久永隆一2022年12月27日 12時41分 保育園などで園児への暴力といった「不適切保育」が相次いだことを受け、厚生労働省は27日、全国の自治体や保育園などを対象にした実態調査を始めた。不適切保育や虐待の把握とともに自治体の対応状況などを調べる。来年2月3日を回答期限としている。 調査の対象は都道府県や市町村のほか、全国の保育所や認定こども園など。2022年度に起きた不適切保育や虐待の件数とその内容、どう対応したかについても確認する。 不適切保育をめぐっては今月5日、静岡県裾野市の認可保育園の保育士だった3人が園児への暴行容疑で逮捕されたほか、全国各地の保育現場で虐待などが相次いで発覚している。 こうした状況を受け、加藤勝信厚労相が実態を調査する考えを示していた。厚労省は「今回の調査を通じて、不適切な保育があった場合、園内外に相談をして早期に改善され、虐待に至るのを防ぐ体制整備につなげたい」としている。 同省の調査研究によると、19年度には全国で345件の不適切保育があった。(久永隆一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
佐渡裕さんも惜しんだ老舗バー「露口」 閉店 突然の別れに思う日常
「二番町の老舗バー『露口』が閉店するらしい」 速報は9月下旬、松山総局長からの部内全員メールで届いた。知人からの情報という。数日前に「老夫婦が経営するいいお店があるんだけど、最近閉まっているんだよね」とうわさを聞いたばかりのバーだった。 9月に赴任したばかりの私は行ったことがなかったが、うろたえる総局長らの様子が伝染して「大ごとが起きたの?」と動揺した。とにかく取材。データベースで調べると、多くの著名人に愛されたことを伝える記事が数多く見つかった。松山の一大社交場だったらしい。 事件取材よろしく関係者の連絡先を調べて当たったが、取材は難航した。そうこうするうち、夫妻と直接面識のあった地元メディアが先んじて「バー露口、閉店」を大きな扱いで報じる。歯がみして追いかけ記事を出そうとしたら、デスクから「常連客のコメントも集めて」とさらなるハードルが課せられた。多方面に声をかけ、電話の前で頭を下げまくって、どうにか記事を仕立てた。 話を聞くうち、店の存在の大… この記事は有料記事です。残り642文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
親から子への宗教虐待 国の初の対応指針、きょう公表へ 加藤厚労相
中村靖三郎2022年12月27日 13時09分 宗教の信仰を背景とした親から子どもへの虐待をめぐり、加藤勝信厚生労働相は27日の閣議後会見で、児童相談所や市町村が対応する際の指針を同日中に公表する考えを明らかにした。 加藤氏は、国として初となる指針について、「実際に被害に苦しまれた方々のご意見も踏まえながら、宗教の信仰などを背景とする児童虐待事例や、児童相談所や市区町村が相談対応に当たる際の留意点などを盛り込んだ」と説明。 同省は今後、SNSも活用しながら、内容の周知もはかる方針。 加藤氏は「子ども自身や近隣住民、学校などから相談があった場合には(児相や自治体が)適切・迅速に対応していただく必要がある」と強調し、広く住民に対しても「児童虐待が疑われる事案を把握された場合は市町村、児童相談所、児童相談所虐待対応ダイヤル『189(いちはやく)』までご連絡を頂きたい」と呼びかけた。(中村靖三郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「いいね」のために生きてきた ウソまみれの投稿、手放して得た自由
1日に19時間接続し、スマホ片手に眠る。 呼吸をするようにずっとさわっている。 次々と流れてくるインスタやツイッター、ティックトックの情報に反応していく。 みんなの話題をチェックできているか。「いいね」をするのが遅れていないか。 「正直、疲れているんですよね」 関西に住む高校3年生の女性はつぶやく。 学年、部活や係、小中学校の友達、趣味、勉強仲間……。 「一覧」と呼ぶ、40近いSNSアカウントを持つ。 グループごとに、キャラや言葉遣いを分け、仲間外れにならないよう気を配る。 ほかにもアイドルの「推し活」、将来のための投資の勉強、友人と互いの位置情報を共有するSNSもやっている。 情報量に追いつかないし、抜けることもできない。 「本音を言うと、スマホがない時代に生きたかった」 時間あたりの効率を重視するタイパ(タイムパフォーマンス)社会。「時間に追われている」と感じている人が増えています。1日24時間を何にあてるのか。存在感を増しているのがスマートフォンです。 千葉県松戸市のエッセイスト、忍足(おしだり)みかんさん(28)も大学生だったとき、スマホを自分の体の一部、心臓のように感じていた。 遊園地に行っても、食べたアイス、乗った観覧車やメリーゴーラウンド、片っ端からSNSに投稿した。 「みかんって本当にスマホ依存だよね?」 友人から指摘されても、やめられなかった。 「いいね」が少ないとイライラし、投稿はウソにまみれていった。 カフェでひとりなのに、2人分を頼んで「友達とお茶」。恋人はいないのに、彼氏とのデートを装って自撮りした。 洋服店の試着室で、買わない服を次々と身につけて投稿をした。 「万引きと同じだろ」 「いいね欲しがりのクソ女」 批判するコメントが殺到して炎上した。 「何が何でも更新する。まわりの迷惑は考えない。善悪すら危うくなっていました」 運命の十字路 ながらスマホの先に ある朝。目が覚めると、首と肩に激痛が走った。 整骨院で、うつむいた姿勢でスマホを長時間眺め続けることで発症する「スマホ首」だといわれた。 文字がぼやける。視力も低下し始めていた。 友人とご飯を食べた帰り道。スマホを操作しながら、十字路にさしかかった。 キキィー。タイヤが道路に擦れる大きな音がして顔を上げた。 右側から軽ワゴン車が迫っていた。 「ああ、死ぬ」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ガーシー氏に事情聴取要請 警視庁、「暴露」で著名人からの告訴受け
2022年12月27日 9時01分 NHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員(51)から動画投稿サイトで中傷や脅迫を受けたなどとして、複数の著名人が提出した告訴状を警視庁が受理していたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁はこれを受け、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイに滞在するガーシー氏に対し、任意の事情聴取を要請した。 ガーシー氏は「暴露系ユーチューバー」として活動し、芸能界などの「裏話」を動画サイトに発信。捜査関係者によると、これらの内容が脅迫や名誉毀損(きそん)容疑に当たるとして著名人らから告訴状が提出され、受理した警視庁が投稿された動画内容の精査や関係者からの事情聴取などを進めている。同庁は事実関係を確認するために本人からの事情聴取が必要と判断し、今月24日に弁護士を通して協力を求めたという。 ガーシー氏は7月の参院選で初当選したが「帰国すれば逮捕される」などと主張してUAEにとどまり、今月10日まで開会していた臨時国会に一度も登院しなかった。このため参院議院運営委員会は、ガーシー氏に登院しない理由を問う文書をN党側に渡していた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新小学校名は「打吹至誠」、来年1月にも議会で議決 鳥取県倉吉市
来年4月に開校が迫る中、住民の直接請求を受けていったん白紙に戻った鳥取県倉吉市の新小学校の校名。地区や保護者代表らで構成する統合準備委員会は26日夜、一度決まった「至誠(しせい)」と地元の山に由来する「打吹(うつぶき)」を合わせた「打吹至誠」とすることを決めた。来年1月にも臨時市議会が招集され、校名を打吹至誠小学校とするか否かが決まる。 この日の市役所であった準備委には17人の委員が出席した。「打吹」と「至誠」を推す委員がいて折り合わず、委員の一人が「打吹至誠」を提案した。 「どちらに決めてもしこりが残る。両方の意見を大事にした案」などと賛成の声が上がり、「打吹至誠」とすることでまとまった。 準備委は公開で行われた。傍… この記事は有料記事です。残り371文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2022、2023…共通の性質は? 中学受験時事問題、傾向と対策
首都圏ではまもなく、中学入試が本番を迎えます。毎年、多くの学校で出題されるのが、世の中の出来事を踏まえた時事問題。今年の時事問題の傾向と対策について、各教科の塾講師に聞きました。(野田枝里子、石川瀬里) 投票率・物価高…「自分ごととして」 「勉強は机上だけでするものではありません。世の中への興味、関心と、学習した内容とを結びつけて理解し、考えたことを自分の言葉で表現することが大切です」。そう話すのは栄光ゼミナール中学入試社会科責任者の白井崇史さんだ。 例えば7月にあった参院選。投票率を表すグラフを示し、若者の投票率が低いことで生じる問題点を答えさせる問題が考えられるという。「数字を丸暗記するだけではなく、その数字が意味するところを考えることが求められます」 コロナについては、全国旅行… この記事は有料記事です。残り2549文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
窮地のヒーローへ付箋6枚のメッセージ 50年前の縁が背中を押した
茨城県のご当地ヒーローとして2007年から活動している「時空戦士イバライガー」。 納豆やメロンといった「茨城っぽさ」をあえて表に出さず、かっこいいビジュアルやアクションが人気だ。 有償のショーだけでなく、ボランティアで地域パトロールをしたり、防犯教室を開いたり。 クリスマスには児童養護施設でプレゼントを配るなどし、年250日活動したこともあった。 知名度も人気も高まり、20社を超えるスポンサーがついていた2020年2月、コロナ禍に見舞われた。 続々とショーがキャンセルになり、3月以降は完全にストップ。 主な活動資金源だった興行収入や、会場でのグッズ販売が突然ゼロになった。 コロナ禍の約2年半、スポンサー各社は契約を継続してくれていたが、今年9月にメインスポンサーが撤退。 いよいよ活動が厳しくなり、運営団体の茨城元気計画(つくば市)は「イバライガー支援プロジェクト」を立ち上げた。 街頭に立って募金活動をし、グッズ購入や返礼品がもらえる寄付を呼びかけた。 開始から約2カ月後の11月上旬、代表の卯都木睦(うつぎあつし)さん(55)のもとに一通の封筒が届いた。 中には付箋(ふせん)6枚が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
城主の高山右近が呼び寄せたかも? 高槻に関西将棋会館が移転する謎
将棋の藤井聡太竜王(20)も対局する西日本の拠点、関西将棋会館が2024年秋、大阪市福島区から大阪府高槻市に移転する。大阪と京都の中間に位置する人口約35万人のベッドタウンになぜ決まったのか。 5年前の12月。高槻市の和食店の個室で、プロ棋士の浦野真彦八段(58)は、浜田剛史市長(58)と将棋盤を挟んで向かい合っていた。飛車と角を抜く「二枚落ち」で対局し、敗れた。浦野八段が将棋を教えている元市職員から、「市長も将棋好き。会ってみませんか」と誘われたのが、きっかけだった。 この年、市出身の古森悠太五段(27)がプロ入りした。これを機に市は翌18年、将棋を通じて文化振興を図ろうと自治体として初めて、日本将棋連盟と包括連携協定を結んだ。 その後、東京都渋谷区の将棋会館が老朽化で移転することが明らかになった。浜田市長は「関西将棋会館の移転話は進んでいるのだろうか。ダメ元で誘致できないか」。関西将棋会館は1981年に完成し、鉄筋コンクリート造り5階建て。老朽化が課題だった。 市は数カ所の市有地から誘致… この記事は有料記事です。残り1264文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪モデル「赤信号」、行動制限求めず 疾患ない若者らは自己検査を
新型コロナウイルスに対応する病床使用率が50%を超えたことを受け、大阪府は26日、府の独自基準「大阪モデル」で非常事態を示す「赤信号」を点灯させた。点灯は9月13日以来、約3カ月半ぶり。インフルエンザの流行が始まっている地域もあることから、発熱外来の逼迫(ひっぱく)が予想されるとして、府は検査キットや解熱剤の備蓄を呼びかけている。 府内の病床使用率は23日以降、4日連続で50%を超えた。26日の発表では55・1%。軽症中等症病床の使用率に限ると60・2%まで上昇した。 一方、重症病床の使用率は9・7%にとどまる。吉村洋文知事は「ウイルスの特徴が大きく変わり、肺炎はほとんどない。ワクチンや治療薬も広がっている」として、外出自粛などの行動制限は求めないとした。 そんな中、府が呼びかけるのは、検査キットを活用した自己検査だ。 自己検査を推奨しているのは、基礎疾患などがない64歳以下。一方、65歳以上▽基礎疾患がある人▽妊娠中の人▽症状の重い人には、これまで通り医療機関の受診を求めている。 警戒しているのは、インフルエンザとの同時流行による発熱外来の逼迫(ひっぱく)だ。大阪健康安全基盤研究所によると、インフルの報告数も増えており、特に大阪市北部と堺市は、2週連続で流行期入りの目安を超えた。 府は、同時流行すれば府内で1日最大4・7万人が受診を希望すると想定。しかし発熱外来は、医師会などと協力して臨時に増設しているものの、府内で約3千カ所(日・祝は約300カ所)。府幹部は「対応しきれない」と打ち明ける。 そこで重症化リスクの低い人… この記事は有料記事です。残り624文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル