すれば『従った』ととられる。もう普通の展示はできない」と話す。 「国は『正しいこと』をやろうとしているのかもしれないが、協力を求めて当然という考え方は怖い」 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
事故は事故を風化させようとする 「歩道橋」弁護士の梨泰院への思い
有料記事 聞き手・平賀拓哉2022年11月13日 17時00分 【動画】「21年前の事故を忘れないで」 明石歩道橋事故の弁護士は語る=平賀拓哉撮影 韓国・ソウルの繁華街「梨泰院(イテウォン)」の雑踏事故。ハロウィーンを祝う夜に起きてしまった惨事で、150人以上が亡くなりました。 日本でも21年前、悲惨な雑踏事故がありました。 兵庫県明石市で2001年7月21日に発生した、「明石歩道橋事故」。楽しいはずの夏祭りの花火大会で、高齢の女性や幼い子どもたちが命を落としました。 歩道橋事故遺族の弁護団事務局長を務めた佐藤健宗弁護士(兵庫県弁護士会)は、二つの事故にはいくつもの共通点があると指摘しています。 さとう・たけむね 1989年弁護士登録。1991年の信楽高原鉄道事故、2001年の明石歩道橋事故、05年のJR宝塚線(福知山線)脱線事故でそれぞれ遺族側代理人となった。事故調査のあり方についても提言を続け、鉄道安全推進会議(TASK)事務局長や消費者庁の事故調査のあり方検討委員会委員、宮城県石巻市の大川小学校事故検証委員会委員も務めた。 ◇ ――ソウルで起きた梨泰院事故をどう見ましたか。 一言でいうと、デジャブです。満足な計画もなく、10万人以上が一つの場所に集中する。これまで雑踏事故が起きなかったのはたまたまであって、起きるべくして事故が起きたと思います。 歩道橋事故もそうでした。花火大会の会場は、兵庫県明石市にある人工砂浜がある公園でした。最寄りのJR朝霧駅から公園につながる約100メートルの歩道橋の道幅は6メートルありましたが、公園に下りる階段の幅はその半分の3メートルしかありません。人の流れのボトルネックになるのは明らかでした。 それにもかかわらず、その後に判明した警察などによる警備の実態はずさんと言わざるをえませんでした。 「浴衣姿の女の子が立ったまま気絶していた」 花火大会の当日、人の流れが… この記事は有料記事です。残り2995文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
金魚や昆虫もきちんと弔いを 学生のアイデア生かした埋葬キット開発
ペットとして飼育した小鳥や金魚、カブトムシなどの最後をどう弔うか――そんな悩みの解消に向け、名古屋の商社が小動物などを埋葬するためのキットを開発した。神戸大学の学生の提案を実現したもので、犬やネコ同様に、小動物とも丁寧にお別れしたいとの思いを込めた。 埋葬キットは黄色の「装束袋」と緑色の「棺袋」からなる。「装束袋」には亡くなったペットへのメッセージなどを記入。20センチほどの生き物まで入れることができる「装束袋」に亡がらを納め、さらに「棺袋」で包む。好きだったエサなども一緒に入れて供養できる。 袋はタピオカの原料として知られるキャッサバを加工。土に埋めると約3カ月で分解されるため、袋のままで埋葬が可能という。 キットを開発したのは自動車のエンジン部品などを扱う商社「佐久間特殊鋼(名古屋市緑区)」。電気自動車の普及など、自動車産業の変革期を迎え、2019年にスタートアップデザイン室を立ち上げた。杉山英彦室長(52)は「先を見据え、持続可能な成長を見込む新事業が必要だと思った」と話す。 「ペットとの別れの時間を大切に過ごせないか」 環境に配慮した商品の開発を… この記事は有料記事です。残り459文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】天皇陛下と皇后雅子さま、兵庫訪問 海づくり大会出席
2022年11月13日 19時00分 天皇陛下と皇后雅子さまは「全国豊かな海づくり大会」に出席するため、12日から兵庫県を訪問しました。両陛下が大会に足を運ぶのはコロナ禍前の2019年以来です。 12日は神戸市の理化学研究所計算科学研究センターを視察。スーパーコンピューター「富岳(ふがく)」を見学したほか、新型コロナを対象とした飛沫(ひまつ)飛散シミュレーションの説明を聞きました。 また天皇、皇后両陛下は同市内のホテルで海づくり大会の絵画、習字のコンクールの優秀作品を鑑賞。小中学生には、腰をかがめ、一人ひとりと目を合わせながら声をかけていました。 13日は明石市で開かれた同大会の式典行事に出席し、稚魚などを漁業関係者に手渡しました。また、明石港の護岸から漁船によるパレードを観覧後、マダイとヒラメの稚魚を放流しました。 両陛下の兵庫訪問を写真でお伝えします。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
過激化する差別に「ノー」 トランスジェンダーが訴えたい現状とは
有料記事 聞き手・塩入彩2022年11月13日 19時30分 出生時に割り当てられた性別と性自認が異なるトランスジェンダーの人権や尊厳を訴える「東京トランスマーチ」が12日、東京・新宿で開かれました。ネットを中心に、トランスジェンダーへの差別的な言動が深刻化しています。主催者はどんな思いで企画したのでしょうか。トランスジェンダーの当事者で、アクティビストの浅沼智也さん(33)と畑野とまとさん(57)に聞きました。 ――トランスマーチを企画したのはなぜですか。 浅沼「当事者のリアルな声を聞いてほしいと思い、昨年初めて企画しました。LGBTQやトランスジェンダーという言葉は社会的に浸透しつつありますが、実際に当事者がどういう困りごとに直面しているのか、まだまだ知られていません。そのような解決されていない課題がある中で、誰かが声を上げて訴えていくことが大事だと思いました」 ――「困りごと」とは何ですか? 浅沼「例えば、今の日本の法律では、性別変更をするハードルが高いこともその一つです。未成年の子がいないことが条件で、性別適合手術を受ける必要もあります」 ――最近、特に問題になっていることはありますか? 浅沼「トランスジェンダーへ… この記事は有料記事です。残り1700文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「図書館の自由宣言」なぜできた? かつて警察官が司書の机を…
図書館とはどんな存在で、どんな役割を担っているのか。図書館には、市民への責任や約束を記した「図書館の自由に関する宣言」がある。文部科学省が全国の公立・学校図書館宛てに出した「拉致問題関連本の充実」を求める文書をめぐり、この宣言が注目を集めている。(田添聖史、宮崎亮) 「図書館の自由に関する宣言」は1954年5月、公益社団法人・日本図書館協会(東京都中央区)の総会で採択された。協会理事長の植松貞夫・筑波大名誉教授は「戦時下の反省に立ち、誰からの圧力にも屈しないという決意表明だった」と説く。 背景には、戦前や戦中に図書館が担った「思想善導」の歴史がある。 第1次世界大戦を目前にした1913年ごろから、国は図書館への介入を強めた。図書館は国が優良と認め、検閲を通ったものを重点的に置いた。 戦前は「思想を同調させるのに加担」 40年ごろには、国家の影響… この記事は有料記事です。残り1946文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル