日本代表の活躍で盛り上がった、サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会。いまでも忘れられないのが、ラインすれすれでパスを成功させた「三笘の1ミリ」だ。グループステージのスペイン戦で、その三笘薫選手からパスを受け、劇的な逆転ゴールを決めたのが、独デュッセルドルフ所属のMF田中碧(あお)選手(24)だった。その田中選手の活躍の裏には、岩手パワーがあった? W杯期間中に、田中選手と南部鉄器との関わりが話題になった。 岩手が誇る伝統工芸品の南部鉄器は、盛岡市と奥州市が産地で、盛岡では17世紀ごろ茶の湯釜として作られ、奥州では平安時代に藤原氏が武具として作らせたのが始まりとされている。 1975年には、国が定める「伝統的工芸品」にも選ばれている。 急須やフライパン、鉄瓶などが有名だ。職人が手作業で形作る重厚な器は、見た目の美しさとともに、調理すると鉄器に含まれる鉄分が溶け出すのが特徴で、健康効果が魅力ともされている。 パフォーマンスの向上のため… この記事は有料記事です。残り508文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
縁結びで人気の東京大神宮、参道を和のイメージに 「もっと歩いて」
「東京のお伊勢さま」と親しまれ、縁結びを願う若者にも人気の東京大神宮(東京都千代田区富士見2丁目)周辺では参道の整備が進められている。地元商店街などは、これをきっかけに参拝者にもっと街歩きを楽しんでもらおうと、様々な取り組みに乗り出した。 東京大神宮は1880(明治13)年、東京における伊勢神宮(三重県)の遥拝殿(ようはいでん)として日比谷に創建された。関東大震災後の1928(昭和3)年に現在の地に移った。日本で最初の神前結婚式を行った神社で、縁結びにご利益があることでも知られ、良縁を願う多くの若者らが参拝に訪れている。 参道は東京大神宮通りと言い、参道の入り口を示す「社号標(しゃごうひょう)」は九段下方面からの目白通り沿いにある。だが、多くの人はJR飯田橋駅西口の飯田橋西口通りを歩いて東京大神宮へ参拝し、再び駅に戻っていく。2020年7月に西口駅舎が開業すると、その流れはより顕著になった。 「参道がいかされず、にぎわいの低下につながる。このエリアの回遊性や滞留性を高めることが課題」。地元住民らでつくる東京大神宮通り・飯田橋西口通り商業連合会の増田勝仁会長(61)はそう語る。 参道では現在、舗装をアスファルトから石畳風にするなど道路工事が進む。参道にふさわしい「和のイメージ」に整備するもので、来年2月に完了予定だ。これを機に、同連合会は「縁結び」をキーワードにして東京大神宮を中心に交流拠点をつくろうと、様々な企画活動を展開している。 参拝者らに街を歩いてもらえるよう、地域の商店や見どころスポットを掲載した「商店街マップ」を約2万5千部作成、配布。10~11月にスタンプラリーを実施し、12月には期間限定で「縁結びベンチ」と名付けた休憩場所を設けた。 また、西口通りと東京大神宮通りの街路灯には東京大神宮と記した提灯(ちょうちん)と、各通りの名前を入れた旗を掲げている。二つの通りに一体感を持たせ、西口通りから来た人が参道の入り口まで歩きたくなるような街を目指す狙いだ。 こうした地元住民の取り組み… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
遺体は男性、死後1~2カ月経過 身元は確定できず 仙台市の事件で
仙台市のアパートで遺体を損壊し、別の場所に遺棄したとして、宮城県警は30日、住所不定、無職前田広樹容疑者(30)と、自称青森市大野、接客業山口優容疑者(31)を死体損壊・遺棄の疑いで逮捕し、発表した。いずれも容疑を大筋で認めており、県警は2人が殺害にも関わった可能性があるとみて調べている。 捜査1課によると、2人は共謀し10月下旬ごろ~11月中旬ごろ、仙台市青葉区のアパートの室内で男性の遺体を損壊し、同市若林区内に遺棄した疑いがある。 捜査関係者などによると、2… この記事は有料記事です。残り207文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熱気は紅白以上? 「埼玉の奇祭」政財界人チャリティ歌謡祭の現場
11月下旬の土曜日。寒空のもと、JR南浦和駅近くのさいたま市文化センターに、続々と人が集まってきた。 誰かの似顔絵イラスト入りのうちわや、ペンライト、名前が書かれたのぼりを手にしている人もいる。 有名歌手のコンサートではない。約1900人が客席で待ちわびていたのは、テレビ埼玉が毎年、元日夜に放送している名物番組「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」(元日午後7時~同9時半)の収録だった。 出演者は、県知事や市長、地元企業の社長など。ローカルな顔ぶれにもかかわらず、毎年のように県外の視聴者も巻き込み、インターネットで「埼玉の奇祭」などと話題になる。 司会は堀尾正明さん 私たちもホールに入り、その現場を目撃した。 企業や自治体ごとに、応援に来た人が集まって座っている。企業の関係者や、政治家の後援会や地元の人たちなどさまざまだ。 客席の明かりが落とされ、ステージでバンドの生演奏が始まった。 「皆様、明けましておめでとうございます!」 NHK紅白歌合戦で総合司会を務めたこともある、フリーキャスターの堀尾正明さんが開幕を告げた。堀尾さんは県内屈指の名門・県立浦和高校の卒業生だ。 トップバッターは、東京ガスネットワーク埼玉支社の支社長。同社は前回まで東京ガス埼玉支社として、毎年のように支社長が歌を披露してきた常連だ。 今回は、今年就任した細田千恵支社長が、緊張の面持ちで「さくら(独唱)」(森山直太朗)を歌った。上下とも会社の制服姿。バックダンサーの社員たちは、社のロゴマーク入りの白いポロシャツ姿だ。 客席の応援団はペンライトを振り、花道では社名入りの横断幕が掲げられた。 広くヒットした歌を選ぶ人が多いなか、オリジナル曲や、埼玉ならではの曲を歌う人もいる。 知事も、議長も、市長も、社長も「みんな笑いものになる」。そんな恒例行事の魅力に迫ります。 中屋敷慎一・県議会議長は「… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
幼い息子と日本に帰りたい 「父親の許可は?」と空港でたびたび拘束
「父親の許可はあるのか」。2020年3月、ドイツで暮らすシングルマザーの日本人は、日本行きの便に乗り換えるパリ空港で、警察署に連行され、問い詰められた。1歳だった長男を連れていた。 当時、長年暮らすドイツでは、新型コロナの感染拡大に伴う最初のロックダウンが数日後に迫っていた。3年間の出産・育児休暇中だった女性は、日本の実家でしばらく暮らす方が安心と考えた。 前日に航空券を買い、朝7時に自宅を出発。ミュンヘン空港からパリ空港に着いた直後の出来事だった。 日本に一時帰国していたドイツ在住のシングルマザーに会いました。結婚しないまま母親になると決めた女性ですが、「共同親権」制度が導入されているドイツの裁判所は、息子の父親との共同親権を命じました。女性と息子の身にどんなことが起こっているのか。詳しく語ってくれました。 ドイツでは、日本でいう「親… この記事は有料記事です。残り3504文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
養老孟司さんもはまった居心地 予算3万円のタイムスリップ図書館
琵琶湖の北のはずれ、滋賀県長浜市に120年の歴史がある小さな私立図書館がある。 「江北(こほく)図書館」 開設から三度の引っ越しを経験し、現在の建物は、築85年の和洋折衷建築だ。ところどころ雨漏りし、2階の古い畳はすりきれてふかふかだ。 そんな図書館が今年、野間出版文化賞特別賞を受賞した。 受賞理由は「個人が設立して100年以上ものあいだ地域住民が運営を続けてきた、他に類を見ない私立図書館」。 確かに歴史はある。でも、数ある図書館のなかでいまなぜ江北図書館が注目され、受賞したのだろうか。 創立120年、建物は築85年 江北図書館の前身の杉野文庫は1902年、地元出身の弁護士杉野文彌さんが創設した。その5年後、地元の伊香郡の郡長や名士らが理事となり「財団法人江北図書館」が発足した。 館内閲覧は当初から無料で、まもなくデポジットを取った上での館外貸し出しや、近隣の小学校への「巡回図書」も始まった。 当時は篤志家や宗教法人による私立図書館の開館が相次ぎ、全国に100館以上あったが、実質無料で貸し出していたところは珍しかったという。 26年に郡役所制度が廃止され、32年には創設者の杉野さんが亡くなった。公的な支援や寄付金が途絶え、運営が厳しいなか、それでも太平洋戦争の戦禍をかろうじて生き延びた。 その後も簡単ではなかった。 戦後に制定された図書館法は私立図書館の独立性を守る意図で公的補助を禁止しているため、維持は公には頼れない。 どうやって120年も維持ができ、今後はどう生きていくか。図書館の試みを取材しました。 そこで江北図書館以外に図書… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新型コロナの感染経路を「見える化」した高校生 検出器も安価で自作
高校生・高専生が自由研究の成果を競うコンテスト「JSEC(ジェイセック)2022(第20回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」の最終審査会が10、11日、東京・お台場の日本科学未来館で開かれた。全国166校の617人から、過去最多となる339研究の応募があり、最終審査会には高く評価された30研究が出場、研究を発表して競った。 上位入賞した研究は、来年5月に米国・ダラスで開かれる国際学生科学技術フェア(ISEF〈アイセフ〉)に日本代表として挑む。JSECの最終審査会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で20、21年ともオンラインで開催されたが、今回は3年ぶりに多くの学生がリアルで交流した。 【栗田工業賞】水谷紗更さん(東京都立小石川中等教育学校5年) 新型コロナウイルスの感染経路の一つ「エアロゾル」を炎色反応で「見える化」し、一緒に濃度も測れる機器を開発した。 食塩水をつけた白金線をバー… この記事は有料記事です。残り590文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
石井竜也さんが心奪われた夕景 「描くことも、歌うこともできない」
石井竜也さん(63)が音楽で大切にしているのは、聞き手の心に残るようなムードをつくることだ。 少年時代に港町で見た夕景が、原点にある。 「日が沈む時の雲の輝きとか空の色彩とか、漁港の雰囲気とか、ぞっとするほど美しいんですよ。どんなに写実がうまい人でも、どんなにいいカメラでも表せない美しさでした」 ムードに圧倒された。そして気づいた。誰かにムードを伝えることは、とても難しいのだと。 マイナーな曲に織り込まれた原風景 茨城県の最北部・北茨城市の… この記事は有料記事です。残り1769文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
16歳で上京→路上生活→水商売 LGBT当事者が開く子ども食堂
津市の繁華街・大門でバー兼カフェ「ハワイアンカフェ&ダイニング」を経営するLGBT(性的少数者)当事者の花井幸介さん(34)が、来月から子ども食堂を毎月開催する。10代を通して性的指向に悩んだ自らの経験を、ひとりで悩んでいる子どもや親たちに伝えたいという。 三重県鈴鹿市出身の花井さんは中学生のとき、自らの恋愛対象が男性であることをはっきりと意識するようになった。「ゲイだと気づいたときは自分が何者か分からなくなった。何よりも、親や友人が離れてしまうのでは、と怖かった」 隠すことへの葛藤は募り、地元から逃げるように、16歳のときに5万円を持って上京した。頼れる人はいなかった。空き缶や雑誌を拾って食費を稼ぎながら、上野公園などで7カ月間、路上生活を続けた。 立ち直るきっかけは水商売だ… この記事は有料記事です。残り1048文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「日本でひどい目に」をなくせ 元バックパッカーが作った無料サイト
日本でひどい目にあった、二度と行きたくない――。技能実習生として働くベトナム人らがそんな思いをしないよう、企業と弁護士が協力して無料の学習サイトを作った。安心して生活してもらい、日本を好きになって帰国してほしいとの願いが込められている。 サイトには、法律や習慣など日本の生活に必要な情報が盛り込まれている。「日本で働く方法」「給与から引かれるお金」「ゴミの出し方」「自転車に乗るときの注意」などのテーマがあり、各5分程度のアニメ動画が、やさしい日本語やベトナム語などで見られる。サイト名は「LIGHTBOAT(ライトボート)」(灯台船)。暗い海の目印に、との願いから名付けられた。 「日本のことを悪く思うベトナム人が、増えているのを知ってますか」。きっかけは東京都内のIT企業で執行役員を務める斉藤心吾さん(44)=東京都目黒区=が、出張先のベトナムの日本語学校で聞いた一言だった。 ベトナムには技能実習生など… この記事は有料記事です。残り1390文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル