加治隼人2022年11月21日 19時24分 鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地で21日、米空軍の無人偵察機MQ9の運用が始まった。東シナ海など周辺海域での監視や偵察を目的に、日米両政府で計画を進めてきた。活動は来年11月まで続き、米軍関係者150~200人が市内に駐留する。 米軍や防衛省によると、基地に配備されるMQ9は計8機。機体は全長約11メートル、全幅約20メートルで、夜間や悪天候でも船舶などの動きがわかる高性能センサーを備える。海洋進出を活発化させる中国やロシアなどの動きを念頭に、日米同盟における情報収集能力を強化する狙いがある。活動期間は米軍も「1年限り」と明言している。 九州防衛局はこの日、取材に「予定通り運用を開始した」と回答したが、離陸した機体数や時間などについては「米軍の運用に関わるため」として明らかにしなかった。 配備計画は5月に防衛省が市側に正式に伝え、住民説明会を開催。市議会は「情報収集は喫緊の課題」として容認決議を可決し、中西茂市長も受け入れた。一方、米軍関係者は市内のホテルに滞在し、住民の一部にはトラブル発生への心配とともに、「実質的な米軍基地化だ」との疑念もある。 地元の九条の会おおすみの松下徳二代表(84)は「監視の強化は国際的緊張を高めるのではないか」と不安を口にした。中国の海洋進出や台湾問題のリスクが言われる中、日本政府が打ち出す防衛費増額の動きを見ても、「武力衝突の方向に近づいているようにしか思えない。このまま突き進んでほしくない」と話した。(加治隼人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「撃つぞ!」警官が威嚇したイノシシ、どこへ 名古屋市で目撃相次ぐ
【動画】名古屋市北区の住宅街に出没したイノシシ=読者撮影 名古屋市内で20日午後以降、イノシシ2頭の目撃情報が相次いだ。市内の河川敷では様子を見に来た人に突進しようとしたため、警察官が拳銃を構えて「撃つぞ!」と警告する一幕も。21日夕時点でイノシシは捕獲されておらず、愛知県警は警戒を呼びかけている。 守山署によると、20日午後2時40分ごろ、同市守山区小幡宮ノ腰の矢田川河川敷で「イノシシ2頭を目撃した」と110番通報があった。駆けつけた男性巡査部長(36)ら警官4人が2頭を確認し、このうち体長1メートルほどの1頭が居合わせた約10人に突進するそぶりを見せたという。巡査部長はイノシシまで約5メートルの距離で拳銃を構え、「撃つぞ!」と大声を出したところ、逃げ去ったという。発砲はしていない。 この日、別の場所でもイノシ… この記事は有料記事です。残り256文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ陽性のバス運転手、東京→大阪に乗務 会社「代わりがおらず」
新型コロナウイルスに感染したと知りながら運転手に高速バスを運転させたとして、国土交通省近畿運輸局は21日、兵庫県丹波篠山市のバス会社サンシャインエクスプレスに対し、バス9台中3台を30日間使用停止とする行政処分をしたと発表した。処分は同日付。 近畿運輸局によると、同社は8月8日深夜の東京発大阪行きの高速バスで、50歳代の男性運転手がPCR検査で陽性反応が出たと同日に報告したにもかかわらず乗務させた。バスの乗客は27人だった。 運転手は同月6日に体調不良で検査を受け、8日朝に陽性が判明して会社に伝えたという。同社は神戸運輸監理部の検査に「当日は本人の体調も悪くなく、代わりの運転手もいなかった」と説明した。乗客には連絡しておらず、今後、謝罪するという。 8月9日に近畿運輸局に匿名で通報があり、神戸運輸監理部が10月に立ち入り検査した。同社は大阪や神戸、京都など関西地域と東京を結ぶ高速バスを運行している。(井岡諒) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「大阪パビリオン」99億円で契約へ ユニークな屋根が一部真っ平ら
2025年大阪・関西万博で、大阪府や大阪市などが出展する「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」の建設費が99億円で事業者と契約されることになった。府市の当初の想定額は74億円だったが、資材費の高騰などで事業者から提示されたのは195億円。議会などから批判を受け、特徴的な屋根の一部形状なども見直し、コストカットした。 21日にあった大阪府市の会合で報告された。 パビリオンは、万博の会場入り口付近に建設し、開催地・大阪の「顔」となる展示館。生まれ変わりを意味する「REBORN(リボーン)」をテーマに医療や健康に関する展示を予定する。 特徴は屋根の設計だ。6月時点では、網の目状の骨組みに透明なガラスをはめる構造で、自然光が差し込み、屋根上に水を流して水中にいるような幻想的な空間を目指していた。大阪府の吉村洋文知事も「非常にユニークで、個性的で、大阪らしいパビリオン」と自賛していた。 府市などは5月から、建設費を74億円と想定して事業者の公募を開始。ところが、第一優先交渉権者に選ばれた竹中工務店(大阪市中央区)の提案額は、想定の約2・6倍の195億円だった。そこで、建物の構造や素材を変更して115億円までコストを削減。10月に差額についての補正予算を府市がそれぞれ議会で成立させた。 それでも議会からは一層の費用削減が求められ、万博関係者によると、「100億円」を一つの目安としてコスト削減を検討。ぎりぎり99億円までの減額で同社側と合意できたという。 屋根の設計は大きく変更。上… この記事は有料記事です。残り274文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小冊子から立ち上がる故郷の風景 わたしのマチオモイ帖10周年展
自分にとっての「心のふるさと」を、プロのクリエーターが小冊子などにまとめる活動「わたしのマチオモイ帖(ちょう)」が10周年を迎えた。記念の展示会が、東京・六本木の東京ミッドタウン・デザインハブで開かれている。無料。27日まで。 展示されているのは、小冊子や映像作品、絵はがきなど約2千点。不安定な時代にあって、自分を形作った人々や暮らしを見つめ直す機会にしてほしい、との願いも込められている。 マチオモイ帖の第1号は、大阪市のコピーライター、村上美香さん(55)が2011年4月、故郷の広島県・因島の重井町に暮らす人たちにあてて作った「しげい帖」。農家で生まれ育ったものの、継がずに都会で仕事をする中で、「島の人と記憶の交換日記ができないか」と考えたのがきっかけだ。両親の言葉や島の写真、重井町にまつわるクイズなどで構成し、1千部を刷って島で配った。「家族のアルバムより少しパブリックな、半径3キロぐらいの記録を文章にとどめた感じ」 震災、コロナ禍……「故郷を思う気持ち強く保てた」 東日本大震災で多くの人が瞬時に故郷を失い、「ふるさとはいつまでもあるわけじゃない」とわかったことも、背中を押した。 しげい帖を見たグラフィックデザイナー、清水柾行さん(60)が「面白い。色んな地域のクリエーターを巻き込んで、それぞれのマチオモイ帖が作れるのでは?」と提案。仕事仲間に声をかけ、まず大阪で34冊を制作。12年2月には全国から340冊を集め、東京で展覧会を開いた。 デザイン系の専門学校生らにも呼びかけ、10年間、コンスタントに冊数を増やした。冊子のほかに絵はがきタイプもあり、ゆうちょ銀行のカレンダーに採用された。この2年半、コロナで人々は里帰りを控えた。そんな中でも、それぞれがマチオモイ帖を読み返し、「故郷を思う気持ちを強く保てた」と村上さん。 10周年を記念し、ふるさとへの思いが詰まった言葉150編を村上さんが各地のマチオモイ帖から選び、「詩編」としてまとめた。 「かまぼこの よかにおいが… この記事は有料記事です。残り574文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ネットカフェ難民の支援ホテルから追い出し、新宿区長が退職金を減額
武田遼2022年11月21日 21時06分 東京都新宿区で2020年6月、コロナ禍によるインターネットカフェへの休業要請で行き場を失った人が都の支援策で利用していたホテルを滞在期限の前に退去させられた問題で、吉住健一区長は21日、退去させた区のトップとしての責任をとるため、自身の退職金から約300万円を減額すると明らかにした。 宿泊料として区から利用者への補塡(ほてん)額と同等という。関連する専決処分を同日付で行った。 区は同年5月下旬、ホテルの利用者に6月1日朝の退出などを求める文書を配り、実際に98人を退出させた。その文書配布の1週間前、都が制度の利用期限を延長し、利用者は引き続き滞在できたはずだった。宿泊期限は最終的に、6月14日まで延長された。 区によると、退去させられた利用者のうち、区が補塡の支給対象としたのはこれまでに80人。本来宿泊できた日数分の宿泊料を1泊あたり3500円で計算し、総額295万7500円とした。80人のうち5人は現在も連絡がつかないといい、将来の支払い分として24万5千円を含んだ。 吉住区長は記者会見で、「責任の所在を明らかにし、謝罪したい」と述べた。区長の退職金2029万4280円から支出分に相当する区が決めた減額率で算出した304万4142円が引かれるという。「当時、現場は疲弊し、確認が不十分だった。職員に改めて重大な事を引き起こしたと認識してもらい、二度と起こらないようにしたい」と話した。(武田遼) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神坂玲子さん死去 「箕面忠魂碑訴訟」の原告
2022年11月21日 21時47分 大阪府箕面市が戦没者をまつる「忠魂碑」を公費で移転、再建したことが、憲法の政教分離原則に反するかが問われた「箕面忠魂碑訴訟」の原告の一人、神坂玲子(かみさか・れいこ)さんが18日、慢性呼吸不全で死去した。91歳。故人の遺志で葬儀は行わなかった。遺族代表は長男の直樹さん。 箕面忠魂碑訴訟で、一審の大阪地裁は違憲判決を出した。大阪高裁は合憲と判断し、最高裁で確定した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高級ブドウ「ナガノパープル」の枝を無許可販売容疑 2人を書類送検
清水大輔2022年11月21日 22時00分 種なしで皮ごと食べられる長野県発の高級ブドウ品種「ナガノパープル」の枝を許可なく他人に販売したとして県警須坂署などは21日、県外の男性2人を種苗法違反容疑(育成者権の侵害)で長野地検に書類送検し、発表した。2人は、「小遣い稼ぎのつもりでやった」と容疑を認めているという。 書類送検されたのは、川崎市の農業の男性(36)と、大阪府枚方市の派遣社員の男性(27)。2人は知的財産権(育成者権)を持つ県の許諾を受けることなく、フリーマーケットのアプリを利用して昨年12月~今年3月にかけて国内に住む計4人にナガノパープルの苗木の元になる穂木(ほぎ)を販売した疑い。 シャインマスカットより2年早く登録 ナガノパープルは県果樹試験場(須坂市)が10年以上かけて開発し、シャインマスカットより2年早い2004年に登録されたが、長年、栽培は県内に限定されていた。出荷されたブドウが人気を集めはじめて高値で販売される一方で、流通量が限られたことなどから、県は18年に県外での栽培を解禁した。 ただ、県農業試験場によると苗木などの販売が許可されているのは、県内の限られた種苗業者のみだという。 署によると、書類送検された川崎市の農家の男性は、正規ルートで入手したナガノパープルの苗を栽培し、収穫後に剪定(せんてい)した枝を販売にかけていた。枚方市の男性は自宅の庭で趣味で育てていた。販売された枝はいずれも押収されており、海外などに転売された形跡は見られないという。(清水大輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
22日にも旧統一教会に質問 「回答は12月上旬まで」 文科省方針
文部科学省は21日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への「報告徴収・質問権」の行使を宗教法人審議会に諮問し、了承を得た。文科省は教団の解散命令を裁判所に請求することも視野に、報告を求める事項を22日にも文書で教団に送り、権限を行使する。12月上旬までの回答を求める方針だ。オウム真理教事件を機に1995年の宗教法人法改正で設けられたこの権限が初めて行使される。 宗教法人法は、「法令に違反して著しく公共の福祉を害する」行為など、解散命令の要件に該当する行為をした疑いのある法人に対して、①報告を求めたり、②質問をしたりすることができる。これが「報告徴収・質問権」で、行使にあたっては、報告を求める事項や質問事項を同審議会に示し、意見を聞かなければならない、と規定している。 審議会は、法学者や宗教者ら19人の委員で構成されている。この日の会合は非公開で行われた。終了後の文科省の説明によると、組織・運営と収支・財産に関する内容について①の報告を求めることを諮問。異論は出なかったといい、審議会は行使について「相当と認める」と答申した。 文科省によると、今後、まず報告を求める事項を文書で教団に送り、回答を求める。さらに別の事項について報告を求める場合には、その内容を審議会に諮問し、了承を得る手続きが必要となる。また、教団施設に立ち入って質問する必要が生じた場合は、宗教法人法に基づき、審議会の了承とともに教団側の同意を得なければならない。同法には、報告しない、虚偽の報告をしたなどの場合は10万円以下の過料を科すとの罰則もある。 教団をめぐっては、岸田文雄首相が10月17日の衆院予算委員会で報告徴収・質問権を行使して実態解明を目指す考えを表明。この権限は行使された前例がなく、文化庁の有識者会議が11月8日、所属する人物の行為について民事・刑事を問わず公的機関が法令違反と認めた判断があり、かつ法令違反行為が繰り返されるなどの場合に調査できるとの行使基準を決定した。 これを受けて永岡桂子文科相は今月11日、教団をめぐり組織的不法行為や使用者責任を認めた民事裁判の判決が22件あることなどを挙げ、教団が基準を満たすと判断、報告徴収・質問権行使の意向を表明した。 文科省は調査で集まった材料を踏まえて、宗教法人法に基づく解散命令を裁判所に請求するか判断する。 ■教団への質問内容、文科省は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元中学校長を加重収賄罪などで起訴、大日本図書側は罰金 教科書汚職
2022年11月21日 19時56分 大阪府藤井寺市立中学校の教科書選定をめぐる贈収賄事件で、大阪地検は21日、市立中学校の西留俊春・元校長(61)を加重収賄などの罪で在宅起訴したことを明らかにした。また、教科書会社「大日本図書」(東京)の元取締役(65)と社員(35)を贈賄罪で略式起訴した。元取締役は罰金50万円、社員は同30万円の略式命令を受けた。いずれも10日付。 起訴状によると、西留元校長は同市の教科書選定委員だった2020年4~6月、調査委員に任命予定の教員の氏名や調査委員作成の資料を社員に漏洩(ろうえい)。7月に謝礼として元取締役らから現金3万円を受け取ったほか、約3万4千円相当の飲食やゴルフの接待を受けたなどとされる。 市教委によると、西留元校長は今年3月の定年退職後、4月に再任用されたが、8月末で退職した。市は教育委員や弁護士らによる調査チームを発足するとしている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル