有料記事 堀川勝元、滝沢貴大2022年11月27日 15時17分 東京都内の中学3年生が受験する英語スピーキングテストが27日に始まった。申し込んだのは約7万6千人。「話す力」をみるほか、来春の都立高校入試の合否判定にも用いられる。都教育委員会が民間企業と組んだ全国初のテストで、円滑に試験が実施できるか注目されている。 スピーキングテストは、都教育委員会が通信教育大手ベネッセコーポレーションに運営を委託する形で初めて実施している。「話す力」の育成を重視した現行の学習指導要領の導入を受けたもので、受験生はイヤーマフで音声を聞きながら、手元のタブレット端末に解答を吹き込む。解答時間は約15分間とされている。 都内に約200カ所設けられた会場の一つの最寄り駅、小田急和泉多摩川駅(狛江市)では、正午前後から制服姿の中学生の集団が姿を見せた。都教委の実施要項によると、試験は全会場で午後1時スタート。生徒らはスマートフォンで会場までの行き方を確認したり、談笑したりしながら駅から徒歩約2分の会場に向かった。 会場前では複数の係員が立ち… この記事は有料記事です。残り365文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名画座「飯田橋ギンレイホール」きょう閉館 最終日の様子は
田渕紫織2022年11月27日 11時11分 東京・飯田橋にある老舗の名画座「ギンレイホール」が、27日夜に閉館する。今後は別の場所で映画興行を続ける意向を明らかにしているが、移転先は交渉中だ。 創業48年。新作公開を終えた映画の中から、日米だけでなくヨーロッパやアジアも含めた世界各地の作品を「2本立て」や「3本立て」で上映してきた。 男性客が多い名画座の中で、際立って女性客が多いのが特徴。各回の上映前は、飯田橋駅の地下に続く階段まで行列ができることも多く、神楽坂の風物詩として知られる。27日も閉館を惜しむ客が朝から列を作り、スマートフォンで館の姿を写真におさめていた。 最終上映作品は、英国のロードムービー「君を想い、バスに乗る」とジェニファー・ロペス主演の「マリー・ミー」の2本立て。受付に表示された作品名の横には27日、「本日限り」の札が貼られた。 今回は、入居している築63年のビルが建て替え工事をするため、立ち退くために閉館する。移転先は神楽坂地区を念頭に交渉中だが、再開する場合も1年以上はかかる見込みだという。 東京都内の名画座は年々、数を減らしており、2012年に「浅草中映劇場」「浅草名画座」「浅草新劇場」、13年に「銀座シネパトス」「三軒茶屋中央劇場」、14年に「新橋文化劇場」「三軒茶屋シネマ」が閉館している。(田渕紫織) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
浅漬け食中毒で8人死亡 規制強化のきっかけ、元社長が語ったこと
【動画】食中毒事件を起こした漬物工場の跡地 10年前、8人が亡くなるという大規模な食中毒の原因となった浅漬けを作ったのは、札幌市にあった食品会社だった。 5月、その所在地を訪ねると、食品工場は見当たらず、あるのはマンションなど住宅だけだ。場所を間違えたのか――。近所の男性に聞いてみると、「もうここにはないよ」。 男性は続けた。「○○さん(食品会社幹部)とは仲がよかったんだけどね。事件の時には、ここら辺はマスコミだらけだった。その後、会社の社長もみんなどこかに行ってしまった」という。 この食品会社は食中毒を起こした翌2013年に倒産していた。しかし、当時の社長とどうしても話がしたい。住んでいる場所を何とか探し出した。 一軒家で、表札は元社長の名字のものだ。追い返されるかもしれない。そう思いながらインターホンを鳴らした。すると、無精ひげをはやした高齢の男性が玄関を開けた。 「社長ですか? 朝日新聞の記者です」と話しかけると驚いた表情で「もう話すことなんか何もないよ」とドアを閉めようとした。 それでも取材の意図を説明して説得を続けると、「まあ入んなよ」と家の中に入れてくれた。 「散らかっているから」と居間のソファに横並びに座った。開口一番、「会社がつぶれ、俺は丸裸だよ」と言う。 まず、元社長が漬物の製造販売を始めたいきさつを聞いた。 1960年代に20代で脱サラし、「ひともうけしよう」と漬物の製造販売会社を立ち上げたという。 作っていたのは当初から浅漬… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ダンスと相撲の意外な共通点 伊原六花さんがシコをふんで得た気づき
有料記事 聞き手・伊藤恵里奈2022年11月27日 12時00分 ディズニープラスで配信中のドラマ「シコふんじゃった!」で、廃部寸前の相撲部を守るため奮闘する大学生を演じた伊原六花さん。大阪府で生まれ、府立登美丘高校ダンス部のキャプテンとして臨んだ全国大会で披露した「バブリーダンス」で大きな注目を集めました。心身共に極限まで頑張った高校時代を振り返りながら、自分にとってベストな道を選ぶ大切さについて語ってくれました。 ◇ 生まれつき体が弱く、ぜんそくの持病があり、走るだけで呼吸が荒くなりました。でも4歳からバレエを始めて、小学2年からダンスに切り替えて、楽しんで体力をつけられました。 高校時代は、朝から晩まで部活漬け。部活については色々な考え方があると思いますが、多少、体にムチを打っても頑張り続けたことは、私にとって大切な経験です。暑くてしんどくても、どんなに疲れていても言葉にしませんでした。言葉にすると現実に負けてしまうから。「疲れた」「暑い」などと言い訳せず、仲間と励ましあったことが、前向きな姿勢や強さにつながりました。 高校時代を思い出させた撮影現場 葉山奨之さんとダブル主演を… この記事は有料記事です。残り1012文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「レモンの木の恩返し」畑の主が叶えた願い 壊滅被害で触れた優しさ
「過去最強クラス」と言われた台風14号が近づいていた。 福岡県東部の山あいにある福智町でも、次第に雨と風が強まっていく。 9月半ばのことだ。平野八十八(やそはち)さん(76)は台風に備えてレモン畑を見回り、切れていた麻ひもを結び直した。 「人の命が無事ならいい」 そう考えながら、台風が通り過ぎるのを待った。 レモン畑は4年前、1人で始めた。 200万円を投じて用意した、1千本のレモンの苗木と、肥料と農具。 ブドウ農家の知人や苗木屋から育て方を教わりながら、こつこつと苗木を植え続けた。 カミキリムシの幼虫に根を食い尽くされたこともあれば、レモンが病気にかかって葉がねじれだしたこともあった。 たくさんの苦難も、試行錯誤を重ねながら乗り越えてきた。 こまめに草を刈り、肥料をやると、レモンの表情も変わってくる。 一本一本が自分の子どものようにかわいらしかった。大きい木は、大人の背丈ほどに育っていた。 台風の通過後、自宅から200メートルほど離れたレモン畑を見にいった。 言葉を失った。 見渡す限りほとんどすべてのレモンの木がなぎ倒され、根がむき出しになっていた。 我が子を失ったような気持ちだった。 「がっかりするね」 思わず、そうこぼした。 一緒に畑を訪れていた「ジャンボ君」は、そんな平野さんの姿を見るのがつらくて、耐えられなかった。 平野さんの自宅の近くに住む… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
亡き料理研究家の妻が残した「レシピ本」 10キロ減量に成功
会社員 小林一匡さん 今年5月1日未明、同い年の妻が永眠しました。 料理研究家の舘野(たての)真知子といいます。約10年間の闘病の末に旅立ったのは、神奈川県葉山町にある僕らの自宅でした。その晩、近くに住む妻の親友が訪ねてきて「今夜は私が付きそうから」と、危篤が続いて疲れていた僕を休ませてくれたんです。その言葉に甘えてリビングで爪を切っていると、寝室に呼ばれて、ほんの少し前に妻が旅立ったことを知りました。妻の人生も、僕が寄り添う日々も終わったと思うと、力が抜けました。その後、眠っているように穏やかな顔の妻に向かって、「今までお疲れ様。ありがとう」と心の中で語りかけました。 自然豊かな葉山の古い平屋に二人で引っ越したのは4年前です。真知子は仕事場でもあるキッチンを自分が使いやすいように整え、ここで数々のレシピを考案し、テレビや雑誌などで発信していました。ここに住み始めてからは、とにかく「おいしいものを作って食べさせたい」の一心で突っ走っていた。僕も都心の職場に通う合間や休日、庭に畑を作って野菜を育て始め、収穫すると妻が料理し、親しい友人たちを招いて振る舞いました。 真知子は亡くなる直前まで… この記事は有料記事です。残り1028文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
天皇陛下、前立腺の組織検査のため病院訪問
多田晃子2022年11月27日 9時02分 天皇陛下は27日、前立腺の組織検査を受けるため、東京都内の病院を訪れた。6日に受けたMRI検査の結果、特に懸念される所見はなかったものの、前立腺の肥大が認められたことから、念のため詳しく検査をすることになった。 陛下はこの日午前、車で病院に入る際、報道陣に会釈をして応えた。(多田晃子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「断ったらダサい」から刺して奪った…19歳を嗚咽させた叔母の言葉
「今、何歳ですか?」 「19歳です」 今年10月、大阪地裁の703号法廷で、裁判長に問われた被告の男は、少し緊張した声で答えた。黒い髪は短く切りそろえられ、白いワイシャツを着ていた。 大阪府寝屋川市で3月、男女3人と共謀し、専門学校生の男性(当時20)を刺して死なせ、現金13万円などが入ったバッグを奪った――。そんな強盗致死罪の起訴内容について、被告は「間違いありません」と認めた。 「刑事処分を科すべきか、保護処分に付すために家裁に移すべきか」。この日、裁判長は法廷のスクリーンを使って裁判員たちに争点を説明した。刑事処分であれば、大人と同じように懲役刑で刑務所に服役する。一方、犯行につながった思考の形成が不遇な成育歴などによるもので、保護処分が妥当だとみなされれば、家裁へ移送された後、少年院などで矯正教育を受けることになる。 検察側の冒頭陳述によると、事件の経緯はこうだ。 事件当日の夕方。 初めて会った女(22)から… この記事は有料記事です。残り1902文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 きょうも傍聴席にいます。 事件は世相を映します。傍聴席から「今」を見つめます。2017年9月~20年11月に配信された30本を収録した単行本「ひとりぼっちが怖かった」(幻冬舎)が刊行されました。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
明治のレンガアーチ橋は語る 碓氷峠を越えた鉄道、開いた近代化
有料記事 文・上原賢子、写真・嶋田達也2022年11月26日 15時00分 ひらり、また1枚ひらり。やわらかい日差しのなかを、ゆっくり落ちていく黄色の葉。追いかけてトンネルを抜けたら、そこは高い、高い橋の上だった。峠の鉄道が通った道。 山道を車で上って行くと、赤茶色の巨大な橋が現れた。大きさに「おお~」と声が出る。4連アーチの「碓氷(うすい)第三橋梁(きょうりょう)」、通称「めがね橋」(群馬県安中市)。長さ91メートル、高さ31メートル。200万個以上のれんがで造られている。 脇の120段ほどの階段を上って、橋の上へ。訪れたのは11月上旬。周囲360度、紅葉が広がった。「いま立っているところには、1963年まで列車が走っていました」。市観光機構の職員、上原将太さん(31)が言う。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。12月4日(日)締め切り 1893(明治26)年、群… この記事は有料記事です。残り1072文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
個人の「我慢」に落とし込まない気候変動対策 私たちにできることは
国連広報センターとメディアが協力し、気候変動への行動を呼びかけるキャンペーン「1.5度の約束」を、皆さん目にしましたか? 各国の約束「世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて1.5度に抑える」を実現するには、温室効果ガスの排出量を2050年ごろに実質ゼロにする必要があります。対策は待ったなし。しかし、気候変動がテーマの記事をただ出しても、興味のない人にはなかなか自分事にしてもらいにくいのが実情でした。 そこでwithnewsでは、東大教授の江守正多さんに、筆者と編集部の松川希実記者の「そもそも」の質問に答えてもらうポッドキャストを収録しました。その内容は記事化もしました(https://withnews.jp/articles/series/149/1)。 最も印象的だったのが、日本では気候変動対策を「生活の質を脅かすもの」というネガティブなイメージで捉える人が他国よりも多いというお話でした。確かに「節電」「我慢」のイメージが先行しますし、メディアでもそんな内容のコンテンツが多かったと感じます。 しかし江守さんは「ほどほど… この記事は有料記事です。残り341文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル