東京都内の新築建物に太陽光パネルを大幅に増やす「設置義務化」が、2025年4月から始まる。国や全国の自治体に先駆けて導入する背景には、首都・東京特有の事情もある。 「2030年のカーボンハーフ、50年のゼロエミッションを確実にしていくため、今回、事業者の皆様への義務化を進めた。理解を深めていただきながら、前へ進んでいきたい」。15日午後、都が提出していた条例改正案が都議会で可決され、小池百合子都知事は今後に向けてそう語った。都は、30年に温室効果ガス排出量を00年比で半分に、さらに50年に二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。 都によると、都内の新築建物は年間約5万棟で、都はそのうち約2万800棟が義務対象になると見込む。義務を負うのは、ビルやマンションなどの大規模建物は建築主だが、戸建て住宅など延べ床面積2千平方メートル未満の建物は住宅メーカー。後者は対象物件の90%を住宅が占めるとみられており、新制度の対象の中心は一般家庭だ。 都が一般家庭を対象とした制度を導入する理由は二つある。一つは、家庭からのCO2排出量が減らないことだ。 都によると、都内のCO2排… この記事は有料記事です。残り1002文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
過少記載、先輩秘書から引き継ぎ 薗浦議員事務所で長年、常態化か
自民党の薗浦(そのうら)健太郎衆院議員(50)=千葉5区、当選5回=の事務所が政治資金パーティーの収入を計4千万円ほど少なく記載していた疑いがある問題で、除外方法を公設第1秘書に教えたのは別の元秘書で、この元秘書も「薗浦氏に過少記載を事前に報告した」と、東京地検特捜部の任意聴取に供述したことが、関係者への取材でわかった。 特捜部は過少記載が事務所内で長年横行していたとみて捜査。薗浦氏本人の任意聴取も踏まえ、政治資金規正法違反(不記載など)容疑で秘書と薗浦氏の共謀が問えるかを調べている。 問題となっている政治団体は、薗浦氏が代表で、公設第1秘書が会計責任者を務める資金管理団体「新時代政経研究会」など。 関係者によると、別の元秘書は薗浦氏の元政策秘書として会計業務などを担当し、公設秘書を退いた後も事務所に出入りしていた。今の公設第1秘書を事務所に招いたのはこの元秘書で、パーティー収入の除外を含めて会計処理の方法を引き継ぎ、補佐もしていたという。 特捜部はまず、政治資金収支報告書を作成した公設第1秘書を聴取した。その中で先輩格の元秘書の存在が分かり、元秘書も聴取した。2人はいずれも「薗浦氏に事前報告したうえでパーティー収入を過少記載した」と供述したという。 薗浦氏への報告はパーティーごとに口頭やメールで行い、実際の収入と収支報告書から除外する額をまとめたメモに基づいて説明したという。 パーティー収入、除外した動機は… 過少記載の動機について公設… この記事は有料記事です。残り306文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
動物以下の扱いで息子は死んだ… 勾留中に死亡男性の父、警察に怒り
【動画】愛知県警岡崎署の留置場で勾留中に死亡した男性の父親が憤りを口にした=良永うめか撮影 「警察に殺されたと思っている」 愛知県警岡崎署の留置場で勾留中の43歳の男性が死亡した問題。ベルト手錠と捕縄で裸のまま拘束、拘束はのべ140時間以上、複数の署員による暴行、持病だった糖尿病の薬の投与の失念……。署が不適切な対応を繰り返した疑いが強まっている。男性の父親(71)は朝日新聞の取材に憤りを口にした。 男性は2017年ごろから精神疾患を発症し、障害者手帳も保有。昨春ごろに仕事に就き、今年10月からは一人暮らしをはじめた。 「留置場で暴れて、飯も食わんのですよ」。父親は署員からの電話で男性が公務執行妨害容疑で逮捕されたことを知った。11月28日のことだ。この3日前から男性と連絡が取れなくなったため、県警に捜索願を出していた。 暴れる原因を察した父親は「息子は精神疾患の持病がある。入院させて治療してほしい」と訴えた。だが、署員は「勾留中は入院させず、そのまま留置場に入れる」とにべもなかったという。男性の生活を支援してくれる社会福祉法人などを通じて改めて入院治療を求めたがかなわなかった。 今月4日午前、男性がこの日… この記事は有料記事です。残り436文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
原発事故から11年、解体予定だったコメリ 「化学反応」呼ぶ倉庫に
東京電力福島第一原発の事故で営業停止になって以来、手つかずになっていた福島県飯舘村のホームセンター「コメリ」。解体予定だった建物が11年以上の時を経て、今年11月に「図図倉庫(ズットソーコ)」として再スタートを切った。村に関わる人たちが出会ったり、地域再生のアイデアを出し合ったりする場にしたいと、村外出身の2人が挑んでいる。 村を東西に走る県道12号を東に進むと、倉庫風の建物の上に色あせた風見鶏が見えてくる。 インターネット環境が整ったシェアオフィスやトレーラーカフェ、展示スペース。点在する地球儀、天体望遠鏡、ミシン台やソファ。約1千平方メートルの建物内には、仮設住宅で使われていたログ材や農業用ハウスの骨組み、廃校になった村の小学校の備品が使われ、新しさと懐かしさが同居する。見学に来た女性は「何かを『企てる』のに、もってこいの場所ですね」と楽しそうだ。 コメリ本社(新潟市)による… この記事は有料記事です。残り954文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元中小企業庁長官、使い込み1千万円超の指摘 コンパニオンと混浴も
プロパンガス事業を手がけるTOKAIホールディングス(本社・静岡市)の鴇田(ときた)勝彦取締役(77)が9月、交際費の使い込みを理由に社長職を解任された問題で、社外有識者らの特別調査委員会がまとめた報告書が15日、公表された。経費を私的に使った疑いが認められたほか、保養施設で女性コンパニオンと混浴を繰り返すなど不適切な行為があったと指摘した。 鴇田氏は中小企業庁長官などを務めた元官僚で、2005年にザ・トーカイ(現TOKAIホールディングス)の社長に就任。グループ会社の再編や持ち株会社化を進めた。 報告書は、2016年4月からの約6年間で、会食や宿泊など少なくとも253件、計約1110万円の支出が「業務との関連に疑義がある」と指摘した。ただ、件数が多く裏付け調査の対象を絞ったという。こうした支出の多くについて、事実と異なる申告をしていたと認定した。 長野県内の社有施設では、女性出張コンパニオンを手配した取引先などとの利用が44回あり、「おおむね毎回、露天風呂で混浴を実施していた」と指摘した。女性は湯あみを着用していたが「世間に知れ渡ることにより当社の信用が低下するリスク」もあり、「取引先からの指摘がありながら、混浴が継続されたのは遺憾」とした。 会社側は今後、鴇田氏による… この記事は有料記事です。残り153文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ハッチの摩耗・割れた窓から大量の海水 カズワン沈没までの経緯
有料記事 角詠之 古城博隆、佐野楓 平岡春人2022年12月15日 20時00分 北海道・知床半島沖で4月、観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没して20人が死亡し、6人が行方不明になった事故で、原因を調査している国の運輸安全委員会が15日、浸水から沈没に至る経緯や航行記録についての報告書を公表した。ふたに不具合があった船首部分のハッチから浸水し、機関室に海水が入ってエンジンが停止。外れたハッチのふたが当たって客室の窓ガラスが割れ、大量の海水が流入して沈没に至ったと推定した。 船底への出入り口であるカズワンのハッチは約50センチ四方で、ふたの四隅を留め具で密閉する構造だった。運輸安全委の調査で、四つのうち二つの留め具に摩耗が確認され、十分に密閉できていなかった可能性がある。当時、波が高かったことから、密閉されていないハッチが船の揺れで開いたと推定されるという。「隔壁」と呼ばれる船底の3カ所の壁に穴があったことも沈没の要因と判断した。船首区画と倉庫区画、エンジンがある機関室と、かじに関連する機械がある舵機(だき)室を分けていたが、いずれも穴が開いており、ハッチから入った海水が穴を通じて広がったという。 また、乗客のGPS機能がついた携帯電話の位置情報を解析し、知床岬で折り返した復路で浸水が広がったと認定した。知床岬では波の高さ(推定)は1メートル以上だったが、沈没したカシュニの滝付近では2メートル以上に達していた。船体はもともと波の穏やかな水域での航行を想定しており、「波が1メートルを超えると航行困難になる構造」(運輸安全委の担当者)で、「冷静な判断ができれば、戻れば戻るほど波が大きくなるとわかる。知床岬付近の避難港を使うべきだった」としている。 報告書では、事故につながった要因として、▽船体構造▽出航の可否判断、運航継続の判断に問題▽運航会社が安全管理規程を順守していなかった▽監査・検査の実効性に問題――などと指摘した。救命設備・通信設備の不備や、捜索・救助態勢に課題があったことについても言及した。 報告書の公表に合わせ、運輸安全委は国土交通相に対し、小型旅客船のハッチが簡単に開かないか緊急点検することや、避難港の活用法について再確認することを求めた。船底の隔壁を水を通さない構造にするかどうかは航行区域に応じて省令で規定され、カズワンは義務ではなかったが、「小型旅客船の隔壁について水密化の検討」も求めた。 乗客と親族との携帯電話の通話内容も明らかに 乗客と親族との携帯電話の通… この記事は有料記事です。残り3021文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「船が沈みよる。今までありがとう」乗客が電話 カズワン報告書
北海道・知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故について、15日に公表された国の運輸安全委員会の報告書は、事故に至ったメカニズムと船内の様子を明らかにした。 報告書では、船長や乗客が、同業者や親族と交わしたやりとりの詳細が新たに明らかになった。 4月23日午前10時ごろ、子ども2人を含む乗客24人と船長、甲板員1人を乗せたカズワンがウトロ漁港を出航。海岸線に沿って遊覧していた。 午前11時半ごろ、僚船のカズスリーが帰港。カズワンの乗船を手伝った人は、カズスリー船長から「だいぶ風が出てきた」と聞き、心配になった。 この人が、午前11時47分ごろから午後0時47分ごろにかけ、カズワン船長の携帯電話に3回連絡したが、つながらなかった。カズワンは知床岬を7分遅れで折り返し、復路を航行しているころ。船の速度は往路に比べて大幅に落ちていた。 午後1時2分ごろ、乗客の一人は親族と携帯電話で「下船後に昼食を食べる」と会話を交わしていた。慌てている様子はなかったという。 ただこの時、船の速度はさらに落ちていた。 乗船を手伝った人から、船長と連絡がとれないと聞いた同業者は、自身の事務所からアマチュア無線でカズワンを呼び出した。 船長から応答があったのは午後1時7分ごろ。「カシュニ(の滝)です。ちょっとスピードが出ないので、戻る時間、結構かかりそうです」と連絡があった。 この時、波の高さは約2メートルと推定され、航行が困難だった可能性がある。予定より約1時間の遅れが生じていた。 同業者がそのまま無線を聞いていると、慌ただしい声が突然聞こえてきた。 「浸水している」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「運航中止条件に達する恐れあり」カズワンに複数の助言、報告書指摘
北海道・知床半島沖で4月、乗客・乗員26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故で、原因を調べていた国の運輸安全委員会は15日、報告書を公表した。 運輸安全委員会が事故の要因などをまとめた報告書の要旨 ①船体構造に問題 船首甲板部のハッチのふたが確実に閉鎖された状態ではなく、船体の揺れでハッチが開き、そこから海水が流入。さらに外れたふたが当たって客室の窓のガラスが割れ、海水が大量に流れこみ、沈没した。 ②運航判断に問題 船長は気象・海象が運航基準… この記事は有料記事です。残り652文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「反社会的な旧統一教会に関与しない」 北九州市議会が決議
2022年12月15日 21時32分 北九州市議会は15日、議員提出議案の「反社会的な旧統一教会に関与しないことを確認する決議」を全会一致で可決した。 決議では「選挙活動の支援、パーティー券購入等の見返りに、政治家が旧統一教会のイベントなどに出席し、祝電を送るなどすることで、旧統一教会の活動に『お墨付き』を与えてきた」などと指摘。「市議がこのような団体と癒着することは、市民の政治に対する不信感を増し、更なる被害者を作り出すことにつながりかねない」として、「行事への参加やメッセージなどの送付、会費の納付等の関係を一切持たないことを宣言する」とした。 決議の前に、篠原研治市議(維新)が「(教会を)擁護する質疑ではない」と前置きしたうえで、「信者は相談しにくくなり、孤立するのではないか。関係を持たないと決めることより、これ以上の被害を止めるためにはどうするか話し合うべきではないか」などと質問した。決議案を提出した山内涼成市議(共産)は「関係を断つと宣言することで、より相談しやすく、未然に防ぐことにつながる」「生活相談とは別の話」などと答えた。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「熊に襲われ転落」情報の男性、遺体で見つかる 奈良の山中
奈良県警と消防は15日、同県上北山村などにまたがる大普賢岳の山頂から約300メートルの登山道を約90メートル下がった斜面から、男性の遺体を発見し、収容した。「上司が熊に襲われ、がけから転落した」との110番通報を受けた捜索で、県警は死亡の経緯を調べる。 県警によると、死亡したのは堺市の会社員小山悦志さん(46)。小山さんの部下(28)から14日午後0時40分ごろ110番通報があり、吹雪の影響で15日朝から消防とともに捜索していた。 これまでの調べでは2人は14日午前7時ごろ、同県上北山村の和佐又ヒュッテを出発し、大普賢岳付近を登っていたという。部下の男性の県警への説明では、午前9時ごろに小山さんが熊に体当たりされ、30メートル下の斜面へ転落した。小山さんは頭にけがを負い、意識がなかったという。部下の男性は電波の通じる場所まで下山し、通報したという。 県鳥獣対策係によると、今年… この記事は有料記事です。残り109文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル