村上友里2022年12月22日 20時35分 全国の神社を束ねる宗教法人神社本庁(東京)の代表役員で事務方トップの総長ポストをめぐり、宗教団体を代表する「統理」から総長に指名されたのに役員会で否決された芦原高穂理事が、自身が総長だとの確認を求めた訴訟の判決が22日、東京地裁(笹本哲朗裁判長)であった。判決は「総長選任には役員会の議決が必要」として、芦原氏の請求を棄却した。 判決によると、今年5月、鷹司尚武統理が旭川神社(北海道旭川市)の宮司を務める芦原氏を総長に指名した。だが15人の理事による役員会は翌月、2010年から総長を務める石清水八幡宮(京都府八幡市)の宮司の田中恒清氏の続投を賛成多数で議決。鷹司統理はそれでも改めて芦原氏を総長に指名した。 神社本庁では近年、職員宿舎の売却の不正を内部告発した職員の懲戒処分が裁判で取り消された。鷹司統理はこうした問題が起きた田中総長体制の刷新のため、芦原氏を指名したと説明し、総長人事をめぐる混乱が生じていた。 神社本庁の「庁規」は、総長選任は「役員会の議を経て統理が指名する」と定めている。今回の裁判で芦原氏側は「議決の内容に縛られず、統理が指名できる」と主張したが、判決は、庁規の他の規定などに照らし、総長選任の規定は「役員会の議決で決定するという意味だ」と認定。議決がない芦原氏は総長ではないと結論づけた。(村上友里) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
脱炭素や電力不足を強調する政府 コスト、核のごみ…課題山積の原発
有料記事 岩沢志気 長崎潤一郎2022年12月23日 5時00分 原発政策の大転換が決まった。一方で、転換は目の前の電力の課題を解決するものではなく、核のごみなどの問題は置き去りにされたままだ。 政府は脱炭素の実現に役立つとして「原発回帰」を打ち出した。発電時に二酸化炭素(CO2)を出さず、太陽光などの再生可能エネルギーとともに「最大限活用する」とした。 他国と同様に日本も太陽光や洋上風力の導入を進めているが、経済産業省は日本は適地が少なく、導入が難しいと説明する。12年の再エネの固定価格買い取り制度(FIT)創設以降、再エネの発電量は対前年度比で2~3割増加していた。だが、ここ数年は10%前後にとどまっている。 むしろ原発の推進が再エネ導入の足かせになっているとの見方がある。自然エネルギー財団の大野輝之常務理事は22日、「再エネの導入が加速しないのは、政策で原発や火力の既得権益を守ろうとしているからだ」と政府の姿勢を批判する。 今の電力料金の抑制にはつながらず 脱炭素とともに政府が強調す… この記事は有料記事です。残り2581文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本ハム新球場で五輪フィギュア開催? 2030年札幌招致で浮上
プロ野球日本ハムファイターズの新球場で五輪のフィギュアスケートを――。そんな構想が北海道で持ち上がっている。新球場はオフシーズンのウィンタースポーツへの活用が検討される一方、札幌市が招致をめざす2030年冬季五輪・パラリンピックの大会概要案をめぐっては、フィギュア会場の不備が指摘されている。そうしたなか、新球場への五輪競技誘致が浮上した。 札幌市郊外の北広島市に来年3月開業する新球場「エスコンフィールド北海道」は、開閉式屋根を備えて約3万5千人の観客を収容。グラウンドは天然芝が敷かれるが、冬季は仮設のアイスリンクを設置し、スケートやアイスホッケーのイベント会場としても使うことが検討されている。オフシーズンもイベントを誘致し、総合的なスポーツ施設として使えるようにする計画だ。米大リーグの球場ではアイスホッケーの公式戦が開かれた事例もあり、球団は新球場の構想段階から冬季利用の調査を進めていた。 一方、札幌市の30年大会概要案では、フィギュア会場は市内の全天候型スポーツ・イベント施設「つどーむ」(札幌市東区)を想定。仮設で約1万人分の観客席を置く計画だ。しかし隣接する丘珠空港の騒音について競技団体から懸念の声が出ている。札幌市は競技時間を航空機の利用時間からずらすことも検討しているが、観客動員などの観点からも、フィギュア会場を東京に移す案が一部では浮上している。 日本ハムは新球場の立地や設… この記事は有料記事です。残り545文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知床観光船事故、再発防止へ66項目 「現実味あるのか」の声も
北海道・知床半島沖で4月、観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故を受け、国土交通省の有識者検討委員会が22日、再発防止策をまとめた。ドライブレコーダーの設置や、寒冷地を航行する船への救命いかだの搭載など66項目が盛り込まれた。国の運輸安全委員会が事故の経過報告書で指摘した、ハッチなどの安全基準については、別の有識者会議で改めて議論するという。 検討委は5月から10回にわたって再発防止策を議論し、「旅客船の総合的な安全・安心対策」として取りまとめた。今後も毎年会議を開いて対策を更新する。 水温10度未満の水域などを航行する船については、救命いかだの搭載を義務化する。録画した映像を教育や訓練に役立てることを目的に、ドライブレコーダーの設置も義務づける。 また、行政処分の種類に船舶の使用停止を新たに設けるほか、安全確保命令に違反した際に、懲役刑に代わって新設される拘禁刑を導入する。2025年度には運航に関わる責任者に試験を導入し、2年ごとの更新制とする。 事故をめぐっては、原因を調査してきた国の運輸安全委が15日、経過報告書を公表。悪天候の際に停泊する「避難港」の活用を求めたことを受け、運航事業者に避難港の確認を行い、国にその結果を確認することも求めた。 経過報告書では、カズワンの船首のハッチに不具合があり、海水が流入した可能性が指摘された。事故3日前、国交省所管の日本小型船舶検査機構(JCI)が検査していたが、国交省によると、目視検査のみで「異常なし」と判断されたという。検討委は、ふたの作動確認を実施することを求めることも決めた。JCIの担当者は「いただいたご意見を重く受け止めて対応したい」と話した。(角詠之、古城博隆、中沢滋人、長谷川潤、平岡春人) 国の有識者会議で取りまとめられた再発防止策。記事の後半では旅客船業者や乗客の家族に思いを聞きました。家族の帰りを待つ男性は「事故が起きてからでは遅いんです」と思いを語ってくれました。 公表された安全対策は、どう… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
50歳の男を逮捕、容疑認める 神奈川県茅ケ崎市の男性殺害事件で
有料記事 中村英一郎、原晟也2022年12月22日 23時59分 神奈川県茅ケ崎市中海岸3丁目の住宅で20日昼、会社員四方洋行さん(55)が刺殺された事件で、県警は22日、住居不定で職業調査中の高井靖弘容疑者(50)を殺人容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 逮捕容疑は20日午後1時10分ごろ、四方さん方の玄関で、四方さんに刃物のようなものを突き刺すなどして、失血死させたというもの。捜査1課によると、四方さんは自宅のインターホンが鳴ったため、ドアを開けて玄関先で応対。頭や胸など複数箇所を刺されたという。 捜査関係者によると、四方さ… この記事は有料記事です。残り143文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上皇さま、89歳に 美智子さまと穏やかな日々 右心不全は改善傾向
多田晃子2022年12月23日 0時00分 【動画】上皇さまは23日、89歳の誕生日を迎えた=2022年12月8日午後、東京・元赤坂の赤坂御用地、宮内庁提供 上皇さまは23日、89歳の誕生日を迎えた。宮内庁によると、上皇后美智子さまとともに穏やかな日々を過ごしているという。 この1年も新型コロナの影響で外出は限られた。上皇さまは毎日、起床後に美智子さまと庭を散策。午前7時のニュースを見ながら朝食をとり、新聞に目を通した後、ご夫妻で本を音読する。 研究がない午前中は歴史や自然などのテレビ番組の録画を鑑賞し、夕方にはご夫妻で赤坂御用地内を30分ほど散策している。読書や大相撲中継を楽しむこともある。夕食後は国内外の訪問の記録集を見ながら、側近が上皇さまから話を聞く時間があるという。テレビを見ながら美智子さまと体操をするほか、今年4月、ご夫妻が33年余を過ごした御用地内のお住まいに戻って以降は、チェロを弾いている。 7月に診断された三尖弁(さんせんべん)閉鎖不全による右心不全の症状は、内科的治療によって改善されつつあるという。(多田晃子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
行方を追っていた男から事情聴取 神奈川県茅ケ崎市の男性殺害事件で
有料記事 中村英一郎、原晟也2022年12月22日 21時38分 神奈川県茅ケ崎市中海岸3丁目の住宅で20日昼、会社員四方洋行さん(55)が刺殺された事件で、県警が22日、行方を追っていた男を事情聴取していることが捜査関係者への取材でわかった。殺人容疑を視野に調べているという。 県警などによると、四方さんはIT関連会社に勤務する一方、不動産売買の会社を経営。仕事をめぐるトラブルに巻き込まれた可能性があるとみて、県警が男の行方を追っていた。 事件は20日午後1時10分… この記事は有料記事です。残り145文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「100万円払ってる。ダメ元でお願いしろ」 AOKI前会長が証言
東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、スポンサー選定などをめぐって大会組織委員会の元理事に賄賂を渡したとして、贈賄罪に問われた紳士服大手「AOKIホールディングス」側の初公判が22日午後、東京地裁であった。前会長の青木拡憲(ひろのり)(84)、前副会長の青木宝久(たかひさ)(76)、前専務の上田雄久(かつひさ)(41)の3被告はいずれも「間違いありません」と起訴内容を認めた。 「五輪開催は日本の元気につながるという熱い思いがあった。その延長で、このような事態を引き起こし深く反省している」 青木前会長はこの日の被告人質問でこう述べた。 高橋元理事については「15… この記事は有料記事です。残り1206文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪スポンサーは森元首相に一任、森氏は高橋元理事に任せ…検察主張
有料記事 金子和史、川嶋かえ2022年12月22日 21時57分 東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、スポンサー選定などをめぐって大会組織委員会の元理事に賄賂を渡したとして、贈賄罪に問われた紳士服大手「AOKIホールディングス」側の初公判が22日、東京地裁であった。前会長の青木拡憲(ひろのり)(84)、前副会長の青木宝久(たかひさ)(76)、前専務の上田雄久(かつひさ)(41)の3被告はいずれも「間違いありません」と起訴内容を認めた。 計15人が起訴された一連の事件で公判が開かれるのは初めて。検察側は組織委元理事・高橋治之被告(78)=受託収賄罪で起訴=にスポンサー集めの職務権限があり、広告最大手「電通」などに様々な働きかけをしてAOKI側の依頼を実現させたと主張した。 検察側の冒頭陳述によると、組織委はスポンサーなどの決定を会長だった森喜朗元首相に一任。森氏は、電通元専務で「スポーツマーケティングの第一人者」とされた高橋元理事に「マーケティングを担当する理事としてスポンサー集めを任せた」という。 そのうえで、高橋元理事は電通から組織委に出向した担当局長らへの働きかけを「職務」とし、組織委がスポンサー募集業務を委託した電通にも働きかけを行った。組織委や電通内では高橋元理事の紹介企業などを「高橋理事案件」と呼び、元理事の指示を実現するようにしていたという。 AOKI、半額の協賛金でスポンサーに AOKIに対しては、高橋元… この記事は有料記事です。残り591文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東武動物公園が臨時休園 鳥インフル感染が発生で再開時期を県と協議
西田有里2022年12月22日 19時14分 東武動物公園(埼玉県宮代町)で飼育されているヘビクイワシなどが死に、高病原性鳥インフルエンザに感染していた疑いがあることが判明した。園と埼玉県が22日、発表した。この日は臨時休園し、再開の時期は県と協議して決める。 園や県によると、21日、死んだヘビクイワシが見つかり、同日中に簡易検査で鳥インフルエンザの陽性がわかった。隣の展示場で衰弱していたコブハクチョウ1羽も同日に陽性が確認され、翌日に死んだ。今後、国の遺伝子検査で高病原性かどうか調べる。 園は38種約380羽の鳥類を飼育している。22日、県が園に立ち入り検査をし、コブハクチョウと同じ池で飼育していたシナガチョウなど、家禽(かきん)10羽ほどの隔離を指示した。今後、県がこれらの鳥を簡易検査する。 今回の疑い事例の発生を受け、大野元裕知事は22日に開いた鳥インフルエンザ対応の対策本部会議で「県内のどこで発生してもおかしくない非常にリスクの高い状況」と述べた。(西田有里) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル