椎木慎太郎2022年12月4日 18時46分 世界のトップランナーが集まる福岡国際マラソン(日本陸上競技連盟、福岡国際マラソン実行委員会主催)が4日、福岡市内で開かれ、参加した73人の選手が市内を駆け抜けた。このうち53人が完走した。 世界記録が2回生まれるなど、多くの名勝負の舞台になった福岡国際マラソンは昨年、第75回を最後にその歴史に一度幕を閉じた。復活を望むファンの声を受け、今年からは県や日本陸上競技連盟などが主催している。 発着地点の平和台陸上競技場近くの舞鶴公園付近には世界のトップランナーを一目見ようと多くの観客が集まり、沿道から声援を送った。福岡市中央区の派遣社員田中美紀さん(48)は、30年ぶりの沿道での観戦を夫と息子と3人で楽しんだ。 小学生の頃からの福岡国際マラソンのファンで、結婚前までは、沿道で観戦するのが恒例だった。結婚して市内の南区に引っ越してからは足が遠のいていたが、昨年末、実家がある中央区に帰ってきた。久々に、選手たちが目の前を通るのを待つ間の胸の鼓動で、子どもの頃の気持ちがよみがえった。「息子にもマラソンの雰囲気を体感させることができてうれしい」 マラソンが趣味の同市早良区の会社員石野寿朗さん(53)は、ゴールに近づいても力強く走る選手たちを見て驚いた。「こんなペースで最後まで走るなんてすごい。自分も頑張らないと」と笑みをこぼした。(椎木慎太郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安倍元首相の関係政治団体、年1~2億の収入 残ったお金どうなる?
有料記事 柴田秀並、畑宗太郎、東郷隆2022年12月4日 14時00分 安倍晋三元首相の関係政治団体の2021年分の政治資金収支報告書が、11月29日までに公開された。憲政史上最も長く政権を担った安倍氏。最初に首相に就任した06年以降の収支報告書からは、パーティーを中心に年間2億円前後が安定的に集まっていた実態が見て取れる。一方、死去によって、残る資金はどうなるのだろうか。(柴田秀並、畑宗太郎、東郷隆) 総務相や山口県選挙管理委員会に届けられていた安倍氏の関係政治団体は6団体ある。 ピーク時には2億円超 自身が代表を務めていたのは資金管理団体「晋和会」と、政党支部「自由民主党山口県第4選挙区支部」。この2団体の収入が特に多かった。ほかの四つは、政治資金規正法の規定に従い、自身を支持・推薦する団体として安倍氏が認めていた「安倍晋三後援会」「山口晋友会」「山口政経研究会」「東京政経研究会」。21年当時、この4団体は秘書が代表で、いずれも「主たる事務所の所在地」の住所は山口県下関市にある安倍氏の地元事務所と同一だった。 朝日新聞は、6団体の06~21年分の収支報告書(公表時点分)を集計した。団体間のやり取りや安倍氏本人からの寄付を除くと、ほぼ毎年総額1億5千万~2億円超の収入があった。 第1次政権が発足した06年… この記事は有料記事です。残り1390文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夫婦二人三脚で営んだ40年 真っ赤な太陽の壁画、街の銭湯最後の日
【LastDay】銭湯藤乃湯、最後の1日に密着=関田航撮影 閑静な住宅街にある、創業90年以上の銭湯が7月、閉業した。銭湯の名は「藤乃湯(ふじのゆ)」。店主の藤田和男さん(76)と妻ののり子さん(74)が、夫婦2人で長年切り盛りしてきた。 東京都杉並区。JR中央線の荻窪駅から歩いて7分ほどの場所に藤乃湯はある。営業を終えた現在は看板が外され、昭和の雰囲気を残す建物と、役目を終えた煙突がひっそりとたたずんでいる。最後の営業日になった7月3日、多くの地元客や銭湯ファンが名残を惜しんだ一日に密着した。 正午ごろ、2人は藤乃湯の入り口の壁に、手書きのお礼のメッセージを貼ったり、昔ののれんを飾ったりして、最後の営業の準備を始めていた。 藤乃湯は戦前、大正末期から昭和初期に建てられた、杉並区では最も古い時期から営業していた銭湯の一つだ。かつては別の経営者が営んでいたが、1982年に売りに出されていたのを和男さんが買い取った。当時36歳。のり子さんと2人で始めた、念願の銭湯経営だった。 関東近郊の銭湯は富山、新潟、石川など、北陸地方の創業者が多い。和男さんの父も富山県出身で、東京都三鷹市で銭湯を経営していた。10代の頃は実家を手伝い、働き者の父のもと、銭湯経営の大変さを身に染みて感じる青春時代を送った。「あまりにも大変だったから、一度煙突に登って『飛び降りてやる』って脅したことがあったよね。そしたらおやじは『おう飛び降りろ、食いぶちが1人減ってこっちは助かる』と叫び返されて、もうぐうの音も出なかった」と懐かしむ。 午後4時、最後の営業が始まった。 次々とお客さんが入ってくる。フロントに座るのり子さんの胸には、始業前、孫からもらった、手作りのメダル。「おばあちゃん おふろやさんおつかれさまでした」とメッセージが書かれている。 のり子さんの父も富山県出身。練馬区の銭湯で店主をしていたが、経営者は親戚で、銭湯業界では「あずかり」と呼ばれる低い立場だった。そんなのり子さんとの結婚に、和男さんの家族は反対した。和男さんは実家を飛び出し、佃煮(つくだに)を作ったり手芸店を営んだり、仕事を転々とした。「だけどやっぱり風呂屋の息子なんだろうね」。いつしか2人で経営できる銭湯の物件を探すようになった。 「真っ赤な太陽に救われた」 赤い銭湯絵のモチーフ 藤乃湯の特徴の一つに、赤く… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
インドネシアのセメール火山が大規模噴火 日本への津波は調査中
宮野拓也2022年12月4日 14時01分(2022年12月4日 15時52分更新) 4日午前11時18分ごろ、インドネシア・ジャワのセメール火山で大規模な噴火が発生した。日本の気象庁によると、噴煙は高さ約1万5千メートルに達した。 日本への津波の有無は気象庁が現在調査中。午後3時時点で、海外および国内の観測点で潮位の変化は観測されていない。この噴火に伴って津波が発生して日本へ到達する場合、到達予想時刻は早いところ(宮古島・八重山地方)で午後2時半ごろだが、この時刻よりかなり遅れて津波が到達する場合もあるという。 また、気象衛星ひまわりの画像からも、噴火で発生した気圧波に伴う明確な変化はみられていない。(宮野拓也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
インド料理店から広がった日本への「移民連鎖」特定技能で広がる選択
東京都杉並区の住宅街の一角にネパール人の子供たちの声がはじける。 ネパール国外では世界で唯一、ネパール政府公認のカリキュラムで教育を行っている「エベレスト・インターナショナル・スクール・ジャパン」だ。 9年前、日本の大学で学んだネパール人の元留学生らが手弁当で創設した。当時、在日ネパール人はすでに2万人を超えていた。 「在日ネパール人が増え、同郷のコミュニティーを発展させていくには『ネパールの文化を伝える学校が必要だ』ということになった」。バッタ・ババン理事長はそう振り返る。 開校時の在校生は3歳から3年生(日本の小学3年生にあたる)までの13人。「校舎」は普通の一軒家だった。 年を追うごとに学年と生徒が増え、2018年に現在の地下1階、地上3階のビルに移った。今では1年生から12年生(高校3年生)までの340人が学び、新宿区に新設した幼稚舎にも65人が通う。幼稚舎には、留学生として来日し、日本で出会って結婚した夫婦の子どもも通っている。 ババン理事長の悩みは校舎の手狭さだ。校庭はなく、課外活動などのときは地下のホールを使っている。 「千人、いや1500人が入れる校舎がほしい。閉鎖した学校とか、どこか知りませんか」 10年で5倍…先駆けはインド料理店のコック 出入国在留管理庁によると、今年6月末現在で日本に在留しているネパール人は12万5798人。10年前に比べて5倍以上になった。 右肩上がりの先駆けとなったのが、日本で人気のインド料理店などで働くネパール人コックだ。その数は2000年代後半から急増した。 インド料理とネパール料理はどちらもカレー味が基本。とはいえ、なぜインド人ではなく、隣国のネパール人だったのか。 「インド人は、料理店で働く… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
保育士3人を暴行容疑で逮捕、宙づりなど園児虐待の保育園 静岡県警
静岡県裾野市の私立の認可保育園「さくら保育園」で、1歳児を受け持っていた女性保育士3人=いずれも退職=が園児の足をつかんで宙づりにしたり、倉庫に閉じ込めたりしていた問題で、静岡県警は4日、この保育士3人をいずれも暴行の疑いで逮捕した。 逮捕されたのは、静岡県沼津市岡宮の無職三浦沙知(30)、同県裾野市平松の無職小松香織(38)、同県長泉町上土狩の無職服部理江(39)の3容疑者。 この日、県警は暴行容疑で保育園に家宅捜索に入っていた。 裾野市や園のこれまでの調査で、3人は6月~8月、受け持ちの園児らに対し、宙づりにするなどのほか、「頭をバインダーでたたいて泣かせる」「ズボンを無理やり下ろす」「容姿を馬鹿にした呼びかけ」など15項目に及ぶ悪質な行為をしていたことが公表されていた。 園が確認したとされる不適切な保育 ・ロッカーに入って泣いている園児の姿を携帯電話で撮影 ・園児の頭をバインダーでたたき泣かせる ・棚に入った園児の足をつかんで引っ張りだし、足をつかみ宙づりにする ・あらかじめ遅刻すると連絡があった園児に対し、腕を引っ張り、「遅いんだよ」と怒鳴る ・午睡時、寝かしつけた園児に対し、「ご臨終です」と何度も発言 ・泣かない園児に対し、額をたたき無理やり泣かせようとする ・昼食時に園児を怒鳴りつけ、ほおをつねる ・日常的に特定の園児に対し、にらみつけ、声を荒らげ、ズボンを無理やりおろす ・園児を宙づりにした後、真っ暗な排泄室(はいせつしつ)に放置 ・園児の容姿をばかにした呼びかけ(ブス、デブなど)、暴言を浴びせる ・手足口病の症状がある園児の尻を、無理やり他の園児に触らせる ・給食を食べない園児に対し、突然、後ろから頭をたたく ・不適切な発言をして、おもちゃが入っている倉庫に閉じ込める ・園児に対し、カッターナイフを見せ、脅す ・丸めたゴザで園児の頭をたたく Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水戸黄門が調査した古墳、330年ぶりに発掘へ 栃木県大田原市
小野智美2022年12月4日 12時45分 栃木県大田原市湯津上の国指定史跡「上侍塚古墳」で5日、330年ぶりに墳丘を掘る調査が始まる。「水戸黄門」で知られる水戸藩主・徳川光圀が命じた1692年の調査以来の発掘となる。 調査を担う栃木県に11月18日付で国の許可が出た。 上侍塚古墳は全長114メートルの前方後方墳。約1キロ北にある下侍塚古墳とともに1692年、光圀が発掘調査をした。銅鏡などの出土品の記録が残り、「日本初の学術的発掘」とされる。 5日は上侍塚古墳の前方部と後方部の間のくびれた部分の試掘にむけ準備を始める。発掘を担当する「とちぎ未来づくり財団埋蔵文化財センター」の内山敏行副主幹によると、光圀は発掘調査後に土を盛る修復を指示したという。内山さんは「私たちがいま見ているのは、江戸時代に修復した姿のはずです」と話す。 本来の古墳は、全面が石に覆われていると考えられる。くびれた部分の試掘の後は、高さ11・5メートルの後方部の墳丘を東西南北の各方角に幅2メートルずつ、30~40センチ下まで掘る。後方部が3段の階段状になった本来の古墳の姿を確認できそうだ。 さらに内山さんは「光圀の発掘調査の範囲がわかるのではないか」と期待する。330年前の記録には銅鏡、鉄のやじり、おのなどの出土品の記載はあるが、掘った範囲は書かれていない。(小野智美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「泣いている男の子は嫌い」 同僚の言葉に驚いた 男も生きづらい?
政治や職場など様々な場面でジェンダー平等がうたわれ、男女間格差を取り払おうとする動きが少しずつ広がっています。その一方で、「男性のしんどさ」を訴える声も聞くようになりました。男性優位とされてきたこの社会で、いま何が起きているのでしょうか?(山本奈朱香、伊藤舞虹、 斉藤佑介) 栃木県の男性(49)は5年前、当時小学生だった2人の子どもを連れて家を出た。 荒れる妻から逃れる娘 届いたメール その頃、元妻は毎日のように酒に酔い、子どもや自分に手を上げたり、暴言を吐いたりしていた。ある日、朝から酒を飲んで荒れる元妻から逃れるためにトイレに閉じこもった娘から、メールが届いた。 「ママは死んでしまえばいい… この記事は有料記事です。残り2659文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
期日前は低調、初の再々選挙になるか 品川区長選再選挙の投票始まる
細沢礼輝2022年12月4日 9時37分 10月の区長選でどの候補者も法定得票数(有効投票総数の4分の1)に達しなかった東京都品川区で、区長選の再選挙が4日、始まった。首長選の再選挙は全国7例目で、都内では初めて。10月同様に、今回も新顔6人による争い。再選挙で1回目よりも候補が減らなかったのは初めてで、過去に例のない再々選挙となる可能性も指摘される。 開票は4日午後8時35分からで、4日深夜以降に大勢が判明する見込み。同区選挙管理委員会によると、区長選1回にかかる費用は約2億円だ。 区選管によると、3日までの期日前投票者数は3万3399人で、10月の際の3万5856人より約2500人減少した。 再選挙に立候補しているのはいずれも無所属で、前区議の石田秀男氏(63)=自民党推薦=、元大学教授の村川浩一氏(75)=共産党推薦=、前都議の森沢恭子氏(44)、前区議の西本貴子氏(62)、元区議の石田慎吾氏(43)=国民民主党推薦=、元銀行員の山本康行氏(46)の6人。石田慎吾氏以外の5人は10月の選挙にも立候補した。 再選挙では品川上空を飛ぶ羽田空港の新飛行ルートの是非や、新庁舎建設計画の見直しが争点となった。 投票は4日午前7時~午後8時に区内43カ所で、開票は区立総合体育館でそれぞれ行われる。区選管によると、12月4日現在の選挙人名簿登録者数は33万0771人。(細沢礼輝) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「詐欺のニュースは注意しとる」 慌てる女性に郵便局長は覚悟した
太田原奈都乃2022年12月4日 9時45分 息子をかたって現金を要求する「オレオレ詐欺」を見抜いて被害を未然に防いだとして、山口署は2日、山口湯田郵便局(山口市下市町)の大木均局長(51)と局員の小野大地さん(33)に感謝状を贈った。 普段からよく利用する、顔なじみの80代女性だった。11月9日午前11時ごろ、「300万円を現金で引き出したい」と窓口に来た。 県外に住む息子から電話があり「病気で入院中だが携帯も財布もなくした。お金を用意してほしい」と頼まれたという。息子の代理とみられる人が「午後1時には家にお金を受け取りに来る」と慌てた様子だった。 小野さんが「本当の話ですか」と聞いても、「詐欺のニュースは見て注意しとるし、息子の声だったから大丈夫」と繰り返した。 「ご本人に確認してもらえないですか」「なくした携帯には電話しないで、と言われた」。そんなやりとりが15分ほど続いた。 それでも「オレオレ詐欺の手口」と確信していた小野さんは大木局長に相談した。大木局長は数年前にこの手口の詐欺を防いだ経験があり、急いで署に通報した。「『誤報』だったとしても自分がお客様に怒られるだけ」と覚悟の上だった。 約束の午後1時。女性は警察官と自宅で待ったが、誰も現れなかった。そこで初めて詐欺だと分かった女性は驚いた様子だったという。 「詐欺の可能性をいつも頭の片隅に置いておきたい」と話す小野さん。後日、郵便局を訪れた女性から感謝を伝えられた。(太田原奈都乃) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル