東京都渋谷区は14日、渋谷駅に近い区立美竹公園に追加の仮囲いを設置した。これまでは公園生活者らの出入りが可能だったが、今回の措置で禁止となった。園内に置かれていたテントや荷物について、区は所有者に引き渡していくとしている。 同公園をめぐっては、周辺で進む複合施設の整備に伴う準備工事のため、区は10月25日に公園を利用禁止とし、同日から仮囲いの設置を始めた。これに対し、園内で生活していた数人の野宿者や支援者らが、事前告知が不十分だとして「追い出しだ」と抗議。区は野宿者たちが公園に出入りできるようにする一方で、借り上げアパートを紹介するなどして公園からの移動を求めていた。 ただ、野宿者側は「アパートの利用は期間が限られ、再び路上に戻る可能性がある」「希望する困窮者は申請できないのに、区が立ち退きを求める人には案内していて選別的だ」などと訴え、区との話し合いは平行線となっていた。 12月に入り、区議会で追加… この記事は有料記事です。残り368文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女性住職の道は開けてきたが… 夫の坊守が抱える孤立と「素通り感」
住職の集まりは、住職である妻(37)に声がかかる。住職の配偶者である坊守(ぼうもり)の集まりも妻に声がかかる。 「自分は素通りされている。存在自体が認識されていない」 九州地方の寺で坊守を務める男性(39)は、旧来の性別役割とは逆転した状況の中で、もがいている。 「女性住職の道はかなり開けてきたのに対して、男性坊守の道はまだまだとても見えない」 「女性が声を上げやすくなったのに、今度は男性が声を上げにくくなっているなんて、どうしてこんなにもうまくいかないのか」 男性の登録は全国に5人 妻は寺に生まれ育ち、2017年、父の友人の住職の養子に入って、後継ぎのない寺を継いだ。ほぼ同時に男性と結婚。男性は当時、関西で会社員をしており、週末だけ九州に通う形で結婚生活が始まった。2人の子どもにも恵まれた。 コロナ禍で行き来が難しくなったのを機に、男性が九州に転居。今年3月に得度し、会社員を辞めて男性坊守になった。 本山の規定は「住職の配偶者… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熱海土石流の損賠訴訟、県と市は争う姿勢「繰り返し行政指導をした」
魚住あかり2022年12月14日 16時32分 静岡県熱海市で昨年7月に発生した土石流災害を巡り、遺族や被災者らが市と県を相手取り、約64億円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が14日、静岡地裁沼津支部(古閑美津恵裁判長)であった。市と県は請求の棄却を求め、争う姿勢を示した。 原告側は訴状で、市が土砂崩落の起点付近にあった盛り土の危険性を認識しながら、措置命令の発出など適切な対応を取らなかったと主張。県は市の不適切な対応を是正する義務があったと訴えている。 これに対し熱海市は答弁書で、事業者には繰り返し行政指導をしたと反論。県は、市に是正を求める法的義務はないとしている。 遺族らは盛り土の土地の前・現所有者に約58億円の損害賠償を求める訴訟を別に起こしており、同支部は、今回の訴訟と合わせて審理することを決めた。(魚住あかり) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
品川にまつわる「六」の謎 理事長は言った「ろっこう、じゃない」
京急線で品川駅から2駅、新馬場駅(東京都品川区北品川2丁目)でおりると、すぐにお目当ての建物が見えた。 数年前、朝日新聞の1面コラム「天声人語」の補佐役をしていた時、足しげく通った品川図書館だ。小説や解説書、歳時記から絵本まで、コラムの糧となる知識や情報がそこにはたくさんあった。探し求めていた一冊に出会えることもとりわけ多かった。 ただ、当時から気になっていた「謎」が一つあった。 駅前にあるビルの2~4階に入居する図書館に行くたび、「六行会」という聞き慣れない名が目につくのだ。「りっこうかい」と読むらしい。ビル自体が六行会総合ビル、すぐ脇には六行会マンション……。これは、吉田義信館長(58)に聞くしかない。 「この区立図書館のはじまり… この記事は有料記事です。残り1349文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
屋根はマカロン、壁はパン 高さ2mのお菓子の家、廃棄食材を活用
屋根はマカロン、壁はパン、砂利道はタブレット菓子……。大阪・なんばの商業施設に今月、高さ約2メートルのお菓子の家が登場した。パティシエ志望の専門学校生が廃棄予定の食材を使って造り上げた。その完成度の高さに、道行く人が次々と足を止めていた。 新型コロナで人出が減った街ににぎわいを、と南海電鉄の要望を受け、大阪調理製菓専門学校(大阪府泉大津市)の学生が7月から計画した。イメージを聞き取った修成建設専門学校(大阪市)の学生たちが設計図をつくった。 材料には期限切れや規格外などで処分予定の食材を用いた。企業に協力を呼びかけ、UHA味覚糖はグミ、前田製菓はクラッカー、近畿製粉からは薄力粉の提供を受けた。 大阪調理製菓専門学校を運営する村川学園の松本智子事務局長は「実際は食べられない、夢のあるものだからこそSDGsの視点を採り入れたかった」と語る。 子どもたち「どうやってつくったの?」 11月から作業は本格化。学… この記事は有料記事です。残り343文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「クリニックに通ってたんやで」 音楽教諭は放火事件後に語り始めた
夕方過ぎの職員室。大阪市立中学校の音楽教諭、山元美穂さん(58)は顧問を務める吹奏楽部の指導を終えて自席に戻り、ズボンのポケットからスマートフォンを取り出した。 大阪市の繁華街・北新地で大きな火災があったというニュースの通知が昼間から何度も画面に表示されていた。飲食店かなと思ったが、がくぜんとした。現場は山元さんが約2年半通ってきたクリニックで、この日も勤務後に訪れる予定だったからだ。 26人が犠牲になった2021年12月17日の大阪・クリニック放火殺人事件。山元さんは翌日、通い慣れたビルへと向かいます。自身が通院していたことについて、同僚や生徒には知らせていませんでしたが…。 京都府内の中学校に勤めていた2019年6月ごろ、職場の人間関係に悩み、朝起きるのがつらくなった。いくつかの心療内科を受診し、たどり着いたのが、西沢弘太郎院長(当時49)が経営する大阪市中心部のクリニックだった。 いつも混み合っていた待合室。名前を呼ばれ、診察室へと向かう通路からは、職場復帰をめざす人たちがグループワークに励む姿が見えた。 診察室の西沢院長は、山元さんが身の回りの出来事などを報告すると、「ほんまに」と相づちを打ちながら、話を聞いてくれた。 いまの学校に移ってからも毎月通った。スーツ姿のサラリーマンが多い待合室で、聞き取れないくらいの早口で患者の名前を呼ぶ西沢院長の放送を耳にするのが、ひそかな楽しみだった。 白衣姿の笑顔と悲惨な火災とが結びつかなかった。 翌日、クリニックへ向かった。見慣れたビルに張られた規制線や集まる報道陣を見て、現実なのだと思い知らされた。 花束を手向けると、30人ほどの報道陣から声をかけられ、カメラを向けられた。 これまで、クリニックに通っていることを同僚や生徒に伝えてはいなかった。 以前の職場で、心の病で休職中の教師のことを生徒が批判するのを聞いたことがあった。わざわざ明かす必要はないと考えていた。 ただ、クリニックへ向かう途中、「医者もスタッフも態度が悪いから、こんなことになったんだ」などとネット上に書き込まれているのを目にした。 「違う」 クリニックを知る人間として、そう言いたかった。 報道陣に向かい、「私は西沢… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
阪神バスを家宅捜索 阪神西宮駅「エビスタ」路線バス突っ込み事故で
小川聡仁、熊谷姿慧2022年12月14日 13時46分 兵庫県西宮市の阪神西宮駅前で路線バスが建物に突っ込み3人が負傷した事故で、県警は14日午後、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)容疑で、バスを運行する「阪神バス」の西宮浜営業所(西宮市)の家宅捜索を始めた。 県警は、運転していた同社の男性運転手(59)を同容疑で逮捕しており、同社の運行や管理の状況に問題がなかったかどうか調べるとみられる。 西宮署によると、事故は13日午後4時35分ごろ発生。駅北側のバスロータリーに進入してきた路線バスが歩道を乗り越え、駅に直結する商業施設「エビスタ西宮」の1階店舗に突っ込んだ。通行人の70代女性と店内にいた70代の女性客、運転手の計3人がけがをした。いずれも命に別条はないという。 運転手は署の調べに「運転操作を誤った」と供述しているという。(小川聡仁、熊谷姿慧) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会との関係遮断「宣言しないで」 信者、全国の議会に陳情
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者らが11月以降、各地の地方議会などに「信教の自由」に関する陳情書などを提出していることがわかった。特定の宗教法人との関係を絶つ宣言などをしないことや、議員らの信仰を質問しないよう求める内容だった。 今秋以降、複数の地方議会で教団と政治家の決別を求める意見書などが可決されており、信者らがこれに反応した可能性がある。教団は指示を否定している。 熊本県内では11月下旬以降、県議会や、45市町村のうち大半の議会に陳情書が出された。熊本市議会議長宛ては11月24日付で、団体と個人の名が記されていた。「特定の宗教法人及びその関連団体との関係を遮断する内容の宣言・決議をしないこと」と、「公人及び私人に対し、特定の宗教に対する信仰の有無を問うたり、その団体との関係を調査・質問したりしないこと」の2項目を求めた。 信者は反発「まるで『反社』扱い」 県内3自治体に陳情したという熊本市の男性信者(61)は取材に、富山市議会で9月に「教団との関係を断つ」とする決議が可決され、陳情のきっかけになったと話す。「まるで『反社』のような扱い。教団の悪い面ばかり報道されている」と言う。 福岡県では少なくとも福岡、久留米、八女、筑後、大牟田の各市議会に陳情や要望の文書が届いた。久留米市の議長宛て文書は「世界平和統一家庭連合 久留米家庭教会」の信徒代表名で、文言は熊本市のものとほぼ同一だった。議会では11月22日に常任委員会の協議会で文書を回覧するにとどめたという。 八女市議会では、久留米家庭… この記事は有料記事です。残り1134文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「自己流で運転」繰り返しブレーキか 観光バス横転、負傷者28人に
2022年12月14日 10時18分 静岡県小山町須走の県道で観光バスが横転して1人が死亡、多数が負傷した事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)容疑で送検された運転手(26)=処分保留で釈放=が急な坂道を「自己流で運転してしまった」と供述していることが、捜査関係者への取材で13日までにわかった。 事故から2カ月が経った13日、県警は運転手をのぞく負傷者数を重傷10人、軽傷18人、負傷なし6人で確定し、運転手の容疑を過失運転致死から過失運転致死傷に切り替えたと発表した。 事故は10月13日、富士山5合目から急勾配を下る「ふじあざみライン」で起きた。県警は事故原因について、フットブレーキを多用して関連部分が過熱し、ブレーキのききが悪くなる「フェード現象」とみており、運転手がフェード現象について忘れたままブレーキを繰り返し踏んだとみて捜査している。運転手がこのコースを運転するのは初めてで、運行会社の安全管理体制も合わせて調べている。 また県警は、バスに故障がなかったか調査するため、エンジンやギアに関連する機械の検証を自動車メーカーに依頼している。海外製の機械もあり、13日の時点で回答はないという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女性殺害の容疑者自殺、署員が私物点検せず虚偽の記録も 大阪府警
大阪府高槻市の女性(当時54)への殺人容疑で再逮捕された養子の高井凜容疑者(当時28)が今年9月、府警福島署の留置場で自殺した問題で、担当署員が内規で定める私物保管庫の点検をせず、点検したとする虚偽の記録を作成していたことがわかった。 府警によると、高井容疑者の死亡後、保管庫からは、自殺に使うために裂かれたTシャツが複数枚見つかったという。一連の経緯を調べていた府警は、自殺を防げなかった原因などをまとめた報告書を14日にも公表する。 高井容疑者は、殺害された会社員、高井直子さんとの養子縁組届を偽造したとして7月20日に有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕。同日以降、福島署に単独留置され、8月25日に殺人容疑などで再逮捕された。 府警によると、高井容疑者は… この記事は有料記事です。残り410文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル