2022年11月29日 14時08分 文部科学省は29日、新型コロナウイルスの影響で、大学入学共通テストの本試験も追試験も欠席せざるをえなかった受験生について、来年1月の共通テストでは、各大学に個別試験での合否判定を求めないことを決めた。永岡桂子文科相が記者会見で明らかにした。 文科省は今年1月、当時の感染拡大を受け、共通テストの本試験も追試験も受けられなかった受験生について、個別試験や追試で合否判定を行うことや、再追試を新たに設けることなどを求める通知を各大学に出していた。 共通テストの本試験と追試験は2週間空いている。今秋、発症者の療養期間が7日に短縮されたことなどを受け、永岡文科相は同様の措置を利用する受験生は「通常想定しにくい」と話した。 同省によると、今年1月の共通テストの本試験も追試験も受けられずに個別試験に臨んだ受験生はのべ24人。また、大学の個別試験が受けられず、共通テストで合否判定されたのがのべ5人いた。共通テストの本試験と追試験に加えて個別試験の本試験と追試験も受けられなかった受験生はのべ19人いた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「農家の漬物」が道の駅から消える? 規制の影響、避けられない事情
【動画】法改正を担当する厚生労働省の三木朗課長 漬物の製造・販売を許可制とするなどの規制強化を盛り込んだ改正食品衛生法は昨年6月に施行された。現在は3年間の経過措置の期間中だ。これまでに上がった法改正への懸念に厚生労働省はどう向き合っているのか。(文中敬称略) 担当の食品監視安全課長、三木朗に取材を申し込むと、動画撮影も含めたインタビューに応じた。 三木は、改正法の施行を受けていぶりがっこなどの漬物を作る農家が廃業も検討する状況になっていることは耳にしているという。「小規模な事業者に対しては自治体が柔軟な対応をできるよう助言をしていきたい」という。 食品衛生法によると、国のルールを参考にして各都道府県が条例で独自の施設基準を作ることができる。これを踏まえて三木は「柔軟な対応を促す」としたのだ。 漬物を製造販売する農家が改正法に適合する施設に改修するために必要な費用については「厚労省では資金的な補助金には対応できないが、農林水産省など必要な部局と連携して取り組みたい」と述べた。 浅漬けとその他の漬物で規制を区別することはできないのか、という点についても重ねて聞いた。 答えはこうだった。「漬物の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ぼけ、土人が」発言のあった沖縄・高江 反基地訴え続け15年
内灘闘争70年③ 1952年、日本海に面した石川県内灘村(現内灘町)で、米軍基地をめぐる反対運動が巻き起こった。「内灘闘争」と呼ばれ、戦後日本で起きた反基地運動の先駆けとされる。当時、何が起きていたのか、教訓がどのように伝わっているのか。闘争に参加した住民や、沖縄で反基地運動に関わる男性らを取り上げる。 9月中旬の朝、沖縄本島北部の東(ひがし)村高江地区。米軍北部訓練場のゲート前に警備員の姿が見える。県道を挟んだ向かい側の白いテントには、横断幕が掲げられていた。「高江に静かな暮らしを返して」。ここで反基地運動を15年続ける男性がいる。 訓練場は東村と国頭(くにがみ)村にまたがり、周囲は世界自然遺産にも登録された「やんばるの森」が広がる。鳥やセミの鳴き声が絶え間なく響き、空を見上げると、米軍ヘリとみられる機体が音を立てて横切っていく。 高江周辺には、米軍ヘリや輸送機オスプレイが発着する「ヘリパッド」が6カ所移設された。約7800ヘクタールあった訓練場の半分以上を返還する条件として、返還区域にあったヘリパッドを移すことになったのだ。 2007年7月に始まった工事は、抗議活動でたびたび中断したが、16年末までに6カ所すべてが移設された。 朝9時、1人の男性がテントに現れた。「『ヘリパッドいらない』住民の会」の清水暁さん(52)だ。椅子に腰掛けると、ノートを見せてくれた。抗議の参加者が日付ごとに記されている。 「最近は1人になってしまいましたね」 県内外から応援に来る人も時々はいるが、朝から夕方まで常にテント内に座って抗議しているのは、地元住民ら数人だけになったという。 清水さんは金沢市出身だ。東… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「死んでもいい」村民700人夜通し決死の座り込み 70年前の闘争
内灘闘争70年② 1952年、日本海に面した石川県内灘村(現内灘町)で、米軍基地をめぐる反対運動が巻き起こった。「内灘闘争」と呼ばれ、戦後日本で起きた反基地運動の先駆けとされる。当時、何が起きていたのか、教訓がどのように伝わっているのか。闘争に参加した住民や、沖縄で反基地運動に関わる男性らを取り上げる。 内灘闘争のあった1952年の内灘村(現内灘町)の人口は約7千人。働き盛りの男たちは遠方へ出稼ぎ漁に出かけ、村に残るのは主に、おかか(女性)、子ども、お年寄りだった。当時の参加者の脳裏には、鮮明な記憶が刻まれている。 当時20歳で、村の青年団員だった杉村竹子さん(90)=同町=も参加していた1人。「みんな命は考えなんだ。もう死んでもいいわというような感じでやっとったわ。きれいな砂浜が穴ぼこになって無残やったね」と振り返る。 住民の怒りが最高潮に達したのは53年6月。日本政府は当初、米軍砲弾試射場の使用を「53年1月~4月」の期間限定としていた。だが、試射が開始されたのは同年3月と遅れ、4月末をもって試射をいったん中止したものの、6月に継続使用を閣議決定。同月中の試射再開も決めた。 村民らは試射場付近に座り込み小屋を設置。試射再開前、約700人の村民らが夜通し座り込んだ。 そうしたなか、同月15日午前8時すぎ、試射が再開。砂浜には何度も砲弾が着弾した。付近で座り込む杉村さんやおかからの腹の底に轟音(ごうおん)が響き、前方に砂煙が上がったという。 「金は一年 土地は万年」「接収絶対反対」 小屋の上には、村民らが訴えをつづった「むしろ(イグサやわらで編んだ敷物)旗」が風になびいた。 大丸文枝さん(84)=同町… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Angels’ Shohei Ohtani named top DH for second straight season
Los Angeles Angels star Shohei Ohtani was named winner of the Outstanding Designated Hitter Award for the second consecutive year. Ohtani outdistanced Houston Astros standout Yordan Alvarez while becoming the first player to win the award in consecutive seasons since David Ortiz won it five straight years from 2003-07. The […]
事務職の需要はなくなるのか? 「単純作業」と見られてきたけれど
有料記事 聞き手・高重治香2022年11月29日 8時00分 「私は事務ですから」と、自分の仕事を自信がなさそうに語る女性に会いました。女性の就業先として最も多い「事務職」が、マニュアル化された補助的な仕事、というイメージをまとった時代がありました。実態はどうだったのでしょうか。今はどう変わったのでしょうか。「女性事務職」についての著書がある浅海典子・神奈川大教授に聞きました。 ◇ ITや人工知能の発展により、事務職の需要が大幅に減るという予測を、政府などが発表しています。事務職にどんなイメージを持つかは人によってまちまちだと思いますが、総務省が定める日本標準職業分類では、多くの業界にまたがる幅広い仕事が事務職と分類されています。女性の就業先としては事務職が最多で、特に女性への影響を懸念する指摘もあります。 技術が人の仕事を奪うという議論は、これまでも繰り返されてきましたが、女性事務職の増加と、技術革新による仕事の変化の歴史を追うと、そう単純ではありません。 「OL」から一般職、そして派遣労働者へーー。女性事務職に対する社会の見方は、どう変わってきたのでしょうか。浅海さんがかつて企業の管理職研修の仕事で出会った2人の男性管理職の「女性事務職」への眼差しは、対照的なものだったそうです。 事務職は19世紀後半から急… この記事は有料記事です。残り1366文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「一人だった」20歳の母は手を上げた 生後間もない娘は寝たきりに
あの夜、20歳の母親は生まれたばかりの長女の頭を殴り、ベッドごと蹴り飛ばした。すぐそばで1歳の長男も泣き叫んでいた。 「やるせなさを感じ、イライラした」 長女は将来にわたって、歩くことも、話すことも難しい障害を負った。母親を暴力に走らせたものは何だったのか。 8月3日、大阪地裁で開かれた初公判。被告は前面にキャラクターが大きく入ったTシャツ姿で法廷に現れた。 幼さの残る顔立ち。金色に染めた腰までの長い髪は、伸びた根元が5センチほど黒くなっていた。 被告は今年4月19日午後11時~20日午前0時ごろ、大阪市福島区の自宅マンションで、ベビーベッドに仰向けで寝ていた当時生後約20日の長女の頭を平手で殴った上に、ベッドを足で蹴って家具にぶつけ、頭部骨折や脳挫傷などのけがを負わせたとして、傷害の罪に問われた。 長女の今後について、医師は「将来寝たきりになるなど重度の後遺症が残るだろう」と診断。脳の8割がダメージを受けており、運動機能や知的機能に著しく影響が出るとした。 裁判官から、起訴状の内容に間違いがないかと問われると、被告は小さな声で「はい」と答えた。 「相談できる人は」との問いかけに 公判でのやりとりから、事件までの経緯をたどる。 被告は当時、マンションで夫(23)と長男、長女との4人で暮らしていた。 弁護人「子育ては誰がしていましたか」 被告「夫に頼んでもやりたがらず、ほとんど1人でやっていました」 被告は夫から暴力を受けていた。 被告「パチンコで負けてきたときとか、思い通りにいかないとき、頭をグーで殴られたり、足で踏まれたりしていました」 弁護人「夫は長男にも暴力をふるっていましたか」 被告「はい」 弁護人「止めに入ったことは」 被告「止めに入ったりしてたけど、自分も暴行されるのが怖かったです」 弁護人「あなたは、今回以外に子どもに暴力をふるったことはありますか」 被告「ないです」 弁護人「夫は浮気もしていましたね」 被告「はい」 弁護人「育児を1人でしていて、相談できる人はいましたか」 被告「役所と警察には相談していたけど、過去に(自分が)施設に入っていたこともあり、信用できず、一人で抱え込んでいました」 夜中に響く幼子2人の泣き声、起きてこない夫 周囲に頼れる人がいないなか、その日を迎える。 事件当日、被告は家族全員で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋田県職員が自殺、上司をパワハラで処分 「無視される」遺書で訴え
秋田県は28日、8月の大雨災害に対応していた職員が、上司のパワーハラスメント(パワハラ)を訴える遺書を残して自殺していたことを明らかにした。パワハラを繰り返したとして、当時の地域振興局建設部長の男性(57)を同日付で減給10分の1(3カ月)の懲戒処分とし、降任の分限処分にした。 県人事課によると、パワハラで職員を懲戒処分するのは初めて。自殺した職員は、県内の地域振興局建設部で河川を担当。8月の記録的大雨で、時間外勤務が増え、特に10~12日は2晩連続で徹夜勤務だった。その際、部長から叱責(しっせき)、無視されるなどし、15日に庁舎の敷地内で自殺した。 この職員は「部長の信頼を損ねてしまい、屈辱的な言葉を吐きかけられ、無視される」などと記した遺書を残していた。 「何があったのか知りたい」との訴えが遺族からあり、県が同僚らに聞き取り調査をしていた。職員30人のうち、部長から自分が被害を受けた程度を「頻繁に」と答えたのは2人、「何回か」は4人。「他の人がパワハラをされているのを見聞きした」が28人にのぼった。 一方、この部長は調査に「強い口調で指導はしたが、パワハラのつもりはない」と否定をしつつ、「このようなことになり申し訳ない」と話したという。 県は調査結果から「今年度に… この記事は有料記事です。残り697文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「戒めの手すり」が語る雑踏事故の威力 梨泰院の悲劇、再発防ぐには
1本の曲がった手すりを、兵庫県警が保存している。同県明石市で11人が亡くなった21年前の歩道橋事故の現場にあったものだ。今年また、多くの命が韓国・ソウルの梨泰院(イテウォン)で奪われた。悲劇を繰り返さないために何が必要なのか。 県警本部18階にある雑踏警備対策室。部屋の窓際に、長さ約70センチに切り取られたステンレス製の手すりが置かれている。 それを支える約16センチの鉄の平板は根元から約30度、ぐにゃりと曲がっている。 「歩道橋に殺到した人たちの負荷で曲がったものです」。雑踏警備対策室長の佐野善宣さんは言う。 明石歩道橋事故 2001年7月21日夜、兵庫県明石市のJR朝霧駅南側にある歩道橋で起きた。市主催の花火大会で行き来する観客らが押し合いになり、0~9歳の子ども9人を含む11人が死亡し、247人が負傷した。 対策室は、署や警察学校での研修の際に手すりを持ち出し、群衆の威力を伝える教材に活用してきた。 県警が手すりを明石市から譲り受けたのは、事故から4年後の2005年。当時、地域部長だった田山映二さん(76)が事故を戒めにしようと考えたからだ。 事故で県警は、雑踏対策の警察官を歩道橋に配置していなかったことなどから批判を浴びた。05年6月、遺族らが起こした民事訴訟で、神戸地裁は県警に損害賠償を命じた。 遺族から繰り返し言われたこと 判決後、県警トップの本部長と並んで遺族に謝罪した。怒りに震え、涙を流す遺族から新聞紙を投げつけられた。「自分が事故で家族を亡くしたらと思うと……。当然のことです」。約1時間半、ただただ頭を下げ続けた。 遺族から繰り返し言われたこ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
室内の指紋「事件前の機会の可能性」 奄美の女性殺害で被告に無罪
鹿児島県奄美市の住宅で2019年、一人暮らしの女性(当時87)を殺害したとして、殺人と住居侵入の罪に問われた奄美市の無職、渡部円治被告(24)の裁判員裁判の判決が28日、鹿児島地裁であり、中田幹人(まさと)裁判長は「犯人と認定するには合理的疑いが残る」と述べ、無罪(求刑懲役20年)を言い渡した。 渡部被告は19年6月13~14日ごろ、現金などを盗む目的で奄美市名瀬小俣町の無職瀧田得枝さん宅に侵入し、1階寝室で瀧田さんの肩の近くを刃物のようなもので数回刺すなどして殺害したとして、起訴されていた。 検察側は公判で、玄関の引き戸や冷蔵庫、瀧田さんの肌着の付着物から渡部被告の指紋やDNA型が検出されたとし、「犯人の行動と重なり、犯人と推認される」と主張した。 弁護側は、被告が「事件の前後に入った可能性もある」とした上で、警察の証拠物の鑑定・保管が適切でなかったと無罪を主張。被告は無罪を訴えた以外は黙秘を貫いた。 殺害に結びつく決定的な証拠がないなか、物証をどのように判断するかが争点だった。 判決は、引き戸の指紋などから、被告が金品目的で住宅に入り、室内を物色した可能性があるとした。一方で、指紋などが付着したのが「(殺人事件と)近接した時期とは言えない」とし、事件前の別の機会に「物色するなどした際に残した可能性を排斥できない」と結論づけた。 渡部被告は殺人事件の前の1… この記事は有料記事です。残り205文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル