2023年1月27日 17時33分 実在しない「国立支援機構」をかたる電話を信じ、大阪府内に住む80代の無職女性が現金計約1980万円をだまし取られたと大阪府警が27日、発表した。女性は、口座残高が底をつくまで計31回にわたって現金を引き出し、自宅近くの路上で待ち合わせたスーツ姿の男に、繰り返し現金を手渡していたという。 特殊詐欺捜査課によると、昨年9月下旬ごろ、女性宅に架空の「国立支援機構」を名乗る男の声で、「NPO法人の男があなたの名義で1980万円の買い物をしたので、585万円を支払ってほしい」と電話があった。 その後、この「買い物をした男」が犯罪に関与したとして、金融庁をかたる人物らから「保釈金が1千万円に決まったので払ってほしい」「罰金500万円に決まった」などと言われ、女性は何度も口座から出金。電話は11月まで続いたという。電話が途絶えたことを不審に思った女性が今年1月に金融庁に相談し、特殊詐欺被害に気づいたという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
無断外出で自死…「病院の説明違反」否定 最高裁で遺族が逆転敗訴
根岸拓朗2023年1月27日 17時42分 統合失調症の治療で香川県立丸亀病院(丸亀市)に入院中に自死した男性(当時38)の遺族が、病院を運営する県に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第二小法廷(三浦守裁判長)は27日、自死の危険性に関する説明を怠ったとして県に賠償を命じた二審・高松高裁判決を破棄し、請求を棄却する判決を言い渡した。遺族の逆転敗訴が確定した。 1997年から丸亀病院への入院を繰り返していた男性は、7回目の入院中だった2010年、病院から無断で外出して近くの建物から飛び降りた。 遺族が「病院が自死を防ぐ義務を怠った」と提訴したが、高松地裁は請求を棄却。二審の高松高裁は、自死は予見できなかったとして、防止についての病院の責任は認めなかったが、「病院が無断外出の危険性について説明義務を果たさなかったことで、男性が他の病院と比べて入院先を選ぶ『自己決定権』が侵害された」と判断。県に110万円の賠償を命じた。 しかし、第二小法廷は、無断外出による自死の危険性がこの病院で特に高かったわけではない、と指摘。「男性が、無断外出の防止策の内容で病院を選ぼうという意向があったとはうかがわれない」として、県に説明義務違反はなかったと結論づけた。(根岸拓朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鉄刀に象眼文字で干支の「甲子年」 紀元604年制作か 熊本で発見
古墳時代の横穴墓群があった熊本市中心部で出土した鉄刀に、紀元604年の干支(えと)とみられる「甲子(きのえね)年」の象眼文字が見つかった。銘文を刻む古墳出土の剣や刀は全国で10例に満たず、古代国家の成り立ちや社会構造、地方支配の実態を解明する資料となる。 熊本市と熊本大学が27日に発表した。鉄刀は昨年、熊本城内のNHK跡地を調査した際に見つかった。 全長約55センチでさびに覆われ、X線CTスキャンで透視すると「甲子年五」を含む6文字が浮かんだ。続く2文字は不鮮明だが「月」「中」とみられ、製作時期らしい。鉄刀の形状などから、「甲子年」は604年である可能性が高いという。表面を彫って金属を埋め込む象眼技法で、材質は今後調べる。 604年は飛鳥時代が幕開けした推古朝のころ。奈良・飛鳥地方に都が置かれ、国家の確立に向けて大和政権は全国支配を進めつつあった。熊本市は中央政府から地元の有力豪族に贈られた鉄刀とみている。 記事後半では、今回の発見について編集委員が読み解きます。 象眼銘入りの刀剣は「日本書… この記事は有料記事です。残り878文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
横須賀の石炭火力発電所建設、環境アセスめぐる訴訟で住民ら敗訴
村上友里2023年1月27日 14時05分 神奈川県横須賀市で計画中の石炭火力発電所の建設計画をめぐり、簡略化した環境影響評価(アセスメント)の手続きに基づいて国が計画を認める通知を出したのは違法だとして、周辺の住民らが通知の取り消しを求めた訴訟の判決が27日、東京地裁(品田幸男裁判長)であった。判決は原告の訴えを退けた。 事業者は、東京電力フュエル&パワーと中部電力が出資する「JERA(ジェラ)」。 訴状によると、予定地には元々石油などを燃料とする火力発電所があった。2017年にはすべてが廃止されたが、JERAは石炭火力発電所2基(出力計130万キロワット)の新設を計画し、23年度以降の稼働を目指している。 周辺住民ら「環境配慮されてない」 環境アセス法で、一定規模以上の火力発電所の新設には環境アセスが必要だが、既存の発電所をリプレース(更新)し、温室効果ガスや大気汚染物質の排出量が減る場合などは、調査の簡略化が認められている。 今回の計画にあたって、JERAは18年、簡略化した環境アセスの結果を国に提出。国は同年、計画を認める通知を出した。 訴状で原告側は、14年以降は既存の発電所が停止していることから「設備更新ではない」と指摘。簡略化した環境アセスではPM2・5(微小粒子状物質)などの大気汚染物質や二酸化炭素の排出が検討されておらず、「環境保全に適正な配慮がされていない」として、計画を認めた国の通知は違法だと主張していた。 大阪地裁は国の審査「適法」 一方、国側は原告らについて、「健康や生活環境に著しい被害を直接的に受けるおそれはない」として、そもそも訴えを起こす資格がないと主張。環境アセスそのものも適切で「瑕疵(かし)はない」と反論していた。 石炭火力発電所の建設をめぐっては、神戸製鋼所が神戸市で進める石炭火力発電所の増設について、大阪地裁が21年、計画を認めた国の審査を適法として、取り消しを求めた原告の訴えを退けた。大阪高裁も22年に支持し、原告側が上告している。(村上友里) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京都立大、授業料無償化を拡大へ 世帯年収910万円未満が対象に
笠原真2023年1月27日 14時07分 東京都立大(八王子市)の授業料無償化の対象者が、2024年度から拡大されることが明らかになった。都が27日、23年度予算案に関連経費を計上すると発表した。 都によると、授業料無償化の対象を、今の「世帯年収478万円未満」から「同910万円未満」に広げる。都立の高等専門学校についても同様とする。都は、23年度予算案に総額約1兆6千億円を計上する少子化対策の一環と位置づけている。 大学授業料については、国が、世帯年収270万円未満の学生には全額を、同380万円未満の学生には3分の1をそれぞれ助成するなどして負担を軽減している。都は、都立大生については独自に助成を上乗せし、同478万円未満の学生まで無償化していた。都立大は学生数約7千人で、授業料は年約52万円。 また高専については、4年生以上は同350万円未満の学生を無償化の対象としており、24年度から同910万円未満に引き上げる。1~3年生はすでに同910万円未満の学生が無償化されている。 23年度予算案に計上する関連経費は2千万円。都は、この事業を含む総額8兆410億円の23年度一般会計当初予算案を2月の定例都議会に提出する。(笠原真) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
岡口判事に44万円賠償命令 殺人事件遺族に「侮辱表現」 東京地裁
千葉雄高2023年1月27日 14時39分 東京都江戸川区の女子高校生が殺害された事件をめぐり、岡口基一・仙台高裁判事=職務停止、弾劾(だんがい)裁判中=からネット上の投稿で侮辱されたとして、遺族の両親が岡口氏に計165万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁(清野正彦裁判長)であった。判決は、投稿の一つについて「事実に反し、遺族の人格を否定する侮辱的表現」と認め、岡口氏に計44万円の支払いを命じた。 現職の裁判官が賠償を命じられるのは極めて異例だ。岡口氏はこれらの投稿で遺族を傷つけたなどとして訴追され、裁判官を辞めさせるかを決める弾劾裁判が続いている。 慰謝料算定で裁判官の立場考慮 原告は娘(当時17)を亡くした両親。岡口氏は2017年、事件の判決を載せた裁判所のサイトにリンクを貼る形で「首を絞められて苦しむ女性に性的興奮を覚える男に無残にも殺されてしまった」と投稿した。両親が抗議すると、18年に「単に因縁をつけているだけ」、19年には「俺を非難するように洗脳されている」などと書き込んだ。 判決は、「洗脳」という投稿は、遺族の名誉を傷つける表現と認定した。慰謝料の算定にあたっては、内容の悪質性や、被害者の命日に投稿されたことに加え、「被告は裁判官として、司法や裁判所に関する投稿では、一般のSNS利用者と一線を画する影響力を有していた」と述べ、裁判官という立場も考慮した。 「不法行為」基準は一般人と同様 17年の投稿については、「原告らの心情を深く傷つけた軽率なもので、現職裁判官に課せられた義務に反した不適切な行為」と非難しつつ、「不法行為となるかは、一般国民と同じ基準で判断される」と判示。裁判例を紹介する投稿も表現の自由の保障を受けることや、投稿された文章の一部は、判決文でもほぼ同じ文章が使われていたことから、「不法行為とまでは言えない」と判断した。 18年の投稿は、原告に対するものとは認められない、とした。(千葉雄高) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Activists continue the fight over Tokyo’s historic Jingu Stadium demolition
Activists seeking to preserve two historic sports venues and an iconic tree-lined avenue are locked in a battle with the Tokyo government over the redevelopment of one of the central Tokyo’s greenest neighborhoods. Tokyo is now in the final stages of initiating a plan to demolish and replace Jingu Stadium, […]
Activists continue the fight over historic Jingu Stadium demolition
Activists seeking to preserve two historic sports venues and an iconic tree-lined avenue are locked in a battle with the Tokyo government over the redevelopment of one of the city’s greenest neighborhoods. Tokyo is now in the final stages of initiating a plan to demolish and replace Jingu Stadium, the […]
ホームもレールもないのに「駅そば」 ファンが守った懐かしの味
カウンターに食券を出すと、30秒もしないうちに温かいかけそばが出てくる。しょうゆの香りが立つ甘辛いつゆに、柔らかめのそばがよく合う。 そばをすすり、つゆを飲み干す。外に出て振り返ると、入り口の上には「とうてつ駅そば」の看板。でも、ここにはホームやレールはなく、待てども列車はやってこない。 店があるのは青森県十和田市の中心部。駅ではなく、「十和田市中央バス停」の前。同じ建物には、十和田観光電鉄の本社が入る。同社の愛称が「とうてつ」だ。 同社は1922年に鉄道路線を開業。十和田市駅と東北線の三沢駅の約15キロを結んだ。そして、発着点となる両駅に開いたのが「とうてつ駅そば」だった。 改札を出たところに店を構え、列車を使う通勤客や学生を朝夕に漂うつゆの香りで誘い、凍える冬には湯気で出迎えた。 通勤で鉄道を使っていたという70代の男性は「いつでもそこにある、当たり前の存在だった」と話す。 ところが、鉄道は三沢駅が東北新幹線のルートから外れたことなどで利用者が減り、2012年に廃線になる。 駅そばはその後、バスの待合… この記事は有料記事です。残り973文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
有害物質シアンを東京湾に流出させた疑い 海保が日本製鉄を家宅捜索
宮坂奈津 藤谷和広2023年1月27日 11時30分 日本製鉄東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)が有害物質シアンなどを東京湾に流出させた疑いがあるとして、千葉海上保安部は26日までに、同製鉄所君津地区や東京都千代田区の本社を水質汚濁防止法違反(排出水の排出の制限)の疑いで家宅捜索した。 千葉海保によると24~26日、捜索先から関連書類などを押収し、関係者に任意で事情を聴いたという。シアンは同法に基づく環境基準で、1リットルあたり0・1ミリグラム未満の「不検出」が義務づけられている。 日鉄本社の広報センターは「強制捜査を受けたことについて非常に重く受け止め全面的に協力する」とコメントした。 一方、県は26日、同社が県に提出した報告書の妥当性を検討する第1回有識者会議(座長=川本克也・岡山大名誉教授)を千葉市内で開いた。議事は非公開。委員は排水処理や化学物質、生態への影響に詳しい研究者4人と、企業コンプライアンスや組織マネジメントに詳しい弁護士2人の計6人で構成する。県は、会議で寄せられた意見をもとに同社への対応を検討する。 同製鉄所ではシアンを検出しながら県に報告していなかった事例も明らかになっており、吉野美砂子・県環境生活部長は会議の冒頭、「一連の事案はコンプライアンス意識の長期にわたる欠如が招いた結果。厳正に検証を行う必要があると判断した」と述べた。(宮坂奈津 藤谷和広) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル