光墨祥吾2022年12月14日 6時00分 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画で、名護市辺野古の海を埋め立てる土砂投入を政府が始めて14日で4年になる。「移設阻止」を訴える玉城デニー知事は、投入開始直前に初当選し、今年9月に再選された。県民投票でも7割が埋め立て反対となったが、この間、政府は強硬姿勢を変えず、工事を続けている。 普天間返還時期は日米で「2022年度またはその後」と合意したが、軟弱地盤の判明で大幅に遅れている。防衛省によると必要な土砂量計約2020万立方メートルのうち、今年10月末までに投入したのは、約12・6%(約256万立方メートル)にとどまる。 辺野古沿岸部の南側(約39ヘクタール)は陸地化され、かさ上げ工事が進む一方、軟弱地盤がある北側(約111ヘクタール)は、改良工事のための設計変更申請を玉城知事が昨年11月に不承認とし、埋め立てを進められない。対抗措置に出た政府と県の間では今年、新たな裁判が始まった。移設完了は、知事承認を起点として12年後とされる。 移設計画は、米軍キャンプ・シュワブがある辺野古沿岸部の北側と、南側を埋め立て、V字形の滑走路を造るというもの。埋め立て工事が始まった17年4月時点で、政府は5年間での埋め立て完了としていた。政府は土砂投入を始めた後に軟弱地盤の存在を認め、19年末に工期と工費の再試算を公表。それによると、設計変更申請を知事が認めた時点を起点として埋め立て完了までに9年3カ月。その後の施設整備などに3年を要し、普天間返還は早くても30年代までにずれ込む。工費も従来想定の約2・7倍の約9300億円にのぼるとされた。(光墨祥吾) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ドクターイエローから宇宙へ、JR西日本の「異端児」が起こした変化
「宇宙でなんかやりたい!」 そう叫んだ一人の社員の情熱が、実を結び始めている。 JR西日本の宮崎祐丞さん(47)。もともとは新幹線の保守点検を担当し、黄色い点検車両「ドクターイエロー」を走らせて線路のゆがみを測っていた。いまは、デジタルソリューション本部データアナリティクスのチームを担当部長として率いる。AI(人工知能)を用いて、社内に眠るデータを分析し、設備の保守などを効率化したり、そうしたシステムをほかの企業に販売したりする仕事を担う。 宮崎さんたちは今年9月、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に、あるシステムを売り込んだ。 人工衛星の故障を、AIを使って予測するものだ。故障するとGPSなどの機能に支障がでる。事前に把握すれば、影響を最小限にとどめられる。JAXAへのプレゼンテーションで、メンバーたちは力を込めた。 実はこれ、改札機の点検に利用しているものの応用だ。社内では、改札の利用状況や故障の記録を分析。以前は1~3カ月に1度必要だった点検を、システム導入によって半年に1度に減らした。費用も約3割減になった。宮崎さんに自信はあったが、「こんな技術、とっくに研究していると言われるんじゃないかと不安だった」。 心配をよそに10月、JAXAとの協業が決まった。「鉄道の軌道から衛星軌道に進出だ」。スケールの大きさにわくわくした。 宮崎さんらの部署が立ち上がったのは2017年。鉄道、商業施設の運営に並ぶ新しい柱にする狙いがあった。直前まで新幹線に関係する業務をしていた宮崎さんにとってデータ分析は初めての仕事。一緒に部署を立ち上げたほかの3人も素人だった。 まず社内の業務を洗い出すことにした。 立ちはだかったのは、「KKD」の壁。「勘」「経験」「度胸」の頭文字で、社内で重視されている伝統的な考え方だ。 部署間の壁は厚かった。データを集めようと各部を回ると「門外漢に何が分かる」。それでも「困りごとはありませんか」と地道に聞き回り、保守に関するデータを集めた。 原点となった経験がある。 かつて新幹線の保守点検を担… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鉄道黎明期のSL、豊洲で公開 明治期の姿に復元、高輪築堤の石も
国内の鉄道黎明(れいめい)期に活躍した「403号蒸気機関車」が、製造から136年を経た今年、東京都江東区豊洲で公開展示されることになった。100年以上にわたって保有していた西武鉄道が半年をかけて明治期の姿に復元し、鉄道にゆかりの深い芝浦工大付属中学高校に寄贈した。11月から公開されている。 403号は、ゆりかもめ新豊洲駅近くにある同校北側の一角に置かれている。黒光りする車体に動輪の鮮やかな赤色が映える姿に、散歩途中に足を止めてスマホを向ける住民が目立つ。運転室内につながる階段も設けられ、休校日を除く月~土曜(午前9時~午後5時)に見学できる。 見どころは車両だけではない… この記事は有料記事です。残り876文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR東日本、銀行代理業に参入へ 24年春から 楽天銀行と連携
小川崇2022年12月13日 19時53分 JR東日本は13日、2024年春から銀行代理業に参入すると発表した。同社のグループ会社が楽天銀行のシステムを使い、自社ブランド口座「JRE BANK」をはじめる。 楽天銀行での口座開設を仲介し、手数料を得る仕組み。買い物や「Suica(スイカ)」へのチャージに使えるJR東の「JREポイント」と連携させることで、預金や住宅ローンなどのサービス利用時にポイントが付与されたり、新幹線利用時に優待を受けたりできる特典を検討しているという。 金融サービスの提供で、新たな利用者獲得や現状の顧客維持を狙う。JR東の深沢祐二社長は13日の会見で「より幅広いお客様との接点ができ、より長いお客様へのサービスが継続的に提供できる」と意義を強調した。(小川崇) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
少年事件、「特別保存」の7件調査 光市母子殺害、西鉄バスジャック
神戸連続児童殺傷事件など重大な少年事件の記録が捨てられていた問題で、最高裁は13日、保存期間後も捨てない「特別保存」に指定され、今後の調査対象とする少年事件7件の内訳を明らかにした。今後、特別保存とされた経緯などを調べる。 7件は、山口県光市で起きた母子殺害事件(1999年)▽西日本鉄道の高速バスを乗っ取り、乗客3人を死傷させた事件(2000年)▽宮城県石巻市で元交際相手の姉ら3人を殺傷した事件(10年)▽名古屋大の女子学生が14年に知人女性を殺害し、高校生時代の12年には同級生ら男女2人に硫酸タリウムを飲ませて殺そうとした事件など。 これら7件のほかにも、最高裁は報道機関から問い合わせがあった廃棄済みの52件の少年事件については、廃棄の経緯を調べることを決めている。52件には、長崎県で起きた小6女児の同級生殺害事件(04年)▽奈良県田原本町で母子3人が死亡した放火殺人事件(06年)▽京都府亀岡市で無免許運転の車が集団登校の小学生らの列に突っ込み、10人が死傷した事故(12年)――などが含まれるという。(根岸拓朗) 「特別保存」されている7件の少年事件 ・1999年、山口県光市で母子を殺害した事件(光市母子殺害事件) ・2000年、西鉄高速バスを乗っ取り乗客を殺傷した事件(西鉄バスジャック事件) ・00年、母親を金属バットで殴って殺害した事件。保護観察を終えた後、05年に大阪市で姉妹を殺害した ・10年、宮城県石巻市で元交際相手の姉ら2人を殺害し、1人に重傷を負わせた事件。裁判員裁判で少年に言い渡された死刑判決が初めて確定した ・13年、三重県朝日町で中学3年生の女子生徒にわいせつ行為をしようとして死亡させた事件 ・12年に同級生ら2人に硫酸タリウムを飲ませ、名古屋大生だった14年には知人の高齢女性を殺害した事件 ・15年に兵庫県尼崎市で技能がないのに車を運転して死亡事故を起こした事件。2度にわたり検察官に逆送されて起訴されたが、最終的に家裁で少年院送致が決まった Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
前川清成衆院議員に罰金30万円求刑、弁護側は無罪主張 公選法違反
昨年10月の衆院選で、候補者届け出前に自身への投票を呼びかける文書を不特定多数の有権者に配ったとして、公職選挙法違反罪に問われた日本維新の会の衆院議員、前川清成被告(59)の公判が13日、奈良地裁であった。検察側は罰金30万円を求刑し、弁護側は無罪を主張して結審した。判決は来年1月18日。 前川議員は昨年10月14日、奈良市内で「選挙区は『前川きよしげ』、比例区は『維新』とお書き下さい」と記したはがきや「例 前川さんへぜひ一票をお願いします」などと書いた文書の入った封書を35カ所に送り、届け出前に投票を呼びかける選挙運動をしたなどとして在宅起訴された。 前川議員が送ったはがきは、「推薦はがき」と呼ばれるもの。候補者が公示前にはがきを送り、送り先に知人の宛名を書いてもらい返送してもらって、候補者届け出後に発送する。 公判では、前川議員の行為が届け出前の選挙運動にあたるかなどが争われた。 検察側は論告で、前川議員の母校の卒業生名簿をもとに、支持を明確にしている人以外の不特定多数にはがきを送っているため、選挙運動にあたると主張。はがきの「選挙区は『前川きよしげ』」の文言などから、投票依頼の行為だとした。 これに対し、弁護側は、名簿をもとにしているものの、これまでに送付を望まない人を除外するなど「支援を期待できる人」に送付していると反論。はがきの宛名書きなどを依頼したのであり、投票依頼の目的はなかったとして、許容される準備行為だと主張した。 これまでの公判では、はがきを作成した業者、はがきを受け取った母校の卒業生、校友会会長らの証人尋問もあった。 前川議員は2004年から旧民主党などで参院議員として2期12年務め、19年に奈良県知事選に出馬して落選。昨年10月の衆院選に奈良1区から出馬し、小選挙区では敗れたものの、比例近畿ブロックで復活当選を果たした。(渡辺七海) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
動植物園の駐車場の車から遺体…10カ月前から? 神戸どうぶつ王国
2022年12月13日 21時00分 13日午前10時半ごろ、神戸市中央区港島南町7丁目の動植物園「神戸どうぶつ王国」が管理する駐車場で「駐車中の車に人のようなものが見える」と同園の支配人から110番通報があった。 神戸水上署によると、乗用車の後部座席から、性別不明の遺体が見つかった。腐敗が進み、一部白骨化していた。車内からは50代男性の身分証のほか、2月に入場したことを示す駐車券が見つかっており、署はこの時期に亡くなった可能性があるとみて調べている。現場の状況から、他者が介在した可能性は低いとみられるという。 現場は動植物園に隣接する、乗用車235台とバス13台が止められる屋外の平面駐車場。遺体の見つかった車は、園の施設から離れた南東の角にあった。 支配人によると、この日の朝、数カ月前からとまっている車があるという話が職員の間で上がり、職員が確認しに行くと、中に人のような姿が見えた。支配人や署によると、日よけのシートや濃いスモークガラスで車内は見えにくい状態だったという。 支配人は「この駐車場は近隣の企業に勤める人なども利用しており、数週間止めっぱなしの車もある」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌の路面凍結、危険高まる 招いたのは急激な寒暖差
積雪の季節を迎えた札幌市で、路面凍結による転倒事故の危険が高まっている。13日は11月中旬並みの暖かさとなって雪が溶けた一方、14日は早朝から気温が零下まで下がる見込みのため、急激な寒暖差によって路面凍結が増えるとみられるという。市は、雪道での転倒事故への注意を呼びかけている。 市内で最高気温7・7度を記録した13日。午後2時半ごろ、市中心部のさっぽろテレビ塔付近では、雪が溶けて路面のあちこちに水たまりができていた。観光客や通行人はシャーベット状になった雪の上を、歩きづらそうに進んでいた。 市消防局によると、11月17日以降から現在までで、市内で106人が雪道での転倒事故で救急搬送されている。例年、雪が降り積もる12月~翌年3月にかけて、雪道での転倒でけがをした人の救急搬送が増える傾向があるという。 大雪で市内の除雪作業が追い… この記事は有料記事です。残り583文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
奄美大島近海でM6の地震、瀬戸内町で震度4を観測 津波の心配なし
2022年12月13日 23時50分 13日午後11時25分ごろ、鹿児島県奄美大島近海を震源とする地震があり、同県瀬戸内町で震度4を観測した。 気象庁によると、震源の深さは約30キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6・0と推定される。この地震による津波の心配はないという。 同県奄美市と伊仙町では震度3を観測した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市立保育園廃園条例の取り消し求め小金井市を提訴 原告は2児の母
東京都小金井市が市立保育園2園を来春から段階的に廃止する条例改正を市議会の議決を経ずに専決処分で決めたのは違法だとして、廃止対象の園に子どもを通わせる母親(29)が13日、市に条例改正の取り消しなどを求める訴訟を東京地裁に起こした。 2園廃止の条例改正案は9月議会に市が提出。専門家の意見を聴く必要があるとして継続審査が決まった。西岡真一郎前市長はこれを、地方自治法の「議会において議決すべき事件を議決しないとき」に該当するとして、9月29日に条例改正を専決処分で決めた。 訴状などによると、専決処分が認められるのは、議会が故意に議事を引き延ばしたことが明らかな場合など極めて限定的で、前市長の処分は要件を満たしていないと主張。原告女性は0歳の次男を2歳の長男と同じ市立園に入れたいと考えたが、専決処分で来春の募集がなくなった。復職の計画が不透明になったなどとも訴え、慰謝料として50万円の支払いも求めている。 この問題を巡り前市長は辞職。その後の市長選で当選した白井亨市長は廃園条例の「撤回」を約束している。原告側の代理人弁護士は「裁判によらずに取り消しができれば、提訴は取り下げたい」。市の担当者は「訴状を見ておらず、コメントできないが、適切に対応したい」としている。(井上恵一朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル