5カ月あまりの鑑定留置を終えて大阪拘置所から奈良県警奈良西署に移送された山上徹也容疑者(42)=殺人容疑で送検=は鑑定留置の期間中、鑑定医から事件当時の精神状態のほか、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が与えた心理面への影響についても聞かれていたという。これに対して、「同じような質問が繰り返されてうんざりしている」と話していたことが、関係者への取材でわかった。 関係者によると、10月には拘置所職員に侮辱的な発言をしたとして、11月に懲罰を受けたという。山上容疑者が職員の言動に腹を立てたことが理由とみられる。鑑定留置を終えた後も、弁護人や限られた親族としか会えない「接見禁止」が続いている。 山上容疑者の弁護人によると、鑑定留置中は週1回の頻度で鑑定医と面談していたが、昨年11月29日とされていた当初の鑑定留置の期限が延長されて以降は、週2回ほどに増えていた。健康状態には問題がないという。 拘置所に手紙や差し入れ続々…懲罰も 親族らによると、山上容疑者はもともと学習意欲が高く、宅地建物取引主任者(現・宅地建物取引士)や、2級ファイナンシャルプランナーなどの資格を持っていた。ある親族は英検1級対策の問題集を差し入れた。歴史の本を求めて読んでもいたという。 山上容疑者宛てに連日のよう… この記事は有料記事です。残り572文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ対策の雇調金を詐取容疑、社労士ら逮捕 3千万円不正受給か
高嶋将之 山口啓太2023年1月10日 17時47分 新型コロナウイルス対策の国の雇用調整助成金をだまし取ったとして、警視庁は10日、社会保険労務士の女(52)=東京都品川区=と中古車販売会社代表の男(48)=埼玉県吉川市=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。同庁は2人の認否を明らかにしていない。 捜査2課によると、2人は共謀して2021年3月と6月、男が経営する会社がコロナの影響で休業したことに伴い、従業員の男性2人に計6カ月分の休業手当を支払ったとする虚偽の内容を東京労働局に申請。雇調金計約400万円を詐取した疑いがある。同課は、同社が実際には休業していない上に申請の名義に使われた2人とは雇用関係になかったとみている。女は社労士として申請を代行する立場だったという。 男については同年10月にも、同様の申請で助成金計約180万円を詐取した疑いも持たれているという。 同課は、女が20~21年に男の会社以外にも約10の事業主の雇調金の申請を代行して国に計約3千万円を不当に支給させ、報酬として数百万円を受け取った可能性があるとみて調べている。 このほかにも女が代行した約100の事業者から計約4億7千万円分の申請が出されており、いずれも労働局側が不審に思い支払いを留保しているという。(高嶋将之 山口啓太) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宮台さん事件、DNA型採取か 捨てたとみられるペットボトルから
2023年1月11日 5時00分 東京都立大教授で社会学者の宮台真司さん(63)が昨年11月に切りつけられて重傷を負った事件で、容疑者の男が事件前に捨てたとみられるペットボトルを警視庁が回収し、DNA型を採取していたことがわかった。データベース上で一致する人物はいなかったといい、警視庁は引き続き男の行方を追っている。 捜査関係者によると、同庁が事件前後の男の足取りを追うために確認した防犯カメラの映像に、事件前に男がゴミ箱にペットボトルを捨てる様子が映っていたという。 同庁はこの映像をもとに、男が捨てたとみられるペットボトルを見つけて回収。飲み口付近からDNA型を採取して鑑定したが、データベースに登録されている人物で一致する者はいなかったという。ただ、今後事件への関与が疑われる人物が浮上した際に、容疑者を特定する有力な手がかりになる。 事件は昨年11月29日午後4時17分ごろに発生。宮台さんは顔や足などを複数回切りつけられたほか、身を守ろうとして両腕にも多数の傷ができるなどの重傷を負った。 宮台さんを襲ったとされる男は事件後、現場から北に向かった後に自転車で南西方面に逃走したことが判明している。同庁は防犯カメラに映った男の画像を公開し、情報提供を呼びかけている。男は身長180~190センチ。情報は南大沢署(042・653・0110)へ。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
極寒のワカサギ釣り解禁、真っ白な湖上にテント並ぶ 北海道朱鞠内湖
奈良山雅俊2023年1月10日 18時00分 北海道内でも屈指の「極寒の地」で知られる幌加内(ほろかない)町の朱鞠内(しゅまりない)湖で10日、今冬のワカサギ釣りが解禁となり、30張りほどのテントが真っ白な湖上に並んだ。 氷の厚さは50~60センチと例年並み。日の出は午前7時過ぎだが、釣果が高い夜明け前を狙って、ゲートが開く午前6時前から車が並んだ。湖上は広く釣る場所は自由に選べるものの、場所によって釣果に大きな差が出るため、場所探しも真剣だ。 この朝は快晴で気温が下がり、午前8時で零下22度。釣り上げたワカサギもすぐに凍る寒さの中、旭川市の男子大学生3人組はテントの中で天ぷらを揚げながら体と胃袋を温めていた。 期間は氷の状態によるが、最長で4月10日まで。遊漁料は大人1100円、小中学生550円。テントや携帯ストーブなど用具の貸し出しもある。問い合わせは漁協管理棟(0165・38・2470)へ。(奈良山雅俊) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
資本主義から降ろされていく人々 時代は「だめ連」に追いついた
有料記事 聞き手・田中聡子2023年1月10日 18時00分 生きるために普通に働き、生きるために消費する。当たり前と思っていたそんな生き方をボイコットしたのが、1990年代に注目された「だめ連」でした。立ち上げメンバーで現在も活動を続ける神長恒一さんは、「今こそだめ連が必要」と話します。 社会に適応「つまらない」 1990年代に「普通に働かない、消費しない」「『ハク』や『うだつ』にとらわれない」など、オルタナティブな生き方を模索する活動「だめ連」を仲間と始めました。30年ほど経ちましたが、今こそこの活動が必要だと感じています。 俺も初めは、「普通」に生きていました。大学を出て、就職して、デパートで服を売って。でも、社会に適応する生き方を「つまんないな」と感じたんです。朝礼で「購買意欲を上げて、一枚でも多く売ろう」という部長の言葉に、「服なんてみんな持ってるのに、あおって売るのか」と仕事そのものにも疑問を抱いた。10カ月で辞めました。 その時、「納得できない社会のルールに従わずに自由に生きていこう」と決めました。もっと豊かな人生や世界があるはずだ、と。同じように面白い生き方を探す仲間が集まり、だめ連はスタートしました。 当時は資本主義が今よりも盛り上がっていて、疑いなく乗っかって生きる人がほとんどだった。 従属する人も見捨てられた ところがこの30年で、格差… この記事は有料記事です。残り765文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「トイレットペーパーない」それも110番? 警視庁「適正利用を」
遠藤美波 岩田恵実2023年1月10日 18時17分 「110番の日」の10日、東京都内各署で110番通報の適正な利用を呼びかけるイベントがあった。 新宿署では、お笑いコンビ「鬼越(おにごえ)トマホーク」の坂井良多さん(37)と金ちゃん(37)が一日署長に就任した。「店内に入ってきたカラスを追い出すのを手伝って」「牛丼屋のトイレにいるがトイレットペーパーがない」といった、実際に署が扱った110番通報を紹介。「事件や事故がこういう通報に埋もれてしまうと困る」と呼びかけた。 同署では、昨年1年間に110番通報が5万4千件以上あり、うち3割が警察官を呼ぶ必要のないものだったという。 調布署は、空手家の目代(もくだい)結菜さん(20)を一日署長に迎え、京王線調布駅前でイベントを開催。目代さんは「悩みごとは警察相談ダイヤル『#9110』の利用を」と訴える一方、「事件や事故の際には迷わず110番通報してほしい」と話し、その際は時間や住所、犯人の特徴や逃走方向などを焦らずに伝えることが重要、と強調した。(遠藤美波 岩田恵実) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
スノボ中の2人が不明、沢を滑走か 周辺は「雪崩の巣」の指摘 長野
高億翔2023年1月10日 20時45分 北アルプスの八方尾根(長野県白馬村)で、スキー場外の管理されていない自然の山中を滑る「バックカントリー」のスノーボードに訪れた男性2人が8日から行方不明になっている。県警は10日も地上から捜索を続けたものの、悪天候で中断した。気象が回復する11日にも、県警ヘリによる上空からの捜索に切り替える。 行方不明になっているのは東京都世田谷区の会社員男性(31)と長野県松川村の会社員男性(34)。2人は、八方尾根のスキー場リフトの終点に近い八方池山荘(1830メートル)から周辺の沢のバックカントリーを滑る予定との登山届を8日に出していた。 一方で、2人が同山荘からさらに稜線(りょうせん)を登った所にある唐松岳頂上山荘方向(2620メートル)に向かった姿も目撃されている。2人がどこを滑ったのかわからない状況で県警は10日、稜線北側の唐松沢と南側の崩沢方向に分かれて計7人で捜索したが、悪天候で午後1時過ぎには中断。上空からの捜索もできなかった。 唐松岳周辺は人気スポット、警察「リスクがたくさんある」 唐松岳や、頂上山荘付近から入れる「唐松沢」の周辺は、上質な雪を求めるバックカントリーのボーダーやスキーヤーにとって人気のスポットだ。ネット上や登山アプリにはいくつもバックカントリーについての記事が投稿されている。 だが、バックカントリーには「相当な技量が必要で、リスクが生じる」と、県警山岳安全対策課の櫛引知弘管理官は警鐘を鳴らす。実際の唐松沢は「雪崩の巣」だという。スキー場のように管理されていない山中では「滑っている後ろから雪崩が追いかけてくることもある」といい、「天候や技量にもよるが、普通のスキーと比べてリスクがたくさんある。それなりの経験が無い人はやるべきではない」と話した。 悪天候に阻まれ、捜索を進展させる手がかりはまだ得られていない。櫛引管理官は「10日は強風でスキー場のリフトも止まるほど。11日にはヘリで(雪崩跡を確認するなど)捜索範囲を絞り、遭難の全容をつかみたい」と話した。(高億翔) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
三重・明野駐屯地に輸送機オスプレイが初飛来へ 23~24日まで
2023年1月10日 21時30分 陸上自衛隊明野駐屯地(三重県伊勢市)へ23日、陸自が配備を進めている輸送機V22オスプレイが初めて飛来する。市が10日発表した。東海防衛支局によると24日まで。東海3県では、米軍のオスプレイが飛来したことはあったが、陸自のオスプレイが来るのは初めてという。 市と東海防衛支局によると、木更津駐屯地(千葉県)に暫定配備中のオスプレイは、各地の駐屯地や演習場を利用して飛行区域を拡大させており、明野駐屯地へも訓練の一環で飛来する。今後も年間数回の飛来が予定されているという。 オスプレイをめぐっては2019年12月、陸自と共同訓練を実施した米軍が、同駐屯地で離着陸を繰り返したことがある。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
区職員の前での暴行「いざこざと認識していた」 堺市中区長ら会見
2023年1月10日 22時57分 堺市中区の自宅で昨年11月に遺体で見つかった男性が生前、区役所内や区職員の面前で隣人の男から暴行を受けていたとされる事件で、市が10日、記者会見を開いた。西川明尚区長は「疑問の残る対応が一部あった」と述べ、組織的な判断が不十分だったという見解を示した。 大阪府警によると、男性は無職の唐田健也(たつや)さん(当時63)。隣人の楠本大樹容疑者(32)は昨年10月15日~11月中旬、区役所の相談室や自宅マンションの通路などで計11回、唐田さんの肩や脇腹付近を殴るなどした疑いがあり、今月4日に暴行容疑で逮捕された。楠本容疑者は「じゃれ合う程度だ」と容疑を否認しているという。 区役所内の2回を含め、堺市内の携帯電話会社の店内など計5回の暴行現場に職員が居合わせていた。楠本容疑者は、府警に「(唐田さんから)金の管理を任されていた」と説明。関係者によると、2人は生活保護を受給していたという。 市は、区役所内や区職員の面前で行われたとされる暴行行為について「いざこざの範囲と認識していた」と説明。西川区長は「担当職員は当初、暴行事案とは認識しておらず、記録も残さなかった。上司や警察に相談する必要性を検討すべきだった」とし、ケースワーカーら個人ではなく「組織として判断するようにしたい」と話した。 楠本容疑者は、唐田さんの遺体が見つかった直後の昨年11月21日午後、区役所の相談室で唐田さんの弟(62)を呼び出し、現金約11万7千円を脅し取った恐喝容疑でも12月に逮捕されている。この際も職員が同席していた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
迷いクジラ「淀ちゃん」なぜ大阪湾に えさ少ない浅瀬にとどまる理由
【動画】大阪湾・淀川河口付近で発見されて2日目。回遊を続けるクジラ=ABCテレビ撮影 大阪市の淀川河口に体長8メートルほどのクジラが入り込んでから、10日夕で30時間余り。ネット上では「淀ちゃん」の名前で呼び、安否を気遣う声が募る。えさが少ないはずの浅瀬にとどまって、大丈夫なのだろうか? 専門家に聞いた。 大阪湾の生態系に精通する市立自然史博物館の外来研究員・鍋島靖信さん(69)。今回見つかったクジラについて、鼻や背びれの位置、皮膚の特徴から「マッコウクジラではないか」と言う。 海流に流されてきた? マッコウクジラは北極から南極まで広域に生息し、成長するとオスの場合、体長16メートルほどになる。200メートル以上の深さまで潜り、ダイオウイカを主食とする。 大阪湾のイカは小さく、魚は動きが速いため、鍋島さんは「えさを追いかけて迷い込んだとは考えにくい」と話す。「何らかの理由で弱って泳ぐ力が落ち、海流に流されてきた」というのが見立てだ。 鍋島さんによると、1970年ごろから四十数年の間に、大阪湾で生きたクジラが見つかったのは数頭。ふだんは外洋にいるクジラが湾内に入り込むことは珍しいという。 14年前、和歌山では自力で 2009年5月には、和歌山県田辺市の内ノ浦湾に体長約16メートルのマッコウクジラが入り込み、20日後に自力で泳いで太平洋に姿を消したこともあった。 「外海は波が高いことから体力を消耗する」と鍋島さん。今回のクジラが同じような場所にとどまっている理由について、「波の低い浅瀬で体を休めているのでは」と推測する。 えさがなくても、クジラは体に蓄えた脂肪を使って約1カ月は生き延びることができるという。 鍋島さんは「1週間くらい見ないと、呼吸の様子などの変化がわからない。回復すれば自力で出て行く可能性もある。人為的に湾から追い出さず、いまは様子を見るべきだ」と話した。(高井里佳子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル