田内康介2022年12月27日 20時45分 名古屋刑務所の刑務官22人が受刑者3人に暴行などを繰り返していた問題を検証する第三者委員会(座長=永井敏雄・元大阪高裁長官)の初会合が27日に開かれた。法務省は昨年11月~今年8月に不適切な言動が462件あったと報告した。 法務省の第三者委への報告によると、462件のうち暴力行為は107件で、残る355件は「土下座をさせる」「中指を立てて挑発する」「物品を食器口から投げ入れる」といった不適切な行為だった。被害に遭った3人は40~60代の男性で、全体の8割は60代の男性に集中していた。 第三者委の委員からは、2001~02年に名古屋刑務所で受刑者3人が死傷した事件に触れて、「改善策は機能したのか」と指摘する意見も出たという。 第三者委は来年1月、名古屋刑務所を視察。問題行為の全容把握や原因分析のほか、刑務官の教育・研修、組織の監督体制、処遇が難しい受刑者への対応などを議論するとみられる。 第三者委は、弁護士や医療、福祉の専門家ら9人で構成。斎藤健法相は初会合で「全体像を解明し、抜本的な再発防止策を講じなければならない」と述べた。(田内康介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
埼玉3人殺害の被害男性、日米の架け橋役 元仕事仲間「どうして…」
有料記事 有元愛美子、仙道洸2022年12月27日 21時44分 埼玉県飯能市で夫妻と娘の計3人が殺害された事件。被害者の1人は、米国籍のビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん(69)だった。日本語が堪能で、日米の架け橋となる仕事を長年続け、一線を退く直前の6年前、妻森田泉さん(68)と東京都内から飯能市に転居したばかりだった。 本人のSNSによると、ビショップさんは1974年に来日し、上智大学で国際関係について学んだ。81年の卒業後は、米国の大学院を出て、日本を中心にシンガポールやソウルなどの東アジアで暮らした。 最初の職場は日本にあった米国州政府の出先機関だった。その後、複数の米国の製薬会社や医療品会社で日本向け広報などを担い、2016年に退職した。 かつての仕事仲間は… 製薬会社時代のビショップさ… この記事は有料記事です。残り374文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「将来は映画業界に」容疑者が語っていた夢 埼玉3人殺害
野口駿2022年12月27日 22時07分 埼玉県飯能市美杉台4丁目の住宅で3人が殺害された事件で、3人のうち1人への殺人未遂容疑で逮捕された無職斎藤淳容疑者(40)=殺人容疑で送検=の父親が27日、朝日新聞の取材に応じた。 斎藤容疑者宅は、現場の住宅から約60メートル。父親によると、斎藤容疑者が関西の大学に進学するまで、そこで一緒に暮らしたという。離婚により父親が家を出たといい、大学入学時の準備を手伝ったのを最後に約20年間、一度も顔を会わせていないという。映画が大好きで、将来の夢は「業界で働くこと」だった。 父親は事件後に体調を崩し、仕事を辞めたという。「口に出しても伝わらないかも知れませんが、被害者の皆さま、関係の皆さまに本当に申し訳ないと思っています。私自身も本当に悲しいです」と話した。(野口駿) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大分港沖で釣り船が転覆、男性1人不明 引き船のロープに接触か
2022年12月27日 22時22分 大分海上保安部によると、大分市の大分港沖約5キロの海上で27日夕、釣り船「裕太丸」(1・8トン)が転覆した。裕太丸は近くの引き船のロープに接触したとみられ、乗っていた男性3人のうち1人の行方がわかっていない。 27日午後5時40分ごろ、大分港大在沖で台船をロープで引いていた「大盛丸」(19トン)の乗組員から「ロープに釣り船が接触し、台船の下に潜り込んだ」と、第7管区海上保安本部に通報があった。 裕太丸に乗っていた乗組員3人のうち、船長の長野龍彦さん(69)と70代男性は大盛丸に救助されたが、30代男性の行方がわかっていない。 大分海保は巡視船1隻と巡視艇2隻、ヘリコプター1機で捜索している。 事故当時の天候は晴れで、波のうねりもなく、視界は良好だったという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジンギスカン、食べられなくなったふかわりょう 羊に抱いた愛情
タレントのふかわりょうさん(48)は、羊好きが高じて北欧の島国アイスランドに通い詰め、その経験を旅行記「風とマシュマロの国」(2012年、幻戯書房)にまとめた。「ジンギスカンは食べられない」と話すふかわさんに、アイスランドでの羊体験を聞いた。 ふかわ・りょう 1974年生まれ、横浜市出身。慶大在学中にお笑い芸人としてデビュー。ROCKETMAN名義での音楽活動やエッセー集など著述業も。近著に「ひとりで生きると決めたんだ」 アイスランドには2007年に初めて行きました。以来10年間にわたって毎年訪問しました。計10回。毎回、一人旅です。 当初の旅の目的は地球が生きていることを確かめたかったからです。 アイスランドで、温泉が噴出する間欠泉や北米大陸とユーラシア大陸のプレートの境目を目のあたりにしました。地球が呼吸をしているようでした。巨大な滝やむき出しの岩肌はまるですっぴんの地球です。確かに地球は生きていると実感できました。 アイスランドには至る所に羊がいます。 車を走らせていると、さんさんと日差しが降り注ぐ中で、丘の上に羊たちの群れが見える瞬間がありました。何も遮るものがない草原の中に白いふわふわした物体が揺らめいている。まるでマシュマロのようでした。アイスランドを象徴する風景です。 2度目の旅行の時だったか。あるとき、仰向けで脚をばたばたさせている羊に出会いました。溺れているように見えます。起き上がりたいのかな、と思って近寄りました。羊の背中と地面の間に腕を滑り込ませて、ゴロンとひっくり返してあげると、羊は少しよろめきながら、ゆっくりと群れに帰って行きました。 調べてみると仰向けになった羊は自分では起き上がれないそうです。羊は仰向けのままだと、のどにガスがたまって死んでしまう。モコモコした大きなからだの割に脚はきゃしゃです。羊は人間によって、自分では起き上がれないからだに改良されてしまったのです。 そのことを知ってからアイスランドに行く目的が、仰向けになった羊を起こしてあげることに変わりました。島内を車で周遊しながら、仰向けの羊を探して回りました。 20歳で芸能界にデビューしてから10年くらい、休まずに走り続けてきました。30代になって日本とは違う空気に触れる機会があってもいいかなと。そういうタイミングで出会ったのがアイスランドと羊でした。 羊に会うことで、無意識のうちに心が潤される気がします。 羊は群れで行動しているので直接触れることは難しい。ただ、人間の声には反応します。「おーい」と呼びかけると、羊たちは一斉に振り返ったり、「だるまさんが転んだ」のようにピタッと止まったり。その様子がかわいらしいんです。そういうことを重ねていくうちに、心が潤されていくという感覚がありました。 羊との出会いを重ねた旅行中、食事でラムチョップが出てきたとき、どうしても食べることができなかった。いまもジンギスカンは食べられません。 ここ数年は北欧人気が高まったり、コロナ禍だったりで、アイスランドには行けていません。 また、羊に会いに行きたいです。いつか長期滞在して、羊たちとアイスランドの四季を感じてみたいなと思っています。(聞き手・佐々木洋輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
検察「親の窮地につけこんだ」懲役4年求刑 発達障害の子ら監禁の罪
中山直樹2022年12月27日 19時30分 発達障害のある中学生らを拘束して監禁したとして、逮捕監禁の罪に問われている福岡市のNPO法人「さるく」理事長の坂上慎一被告(57)の論告求刑公判が27日、福岡地裁であった。 検察側は「被害児童に強い恐怖心を植え付けた」として懲役4年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。判決は来年1月20日。 検察側は論告で、「知的障害などを抱える児童の問題行動に悩む親の窮地につけこみ、児童を拘束・監禁することを事業の一環として繰り返した」と指摘した。 そのうえで「被害児童の人間性、尊厳を顧みない独善で、強い非難に値する」と述べた。 これに対して弁護側は、坂上被告が40年にわたって障害のある児童の療育に真摯(しんし)に取り組み、今回の行動は児童の社会的な自立を目指して実施していたと主張した。 起訴状などによると、坂上被告は2017~21年、福岡県や長崎県の男子中学生3人の自宅に乗り込み、「殺すぞ」と脅して手足をベルトで拘束したり、頭に袋をかぶせて殴ったりした。 さらに、山道に連行して「捨てていく」「埋めるぞ」と脅迫し、施設に監禁したとされる。(中山直樹) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
田口翔被告に懲役4年6カ月を求刑 山口県阿武町4630万円誤入金
大藤道矢、太田原奈都乃2022年12月27日 19時42分 山口県阿武町が誤って入金した4630万円の大半を決済代行業者の口座に振り替えたとして、電子計算機使用詐欺罪に問われている住民の田口翔被告(24)の論告求刑公判が27日、山口地裁(小松本卓裁判官)であった。検察側は「犯行は大胆で悪質」として懲役4年6カ月を求刑した。弁護側は改めて無罪を主張した。判決は来年2月28日。 同罪は電子システムに「虚偽の情報」などを与えて不法に利益を得たとするもの。起訴状などによると、田口被告は4月8~18日、自分名義の銀行口座に町から振り込まれた4630万円のほぼ全額をオンラインカジノで使うために出金したとされる。 検察側は論告で、誤った振り込みであることを銀行に知らせず、正当な権限を装って決済代行業者への出金を依頼したことが虚偽の情報を与える行為にあたる、と主張。「高額の公金が海外のオンラインカジノ業者に流出した結果は重大」と述べた。 また、決済代行業者が町に被害回復をした経緯から「大部分が違法に消費されたまま」と指摘。町の返還要請に応じず、出金を繰り返したとして「自己中心的で、酌量の余地はない」と非難した。 弁護側は事実関係は認めた上で、虚偽情報の入力はなく、同罪は成立しないと主張。「誤入金であっても出金の権限はあった」などと反論し、無罪を訴えた。田口被告は意見陳述で「このたびは多くの人に迷惑をかけ、申し訳ありませんでした」と頭を下げた。(大藤道矢、太田原奈都乃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「カタギは違う星に住むのと同じ」元組員に立ちはだかる更生の高い壁
暴力団を「反社会的集団」と位置づけた暴力団対策法の施行から今年は30年の節目だった。組員は減少の一途をたどるが、今もなお2万人以上が存在する。背景には「更生への高い壁」もあるという。やめたいがやめられない――。元暴力団員が厳しい現実を語った。 「カタギでの生活は、違う星に住むのと同じぐらい大変なことです」 数年前に暴力団員を辞めて今は解体業で働く男性はかみ締めるように、こうつぶやいた。 男性は東日本の貧しい家庭で育った。高校を中退して学歴もない。「極道で一旗あげてやろう」。18歳ごろから組事務所に出入りするようになった。 潮目が変わったのは1992年。暴対法が施行され、所属した組の上部団体が「指定暴力団」に指定された。組員は暴力団の看板を背景にした金品の要求は禁じられ、金銭的に追い込まれた。強引な商売に手を出して逮捕者も増えた。男性自身も恐喝などで何度も刑務所を経験した。 その後、暴力団を社会から締… この記事は有料記事です。残り1033文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「電車が不安だった」車で出勤 文科省職員、通勤手当を不正受給
2022年12月27日 16時14分 電車で通っているとして通勤手当を申請していたのに、実際は自家用車で通勤して手当を不正に受給していたとして、文部科学省は27日、公用車の運転手の男性職員2人を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にし、発表した。 人事課によると、職員の1人は2020年4月~今年12月、電車通勤だと届け出ていたにもかかわらず、実際には自家用車で通い、通勤手当11万4640円を不正受給した。もう1人は20年11月~今年11月、同様に通勤手当5万8920円を不正受給していた。 2人とも出勤に使った車は、文科省の公用車用の駐車場に止めていた。ゲートは職員証を使って通過していたという。今年10月、職員の1人について通報が寄せられ調査していた。2人とも「コロナで電車出勤が不安だった」などと説明したという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
県議長らの上京時のセンチュリーなどを「中型車」に 山口県が見直し
有料記事 前田健汰、太田原奈都乃2022年12月27日 16時30分 山口県の村岡嗣政知事は、県議会議長と副議長が上京した際に乗るハイヤーを、高級車「センチュリー」などの大型車から中型車に変えるよう運用を見直したことを明らかにした。料金が2割ほど安くなるといい、村岡知事は「経費節減の観点から見直した」と述べた。 26日の定例記者会見で明らかにした。 山口県は来県した皇族や外国の大使らを乗せる「貴賓車」として、2020年にセンチュリーを約2千万円で購入した。この購入費をめぐる住民訴訟で山口地裁は11月、「裁量権を逸脱、乱用した財務会計上の違法行為」と判決で指摘。県は控訴した。貴賓車としての利用は購入後計7日で、年間100日以上が柳居俊学議長の送迎に使われている。 一方、朝日新聞が情報公開請求した資料によると、柳居議長が20年4月~今年10月に上京した際、ハイヤーは全て大型車で計66回だった。 そのうち13回は宿泊先と羽… この記事は有料記事です。残り278文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル